借金と貯金のバランスはどちらを優先すべきか

借金の返済中に貯金をするというのは、別におかしなことではありません。今手元にあるお金をすべて借金返済に充ててしまうのは、むしろリスクが大きい行為といえます。急に入用になった時に困るからです。

とはいえ、高金利の借金がある状態で多くのお金を雀の涙ほどの利息しか付かない貯金に充てるのもよくありません。では、借金と貯金のバランスはどのように取っていけばいいのでしょうか。

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企業経営も家計も「無借金経営」がいいとは限らない

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われわれ日本人は借金を無意識のうちに悪いものとしてみなみなしてしまいがちですが、借金があるのは悪いことではありません。問題は借金と資本(貯金)、そして収入のバランスが崩れていないかどうかです。

たとえ借金があっても、それを返済できるだけの資本と収入源を持っていれば問題ないケースが大半です。

特に企業経営においては、無借金経営は無意味どころか悪とすら考えられています。たとえば、トヨタ自動車はかつては実質的な無借金経営を達成していましたが、現在はむしろ積極的に借り入れを行っています。

無借金経営のデメリットとしては、資金を十分に活用できないことが上げられます。無借金経営を達成する場合は通常、万が一の際に備えて手元に多くの資本(現金)を残しておきます。

この状態は財政基盤が安定しているともいえますが、お金を投資することなく遊ばせているとも考えられます。新たな利益創出の機会を逃しているという点では、間接的に損をしていることにもなります。

また、無借金経営は資本を得にくいというデメリットもあります。たとえば、今ここに100億円支払えば、確実に毎年10%が返ってくる投資があるとします。無借金経営にこだわる場合は、手元に100億円がない限りは投資をあきらめるしかありません。

しかし、借金を受け入れる場合は「借入をしてそのお金で投資をする」という選択肢を選ぶことができます。仮に金利3%で借り入れを行ったとしても、10%-3%=7%分の利益を得ることができます。

借金をしてもその金利以上の利回りが見込める時は、企業はむしろ積極的に借金をすべきといえます。

また、金融機関との信頼関係が築けないのもデメリットといえます。一般的な企業はたとえ必要性が薄くても少額の借り入れを定期的に行うことで、金融機関との信頼を構築しています。無借金経営を続けているといざという時に借り入れができないかもしれません。

このことは家計においても同じことが言えます。一度ローンを組んで返済実績を作っておかないと、いざという時の借り入れが大変になりますし、借りられたとしても高金利になることが多いです。

悪いのは借金をすることではなく、借金が返済できなくなるほど借りることであると理解しておきましょう。

基本的には「借金返済>貯金&投資」

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先ほどの見出しとちょっと矛盾しているようにも思えるかもしれませんが、個人の家計においては基本的に借金返済を貯金や投資よりも優先すべきです。理由は簡単で、個人レベルにおいては借金のほうが貯金よりも金利が高いからです。

企業の借金の金利は状況に左右されますが、優良企業ならば年利1.0%程度の金利で融資を受けることも難しくありません。仮に年利1.0%で借り受けて年利3.0%の投資をすれば差し引き2.0%のプラスになります。

しかし、個人レベルの借金はどうしても金利が高くなります。キャッシングやカードローンの金利は大体15%~18%ぐらいです。一方、貯金の金利はだいたい0.02%~0.05%程度です。

国債はこれより多少高利回りですが、日本国債の場合は30年国債でも1.0%程度にしかなりません。個人レベルにおいては、貯金や投資の利回りが借金の金利を上回ることは非常にまれです。

したがって、基本的には貯金や投資よりも金利が高い借金返済を優先的に行っていくことになります。

しかし、だからと言って収入や貯金をすべて借金返済に回るというのは感心できません。手元にお金をある程度残しておかないと、急な冠婚葬祭が入った時や、急病になった時、失業した時などに対応できないからです。

そうした状況をしのぐために新たに借金をするようでは本末転倒です。借金癖を治すためにも、緊急時に対応できるだけの資金は貯金として手元に残しておく必要があります。

貯金の目安は「1年分の生活費」

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貯金の目安は人によって異なるので何とも言えませんが、何か指標が欲しいという場合は「生活費1年分」を目標に溜めるようにするといいでしょう。

これだけあれば万が一失業したしたとしても失業保険と貯金で食いつなぐことができますし、自分や家族が病気になったり、結婚式やお葬式が入ったりしても余裕をもってしのぐこともできます。自営業の方は失業保険がないので、もう少し多くてもいいでしょう。

現在すでにこれだけの貯金がある人は、これ以上新たにお金を貯める必要がないので、余裕資金は全額借金返済に充ててしまっても問題ないでしょう。繰り上げ返済を合わせて行えば、総返済額を大きく減らすことができます。

借金をして投資をする場合の注意点

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借金があってもそれ以上の金利が得られる場合は企業は積極的に借金をするべきである、と先ほど述べましたが、これは個人レベルでも同じです。

ただし、個人の借金は企業の借金よりも金利が高くなりがちなので、「借金以上の金利を得る」ことがそもそも難しいという問題があります。

金利3.0%の借金を背負って利回り5.0%の投資をするのは正しいですが、金利12.0%の借金を背負って利回り5.0%の投資をするのは間違っています。

借金をして投資する場合は、必ず借金以上に高い利回りが見込めるものを選ぶようにしましょう。

レバレッジ効果とは?

借金をして投資を行う場合は、レバレッジがある程度大きいものを選ぶようにしましょう。レバレッジとはてこ、若しくはてこの原理のことです。

たとえば、自己資金が1000万円、借入金が9000万円の計1億円で不動産投資を行うとします。この場合、自己資金1000万円で1億円の投資を行うことになるので、レバレッジは1億÷1000万=10倍となります。

もし自己資金が100万円、借入金額が9900万円の場合は、レバレッジは1億÷100万=100倍となります。借入金の割合が大きいほど、レバレッジは大きくなります。

レバレッジが大きければ、少ない資金でも大きな投資ができるようになります。投資規模が大きくなれば、それだけ大きく儲けられる(高い利回りが得られる)可能性も高くなります。

もちろん、だからと言ってレバレッジが高い投資だけをずっと続けるのは危険です。高い利回りを得られる可能性が高いということは、大きく損失を出す可能性があることと表裏一体だからです。

たとえば、自己資金が1000万円、借入金が9000万円の計1億円(レバレッジ10倍)で不動産投資をして、結果1000万円の損失が出たとします。この場合は自己資金1000万円を失うだけで終わりです。

しかし、自己資金が100万円、借入金が9900万円の計1億円(レバレッジ100倍)で不動産投資をして、結果1000万円の損失が出た場合は、900万円の借金が残ることになります。

レバレッジを高くするということは、多額の借金を背負うリスクを上げているともいえるのです。

どうせ人生も行き詰っているし最後に一か八かハイレバレッジの取引で大勝負をしたい、負けたら自己破産すればいいや……という気持ちは理解できなくもありませんが、それはやはり危険です。

株や先物投資の為にした借金、あるいはギャンブルのための借金は自己破産が認められない可能性があるからです。実際には裁判所の判断で免責が認められることも多いのですが、そうした自己破産を繰り返していると本当に免責されなくなることがあります

初心者が借金をして投資をする場合は、どんなに高くてもレバレッジは10倍程度に抑えておいたほうがいいでしょう。たとえば1億円の物件で不動産投資をするのならば、1000万円ぐらいは自分でためたほうが賢明です。

本当に投資をしたいという気持ちがあるのならば、それくらいのお金は溜められるはずです。

海外のFX業者の中にはレバレッジ400倍を認めているところもありますが、初心者が手を出していいものではありません。あくまでもローリスク・ミドルリターンを狙う姿勢で行きましょう。

借金の返済は計画的に

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借金返済の原則はとにかく遅滞を起こさないようにすることです。返済が遅れればそのことが信用情報機関に登録され、最悪の場合新規の借り入れができなくなってしまうかもしれません。

あくまでも返済を優先して、貯金や投資はほどほどに抑えておくというのを忘れないようにしてくださいね。

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