カードローンの借り入れ~返済計画を立ててみよう

急な出費にも対応できる心強い味方のカードローン。しかし、だからと言って何の計画性もなく利用すると返済で苦労することになります。本記事ではカードローンに悩まされないための、借入と返済のコツをお教えいたします。

カードローンは長期の返済が前提

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まずはカードローンとキャッシングの違いについて説明いたします。カードローンは、比較的大きな金額の融資を受けるためのサービスです。金額は少ないものならば数十万円程度ですが、大きい金額になると数百万円に達することもあります。

これだけの金額を一括返済するのは難しいので、必然的に返済は分割で行うことになります。

一方、キャッシングは比較的小さな金額の融資を受けるためのサービスです。金額は安い場合は数万円程度、高くても50万円前後です。基本的に返済は一括で行いますが、分割を受け付けている会社もあります。

また、金利にも差があります。基本的にカードローンとキャッシングでは、カードローンの方が金利が安く設定されています。しかし、前述のとおりカードローンは返済期間が長いので、結果的に利息がかさむことも珍しくありません。

一方、キャッシングは基本的に翌月一括返済なので、金利は高くても利息がかさむことはそれほどなかったりします。したがって、少額の融資を受ける場合は基本的にキャッシングを利用するべきです。逆に高額の融資を受ける場合はカードローンを利用したほうがいいでしょう。

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カードローン返済の難易度は借りる時に決まる

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カードローンの返済がスムーズにいくか苦労するかは、借入の時点でほぼ決まってしまうといっても過言ではありません。よく吟味もせず、なんとなくで申し込んでしまうと後々苦労をすることになります。お金の借り方にはコツがあるのです。

何を優先させたいのか考えてみよう

カードローンと一口に言ってもいろいろな商品があります。金利が安いもの、審査が簡単なもの、融資までのスピードが速いもの……これらの条件をすべて満たしているカードローンがあれば当然そこで借りるべきですが、残念ながらそのような商品は存在していません。

金利が安いものは審査が厳しかったり、すぐに借りたれるものは金利が高かったりと、結局はどこも一長一短です。だからこそ複数のサービスが残っているのだともいえます。

問題は自分が何を優先させたいのかです。カードローンの選び方のポイントはおおむね「金利」「審査」「融資までのスピード」「返済期間」「手数料」の5つに絞られます。

この中でどれを1番優先させたいか、あるいはどれはいちばん後回しでいいのかを考えてみましょう。自分が優先させたい条件を可視化することにより、選ぶべきカードローンがぼんやりと見えてきます。

目的がある場合は目的別ローンを使う

カーローン、教育ローンなどの明確な目的があるローンを目的別ローンといいます。こうしたローンは使用目的が限定されている反面、金利はカードローンよりも安く設定されているケースがほとんどです。

目的がはっきりしている場合は目的別ローンを使ったほうがいいでしょう。逆に、急な出費への対応にはカードローンが便利です。

返済計画はカードローン会社のシミュレーターを使って立てる

返済計画を立てる時にぜひ利用したいのが、各金融機関が提供している返済シミュレーターです。現在の主要な各金融機関の多くはウェブ上で返済シミュレーター専用サイトを提供しているので、積極的に活用しましょう。

三菱UFJ銀行カードローン「バンクイック」返済シミュレーション
プロミス 返済シミュレーション

さて、さっそく返済シミュレータを使って返済計画を立ててみましょう。ここでは利用希望額が100万円と想定します。返済月数をあらかじめ決めておきたい場合は、利用希望額÷返済月数を計算します。

たとえば、返済月数24か月、金利12%の場合、毎月の返済額は4万7073円となります。

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この金額で十分返済できると思った方は、この条件で借りればいいでしょう。しかし、この金額では毎月の負担が重すぎるという場合は、利用希望額を減らすか、返済期間を増やす必要があります。

たとえば、利用希望額を70万円にすれば、毎月の返済額は3万2951円になります。また、返済期間を36か月に増やせば、毎月の返済額は3万3214円になります。

ここで注意したいのは、返済期間を増やすとその分利息の支払いも増えるということです。たとえば、上記の例で毎月4万7073円を24回で返す場合、総返済額は4万7073×24=112万9752円で利息返済額は12万9752円です。

一方、毎月3万3214円を36回で返す場合、総返済額は3万3214×36=119万5704円で利息返済額は19万5704円です。後者の方が、利息返済額が6万円以上高くなっています。

利息をたくさん払いたくないという場合は、返済期間をなるべく短くする必要があります。

それでは毎月の返済額が高くなりすぎてしまう、という場合は、最初の利用希望額が身の丈に合っていない可能性が高いです。そういう場合は、利用希望額を見直すところから始めてください。

なお、利用限度額、融資限度額いっぱいまで申し込むのは非常に危険なのでやめましょう。

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審査は1社ずつ申し込む

現代ではカードローンをインターネットから簡単に申し込むことができます。なのでついつい一度に複数社の審査に申し込みたくなってしまいますが、それはお勧めできません。審査に通らなくなってしまう可能性が一気に跳ね上がるからです。

融資を申し込んだ実績は、個人信用情報機関に残ります。融資審査にあたって金融機関は必ずこの情報をチェックします。

その時にほかの業者にも申し込んでいることがわかると金融機関は「この人相当資金繰りで切羽詰まってるな」と考えます。たとえ本当はそんなに困っていなくても、です。あらぬ疑いをかけられないためにも、カードローンの申し込みは1社ごとに行いましょう。

余裕があればキャンペーンもチェックしよう

金融機関はカードローンの利用者を増やすために、しばしばキャンペーンを開催しています。キャンペーンの内容は一定期間の間金利が安くなったり、ATM料金が無料になったりと様々です。余裕がある場合は、お得なタイミングで申し込むようにしましょう。

借りたお金は計画通りに返済しよう

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素晴らしい返済計画を立てても、それを計画通りに実行することができなければ結局は意味がありません。返済は極力スムーズに行いましょう。

自動引き落としなら返済遅れが発生しない

返済日に支払いを怠ると、遅延損害金が発生します。遅延損害金利率はまちまちですが、実質年率の1.46倍までならかけてもいいことになっているため、ほとんどの金融機関はその上限いっぱいに設定しています。

この遅延損害金は本来の返済とは全く別物なので、当然払えば払うだけ損になります。

また、たびたび延滞するとそのことが業者や個人信用情報機関データベースに登録されます。そうなってしまえば、今後新たに借り入れをするのは難しくなってしまうでしょう。以上のような理由から、返済は決して送らせてはなりません。

とはいっても人間、ついうっかりをなくすことはできません。特に複数社から借り入れを行っている場合は、返済日を忘れてしまいがちです。そこで利用したいのが自動引き落としサービスです。

大手のカードローンではほとんど自動引き落としに対応しているので、あらかじめ預金口座を登録しておけばそこから自動で引き落としてもらうことができます。これならば、口座のお金が無くならない限り返済事故は発生しようがありません。

どうしても事情によって返済が遅れそうな場合は、金融機関に連絡しましょう。気が進まないのはわかりますが、ここで逃げてしまうと今後ますますつらい思いをすることになります。

まともなところから借りていれば恫喝なんて絶対にされませんし、数日程度の遅れならば個人信用情報機関に情報が残ることもありません。

大手の銀行や消費者金融は返済が遅れそうなとき専用の電話番号を用意していることが多いので、各金融機関のウェブサイトで確認してみてください。

借金の額は明確にしておこう

借金に苦しんでいる人の多くが、借入先や借金額、完済までの期間を把握していません。これは非常にまずいことです。完済までの道のりが明確でないとモチベーションも上がらないですし、ついつい無駄な借り入れを繰り返してしまいがちです。

借入先はわかっているものの借入額がわからなくなってしまったという場合は、借入先に取引履歴の開示請求をしましょう。開示請求自体は無料で行うことができますが、申込書と本人確認のための身分証明書(運転免許証、保険証など)のコピーが必要です。

開示請求に応じるのは金融機関の義務なので、情報の開示が受けられなかった場合は日本貸金協会や財務局などに相談してください。

借入先がどこなのかもわからない場合は、個人信用情報機関に情報開示請求をするのがいいでしょう。

今の日本には株式会社シー・アイ・シー、日本信用情報機構、日本銀行個人信用情報センターという3つの個人信用情報機関がありますが、いずれもインターネットで開示請求を行えます。開示請求には費用が掛かることがありますが、1000円程度です。

なお、借金があることは確かなのに借金の情報がなかったという場合は、すでに借金が時効を迎えている場合があります。借金の時効を迎えている場合は、借金の時効を確定させるための手続き(時効援用)をする必要があります。時効援用については別記事で解説しています。

余裕がある場合は繰り上げ返済を

カードローンは毎月少しずつ返済していくものですが、手持ちの資金に余裕がある場合はそれとは別に繰り上げ返済をすることができます。

毎月の返済は利息と元本に分けられるのに対し、繰り上げ返済は返済金額全てが元本に充てられるので、最終的に支払う利息を大きく減らすことができます。

繰り上げ返済はATM、インターネット、銀行振り込みなどで行うことができます。方法によっては手数料がかかることがありますので、なるべく手数料無料のものを選ぶようにしましょう。

なお、繰り上げ返済には一つだけ注意点があります。繰り上げ返済をしたからと言って、毎月の返済がなくなるわけではないということです。

たとえば、毎月25日に2万円ずつ返済しているとします。今月はいつもより余裕があったので、同月15日に1万5000円を繰り上げ返済しました。

しかし、繰り上げ返済を行っても、その月の25日の返済額は2万円のままです。繰り上げ返済のし過ぎで毎月の返済に回すお金が無くなり、結果遅延が発生してしまうようでは本末転倒なので注意が必要です。

返済が厳しい場合は債務整理も視野に

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返済計画が大きく崩れ、毎月の返済がままならないという場合は、債務整理を考えたほうがいいでしょう。債務整理には「任意整理」「個人再生」「自己破産」などがあります。

いずれも借金の金額を大きく減額、若しくは0にすることができるため、返済ができないときは有力な選択肢になります。むろん、相応のデメリットもあるので事前によく調べることが大切です。

ご利用は計画的に

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カードローンのCMでまず間違いなく耳にするであろうこのフレーズは、借り入れや返済にあたって非常に重要な意味を持ちます。カードローンは計画的に利用すれば心強い味方ですが、無計画に使えば人生を棒に振る毒にもなりかねません。

利用前にはよく考えることが何より大切です。