基本的に投資は借金をしてまで行うべきものではないとされていますが、例外的に不動産投資に関しては借金をしてした方がいいとされています。今回はその理由について紹介したいと思います。
不動産投資は賃料収入と売却益を狙う投資
不動産投資出られる収入は大きく、賃貸収入と売却益に分けることができます。前者をインカムゲイン、後者をキャピタルゲインということもあります。
前者に関しては、例えば5000万円の物件を買って賃料収入が500万円ならば、利回りは10%ということになります。一方、後者に関しては例えば5000万円の物件を買って6000万円で売ることができれば利益は1000万円となります。
現代においては基本的にインカムゲインを狙うべき
キャピタルゲインはうまく行けば短期間のうちに何千万という利益を上げることもできますが、失敗した時のリスクも大きいです。
そもそも不動産は基本的に時が経つに連れて劣化するものなので(土地は除く)、一定期間所有してから高値で売り抜けるというのは簡単なことではありません。
日本全体が高度経済成長に湧いていた時期ならばともかく、現代の日本でキャピタルゲインを中心に狙っていくのは賢い戦術とはいえません。基本的には安定感の高いインカムゲインを狙っていくべきです。
不動産投資では借金をすると利回りが大きくなりやすい
不動産投資で借金をせずに物件を買おうとすると、最低でも数百万、物件によっては数千万円以上の現金を用意しなければなりません。それにはたくさんの時間がかかりますし、資金ができた時にはすでに40代後半、あるいは50代になっているかもしれません。
不動産投資は基本的に長期間やればやるほど収益が安定しやすく、若いうちに始めたほうが良いものなので、この方法はおすすめしません。
また、不動産投資では借金をすると利回りが大きくなります。例えば、5000万円の物件を現金で買って賃料収入が500万円だった場合、利回りは500万円÷5000万円=10%です。
一方、頭金が1000万円で残りの4000万円を借金して同じ物件を買った場合、利回りは500万円÷1000万円=50%となります。
もちろん、借金をするとその返済もしなければならず、利息をとられるため実質的な利回りはもう少し小さくなってしまいますが、それでもかなりの利回りになることは間違いありません。
借金はインフレへの備えになる
物価が上がり、相対的にお金の価値が下がることをインフレ、それとは逆の減少をデフレといいます。
インフレが起こるとお金の価値は下がるので現金を持っていてもあまり意味がなくなりますが、逆に借金がある場合は相対的にその負担が小さくなります。例えば突然物価が10倍、収入も10倍になったら、借金の重みは10分の1になります。
もちろん、デフレになったら逆に借金の重みは増えてしまいますが、今の日本でインフレが起こる可能性とデフレが起こる可能性どちらが大きいかと言ったら、おそらく前者でしょう。
歴史上急激なインフレが起きた国には幾つもありますが、急激なデフレが起こった国はありません。そのことを考えると、借金をして不動産という現物資産を持って投資をするのは懸命な判断と言えるでしょう。
不動産投資は区分所有より一棟所有が有利
それでも借金をするのは怖いから最初は区分所有で不動産投資を始めたい、という方もいらっしゃるかもしれませんが、区分所有で不動産投資をするのはあまりオススメできません。それよりも借金をしてでも一棟所有を目指すべきです。
一棟所有のメリットは、収益性の安定性が高いことです。不動産投資における最も身近で大きいリスクは空室です。所有している物件が全部空室になってしまうと、お金は1円も入ってきません。
しかし、一棟所有の物件全てが空室になってしまうことはまず考えられません。何割かは入居があるはずです。何割か入居があれば、収入は0にはなりません。
一方、区分所有で1部屋しか買わないと、入居率は100%か0%の二択かになってしまいます。誰かが入居してくれているうちは良いですが、一旦出て行かれてしまうと収入がまるまる途絶えてしまうのです。これは大きなリスクです。
それならば区分所有だけで10部屋集めれば良いのでは、と思われるかもしれませんが、区分所有で10部屋持つのと、10部屋の物件を一棟持つのでは後者のほうが効率的に経営が行えます。
離れた10部屋を管理するのは手間もかかりますし、建て替えや修繕も自分の意志だけでは行えません。
借金は計画的に
ただし、それでも無計画に借金をしてしまうのは非常に危険です。借金は必ず計画性を持って行うようにしましょう。