借金があってもクレジットカードは作れるのか?いろいろな条件を含めて解説します

クレジットカードを作りたい!けれど、借金をしているから無理なのかな、と悩んでいる方は多くいらっしゃるでしょう。

クレジットカードを作る際には、カード会社の審査をパスしなくてはいけません。そして、この審査内容はクレジットカードを申し込んだ人の職業、年収、クレジットカードの保有枚数など非常に多岐に渡ります。

その中にはもちろん現在の借金状況や、過去の借金歴などの審査も含まれます。

借金があるとクレジットカードの審査には通らないのでは、と考えている人は多いと思いますが、そんなことはありません。借金があってもクレジットカードを作ることは可能です。

しかし、借金の状況によっては審査が通らない場合も多々あります。総量規制にひっかかっていたり、借金延滞の過去があると不利になると考えてよいでしょう。

今回は借金があってもクレジットカードは作れるのか、について詳しく解説していきます。いくつかの借金状況によって場合分けして解説していくので、自分の状況でクレジットカードを作れるかどうかの参考にしてください。

※以下の解説は一般的なクレジットカード会社に対してのものになります。審査が甘いとされている会社なら、他の会社では審査が通らないような状況でも、クレジットカードを作れる場合もあります。

少額の借金であればクレジットカードは作れる

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一般的に少額の借金であれば、クレジットカードを作ることは可能です。確かに審査には多少通りづらくはなりますが、全く通らなくなるわけではありません。

ではどこまでが少額なのか、ということですが、総量規制に全くひっかからない程度の借金であれば、ひとまず問題はありません。

総量規制とは何か?具体的にいくらまで大丈夫なのか?については、以下で詳しく解説します。

しかし、現在の借金の残高を鑑みて、キャッシングの限度額を調整されることがあります。例えば、30万円の借入額で申し込みをしたのに、10万円までしか認められなかった、などですね。

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どうして借金があるとクレジットカードの審査に通らないのか

そもそも、なぜ多額の借金があるとクレジットカードの審査には通らないのでしょうか?答えは簡単で、貸し倒れのリスクがあるからです。

貸し倒れとは、お金を貸した相手が自己破産などで債務整理を行ったり、ひどい場合は消息不明になったりして、貸し手が借金を回収できなくなることです。

クレジットカード会社は現時点で借金をしている人のほうが、貸し倒れのリスクが高いと判断します。そして、ある一定以上のリスクがあると判断した人には、クレジットカードの作成を行いません。

借金はこのリスク判定の中で大きな比重を占めています。そのため、借金があるとクレジットカードの審査が通りにくくなるのですね。

総量規制とは?

総量規制とは個人の借金の限度額を定めている制度です。この制度が始まる前までは限度額が存在せず、貸し手が許せば青天井に借金をすることができました。

しかし、それが原因で多くの自己破産者などが出るようになったため、それを防止する目的で制定されたのがこの総量規制です。

現在は年収の3分の1の額までしか借金をすることができません。これを超えるような借金は法律で禁止されているため、消費者金融なども貸付をすることはありません。

そして、総量規制ぎりぎりの借金をしている人は、キャッシング枠のあるクレジットカードを作ることができません。これも総量規制に抵触するためです。

例えば、年収が600万円の人で、現在180万円の借金残高がある人は、30万円のキャッシング枠を受けることができません。そのように申し込みのしても、審査に通らないか、通ったとしても10万円程度の枠に変更されています。

ただ、クレジットカードのショッピング枠は総量規制の範囲外なので、総量規制を超える借金をしていても、キャッシング枠を0円にすれば審査に通る可能性はあります。

また、総量規制は主に消費者金融やクレジットカード会社を対象にした法律です。そのため、銀行などはこの法律の対象外になっています。

よって、総量規制を超える借金をしていても、銀行系のクレジットカードなら作成できる可能性があります。具体的には、三井住友銀行や三菱東京UFJ銀行が発行しているクレジットカードです。

また、総量規制でいう「年収」ですが、これは勤め先の給料だけではありません。他にも、不動産などの不労所得、年金、事業所得(副業としての農業収入など)も含まれます。

自分の現在の年収を正確に把握して、クレジットカードの作成が可能かどうか判断しましょう。

借金の延滞履歴があれば審査に通りづらくなる

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ここまでは現在の借金額によって、クレジットカードが作成できるかどうかお話してきましたが、ここからは借金を延滞している場合について解説します。

2か月程度の延滞であれば、審査に通る可能性はあります。とはいっても、ほとんどの場合は審査落ちしてしまうでしょう。借金を延滞している人にお金を貸すのはリスクが高すぎるためです。

また、現在は完済しているけれども、過去に2か月程度の延滞をしたことがある人はどうでしょうか。この場合は、「おそらく」問題なく審査を通過できるはずです。

おそらく、と書いたのは、延滞記録として信用情報機関に保存されるのが、延滞してから2、3か月後程度のためです。

詳しくは後述しますが、信用情報機関に延滞者として記録されていると、まずクレジットカードの審査は通りません。

延滞期間中にそういった旨の通達を受け取っていない限り、とりあえず問題はないと考えてよいでしょう。

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信用情報機関に延滞記録が残っているとクレジットカードの作成はほぼ不可能

クレジットカード会社はほぼ全ての会社が信用情報機関に加盟しています。信用情報機関とは、クレジットカードを作成した人の個人情報を記録している機関です。カードの作成日や借入額、場合によっては延滞記録が長期に渡って保存されています。

そして、信用情報機関に加盟している会社は、そこに保存されている個人情報を参照することができます。他の会社での借金などが原因で審査落ちするのは、これによって各会社が個人情報を共有しているためです。

そして、信用情報機関に延滞記録が保存されると、クレジットカードの作成はどの会社でもほぼ不可能になります。審査が甘い会社なら可能かもしれませんが、ほぼ全ての会社で不可能と考えてよいでしょう。

とはいっても、1日延滞したからといって、すぐに延滞記録として保存されるわけではありません。会社ごとによって多少違ってきますが、多くの会社は3か月程度を目処に信用情報機関に延滞記録を報告するようです。

また、報告前に借り手に通告が来ることがほとんどです。延滞をしていても、そのような旨の文書が届いていなければ、とりあえず信用情報機関に記録が残っている心配はないでしょう。

ここまで信用情報機関を気にするのは理由があります。それは、延滞記録は借金を全額返済したからといって、すぐに消えるわけではないからです。

信用情報機関の延滞記録は完済後、1年または5年に渡って保存される

信用情報機関の延滞記録は、借金の完済後、1年または5年に渡って保存されることになっています。そのため、一度延滞記録が載ってしまうと、借金を完済しても最低1年間はクレジットカードの作成や新しい借金ができなくなってしまうのです。

借金の延滞にはこういったリスクがあることを知っておきましょう。

債務整理を行うとクレジットカードが作れなくなることも

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過去に債務整理を行った人は、数年間クレジットカードを作れない場合があります。これも信用情報機関に記録が残るためですが、機関によって年数が異なります。

現在、日本にある信用情報機関は、株式会社日本信用情報機構(JICC)、株式会社シー・アイ・シー(CIC)、全国銀行個人信用情報センター(KSC)の3つです。

また、債務整理にもいくつか種類があり、それぞれの方法によって保存される年数が異なってきますので、場合に分けて解説していきます。

任意整理を行った場合

任意整理を行った場合の、それぞれの機関の記録の保存期間は以下になります。

日本信用情報機構(JICC)        5年
株式会社シー・アイ・シー(CIC)     載らない
全国銀行個人信用情報センター(KSC) 基本的に5年

KSCでの基本的に5年というのは少し複雑で、場合によっては載らない可能性もあります。というのも、KSC自体には任意整理を登録する制度のようなものはありません。しかし、保証会社から代位弁済を受けることがあり、これは事故情報として保存されます。

また、CICにも任意整理の記録は保存されません。そのため、任意整理を行ったとしても、クレジットカードを作成できる可能性があります。

自分の延滞記録が保存されているか確認するためには、信頼情報機関に情報開示請求を行う必要があります。

個人再生を行った場合

個人再生を行った場合の、それぞれの機関の記録の保存期間は以下になります。

日本信用情報機構(JICC)       5年
株式会社シー・アイ・シー(CIC)     載らない
全国銀行個人信用情報センター(KSC)  10年

自己破産を行った場合

自己破産を行った場合の、それぞれの機関の記録の保存期間は以下になります。

日本信用情報機構(JICC)       5年
株式会社シー・アイ・シー(CIC)    5年
全国銀行個人信用情報センター(KSC)  10年

これらの期間が過ぎれば機関からは記録が抹消され、クレジットカードの作成や新たに借金をできるようになります。

しかし、借金を調整した会社からは二度とクレジットカードを作ることができません。例えば、A社とB社から借金をしていて、その借金に対して債務整理を行った場合は、A社とB社からは二度とクレジットカードを作れないということです。

自分の債務整理の記録が保存されているか確認するには情報開示請求を行う必要がある

信用情報機関は公には記録を公開していません。個人情報ですから当然ですね。自分の延滞記録や債務整理の記録が保存されているか確認するには、各信用情報機関に情報開示請求を行う必要があります。

情報開示請求の方法は各機関ごとに異なっているので、詳しくは以下のページをご覧ください。
http://onew-web.net/3202.html

借金の有無でクレジットカードを作れるかどうかはその会社次第

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これを言ってしまうとここまで解説してきた意味がほとんどなくなってしまうのですが、結局はその会社次第ということです。

さすがに信用情報機関に記録が保存されている状態では、新規にカードを作ることは難しいですが、借金の額によって作れるかどうかはその会社によります。

アメックスなどブランドイメージをとても重視しているところは難しいでしょうし、楽天カードなどの比較的大衆向けにカードを発行しているところなら十分可能性はあります。

カード審査の内容は公開されていないので、全て推測になってしまうのが実情です。現在借金があるけれど、どうしてもクレジットカードが欲しい!という人はいろいろな会社に申し込んでみるのも手かもしれませんね。

また、申込書などには嘘を書かないようにしましょう。年収などは会社に確認の電話がかかってくる場合もありますし、借金は信用情報機関に問い合わせれば一発でバレてしまいます。

新たにクレジットカードを申し込むときは、借金のさらなる負担にならないよう賢く使っていきましょう。

※返せない借金はこちらで減額診断してみましょう。