カードローンを上手に返済するコツとは?

カードローンはまるで「銀行で自分の預金を下ろしているような感覚」で利用できるため、非常に便利です。しかし、便利な故についつい余計に借りてしまいがちなのもまた事実。気が付いたら借金の総額が7ケタを超えていた……なんてことも珍しくありません。

頻繁に借り入れを繰り返すと元金のみならず利息まで増えるため、いつまでたっても返済が終わりません。必要な時にカードローンに頼るのは悪いことではありませんが、その後の返済にまでしっかりと考えをめぐらす必要があります。

では、具体的にはどのようなことに気を付ければ、借金をスムーズに返済することができるのでしょうか。

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返済方法は「元金均等方式」を

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借金の返済方法は大きく「元利均等方式」と「元金均等方式」の二つに分類することができます。

元利均等方式とは、毎回の返済額(元金と利息の合計)が常に一定になるような返済方法です。最初のうちは返済額に占める利息の割合が多く、返済が進むにしたがって元金の割合が増えていきます。毎月一定額を返済するので返済計画が立てやすいという特徴があります。

一方、元金均等方式とは、元金の支払いは常に一定で、その上に上乗せされる利息が変動していく返済方法です。最初のうちは返済額が多くなりますが、元金の減少に比例して利息分が減るため、だんだん支払いが楽になっていくという特徴があります。

もしこの二つを選べる立場になったら、よほどのことがない限りは元金均等方式を選ぶべきです。理由は簡単で、元金均等方式の方が最終的な返済額が少なくなるからです。

試しにちょっとシミュレーションを行ってみましょう。借入総額は300万円、金利は15.0%、返済期間は10年とします。この場合、返済総額は以下のようになります。

元利均等方式
返済総額:580万8058円 利息総額:280万8058円 毎月の返済額:4万8400円
元金均等方式
返済総額:526万8750円 利息総額:226万8750円 毎月の返済額:変動する

このように元金均等方式の方が、50万円以上も返済総額が少なくなります。

元利均等方式は毎月の返済額が一定になるという点では確かに優れた返済プランといえますが、最初のうちは毎月の支払いのほとんどが利息に充てられてしまい、元金がなかなか減らないという欠点があります。返済総額を少なくしたいのならば、元金均等方式を選ぶようにしましょう。

複数のカードローンを使っている場合は、利息が高いところから

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複数のカードローンを使っている場合は、利息(金利ではありません)が高いところから先に返済するのが鉄則です。利息が高い借金を優先的に減らしていけば、毎月の利息の支払いを減らすことができるからです。たとえば、以下のような借り入れを行っているとします。

借入先借入額金利(%)ひと月の利息
①消費者金融100万円18%1万5000円
②銀行200万円5%8333円
③消費者金融50万円15%6250円

この場合は毎月の利息が多い①の消費者金融から返済を進めていったほうがいいことがわかります。次に②の銀行、③の消費者金融といった順番で返済を進めていけば、返済総額を抑えることができます。

住宅ローンやおまとめローンを組む場合は借入件数を減らす

以上は一般的な場合の借金返済のコツですが、住宅ローンの借り入れを行う場合や、おまとめローンを利用する場合は勝手が違ってきます。この場合は、目先の損得は無視してかまわないので、とにかく借入件数を減らすことが重要になってきます。

住宅ローンやおまとめローンは一般的なキャッシングよりも借入額が多くなるため、審査が厳しくなります。

特に借入件数については厳しくチェックされることになります。借入件数は少なければ少ないに越したことはありません。現時点でのローン残高が少ないところから順番に返済していってください。

借入先借入額金利(%)ひと月の利息
①銀行100万円6%5000円
②消費者金融10万円18%1500円
③消費者金融5万円15%625円

この場合、通常は利息が最も高い①の銀行から返済を行っていくべきなのですが、住宅ローンやおまとめローンを利用したい場合は②と③の消費者金融からの借り入れを先に返済して借入件数を1件に減らしていくのがベストです。

早く返すのも大切だが、返済日を守るのはそれ以上に大切

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借金を返す上で一番大切なのは返済日を守ることです。返済が遅れると、遅延損害金が発生するからです。延滞損害金とは約束の日までに返済をしなかった場合に発生する遅延賠償金で、「遅延利息」と呼ばれることもあります。

返済が遅れた場合は、本来の利息とは別に遅延損害金を支払わなければなりません。遅延損害金を支払っても、利息の支払い義務がなくなるわけではないので注意が必要です。

カードローンにおける遅延損害金の上限利率は、制限利率の1.46倍、もしくは20%の少ない方までと定められています。ほとんどの貸金業者は20%に設定しているようです。

たとえば、50万円の借り入れがある人が、30日間延滞した場合は

50万円×20%÷365×30=8219円

の遅延損害金が発生します。これだけ見れば大した額ではないと思われるかもしれませんが、延滞日が伸びればのびるほど遅延損害金が膨らんでいってしまうのが恐ろしいところです。

返済が遅れそうなときは金融機関に連絡を

返済が1日でも遅れそうだと感じたら、遅れそうだとわかった時点で金融機関に連絡してください。気が進まないというのはわかりますが、必ず連絡してください。

お金の貸し借りは貸す側と借りる側の信頼関係で成り立っています。もし借りる側が不誠実な態度を取れば、貸す側もそれに応じた対応をしてきます。放置すると今後の取り立てが厳しくなるかもしれません。それは困りますよね。

なお、返済が数日送れたくらいで信用情報に傷がつくことはありませんが、返済遅れを放置し続けると最悪の場合、いわゆるブラックリストに名前が掲載されてしまい、以後の借り入れが極めて困難になってしまいます。

返済遅れがたまたまではなく、返済が苦しくなっているという場合は、月々の返済額を見直してくれる可能性もあります。返済が終わる期日はのびてしまうことにもなりますが、仕方ありません。

口座振替なら遅れる心配なし

カードローンの返済をATMで行っている人は少なくないかと思いますが、借入件数が多くなるとつい支払いを忘れてしまうことがあるかと思います。そのようなときは口座振替サービスを利用するといいでしょう。これなら、残高不足以外で返済が遅れる心配はありません。

ATMを使いたい場合は振込手数料のネット銀行を使おう

ATMの振込み手数料は一般的に有料ですが、住信SBIネット銀行、大和ネクスト銀行などの一部の銀行は振込手数料が無料になっています。

手間を減らしたいなら「おまとめローン」

おまとめローンは、複数の債務を一本化できる金融商品です。ある金融機関からまとまった金額のお金を借りて、そのお金で複数の債務を完済します。そして最初に借りた金融機関に返済を行っていく……というイメージです。

おまとめローンは返済日が月1回になるのでお金の管理が楽になる、金利の安いところで借りられれば返済総額が少なくなるなどのメリットがあります。返済計画を立て直す上では十分な選択肢になるかと思います。

お金に余裕があるときは繰り上げ返済を

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繰り上げ返済とは、借金を返している途中で余剰資金が発生した場合に、それを使って返済を前倒しすることです。

返済をすべて一気に行うことを「全額繰上返済」一部を返すことを「一部繰上返済」といいます。全額繰上返済ができればそれに越したことはありませんが、現実的には一部繰上返済を複数回することになるでしょう。

元金が多ければ多いほど多くの利息が発生します。繰り上げ返済は元金を一気に減らすことができる有効な手段なので、どんどん使っていきましょう。繰り上げ返済の金額には制限がないため、手持ちの資金に余裕がある場合は積極的に返していってください。

ただし、借金を早く返したいからと言って生活資金などの必要なお金まで繰り上げ返済に充ててはいけません。生活費が確保できずに結局別のキャッシングで借りてしまった、などということになってしまっては本末転倒です。

普通に生きていても、冠婚葬祭や急な入院などでお金が入用になることもあるでしょう。そんなときでも対応できるように、返済は余裕をもって行うことが大切です。

繰り上げ返済の余剰資金を作るコツは「コンビニに行かない」

余剰資金を作るのに最も簡単で、誰でも実践できる方法があります。「コンビニに行かない」ことです。何かをしなければならないというわけでもないので実践は簡単です。コンビニは定価で販売されているため消費者にとっては不利な仕組みになっています。

そんなとこで買い物してはいけません。確かにコンビニの商品は魅力的ですが、借金を完済するまではスーパーやディスカウントストアで我慢しましょう。

また、自動販売機の利用も避けましょう。飲み物は水筒を持ち歩くようにしてください。

自営業者の繰上返済は慎重に

自営業者は会社員や公務員などと比べて収入が安定しておらず、またボーナスなどの臨時収入も望めないことが一般的です。また、商売には経費が掛かるので、手元には多くの余剰資金を置いておきたいところです。

したがって、繰上返済は会社員や公務員よりも慎重に検討したうえで行う必要があります。借入額が少ないという場合は繰り上げ返済を行っても対して返済総額が減るわけではないことに留意しましょう。

いよいよ返済ができなくなったら債務整理を

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上記のような工夫を行っても返済が立ちいかなくなってしまったら、債務整理も検討したほうがいいでしょう。債務整理は信用情報に傷こそつくものの、借金を大幅に減額、もしくは0にすることができるため上手に使えば大変有用な制度です。