贅沢した覚えはないのに、気づいたら借金の総額が100万円になっていたという話は決して珍しいことではありません。
大きな買い物でローンを組んだ、生活費の足しに・・・とキャッシングを繰り返してしまった・・・など、お給料だけでは生活できずに毎月少しずつ赤字を出していたら、あっという間に100万円に到達してしまいます。
100万円の価値は人それぞれですが、1借金額として見るとやはり不安が募ると思います。
ここでは100万円程度の借金を抱えてしまった人が今後どうしていくのが望ましいかをお伝えしています。もしも借金が100万円未満だという人はすぐに借金返済に向けて動き出しましょう!
借金100万円を返せる人、返せない人
借金はちょっとした気の緩みで溜まっていきますし、100万円の借金だけではなく利息も上乗せされることも忘れないでください。
特に多重債務者の多くは、お金にだらしない、返すあてはないのに無計画で借り入れをしてきた部分は大きいはずですから、利息については関心を持ってこなかったかもしれません。
本題に入りますが、100万円くらいの借金ならどうにかなる…と思いますか?
それとも100万円なんてもうどうしようもない・・・と思いますか?
いずれにせよ、今抱えている借金の現実を知る必要があります。
毎月いくら返済が必要なのか、どれくらいの利息がかかるのか
借金の返済できる額は人それぞれなので、まずは100万円を返済していくうえでの最低ラインを確認しましょう。
ここでは大手消費者金融のアコムの返済シミュレーションツールを使って計算します。
消費者金融の多くは年率18%となりますが、利息制限法により、1箇所で100万円以上借りる場合は、年率15%が上限となっていますので、ここでは15%で計算しています。
返済回数でシミュレーション(アコムの場合)
年率 | 返済回数 | 毎月の返済金額 |
15.0 | 12 | 90,258 |
100万円を12回で返済する計画を立てた場合、毎月の返済金額は「90,258円」となりました。
更に細かな返済計画表を見てみると、利息は総額で83,094円になります。
毎月の返済金額でシミュレーション(アコムの場合)
年率 | 毎月の返済金額 | 返済回数 |
15 | 20,000 | 79 |
年率15%で100万円の借入れを希望した場合、毎月の返済金額は借入希望額の2.0%以上になるように設定する必要があります。
すると返済回数は79回・・・つまり6年半もかかる計算になり、更に完済するまでにかかる利息の総額も579,052円ととんでもない金額になってしまいます。
利息だけでも返済できていれば、延滞した事にはなりませんが、それだと元金が減らないので状況は変わりません。
こうして計算してみると、一刻も早く完済しなくては!という気持ちにさせられるので、辛くても現実をしっかり見ていく事が、借金完済への近道です。
ポイントは「年収3分の1」と「手取りの2割」
ここまでの話をまとめると、借金100万円を返すためには利息+元金を毎月コンスタントに支払っていく必要があるというわけです。当たり前の話ですが、これを理解しなくては返済計画もあったものではないです。
次に、ではどのくらいのペースなら完済が可能なのかを紹介します。
一般的に、返済が難しくなる借金は年収の3分の1以上と考えられています。そのため、消費者金融がお金を貸すときには年収の3分の1以下までと法律で定められていて、これを「総量規制」と言います。
100万円の借金だと、年収300万円以上なら余裕を持って返済できると考えられています。それに満たない人は、普通に生活していては完済への道のりは厳しいということです。
次に、月々の返済額を見てみましょう。月々の返済額は「手取りの2割以内」に収められることが無理のない返済には必要だと考えられています。
総支給額ではなく手取りであることに注意してください。簡単そうに思えますが、実際に家計簿をチェックしてみると「手取りの2割」を確保する難しさが分かるはずです。
借金100万円の返済計画をどのように立てていくか
借金100万円の返済は生活に少し気を付ければ完済できる金額です。
しかし、いくら完済するためとは言え、あまりにきつい節約生活をしても身も心も苦しくなって長続きしないでしょう。
借金100万円の返済は早い人でも1年、もっと時間がかかるという人は2年~3年程度の期間を必要とします。ということは、自分がどのくらいのペースで返済が可能なのかと同時に、月々の返済額をどう設定するかをしっかり計算しておくと、無駄のない返済計画を立てられるということになりますね。
かなり大雑把なので参考程度に留めて欲しいのですが、元金定額リボ払いであれば月3万円の元本返済で3年間、月4万円の元本返済で2年間、月9万円の元本返済なら1年間で完済できるという計算になります。
重要なのは毎月の返済金額だけではありません。利息がいくらになるのか、元金はいくらずつ減っていくかをしっかりシミュレーションしておく必要があります。
計算の仕方が分からないという場合は、借入れしている金融機関に相談してみると良いでしょう。
支出を減らすためにできること
借金を返すために有効なのは支出を減らすことです。特に総量規制を超えてお金を借りている人は、多少の不便と引き換えにしてでも節約しなければ、将来への不安をずっと抱えたままになってしまいます。
ですが、節約と言ってもそれほど厳しいものではありません。
100万円の借金をしている人であれば数千円単位の節約を積み重ねるだけで十分な余裕ができます。「余裕で返済できて、少し貯金もできるまで」節約できれば十分です。
食費を減らす
まず、考えられるのは食費を減らすことです。食費は毎日の積み重ねなので1日当たりの節約が大きな効果を発揮します。例えば1日当たりの食費を100円減らせば1か月で3000円の余裕を作れますよね。
まずはお菓子や嗜好品をカットします。特に、週に何回も嗜好品を購入している人はそれを少し減らすだけでも無理せず返済に回すお金を作ることができるでしょう。
次に、外食や既製品に頼らずに、自炊で乗り切ります。出来合いのもの、特にコンビニで売られているものは割高ですから、自炊と比べて数百円の差が出るので決して無視しても良い金額ではありません。
1食あたり200円!?と少なく感じられるかもしれませんが、肉類を減らすだけで節約できて栄養も偏らずに美味しい食事を摂れます。1食200円ですからお昼もお弁当持参は必須です。
スーパーの特売日を狙って買い物しておけば、より節約効果は上がります。
そして言うまでもありませんが、外食は極力控えてください。場合によっては1回の外食で1日分どころか数日分の食費に匹敵するお金がかかるので、節約生活を送る上での天敵となってしまいます。
スマホ代を減らす
月々のお金として厄介なのがスマホ代です。それほど使いもしないのに毎月8000円~10000円近くかかってしまうのは普通ですが、こうした固定費を減らす工夫も大切です。スマホ代を減らす方法は主に二つあります。
ひとつは、通信プランを可能な限り安くすることです。データ通信量を減らす。無料通話分で済ませるなどの工夫で、大手キャリアでも何とか6000円位には抑えられるでしょう。
もう一つの節約法は、大手キャリア以外の会社からスマホを選ぶことです。
俗に「格安SIM」と言われるスマホ会社は、サービスが必要最小限になっている代わりに、スマホ代を大手キャリアと同じように使っても月額3000円台に、データ容量を可能な限り減らせば月額1000円台に減らすことも可能です。
交際費を減らす
短時間でもお金が飛んでいくものと言えば交際費です。
飲み会は1回で5000円以上の出費になるのが普通です。人付き合いをしていくうえで、冠婚葬祭の出費は仕方ないにしても、度々飲み歩く必要はありませんよね。付き合いが悪いと思われてもこのような出費を借金に充てたいものです。
ギャンブルからは足を洗う
ギャンブルは一瞬でお金が飛んでいくということは、本人が一番よく分かっているはず。ギャンブルと借金返済の両立は不可能です。
返済どころか、ギャンブルをやりたいがために借り入れしたい欲求が抑えられなくなってしまいます。
自分の意志で到底我慢できそうにないという人は、既に依存症になっている可能制があります。一日も早く専門機関に相談してください。電話やメール相談、クリニックでの治療もできる時代です。一人でどうにかできる問題ではないので、ぜひ頼ってください。
収入を増やすためにできること
収入を増やすために転職するというのは難易度が高いですが、ちょっとした副業なら可能だという人も多いでしょう(副業OKの職場でないといけませんが・・・)。
100万円の借金を返すためにできる収入アップ法と言えば、例えば日雇いのアルバイトです。夜勤のアルバイトという選択肢もありますが、本業への影響を考えると、休日を利用して単発で働いたほうが負担は少ないです。
肉体労働系のアルバイトが厳しいという人は、試験監督といった身体的な疲労が少ない仕事もあります。
できるかどうかを考えるよりも、まずは求人情報をチェックしたほうが話は早いです。
また、今はインターネットを活用して、すき間時間に在宅ワークをする選択肢もあります。月に2~3万円でも収入がUPしたら、返済計画の大きな助けになりますよね。
繰り返しになりますが、100万円の借金であれば、無理に収入を増やす努力よりも、支出を減らすだけでかなり返済ペースは上がるはずです。
仮に、支出を減らすだけではどうしようもないという場合は、そもそも十分な収入が無いことが考えられます。借金があることを正直に家族に話し再スタートの手助けをしてもらってください。
借金に関する相談は弁護士事務所をはじめとする多くの機関がありますので、一度相談してみる事を強くおすすめします。
債務整理の中では、自己破産がよく知られていますが、借金の総額が少ない、破産者になるのは避けたいという場合は任意整理という方法もあります。
今の状況では返済ができないと分かっているのに、放置することは絶対にやってはいけません。素人判断ではなく借金整理が必要かどうかについては、法律の専門家に判断してもらいましょう。