借金の返済をボーナスでするメリットと注意点

ボーナスを借金の返済に当てている人は少なくありません。ボーナス返済はうまく活用すれば非常に素晴らしいものですが、使い方を誤ってしまうと却って損をすることもあります。今回はボーナス返済のメリットと注意点、上手な活用方法についてお教えしたいと思います。

ボーナスは年間で2回支給されることが多い特別な給料

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そもそもボーナスとは何でしょうか。簡単にいえば、夏と冬の年2回支給される、通常の月給とはまた別の給与のことです。

国家公務員のボーナスは法律で、地方公務員の場合は条例れそれそれ決められており、原則として6月30日と12月10日に支給されます(地方公務員の場合は多少ズレこむことがあるようです)。

一方、民間企業についてはボーナスを支給しなければいけない決まりはないため、ボーナスの制度を採用していないところもあれば、年に1回、2回、あるいは3回支給するところもあります。

厚生労働省の発表によれば、平成20年~平成21年の冬にボーナスを支給した企業の割合は88.9%で、多くの企業がボーナスの制度を採用している事がわかります。

ボーナスの支給額は基本給×ヶ月

ボーナスの支給額は基本的に、基本給に期間(●ヶ月)を掛けたものが採用されます。基本給が高く、●ヶ月の部分が長いほうが、当然ボーナス支給額が高くなります。

金額は勤め先によってかなり変わりますが、東証一部上場しているような大企業の場合、夏のボーナスは平均で80万円程度になることが多いようです。中小企業はそれよりも少し安くなっており、公務員の場合は60万円程度が平均のようです。

と言っても、ボーナスの平均額は計算方法によって大きく変わってしまうので、こういった数字はあまり当てにならなかったりします。

中には平均額は30万円程度であるとしているウェブサイトもありますが、それはこことは違う計算方法を採用しているだけであって、どちらも間違いとはいえません。

人のボーナスなんて気にしてもしょうがないですし、自分のボーナスはいくらになるのかだけを考えていけばいいでしょう。

ボーナスで借金を返す人は意外と多い

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次に、価格.comが行った2016年の夏のボーナスに関するアンケート調査を見てみましょう。この調査によれば、支給されたボーナスの使いみちランキングトップ5は以下のようになっています。

1位:貯金、19万5874円(前年比7.6%増加)
2位:ローン返済、18万7677円(前年比0.6%増加)
3位:金融商品の購入、16万6402円(前年比27.6%増加)
4位:旅行、15万9586円(前年比9.0%増加)
5位:子供の教育日、14万5573円(前年比2.6%増加)

やはりというべきか、最も金額が多いのは「貯金」でしたが、僅差でローン返済も続いています。また、金融商品の割合は前年と比べて大きく上昇しており、給料やボーナスの支給額アップが望めない中で少しでも資産を増やそうとする意識が見て取れます。

また、ボーナス支給額の内、ローン返済や生活費の補填、ボーナス一括払いなどの支払わなければならない必要経費を除いた、自由に使える金額については以下のようになっています。

1位:5万円~10万円(18.0%)
2位:10万円~20万円(14.5%)
3位:3万円~5万円(12.4%)
4位:1万円~3万円(10.8%)
5位:20万円~30万円(10.0%)

最も多いのは5万円~10万円で、全体の18.0%でした。ボーナスの平均支給額はそれなりにあっても、自由に使えるお金となると極端に限られてしまうというのが現状のようですね。

借金をボーナスで返済するとどんないいことがあるの?

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さて、ボーナスというものの概要がわかったところで、ここからいよいよ本題に入ります。当サイトの主張は「ボーナスを上手に活用して借金を返済すれば、豊かな老後が手に入る」というものです。

ボーナス払いを活用すれば、場合によっては借金の返済総額を数十万円、あるいは数百万円も少なくすることができるのです。

ボーナスによる借金の返済はいわゆる「繰り上げ返済」に含まれます。繰り上げ返済は通常の毎月の返済と違い、支払った全額が元本の返済に使われます。

全額が元本の返済に当てられれば、それだけ借金が早く減ります。借金が早く減ればそれだけ後に払わなければならない利息が少なくなり、返済期間も短くなるので、借金の返済総額を減らせるというわけです。

試しにちょっとシミュレーションしてみましょう(シミュレーションにはke!sanを利用しています)。

仮に借入金額が3000万円、返済方法が元利均等方式、金利は2%の固定金利、返済期間を30年と設定します。この場合、毎月の返済額は11万0885円になり、返済総額は3991万8796円となります。

一方、ボーナス返済を500万円にして、返済期間を23年にすると、毎月の返済額は10万5963円になり、返済総額は3816万7096円になります。

ボーナス返済を上手に活用したことにより、毎月の返済総額が約5000円ほど、返済総額は約175万円ほど減りました。このように、ボーナス払いには毎月の返済総額のみならず、毎月の返済総額をも減らす効果があるのです。

ボーナス返済をする際の注意点

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このようにボーナス返済には大きなメリットがありますが、一方で注意点もあります。後先考えずボーナス返済を行ってしまうと、後でデメリットを被ることもあるので注意が必要です。

ボーナス返済前提で買い物をしない

借金をボーナス返済で返済するというのは賢い選択ですが、ボーナス返済があるからとあれもこれも買ってしまうのは賢い選択とはいえません。

住宅や自動車といった高額なものを買う際に借金を組むことになるのはしかたのないことですが、そこまで高くない、数万円~数十万円程度のものを買うために借金を組み、それを借金してまで買うというのは間違っています。

それならばボーナスが支給されるまでまってから、現金一括購入で買ったほうがずっとお得です。

ボーナスが常に出るとは限らないと心得る

ボーナスは殆どの企業で支給されていますが、中には支給されない企業もあります。たとえ支給されたとしてもその額は常に一定ではなく、業績や景気に左右されます。ボーナ返済払いを前提とした買い物はそういった意味でもハイリスクです。

金利が高いもの彼返済していく

借金が複数ある場合(カードローンと住宅ローンなど)は、必ず金利が高いものから返済していくようにしましょう。金利が高いということはそれだけ利息が高いということでもあるため、毎月一定の額を支払っていくだけではどんどん利息を取られてしまいます。

いわゆるリボ払いを採用している場合はなおさらです。こうした高金利の借金は、ボーナスで優先的に返していくようにしましょう。借金の金利は基本的に

キャッシング>カードローン>カーローン、住宅ローン、教育ローンなど

という並びになっています。左側にあるほど金利が高い、つまり優先的に返すべき借金といえます。

自由に使えるお金を少しとっておく

ボーナスを全て借金返済に当てようとするのは、少しストイックすぎます。確かに借金を少しでも早く減らしたいと思い、そのとおりに行動することは非常に言いことなのですが、借金返済もあまりストイックにやり過ぎるといずれその反動が起きます。

借金返済のストレスで借金をしてしまっては元も子もありません。時には自分の欲しいものを買うことも大切です。

まとめ

ボーナス払いは上手に使えば非常に大きな効果を発揮します。頑張って返済していきましょう。

また予定していたボーナスが支給されず、返済が出来ない場合は減額を考えましょう。