無理なく自然に遅延なく借金を返済するコツを教えます

借金はしているけれど、債務整理をするほどではなくとりあえず毎月返済している、という方は数多くいらっしゃるかと思います。しかし、あまり深く考えずにただなんとなくで返済をしていくのは非常にもったいない話です。

うまい返し方をすれば、無理なく、自然に借金を効率的に減らしていけるからです。今回は借金返済の際にぜひ実行してもらいたいコツをお教えしますので、参考にして下さい。

借入先が複数がある場合は、金利が高い方から返していく

比べる

まず、借入先が2つ以上ある場合は、必ず金利が高い方を優先的に返していきます。元金の総額ではなく、あくまでも金利を比較するのがポイントです。

例えば、消費者金融から10万円を年利18%で、銀行から50万円を年利6%で借りている場合は、消費者金融の方から優先的に返済していきます。そうした方が、最終的な支払額は少なくなるからです。

具体的に計算していきましょう。例えば、今手元に繰上返済に利用できるお金が10万円があるとします。この手持ちのお金を消費者金融からの借金の返済に充てれば、後は銀行からの借金50万円を年利6%で返していくことになります。仮に毎月5万円ずつ返していく場合、返済総額は51万4234円、総支払利息は1万4234円となります。

一方、手元の10万円を銀行からの借金の返済に当てた場合、消費者金融からの借金10万円と、銀行からの借金40万円が残ります。仮に消費者金融に毎月1万円、銀行に毎月4万円ずつ返していく場合、消費者金融への総支払額は10万9158円、総支払利息は9158円、銀行への総支払額は41万1388円、総支払利息は1万1338円となります。

したがって、両者を合算した総支払利息は9158円+1万1388円=2万546円となります。毎月同じ額を返済していったのに、後者のほうが6000円以上総支払利息が増えています。金利が高い借金を後回しにしてしまったためです。このような事態を招かないためにも、借金は必ず金利が高い方から優先的に返していきましょう。

繰上返済に余裕資金を全額つぎ込まない

頭を抱える

繰上返済を行うと、将来発生する利息をカットできるので、総支払額を大きく減らすことができます。しかし、だからといって余裕資金を全く手元においておかないのは非常に危険です。

普通に暮らしているだけでも、突然の出費に襲われることがあります。例えば急に病気になった場合は医療費がかかりますし、結婚式の予定が入った場合はご祝儀を支払わなければなりません。あるいは、失業してしまったら全く収入がなくなってしまいます。

こうした突然の出費に対応できず、結局カードローンで借りてしまうというのは全くの本末転倒です。万が一の自体に備えて、必ず余裕資金は手元においておきましょう。

手元には生活費3ヶ月分を置いておきたい

問題は手元にいくら余裕資金を置いておくのかということです。手元に余裕資金を過剰においておくと、今度は返済が遅くなってしまい総返済額が増えてしまいます。

健康で急な医療費の発生の可能性が低い場合でも、生活費の3ヶ月分は用意しておきましょう。

これだけあれば万が一借金の返済の途中で失業してしまってもその間失業保険と預貯金で食いつなげます。失業保険の支給期間はまちまちですが、最低でも3ヶ月間は支給されます。さらに原則として解雇通知は失業の1ヶ月前に行うか、もしくは解雇の際に1ヶ月分の給料を渡さなければならないと定められています。

つまり、失業を言い渡されても最低でも4ヶ月の生活は補償されるのです。そこに自分の余裕資金3ヶ月分を足せば、併せて7ヶ月は無事、ということになります。7ヶ月もあれば、新たな就職先を見つけることはそこまで難しくないでしょう。

万が一その期間中に就職先が見つからなかったとしても、パートやアルバイトがありますし、更には公的扶助などのセーフティネットも利用できます。もちろん、それらを利用するのはお世辞にも格好いいとはいえませんが、とりあえず生きてはいけます。

リスクに過剰に備えるのは別のリスクを生む

世の中、何が起こるかわかりませんから、リスクに備えて行動することをは大切です。しかし、あるリスクを過剰に評価し、それに対して備えすぎてしまうのは正しいこととはいえません。それはまた別のリスクを産んででしまうことにもなるからです。

例えば、交通事故では毎年約4000人の人が亡くなっています。しかし、だからといって交通事故を避けるために家から一歩も出ない生活を送ろうとすると、買物にも病院にも仕事にもいけなくなってしまいます。

それと同じで、失業や急な出費に過剰に備えて手元に資金を置きすぎると、借金の支払総額が増えてしまい将来の手元のお金が少なくなってしまうのです。

もちろん、どうしてもリスクが怖いという人は必ずしも3ヶ月という数字に拘る必要はありませんが、それでも6ヶ月程度までに抑えておいたほうがいいでしょう。それ以上に貯めるのは明らかに「備えすぎ」です。

繰上返済は早めに行う

繰り上げ返済できる資金がある時は、早めに行うと高い効果を得られます。例えば、債務が100万円、金利6%、月々の返済額5万円、繰上返済額10万円という条件で考えてみます。

借金返済も終盤、残債が20万円になった段階で繰上返済を行っても、総支払額は1275円しか減りません。しかし、残債が80万円ある時点で繰上返済を行えば、総支払利息は7836円減ります。総支払額を減らしたい場合は、なるべく早めに繰上返済を行いましょう。

返済日は必ず守る

カレンダー

当たり前の話ですが、返済日は必ず守りましょう。そんなこと言われないでもわかっているよ、と思われるかもしれませんが、実際にはこれができない人が少なくありません。

支払い方法は原則口座振替以外は選ばない

借金の返済方法にはATM、ネット返済、口座振替などがありますが、原則として口座振替以外は利用しないようにしましょう。

ATMやネット振込は忘れる可能性があります。遅延損害金を払っても良いことなど何もありませんし、頻繁に遅延を起こすといわゆるブラックリストに掲載されるかもしれません。口座振替ならば何もしないでも自動的にお金が引き落とされていくため、うっかり忘れは起こりえません。

口座振替のデメリットとして反映されるまでに時間がかかる(返済してから数日間は新たな借り入れができない)ということをデメリットに上げているサイトは少なくありませんが、はっきり言って借金の返済中に新たに借り入れようとすること自体が愚かな行為なので、借金が容易に増やせないのはむしろメリットであるといえます。

ただし、中には口座振替には対応していない金融機関もあります。特にネット銀行の場合はその傾向が強いです。普段利用している金融機関が口座振替に対応しているか、必ず確認しておきましょう。

支払日が選べる場合は、給料日直後にする

支払日は金融機関に指定されることもあれば、利用者が決められる場合もあります。利用者が決められる場合、返済日は必ず給料日の直後に設定しましょう。

給料日の直前に設定してしまうと、お金が足りずに返済できないという自体が発生しかねません。返済ができずに別の金融機関から借りてしまっては多重債務者一直線です。

おまとめローンは根本的解決にならないと理解する

借金に悩む男性

おまとめローンとは、複数の債務を一本化することによって返済の負担を減らせる金融商品で、多くの金融機関が取り扱っています。例えば、現時点で金利18%の2つの金融機関から借りている借金を、金利12%の一つの金融機関でまとめれば、金利差の分だけ返済総額は減ります。

ただし、おまとめローンはあくまでも金融商品ですから、借り入れた後は返済していかなければなりません。

おまとめローンの利用にもお金がかかりますし、債務整理のように利息をすべてカットしたり元本を減らしたりできるわけではないため、負担減の効果は小さいです。返済に余裕が無い場合は、おまとめローンではなく債務整理の利用を検討した方がいいでしょう。

小さな節約・手間のかかる節約はしない

コンセントプラグ

借金返済のために節約を頑張るのは良いことですが、節約はやり方を間違えてしまうと労力ばっかりかかってそれに見合っただけのお金が浮かない、ということも十分ありえます。

節約のポイントは、ズバリ大きく節約することです。小さなところを節約する、例えばこまめに部屋の電気を消したところで、浮くお金はせいぜい数十円~数百円程度です。

それよりも、例えばスマホを格安スマホにして毎月の通信代金を数千円節約したほうがよっぽど効率的です。スマホは1回交換してしまえば終わりなので、手間もかかりません。

大きく節約するためには、元々の出費額が大きいところから削っていくのが効果的です。日常の生活費の中で最もウェイトが大きいのはおそらく家賃でしょう。

今住んでいる家が身の丈に合わないほど広すぎたり、対して電車に乗らないのに駅から近かったりする場合は、契約更新をきっかけに引っ越しをしても良いかもしれません。

債務整理は最後の手段としてなるべくとっておく

弁護士事務所

債務整理は借金を合法的に減らしたりなくしたりできる唯一の制度ですが、相応のデメリットもあります。債務整理の中で一番デメリットが少ないのは任意整理ですが、その分借金の圧縮幅も少なくなってしまいます。

逆に借金を帳消しにできる自己破産は、20万円以上の資産が原則として没収されてしまう、官報と呼ばれる国の機関誌に名前が掲載されるなど、デメリットが大きいです。

借金がどうしても返せない時は債務整理を利用するのもいいですが、深く考えずに安易に利用してしまうのはよくありません。(参考:借金の債務整理の種類とそれぞれのメリット・デメリット

それは健全な金銭感覚を育むことにつながらないからです。あくまでも自分が作った借金は自分で返す、という考え方を忘れないようにしましょう。特に、住宅ローンを債務整理すると持ち家を失うことになるため、慎重な検討が絶対に必要です。

まとめ

指差し

  • 借金が複数ある場合は、金利の高いところから返していく
  • 借金返済中でも、3ヶ月分程度の生活費は手元に残しておくべき
  • おまとめローンは金利負担が減るが、対して返済は楽にならない
  • 節約は無理なく、大きなところから行う
  • 債務整理は最終手段

借金返済中は色々と精神的に疲弊することも多いかと思いますが、以上のようなコツを守っていれば、その度合を小さくすることができ、精神を健康に保てます。当記事のルールに従って、落ち着いて借金を返していきましょう。