借金はギャンブルで返せる?各ギャンブルの還元率を見てみよう

借金を返せる見込みがなくなると、いっそのことギャンブルで一発稼いで返してやろうか、と思うかもしれませんね。とくにパチンコ依存症など、ギャンブルにハマったことがある、現在進行系でハマっている人にありがちな考え方です。

確かに、ギャンブルの種類によってはほとんど青天井に資金を増やせますから、大勝ちすれば借金をまとめて返すことも可能かもしれません。

しかし当然ながら、そんなうまい話はありません。それぞれのギャンブルの「還元率」を計算してみると、100%を超えているものは一つとしてないのです。

つまり、やればやるほど負けがかさみ、資金が減っていく、それがギャンブルの本質です。

この記事では各ギャンブルの詳しい還元率、そして借金が返せないときはどうすればいいのかについて解説していきます。

還元率とは?

まず還元率について詳しく解説しておきましょう。

ギャンブルにおける還元率とは、そのギャンブルを1回行った場合に、賭けた金額が何%になって返ってくるかの期待値を表したものです。

たとえば、還元率が70%のパチンコがあったとしましょう。そのパチンコ台を仮に終日打ち続けたとすると、帰りには手持ちの資金が70%に減ってしまっているだろう、というのが還元率の考え方です。

もちろん、毎回この結果になるわけではありません。勝つ日もあれば、もっと負けてしまう日もあるでしょう。実際、そんな経験がある人も多いと思います。

還元率はあくまで期待値です。期待値とはその数字になる可能性が一番高いことを表す指標であり、実際の結果にはバラツキが出るのが当然です。

しかし長い目で見れば、結局は期待値に近い数字に収束します。つまり、1日単位で見れば大勝ちしたり大負けしたりするけれども、1年、5年単位で見ていけば最終的に還元率と同じ収支になる、ということですね。

ですから、ギャンブルで儲けるためには、還元率が100%を超えているものを選ぶ必要があります。これなら収支がプラスになる可能性が高いので、ギャンブルで借金を返せるかもしれません。

ただ残念なことに、還元率が100%を超えているギャンブルは一つとしてありません。これはギャンブルの仕組みを考えれば当然のことなのです。各ギャンブルの還元率を見ていきましょう。

代表的なギャンブルの還元率

ここでは代表的なギャンブルの還元率は記していきます。この世に存在する全てのギャンブルの還元率を調べることはできませんが、少なくとも公的なギャンブルで還元率が100%を超えているものはないでしょう。

宝くじ:50%
toto:50%
競艇:75%
競輪:75%
オートレース:75%
競馬:75%
パチンコ・パチスロ:85%

このように、一番還元率が高いとされるパチンコでも85%、宝くじにいたっては50%しかありません。1万円分の宝くじを買っても、5000円しか返ってこない可能性が高いということです。

しかも、競輪や競馬、オートレースは、得た利益に対する所得税が発生します。ですから、実際の還元率は75%よりさらに低いものになると予想されます。

どうしてギャンブルでは還元率が100%以上にならないのか、その理由については以下で解説していきましょう。

ギャンブルの還元率が100%以上にならないのはどうして?

還元率が100%以上になるということは、ギャンブルの参加者のほうが儲かることを意味します。パチンコで例えると、打てば打つほど勝ち額が大きくなり、逆にパチンコ屋は損することになりますね。

もうおわかりかと思いますが、還元率が100%を超えてしまうとお店側が損をしてしまうのです。お店を運営するためにはお金がかかりますし、従業員へお給料も支払わなければなりません。

それなのに、肝心の商売でどんどん損が出てしまうと、お店が立ち行かなくなってしまいますよね。ですから、還元率が100%を超えるギャンブルは基本的に存在しないのです。

唯一、100%を超える賭けがあるとすれば、それは個人間のギャンブルでしょうか。しかし、このギャンブル形式で借金を一気に返済できるような金額を賭けることはまずないでしょうし、そんな場もなかなか存在しません。

還元率が100%を切るということは、やればやるだけ資金が減っていく、ということになります。借金を返済するつもりが、ますます泥沼に・・・なんてことにもなりかねません。

ギャンブルの勝ち金で一発完済は夢がありますが、それを狙うのはとても現実的だとは言えないでしょう。

「でも自分は違う」という思考が一番危険

ここまで読んで、ギャンブルは絶対に勝てないというけれど、実際にパチンコの勝ち金で生活している人がいるじゃないか、自分も本気になればきっとそれくらいできる、と思っていませんか?

確かに、ギャンブルで得たお金で生活を立てている人は一定数います。もしかしたら、身の回りにもいたかもしれませんね。

競馬やパチンコ、スロットは宝くじと違い、ある程度スキルや技術が介入する余地があるので、それにより勝率を上げることが可能です。自分だけのノウハウやテクニックで大きく勝率を伸ばしている、いわゆるプロのような人種も存在します。

しかし、彼らがギャンブルのプロとして生活できた期間は決して長くありません。さらに、現役の方でもさっさと足を洗いたいと考えている人はとても多いようです。

日本のギャンブル市場はどんどん小さくなっており、これからはますますギャンブルだけで生きていくことは困難になっていくでしょう。

そして、彼らの戦略は長期的な目線で取り組んで初めて効果が出てくるものです。49勝51敗を51勝49敗にすることで、小さな勝ちを積み立てているのです。

ところが、借金返済を目的にギャンブルする場合はこうはいきません。そもそも所持金があまりないのですから、一発勝負になってしまう可能性が高いです。

それはただの運任せであり、もはや宝くじとなんら変わりません。しかも負ける確率のほうが大きいのですから、明らかに分が悪いですよね。

でも自分なら・・・と思った人はぜひ考えを改めましょう。その考え方が一番危険なのです。

人には、自分のことを平均より優れていると思い込む心理があります。これは研究によって正しく証明されており、アメリカの科学誌にも論文が掲載されました。

自分ならきっとできると信じることはとても大切ですが、ギャンブルで借金を返す、というのはあまりに成功率が低く、そしてリスクが高いものです。全くおすすめできない手段だと言えるでしょう。

じゃあどうすればいいの?

そんなこと言っても最低でも利息分くらいは返さないとヤバイんだけど!という人は、まず本当に返せる手段がないかじっくり考えてみましょう。

消費者金融に借金している場合で、その一部を家族や知人に一時的にでも立て替えてもらえるなら、それを頼るのも一つの選択肢です。

そして、本当の本当にどうにもならないのであれば、債務整理を検討してみましょう。債務整理と聞くと、自己破産をイメージしがちですが、それ以外にもいくつかの手法があります。

たとえば、任意整理なら借金がゼロにこそならないものの、返済額の大幅な減額が期待できますし、なにより自己破産のデメリットである財産の処分、職業制限なども存在しません。手続きも基本的に弁護士が全て行ってくれるので、なにも知識がなくとも問題ありません。

代償として、クレジットカードがしばらく作れなくなり、キャッシングやローンの組み立ても数年の間できなくなりますが、会社にバレる心配もありませんし、低リスクで借金を減額できる方法だと言えるでしょう。

幸い、最近では相談無料の法律事務所も増えてきているので、借金で困っているなら一度、専門家に相談してみてはいかがでしょうか?

債務整理以外の手段が見つかるかもしれませんし、また、債務整理を行えば借金の催促がストップするので、精神的にも楽になりますよ。

ギャンブルで借金返済を目指すよりもよほど現実的な方法なので、借金で悩んでいるのならぜひ検討してみましょう。

まとめ

ギャンブルで一山当てようというのは、あまりにも無茶な計画だと言えます。先述したように、公的なギャンブルは基本的に負け越すものなのです。

一部の人は勝つことができますが、ラッキーはそう何度も続きませんし、そもそも一度の勝負で大勝ちしようというのは虫がよすぎます。

自分ならできる!と無根拠に思い込んで突撃するよりも、もっと現実的な返済方法があるはずです。

その一つが弁護士への法律相談や債務整理で、多少の費用はかかりますが、確実に借金苦から逃れることができるでしょう。

ハイリスク・ハイリターンを狙うよりも、ローリスク・ミドルリターンを目指して借金返済に取り組んでいきましょう。