借金が複数ある場合の効率的な返し方は?

借金が複数あり、金利や毎月の利息の支払いにばらつきがある場合は、支払いを工夫することによって総返済額を減らすことができる可能性があります。今回は複数社(特に3社以上)から借り入れがある場合の、正しい返済方法について考えていきたいと思います。

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↓今の借金がなくなくなる場合もあります

まずは借金の額を把握するところから始めてみよう

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借金の額を把握しようとしなかろうと返済額に変わりはないのだからと、よく調べもしないままただ何となく借金を返していく方は少なくないようですが、それはお勧めしません。借金の額を知らないまま返済を続けるのは、自分の病気もわからないまま薬を飲むようなものです。

毎月いくら払っているのか、このままだといつ返済が終わるのか、返済額のうちそのうちいくらが利息の返済に充てられ、いくらが元金の返済に充てられているのかなどを把握しておけば、具体的な目標ができ、また改善点を見つけることができます。

今まで借金から目をそらしていたという方は、まずは借金の額を把握するところから始めてみましょう。

借金の総額は支払明細などから調べることができます。それをすでに処分してしまっていたり、複数社から借り入れているせいで、どこからいくら借りているのかわからなくなってしまったという場合は金融機関に開示請求を行うようにしましょう。

借入先がわかっている場合は、借入先に開示請求を行えばOKです。金融機関には開示請求に応じなければいけない義務があるので、万が一渋られた場合には日本貸金業協会などに相談するといいでしょう(最近はそんな金融機関はめったにありませんが……)。

何処から借りているのかもよくわからなくなってしまったという場合は、信用情報機関と呼ばれる民間会社へ信用情報の開示請求を行う必要があります。信用情報機関とは個人と金融機関のお金の貸し借りに関する情報を管理する民間会社です。

現在日本に存在する信用情報機関は

1. 全国銀行個人信用情報センター (KSC)
:銀行や信用金庫、労働金庫、農協などが加盟
2. 株式会社 日本信用情報機構 (JICC)
:貸金業者、一部の地方銀行や信用金庫などが加盟
3. 株式会社シー・アイ・シー(CIC)
:クレジットカード会社、一部の地方銀行や貸金業者が加盟

の3つです。いずれも信用情報機関も郵便による開示請求を受け付けていますので、どこから借りているのか全く見当もつかないという場合は3社すべてに開示請求をしてみてください。

開示請求には1000円程度の費用が掛かることがありますが、借金の額が把握できると思えば安いものです。

利息を計算してみよう

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自分がどこからいくら借金をしているのかがわかったら、次にその借金によって利息をいくら支払っているかを計算します。

毎月の利息は「借金の残高×利息×12」で求めることができます。たとえば、借金の残高が50万円、利息が12%の場合、毎月の利息は50万×12%÷12=5000円となります。

ケーススタディ

借金名金融機関借金額金利毎月の利息
借金1(カードローン)消費者金融A60万円18%9000円
借金2(カードローン)消費者金融B55万円15%6875円
借金3(キャッシング)消費者金融C20万円18%3000円
借金4(自動車ローン)銀行A80万円3%2000円
借金5(カードローン)銀行B30万円10%2500円

このような借金をしていて、臨時収入50万円があった場合について考えます。この場合、どの借金から優先的に返していけばいいのでしょうか。

選択肢1:利息が高い借金から返す

利息が高い借金から返していくというのは選択肢の一つとして考えられます。この選択肢の優れているところは、将来支払うべき利息を大幅にカットできるところです。

たとえばこの場合、すべてを利息が最も高い借金1の返済に充てることによって、毎月の利息額を9000円から1500円に減らすことができます。つまり、7500円ほど利息が節約できるわけですね。

一方、借金2の充てた場合は、毎月の利息額を6875円から625円まで減らすことができます。つまり、6650円ほど利息を節約できるわけです。どちらがより大きな節約効果を持つかは言うまでもありませんね。

このように、利息の高いところから返していくというのは、一つの選択肢といえます。ただし、この方法だとなかなか借入件数が少ないため、気持ち的に焦りを感じやすいというデメリットもあります。

選択肢2:借入額が少ない借金から返す

もう一つ有力なの選択肢は、借入額の少ない借金から返済して、借入件数を減らす、というものです。たとえば、先の例では、借入額が最も少ない借金3と、その次に借入額が少ない借金5に全額充てることになります。

こうすることによって、借金3と借金5を返済し終わることができます。

この場合の節約できる毎月の利息額は3000円+2500円=5500円で、選択肢1よりも少ないです。

となると、この選択肢を選ぶメリットはないかのように思えますが、一概にもそうとは言えません。借入件数を減らすと、それだけおまとめローンが組みやすくなるからです。

おまとめローンとは、簡単に言えば複数の債務を一本化する金融商品のことです。複数の債務を低金利の金融機関で一本化することができれば、毎月の支払額や総支払額を少なく抑えることができます。

また、支払いが一本化するので毎月の返済プランが立てやすくなり、お金の管理が楽になるというメリットもあります。

しかし、おまとめローンには審査があります。おまとめローンの借入額は高額になりやすいため、通常のカードローンなどと比べると審査は厳しいとされています。おまとめローンの審査で特に重要視されるのが借入件数です。

おまとめローンでは借金の総額よりも、借入件数が重視されます。たとえば、5社から10万円づつ借りている場合と、1社から60万円借りている場合では、借入総額は前者の方が少ないにもかかわらず、後者の方が審査に受かりやすいとされています。

1社あたりの債務が多いということは、それだけ金融機関から信頼されているということにつながるからです。

借入件数は3件までだったらそれほど問題視されるケースはありませんが、4社だと黄色信号、5社以上だと赤信号となります。この場合は借金3と借金5を優先的に全額返済することにより、借入件数が5社から3社になるため、おまとめローンの審査により受かりやすくなります。

仮に今後金利が低いおまとめローンを組むことができれば、選択肢1を選んだ場合よりも節約できる利息額は大きくなります。おまとめローンの利用を考えているという場合は、借入件数を減らすような返済を行っていくといいでしょう。

なお、直接的なメリットとは言えないかもしれませんが、借入件数を減らしておくと精神的に楽になるというメリットもあります。別に借入額が同じなら借入件数は1社でも5社でも同じじゃないか、と思われるかもしれませんが、意外とそうとも言い切れません。

借入件数が多いとそれだけで何となく焦ってしまうものなのです。この辺りは実際に借金をしてみないとわからない感情かもしれませんね……もちろん、そんな感情はできればずっと理解したくないものですが。

選択肢3:高額の借り入れについて、任意整理を行う

先にあげたケースは借金がすでに245万とかなり膨らんでいます。このまま返済を続けていたら、いつかは自己破産に陥ってしまうかもしれません。そうなる前に高額な債務については任意整理をするというのも、立派な選択肢の一つといえます。

任意整理はその他の債務整理と違って、特定の借金だけを整理することができます。

借金1(カードローン)は整理するけど、借金4(自動車ローン)は整理せずにそのまま支払い続けていくといったような選択も可能なのです(自動車ローンを任意整理してしまうと自動車の所有権が原則としてローン会社もしくはディーラーにわたってしまいます)。

借金を選んで整理できるのは任意整理だけです。

※こちらでどのくらい借金が減るのか調べられます。

↓今の借金がなくなくなる場合もあります

任意整理で一部の債務を整理する場合は、原則として残高の高いものを優先させるようにしましょう。ただし、上記の例で残高が最も大きい借金4は自動車ローンなので、これを任意整理の対象としてしまうと自動車を手放さなければなりません。

一部を任意整理すれば何とかなりそうだという場合は借金4は整理せず、次に残高の多い借金1を優先的に整理するようにしましょう。

また、一部の借金のみ債務整理を行う場合でも、弁護士などの専門家に依頼する場合はすべての債務を明らかにするようにしましょう。

一部の借金を画した状態で債務整理の手続きを行い、後から別に借金があったことがわかると、専門家との関係性に傷がついてしまいますし、なにより日本弁護士連合会は任意整理であっても一部債権者のみ受任をすることはできないとされているからです。

選択肢4:個人再生や自己破産など、さらに圧縮額が大きい債務整理を行う

任意整理をしても借金が返済できそうにないという場合は、残念ですが個人再生や自己破産を行うことになります。

個人再生は、裁判所を介しておこなう債務整理手続きの中の1つで、原則として債務を5分の1程度に減らしたうえで、残った債務を3年程度かけて返済していきます。

たとえば上記の場合借金額は245万円なので、個人再生後は50万円程度の借金が残ることになります。個人再生を選んだ場合は、自動車や住宅などは原則として手元に残すことができます。

一方、自己破産は裁判所を通して行う債務整理手続きの中の一つで、借金を0にする制度です。メリットは非常に大きいですが、その代りに20万円以上の高額な財産を手放さなければならない、一定の期間特定の職業に就けなくなるというデメリットもあります。

個人再生や自己破産を行うと、保証人に迷惑がかかるケースがあるので注意が必要です。

で、いったいどの選択肢を選べばいいの?

前述のとおり、借金の返し方に絶対的な答えはありません。それぞれの事情に応じて、最適と思われる選択肢を選んでいけばいいのです。たとえば、返済能力が十分にあり、おまとめローンを利用する気が一切ないという場合は選択肢1が最も有力になるでしょう。

利息が高いところから借金を返済していけば、総返済額を減らすことができます。

返済能力は十分にあるけれど、将来はおまとめローンの利用も視野に入れているという場合は、選択肢2が最適です。

早めに借金の借入件数を少なくして置けば、将来いい条件でおまとめローンを組める可能性が高いでしょう。そうすれば選択肢1を選んだ場合と比べてさらに総返済額を少なくすることができます。

返済能力が少し足りないという場合は、選択肢3を選ぶことによって支払いが楽になる可能性があります。任意整理では大幅に借金を減らすことはできませんが、少しは楽になるはずです。

返済能力が大いに不足していて、このまま支払いを続けていてはいつか生活が破たんする可能性が大きいという場合は選択肢4を選ばざるを得ないかもしれません。その場合でもなるべくデメリットの少ない債務整理方法を選ぶようにしましょう。

どの選択肢を選べば最も自分にとって有利になるのかを考えることが、借金完済の第一歩と言えるでしょう。

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