600坪をフル活用!おすすめの土地活用とは?

「600坪」というと、一般的には「広めの土地」というイメージを持たれる方が多いと思います。畳にするとおよそ1,200畳分、メートルでは43m2の正方形程度の広さです。

通常、東京都内で一戸建てを建てるなら30~40坪ほどの土地が必要とされていますから、それと比べるとかなり敷地面積・建物面積も広いです。果たしてこのレベルの広さだと、どのような土地活用が可能なのでしょうか?

600坪を土地活用する際の注意点

土地は、広さによってそれぞれ適した活用方法がある程度定まってきます。まずは、600坪程度の広さの場合、どのような注意点があるのか確認しておきましょう。

「狭い土地向け」の活用方法は選ばない

賃貸経営や駐車場経営は、一般的によく知られている土地活用の方法だと思います。

しかし、土地の広さが600坪にもなるとこのような方法は適しません。なぜかというと、賃貸アパート経営・賃貸マンション経営などの賃貸住宅経営や駐車場として使うにはあまりにも広すぎるためです。

ですが、考え方を変えればこの点はメリットにもなります。狭い土地ではできなかった土地活用方法を選ぶことも可能になるからです。土地が広い分、適切な方法を選べば多くの集客が期待でき、大きな利益を上げる可能性もあるでしょう。

周辺にはどのような需要があるか?

たとえば、同じ600坪の広さでも都市部にあるか、郊外にあるかによって、適した活用方法は全く違います。周辺の人々にとって、どのような施設が必要なのか、その「需要」が変わってくるからです。

土地活用を成功させるためには、周辺の需要に合わせた活用方法を選択する必要があります。具体的に、どのような土地にどんなニーズが眠っているのかについては、具体的な土地活用方法を紹介する段階で後ほどご説明しましょう。

アクセスは車か、電車か?

周辺需要と合わせて、読み違えないようにしたい重要な注意点が、「利用者はその土地までどうやって移動してくるのか」、つまりはアクセスの手段です。

たとえば、都市部の駅近くにある600坪の土地であれば、主要な移動手段は電車ということになるでしょう。その場合、徒歩でアクセスする人も多いので、敷地内では駐車場を広く取るよりも施設本体の床面積を広くとったほうが利益を上げやすいと考えられます。

逆に、郊外など歩いて行くのが不便なエリアでは、車が主要な移動手段になるでしょう。こうした場合は逆に、駐車場の広さを十分に取らなければいけません。周辺需要だけでなく、道路状況や主要な利用客の「アクセス手段」も読み違えないようにしてください。

主な土地活用の経営方式

さて、具体的な土地活用の方法をご紹介する前に、一般的によくある土地活用の経営方式を3つご紹介します。

自己管理・経営方式

自己管理・経営方式とは、土地のオーナー自身が自分で建物の管理と経営を行うやり方です。

ただし、入居者ニーズの把握や管理を自分で行うのは難しいので、入居者の募集と管理だけは業者に委託している方も少なくありません。

自己管理・経営方式のメリットは、業者に委託する部分が少ないため、手数料等が少なくて済むことです。その分、オーナーは土地活用の利益を丸ごと受け取れることになりますが、管理・経営の手間は自分で負うことになります。

一括借上方式(サブリース)

一括借り上げ方式(サブリース)とは、土地と建物をまとめて業者に貸し出し、経営・管理を代行させるものです。オーナーは施設の稼働状況にかかわらず毎月決まった賃料収入を受け取ることができます。

煩雑な土地活用の手間から解放されるメリットはありますが、土地活用がうまくいったときに得られる利益は本来よりも少なくなってしまうので注意してください。

定期借地方式

定期借地方式とは、20~30年など期間を決めて、土地を業者に貸し出し、好きなように活用してもらう方法です。この場合、土地活用に必要な施設は業者が建設することになり、オーナーが受け取る収入は「貸している土地に対してのもの」となります。

一括借上方式の場合、オーナー自身が施設を建設しなければならず、初期費用が多く必要になりますが、定期借地方式ではそうしたデメリットはありません。

ただし、一般的に契約期間が長期になり、施設ごと貸す場合より得られる利益が少なくなってしまうのが難点です。

これからご紹介する600坪の土地に適した活用方法は、基本的にはこれら3つの方式のいずれかで管理・経営されるケースがほとんどなのでよく覚えておきましょう。

600坪におすすめの土地活用

それでは、いよいよ本題の「600坪の土地におすすめの土地活用」をご紹介していきたいと思います。

商業施設

600坪程度の広さがあると、施設に十分な広さが取れる上に、郊外であれば駐車場のスペースも確保することができるでしょう。従って、以下のような商業施設を作り、利益を上げる方法が考えられます。

①スーパーマーケット

毎日、近隣の主婦が晩御飯の買い出しに訪れるようなスーパーマーケットを想像してもらえるとわかりやすいかもしれません。こうした施設を建てるのは、600坪程度の広さだと一般的な土地活用方法です。

すでにご説明してきたように、周辺にスーパーマーケットに対する需要があるかをよく確かめておかなければいけません。

具体的には、周辺に住宅が多くあり、利用者にとってアクセスしやすい立地に土地があること。そして郊外の場合は十分な駐車スペースが確保できるか、といった点が重要になります。

②ホームセンター

スーパーマーケットと並んで600坪の広さに適した商業系施設経営が、ホームセンターです。こちらもスーパーマーケット同様、一般消費者が日常生活で使うものを買いに来るので、毎日一定の需要が見込まれます。

ただし、ホームセンターで売っている商品の中には、持ち歩くのは不便なサイズの大きいものも少なくありません。従って、どちらかというと都市部よりも車でアクセスしやすい郊外に向いている選択肢だといえるでしょう。

もちろん、都市部であっても立地条件が良ければ十分な需要が見込まれるのであれば候補に入れても構いません。

③中小規模の複合型商業施設

複合型商業施設とは、1種類のテナントだけでなくさまざまな中小規模店舗が集まった建物のことです。いろいろなお店があるので、幅広い需要を取り込みやすいメリットもあります。

ですが、管理や経営がうまくいかないと、空きスペースが増えるなど採算が悪化する可能性もあるでしょう。

また、どのようなテナントをどのように施設内に配置するのか、どうすれば周囲の需要に応えられるのかといったことを考えるのは、単一のテナントを入れる場合よりも難しくなります。難易度は高いものの、その分うまくいったときの利益が大きい方法だと考えてください。

土地活用方法としての商業施設の特徴は、利益率が高いことです。一般的には投資額数千万円に対して10~20%程度の利回りが期待できます。ただし、周辺に十分な立地環境がないとうまくはいかないということを覚えておきましょう。

ホテル

商業施設と並んでおすすめしたい土地活用の方法が、ホテル経営です。ホテル経営を行う際は、ディベロッパー、あるいはホテル運営会社と協力して新しいホテルを建設、運営していくことになります。

ホテル経営のメリットは、商業施設とはまた違った需要を取り込めることです。たとえば、活用したい土地のそばにすでに商業施設が存在している場合、競争が激しい地域に自ら乗り込んでいくことになってしまいます。

しかし、ホテル経営であれば商業施設とは需要をかち合うことなく、「宿泊」という独自の需要を取り込むことができます。

ホテル経営も商業施設と同じく10~20%程度と高い利回りが期待できるのも魅力です。ただし、ホテルのグレードによっては初期投資の額が数億円に達してしまう場合もあるので注意しましょう。

オフィスビル

オフィスビルとは、企業が事業所を構えるための建物のことです。一般的にはフロアごと、部屋ごとに異なる事業者が入居し、複数の会社が同じビルに同居しているオフィスビルが多くあります。

オフィスビルもまた、「ビジネス上の需要」という、商業施設、ホテル経営とは違う種類の需要を取り込める土地活用方法です。

注意点としては、オフィスを構える都合上アクセスが良い土地でなければ人気が出づらいという点がありますが、600坪もの広さがある場合、中小規模の企業なら従業員数十人~数百人程度までをカバーできるため、もっと狭い土地に比べて入居者を見つけるのは難しくないでしょう。

さらに、周辺に便利な商業施設や公共機関などがある場合、利便性がさらに高まります。

商業施設、ホテル経営と並び、オフィスビルもまた10~20%程度と高い利回りが見込まれるのもメリットのひとつです。

病院

最後にご紹介する600坪におすすめの土地活用法が、病院を建てることです。土地活用、かつ医療系施設経営というと、一般的には高齢者向けの介護施設・福祉施設などを想像される方も多いと思います。

しかし、600坪の広さがあれば、「病院」そのものを建てることも不可能ではありません。

病院のメリットは、「医療」という差別化のポイントを持っていることです。周辺に医療機関が少ない土地に建てれば、周辺の需要をすべて取り込むことも可能でしょう。

そうなれば、地域にとってなくてはならない施設となり、地域社会に貢献することもできるはずです。ほかの土地活用方法と同じく、病院の利回りも高いといわれていますが、それだけでなく地域貢献にもなるというのは独自のメリットだといえるでしょう。

土地活用で病院を始めるときは、オーナーがひとりでゼロから始めるわけではありません。開業医、もしくは医療法人などと連携し、しっかりと経営計画を立ててからスタートするため、「難しそう」と尻込みしている方も必要以上に恐れる必要はありません。

600坪を土地活用する際のポイント

600坪の広さに適した土地活用の方法をご紹介してきましたが、今回ご紹介してきた方法にはいくつかの共通点があります。最後にそれらを「600坪を土地活用する際のポイント」としてまとめて振り返っておきましょう。

周辺施設の需要とかち合わない領域を見つける

先に、「600坪を土地活用する際の注意点」についてご説明したとき、「周辺に確かな需要がある方法で土地活用を行うべし」とお伝えしていました。今回ご紹介したおすすめの方法はそれぞれ、需要の方向性がまったく異なっているということに気づいておられたでしょうか?

たとえば、商業施設であるスーパーマーケットは「食料品」、ホームセンターは「日常雑貨」が利用者ニーズになります。

一方、次にご紹介したホテルは「宿泊」というそれとはまた方向性の違った需要に対してアプローチしています。後に続くオフィスビルと病院も同様。それぞれ「ビジネス需要」と、「健康・医療」という需要に応える施設です。

このように、さまざまな異なる需要に訴えかける土地活用方法をご紹介してきたのには理由があります。それは、「その土地にあった活用方法を選ぶため」。言い換えると、「周囲の施設とかち合わない、独自の需要を追いかけるため」です。

周辺の需要とかち合う施設を建ててしまうと、最初から激しい競争の中に身を置かなければいけません。それよりは独自の利益を追求するほうが成功しやすいと覚えておいてください。

成功すれば、高い利回りが期待できる

600坪もの広さとなると、オーナー自身が施設の建築費を支払う場合、初期費用も高額になってしまいます。そのため、及び腰になってしまい、積極的な土地活用ができないオーナーさんも多いのではないかと思います。

しかし、今回ご紹介してきたように、600坪の土地活用では高利回りの活用方法が多くあります。

これまでにご紹介してきたような注意点・ポイントをよく守り、土地活用に成功すれば初期費用を回収することもできるでしょう。リスクとリターンを天秤にかけたとき、「リスク(初期費用)は大きくとも、その後のリターン(利回り)は大きい」ということを覚えておきましょう。

適切なパートナー業者と協力して運用を進める

今回ご紹介した土地活用方法は、土地活用の経験が少ないオーナーにとってはどれもひとりで行うのは難しいものだと思います。ですから、必ず信頼できる業者や専門家とパートナーになり、協力して進めていくのが良いでしょう。

特に、ホテル経営や病院の運営では、それぞれ専門の業者と協力することが必須だと考えたほうが無難です。いずれにせよ、施設経営による土地活用には独自のノウハウが必要であり、いかに誠実で信頼できるパートナーを選べるかが重要なポイントになります。

600坪の土地は、十分な広さがある分、活用に成功すれば大きな利益が得られるかもしれません。失敗しないよう十分に情報を集める、プランを立てるなどの準備を整え、検討した上でぜひ活用に挑戦してみてください!