農地で太陽光発電!農地活用の選択肢として有効です

使わなくなった農地の活用方法に頭を悩ませている人は多いですね。ただ、何もせずに放置するのはもったいないですし、なんらかの方法で活用し、できればある程度の収益を見込みたいところです。

そこで選択肢の一つに入ってくるのが太陽光発電です。農地は太陽光発電に適した立地環境であることが多いので、より効率的に発電でき、それを売却することで一定の収入が狙えます。

ただ、農地を農地以外の用途で使う場合には、農業委員会の許可が必要になり、条件によってはその許可が下りないこともあります。どんな条件があるのかを見ていきましょう。

農地活用としての太陽光発電

土地を所有していると毎年固定資産税が発生します。農地は他の地目の土地と比べてかなり優遇されているとはいえ、使い道のない土地のためにお金を払い続けるのはなんとも馬鹿らしく感じるでしょう。

さらに、農地を放置し続けるとそれは「耕作放棄地」となり、固定資産税の優遇が受けられなくなるうえに、再度農地として復旧させることも難しくなり、第三者への売却すらも不可能になってしまうかもしれません。

しかし、太陽光発電システムを農地に設置すれば、多少のメンテナンスが必要だとはいえ、あとは基本的に放っておくだけで収入になります。

ですから、高齢化により農業を行えなくなった人や、違う事業をスタートし、土地活用のための時間が取れない人にもおすすめの方法だと言えるでしょう。

業者による電気の買取価格は年々下がっていますが、それに伴って発電システムの設置費用も安価になっているので、現時点ではまだまだ収益が見込めるビジネスだとされています。

とはいえ、設置費用の回収には10年近くかかり、黒字になるのはそれ以降であることが一般的なので、長期的に捉え、一種の投資であると考えておくことが大切です。

また、農地を農地以外の用途で使おうとする場合、その旨を地域の農業委員会に伝え、許可をもらわなければいけません。許可なしに転用を行うと法律違反になる可能性があり、転用した土地を元に戻すよう命令されることがあるので注意が必要です。

さらに、転用申請したからといって必ず許可が下りるわけではありません。転用許可を得るには、大きく分けて2つの条件をクリアしなければならないのです。

転用のための条件とは?

転用許可を得るには、「立地条件」と「一般条件」のそれぞれをクリアしなければなりません。この2つの条件の内容について見てみましょう。

立地条件とは

立地条件は名前の通り、その土地がある場所に関する条件です。全ての農地は、どれだけ農業に適した土地であるかという基準によって5つの区分に分けられており、属する区分によっては転用が認められません。

区分の名称は以下で、自分の所有している農地がどれに属しているかは、その地域を管轄している農業委員会に問い合わせることで確認できます。

・農用地区域内農地
・甲種農地
・第一種農地
・第二種農地
・第三種農地

上に行くほど農地としてのグレードが高く、農業に適した土地ということになります。判定基準はいくつかありますが、一般的に都市部に近いほどグレードは低くなり、逆に地方になるほどグレードは高くなるようです。

都市部に近い土地は農地以外にも有用な使い方が数多く見込めるので、このような判定基準になっているのでしょう。

そして、このうち転用が認められるのは第二種農地と第三種農地だけです。第一種農地も例外的に転用が認められることがありますが、期待しないほうがいいでしょう。

つまり、第一種農地、甲種農地、農用地区域内農地のいずれかに属する農地は、基本的に転用ができません。じゃあ、太陽光発電による土地活用は諦めなければならないのかというと、決してそんなことはありません。

農業を行うのと同時並行で、太陽光発電システムを設置することはこれらの区分でも認められています。これを「ソーラーシェアリング」と言い、近年広まってきている農業モデルです。

農地として使うことが前提にありますが、それについてもある程度融通が聞くので一度農業委員会に相談してみることをおすすめします。ソーラーシェアリングについては、ページの後半でもう一度詳しく解説しますね。

立地条件がクリアできても、もう一つの一般条件も満たさない限り、転用は認められません。次は一般条件について見ていきましょう。

一般条件とは

転用許可の審査時には、転用後の使い道が明確にされているかについても判定されます。たとえば、農地をビルのための土地に使いたい場合は、そのビルの建設予定は問題なく進んでいるのか、ビル建設に関わる事業者はどんなものであるかなどですね。

要は、こんなことに使う予定だけれども細かいことはまだ全然決まっていません、ではダメだということです。

どうして農地の転用の場合にのみ、このような審査があるかというと、農地は国にとって非常に重要な土地であるためです。

近年、日本の食料自給率は年々低下しており、早急な回復が望まれています。農地は食糧を生産できる貴重な土地ですから、簡単に失われてしまうと困るのです。また、一度転用してしまうと、再度農地として使うことは困難です。

こういった事情から、しっかりとした目的、使い道がない場合には転用を認めない方針になっているのですね。

農地に太陽光発電システムの機器を設置するには地盤改修が必要

農地にそのまま太陽光発電のための機器を設置するのはほぼ不可能です。太陽光を効率よく入射するために、ソーラーパネルをやや傾けて設置する必要があり、そのための支柱は柔らかい地面には配置できないためです。

地盤が不安定だとパネルの傾きも不安定になり、発電効率が落ちてしまううえに、重大な事故につながる可能性があるのですね。

農地の土質は柔らかいものが多いので、支柱を設置するためにまずは地盤改修から行う必要があることを知っておきましょう。そのぶん、初期費用が増え、回収のための期間が長くなることも留意しておきましょうね。

また、近くに送電用の電柱がない場合、それも新しく設置する必要があります。このように太陽光発電システム本体以外にもさまざまな費用がかかることがあるので、導入前にはしっかり見積もりを取っておきましょう。

これらの作業は転用許可を取ってから行うようにしてくださいね。許可前に独断で作業を行い、もし許可が下りなかった場合、復旧作業を命じられる可能性があります。

ソーラーシェアリングについて

最近は、一つの農地で営農と太陽光発電を同時に行う、「ソーラーシェアリング」に注目が集まっています。先述したように、農地はもともと太陽光がふんだんに降り注ぐ土地であるため、太陽光発電ととても相性がいいのです。

具体的な方法としては、農地に太陽光パネルを設置するための支柱を建て、その上にソーラーパネルを配置し、その下では普段通りに農業を行う、というものです。

パネルによって作物に届く太陽光が遮られてしまうのでは?と思うかもしれませんが、たとえ多少遮られたとしても、作物が育つだけの太陽光を供給することは十分可能です。もちろん、ある程度は考慮してパネルを配置する必要はありますが。

ソーラーシェアリングの魅力は、営農と同時並行で太陽光発電ができること、そして、パネル設置のために厳しい転用審査をクリアする必要がないことです。ですから、立地条件がクリアできず、転用ができなかった農地であっても太陽光発電を行える可能性があります。

農業の副業としての太陽光発電

農業をしつつ太陽光発電を行うことによって、収入を大きくアップさせることができます。収穫量は多少減ってしまうかもしれませんが、太陽光発電による収入はそれ以上に期待できるでしょう。

転用不可の土地でもソーラーシェアリングなら利用可能

農地の土地活用において、立地条件は大きなネックとなります。属する区分によってはどうやっても転用は許可されないためです。

しかし、ソーラーシェアリングなら、「一時転用」という扱いになり、立地条件や一般条件といった厳しい審査を通過する必要がなくなります。とはいえ、簡単な審査があることは知っておきましょう。

あくまで副業として太陽光発電を行う、という名目なので、しっかり営農を行っていく必要こそありますが、転用が許可されない農地においてはとてもありがたい選択肢になりうるでしょう。

一時転用の許可は3年間ごとの更新となっています。3年の間、問題なく営農と太陽光発電が両立できていると判断されれば、4年目以降も一時転用の許可が下りる仕組みです。

両立できているかどうかの判断基準は、主に作物の収穫量、品質などです。ソーラーシェアリング以前と比べて、収穫量が2割以上減っていたり、品質が著しく低下していると判断されると、許可は取り消しになるので注意しましょう。

他にも、ソーラーパネルの設置位置によって、明らかに農作業の効率が低下している場合は、改善指導が行われる可能性があります。詳しくは後述しますね。

初期費用について

太陽光発電システムの設置費用はなかなか高額です。数年前と比べると大幅に安くなっているとはいえ、それでも数百万円単位の初期費用がかかります。10平方メートルあたり、20万円程度かかると考えておきましょう。

そして、この初期費用を回収するのには平均で10年程度かかります。ですから、黒字になるのは10年目以降ということですね。最低でもその期間は営農を行わなければなりませんし、一時転用の許可も必要です。

もっとも、住宅やマンションに設置する場合もそのくらいの回収期間が必要になるので、太陽光発電というビジネスモデルはそういうものだと理解しておきましょう。そういう意味では、投資としての側面が強いですね。

また、農地の条件によっては初期費用がある程度左右されます。送電用の柱が近くにない場合は実費で設置しなければなりませんし、育てている作物によって必要な支柱の高さも変化し、設置費用も影響を受けます。

ソーラーパネルの設置位置は非常に重要で、低すぎれば作物に十分な太陽光が届かなくなり、収穫量が減ってしまううえに、作業効率にも影響が出て、委員会による改善指導の対象になってしまう可能性があります。

逆に高すぎれば、支柱を伸ばすために設置費用が高額になります。発電効率は大して変わらないので、無駄な投資ということになるでしょう。

ソーラーシェアリングを導入する前には、必ずメーカーに連絡して相談に乗ってもらい、見積もりを取ってもらうようにしましょう。もちろん、その前に一時転用の許可を取っておくようにしてくださいね。

まとめ

最近は農地の土地活用に強い注目が集まっており、さまざまな選択肢が登場しています。しかし、多くは土地の転用が必要になることから、その許可を得られない農地にとっては辛い状況でもあると言えるでしょう。

そんな中、一時転用の許可のみで設置できるソーラーシェアリングはとても魅力的です。同時並行で農業を行う必要がありますが、それをクリアできるならぜひ検討してみましょう。

また、転用の許可が下りる農地で、かつ、もう農業を行うことがないなら、太陽光発電専用の土地にしてしまうのもアリでしょう。

ただ、太陽光発電による電気の売却価格は年々下落しており、これからもこの傾向は続いていくと予測されています。

導入前は必ず見積もりを取り、しっかり吟味したうえで決断するようにしましょうね。

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