借金をする際に最も気になるのは、やはり金利(利率)だと思います。今回は借金の金利の相場がどれくらいなのかを、解説していきたいと思います。
目次
まずは金利の仕組みを知ろう
金利は低ければ低いに越したことはない、ということはわかっていても、実際に利率が何%だと返済がどれくらい増えるのかまでは気の回らない方は結構多いのではないかと思います。借金における毎月の支払金利は通常、以下の計算式で導き出さされます。
たとえば、借入金額が100万円、利率が10%の場合は
となります。逆に預入金額が100万円、預金金利が10%の場合は(まずそんなことはないでしょうが)、8333円の利息が付くことになります。
金利の上限は法律で決められている
金利の上限は、利息制限法、および出資法という法律で定められています。利息制限法による金利の制限は借入額によって上限値が異なります。借入額と上限金利の関係は以下のようになっています。
元本 | 上限金利 |
10万円未満 | 20% |
10万~100万円未満 | 18% |
100万円以上 | 15% |
一方、出資法では以前は金利が29.2%以下の場合に罰せられるという決まりになっていました。金利が20%~29.2%の場合(通称グレーゾーン金利)は、利息制限法に違反している、つまり違法であるにもかかわらず罰則がないというおかしな状態が続いていたのです。
このアンバランスな状態を避けるために出資法は改正され、出資法の上限金利が利息制限法と同じ20%まで引き下げられたほか、利息制限法を超える金利は行政処分の対象となりました。
万が一、過去に利息を払いすぎていた場合は、所定の手続きを踏むことによって返還請求を行うことが可能です。詳しい手続きについては弁護士などの専門家にご相談ください。
金融機関や借金の種類によって金利の相場は異なる
利息制限法はどの金融機関から借りる場合でも適用されます。銀行から借りても、消費者金融から借りても、金利が20%を超えることは絶対にありません。
万が一20%を超えた場合はその金融機関は闇金である可能性が高いので、そういった業者からは借りないようにしましょう。
ただし、借金の種類や借入先の金融機関によって、金利の相場は変わります。たとえば、住宅ローンとカードローンでは当然、後者のほうが低金利です。
もし住宅ローンの金利がカードローン並みに高かったら、誰も返済できないからです。住宅ローンは融資額が大きいので、金利を2%~3%程度に抑えても、金融機関側には十分な利益が生まれます。
一方、カードローンやキャッシングは融資額が少ないので、こちらの金利を住宅ローン並みに低くしてしまうと金融機関側の利益が少なくなってしまいます。そのため、金融機関はカードローンやキャッシングの金利は比較的高めに設定しています。
消費者金融のカードローンの相場は「4~18%程度」
消費者金融のカードローンの金利は、おおむね4~18%程度の枠の中に納まります。ずいぶん差があるようにも思えますが、ここれはカードローンの金利はその申込者の属性や信頼度によって変化するからです。
属性や信頼度が低い人は金利が高くなりますし、逆に属性や信頼度が高い人は金利が低くなります。
一般的にどんなに収入が多い人でも、新規の契約時は上限金利、つまり18%程度で設定されることがほとんとです。初めて契約する人は信頼度が非常に低いからです。借入と返済を繰り返し、返済実績を作っていくうちに、金利は次第に安くなっていきます。
どれだけ使うとどれだけ金利が低くなるのかについては消費者金融のウェブサイトなどで明言されていないことが多い(取引年数が長くなると金利が低くなる、というようなあいまいな表現が多い)ので注意しましょう。
銀行のカードローンの相場は4~15%程度
銀行の金利は、おおむね4~15%程度の枠の中に納まります。ずいぶん差があるようにも思えますが、ここれはカードローンの金利はその申込者の属性や信頼度によって変化するからです。
属性や信頼度が低い人は金利が高くなりますし、逆に属性や信頼度が高い人は金利が低くなります。
一般的にどんなに収入が多い人でも、新規の契約時は上限金利、つまり18%程度で設定されることがほとんとです。初めて契約する人は信頼度が非常に低いからです。借入と返済を繰り返し、返済実績を作っていくうちに、金利は次第に安くなっていきます。
どれだけ使うとどれだけ金利が低くなるのかについては消費者金融のウェブサイトなどで明言されていないことが多い(取引年数が長くなると金利が低くなる、というようなあいまいな表現が多い)ので注意しましょう。
ちなみに、消費者金融のカードローンよりも銀行のカードローンの金利は低いですが、その分審査も厳しいです。まずは銀行のカードローンの審査を受けて、それでだめだった場合は消費者金融にお願いする、というのが一般的な流れです。
カードローンの金利は交渉で下げてもらえる!?
消費者金融や銀行のカードローンの金利は審査によって決められますが、場合によっては交渉することも可能です。ただし、何の利用実績もない人がいきなり申し込んでもにべもなく断られる可能性が高いです。
カードローンの金利引き下げに応じてもらうためには、以下の3点をクリアする必要があります。
- 返済事故を起こしていない
- 利用期間が長い
- 利用額が多い
つまり、金融機関側にとって優良な顧客であるほど、金利の交渉に応じてもらえる可能性が高くなるというわけですね。金融機関側としてもたくさん借りて、事故なく返してくれるお客さんは手放したくないので、多少金利を下げてでもつなぎとめておきたいものなのです。
交渉可能になる利用期間や利用額は金融機関によっても異なりますが、おおむね1年以上、なおかつ数十万円以上の返済実績がある場合は、交渉に応じてもらえることが多いようです。場合によっては、金融機関側から金利の引き下げを提案してくれることもあります。
逆に、返済が顕著に厳しい場合も、金利を下げてもらえる可能性があります。金融機関としては、利用者に債務整理、特に自己破産をされるのは何としても避けたいところです。
「自己破産されるくらいならば、金利の引き下げに応じたほうがよっぽどまし」ということで、金利の引き下げに応じてもらえることがあります。ただし、こうして金利を引き下げてもらった場合は、次回以降の借り入れが難しくなる可能性が高いです。
キャッシングの金利相場は12~20%前後
キャッシングの金利相場おおむね12~20%程度の枠の中に納まります。前述のとおり、金利の上限は利息制限法によって定められていますが、キャッシングの場合はこの利息制限法いっぱいまで金利を定めているケースが多いようです。
キャッシングはカードローンと比べてもさらに融資額が少なくなるため、それくらい金利を取らないと十分な利益が発生しないのです。
なお、キャッシングの場合も金融機関と直接金利交渉をすることは可能です。カードローンの場合と同じように、あなたが優良顧客であるか、もしくは債務整理の危機にある場合は交渉に応じてもらえる可能性が高いです。
住宅ローンの相場は1.5~3.5%程度
人生の中で最も大きな買い物になるであろう住宅。それを買うためのローンを住宅ローンといいます。住宅ローンのような、利用目的が最初から決められているローンを目的別ローンといいます。
目的別ローンはカードローンやキャッシングのようなフリーローンと比べて、金利が低くなる傾向にあります。中でも住宅ローンは融資額が多いため、金利はカードローンやキャッシングと比べるとかなり低いです。
住宅ローンの金利相場はおおむね1.5~3.5%程度の枠の中に納まります。1.5%も3.5%も大した違いはないように思えますが、住宅ローンは融資額が大きいので、最終的な返済額には大きな差が出ます。
たとえば、融資額2000万、元利均等方式、返済期間25年間、固定金利で計算した場合の毎月の返済額と総返済額を表にしたものがこちらになります。
金利 | 毎月返済分 | 総返済額 |
1.5% | 7万9987円 | 2399万6020円 |
2.0% | 8万4770円 | 2543万1142円 |
2.5% | 8万9723円 | 2691万6835円 |
3.0% | 9万4842円 | 2845万2481円 |
3.5% | 100万124円 | 3003万7292円 |
このように、金利が1.5%の場合と3.5%の場合では、毎月の返済額が2万円以上、総返済額は600万円以上の差が付きます。600万円あればかなりの高級車も買うことができます。
カードローンやキャッシングの金利の0.1%は大したことはありませんが、住宅ローンの金利の0.1%は非常に大きな意味を持ちます。住宅ローンは、少しでも金利が低いところで借りるようにしましょう。
自動車ローンの金利の相場は2%~10%程度
自動車ローンの金利の相場は大体2%~10%程度です。自動車ローンは銀行などの金融機関のみならず、新車や中古車のディーラーからも借りることができますが、一般的に中古車ディーラーの自動車ローンの金利は非常に高いのでお勧めできません。
中古車を買う場合でも、しっかりと銀行で自動車ローンを組むことをお勧めします。
ただし、銀行の自動車ローンはディーラーの自動車ローンと比べるとかなり審査が厳しいです。ディーラーのローンは面倒な手続きをすべてディーラーの営業マンがやってくれるため、非常に楽ちんです。
ディーラー側は車を売りたいという意識が先にあるので、審査も比較的緩いです。こうした面に優位性を感じるのならば、ディーラーから自動車ローンを借りるのもありかもしれません。……やはり金利差は大きく、あまりお勧めはできませんが。
教育ローンの金利の相場は2%~5%程度
教育ローンも目的別ローンに含まれますので、金利はカードローンやキャッシングと比べるとかなり低めです。教育ローンは日本政策金融公庫も扱っていますが、現在の金利は2.05%の固定金利となっています。
銀行などでも教育ローンを取り扱っていることがありますが、金利は日本政策金融公庫のものと比べると高めに設定されています。
日本政策金融公庫の教育ローンは世帯年収200万円以下の人に対する優遇措置などもあるので、基本的にはこちらを利用したほうがいいでしょう。
奨学金の金利の相場は0~3%
奨学金には無利子の第一種奨学金、有利子の第二種奨学金があります。当然、第一種を選べるものならば選びたいものですが、第一種奨学金は非常に審査が厳しいため、現実的には第二種のほうを選ばざるを得ない、という人も少なくありません。
第二種奨学金の上限利息は3.0%と定められています。
個人間の貸し借りの相場は利息制限法に準ずる
出資法では、個人間の借金の上限金利は「109.5%」と定められています。とんでもない暴利にも思えますが、実際には利息制限法を超える利率は無効と判断されるので、実質的な最高金利は20%といえます。
個人間のお金の貸し借りの際には金利設定がなあなあになってしまいがちですが、後でトラブルになると困るので、必ず書面で金利を設定しておいたほうがいいでしょう。金利をもらわない場合も、その旨を記載した書面を作るべきです。借金が原因で人間関係が壊れる、なんてことがないように十分気を付けましょう。
最後に
金利は借金の借入先を決める際の重要なポイントになりますが、金利だけで選んではいけません。金利以外にも審査の通りやすさや手続きの少なさなど、いくつかポイントはあるからです。借入の際にはこうした様々な要素を考慮することが大切です。