借金が50万円でも返済方法を工夫することで節約できる!

借金が50万円ある場合、返済方法はシンプルであると考える人が多いでしょう。

しかし、実はどういった返済方法をとるかによって、大きな差が出来てしまうことになります。

そのカラクリを、ここで紹介してみたいと思います。

ここでは、金利18.0%の消費者金融で借りているケースで考えてみます。

消費者金融で50万円を借りてしまうと、意外と返済は大変になる!?

インターネットの体験談などを読んでいると、200万円、300万円の借金を抱えてしまって、任意整理や自己破産をしたという記事がたくさん見つかります。

世の中には、300万円以上の借金を作ってしまっている人もたくさんいるので、50万円くらいの借金ならばそれほどあわてることはないと考えてしまう人も多いようです。

しかし、それが借金地獄への入り口になってしまうこともあります。

ここで言う借金とは、カードローンなどの、無担保の借金のことを指し、住宅ローンや自動車ローンのように、有担保のローンは含まないものとします。

住宅ローンの場合なら、マイホームに抵当権を設定しているので、リスクはそれほど大きくはありません。例えば、マイホームの価値が3000万円、ローン残高が2800万円ならば、合わせると200万円のプラスとなっています。

最低返済額だけを毎月支払いしたケースの利息はいくら?

大手の消費者金融のカードローンやクレジットカードのキャッシング枠での借入の場合、返済方法はリボ払いとなります。

リボ払いには、大きく分けて残高スライド方式と、定率方式、定額方式があります。金融機関によってどの方式になっているかが異なるので、個別にシミュレーションをしてみましょう。

大手の消費者金融のアコムで借りた場合

アコムでは、「毎月1回払い」と「35日払い」のどちらかを選ぶことができます。

最近では35日ごとに支払いをしていく、35日払いという返済方法も登場しています。

35日払いに設定した場合、前にATMから返済した日から35日以内に次の支払いをしなければならないので、返済忘れに注意をする必要があります。

アコムの毎月の返済額

アコムでは、定率リボルビング方式がとられています。

限度額が50万円の場合、「借入金額の3.0%以上」というのが毎月の返済金額となります。

50万円を借りた場合、

50万円×3.0%=15,000円

となります。

42万円を借りた場合なら、

42万円×3.0%=12,600円

となりますが、1,000円以下は切り上げとなるので、13,000円が最低返済額となります。

毎月の最低返済額は、基本的には最初に借入をした金額によって決まりますが、途中で追加融資を受けるとその金額が変わってくることに注意が必要です。

例えば、最初に50万円を借りた場合なら、月額返済額は15,000円となりますが、その後残高が30万円になった時点で、お金が足りなくなったので1万円の追加融資を受けた場合なら、

31万円×3.0%=9,300円

で計算され、千円単位なので毎月の返済額は1万円に変わります。

シミュレーションをしてみる

アコムでは、最低返済額を上回っていれば、自由に金額を設定できます。

例えば、36回で返済を済ませたいならば、シミュレーション結果は

毎月の返済額:18,076円

となります。この場合の総返済額は、650,743円となりますので、150,743円の利息がかかることになります。

もっと利息の負担を減らしたいという人は、さらに返済回数を減らしてみましょう。

24回払いで同じ計算をしてみると、

毎月の返済額:24,962円

となります。総返済額は599,089円、利息総額は99,089円となります。

アコムでは、返済が困難な人は、利息以上を返済すれば、一時的に返済額を下げてもらうこともできます。返済が困難な人は前もって相談をすることで、延滞になることを防ぐことができます。

さて、それでは最低返済額だけを支払いしていった場合について、利息はいくらになるのか、計算してみたいと思います。

50万円を借りた場合、毎月15,000円は最低でも返済していかなくてはなりません。一時的に返済額を下げてもらうこともできますが、それをせずに、毎月15,000円の定額を返済していった場合についてシミュレーションをしてみると、

返済終了まで47ヶ月 返済総額698,327円 総利息198,327円

これが最悪のケースとして考えてみると良いでしょう。245,035円もの利息がかかることは好ましくないので、ボーナスが出た時など、余裕がある時に随時返済をするようにしましょう。

大手の消費者金融プロミスで借りた場合

プロミスでは、残高スライド元利定額返済方式がとられています。限度額50万円の場合には金利が17.8%となっており、他社の消費者金融よりもやや金利が低めです。

プロミスの返済額や返済回数の決まり

プロミスでは、

借入残高30万円以下 返済額「お借入後残高×3.61%」 返済回数36回まで

借入残高30万円超100万円以下 返済額「お借入後残高×2.53%」 返済回数60回まで

となっています。

50万円を借りた場合の最低返済額

借入残高が50万円の状態では、

50万円×2.53%=12,650円

千円未満は切り上げなので、毎月の返済額は13,000円となります。

返済額や返済回数は、最終お借入後のご利用額によって決まりますので、最後に借りた金額が50万円ならば、ずっと返済額は13,000円となります。

返済額の負担を減らしたいならば、途中で追加融資を受けるという方法がありますが、月額の負担は減る変わりに、利息が大きくなってしまうので、注意をして借りるべきです。

例えば、毎月13,000円ずつを返済していったが、残高が4万円になった時点でお金が足りなくなったので、1万円を追加融資で借りたとします。すると、借入残高が5万円になるので、

5万円×3.61%=1,805円

千円未満は切り上げなので、毎月の返済額が2,000円に変わってしまいます。

これはメリットでもありますが、返済期間が長期化してしまう原因にもなります。

最悪のケースについてシミュレーション

さて、それではプロミスで毎月最低返済額だけを支払いしていったケースについて計算してみます。

50万円を金利17.8%で借りて、月額の返済額が13,000円なので、

返済終了まで58ヶ月 返済総額746,160円 総利息246,160円

となります。

これが一応の最悪のケースですが、前述したように、途中で追加融資を受けた場合には、月額最低返済額が変わってしまうので、もっと伸びてしまう可能性もあります。

返済の負担を減らす方法とは?

上のシミュレーション結果から、カードローンでは毎月の最低返済額の負担は小さめになっていますが、トータルで見るととても大きな負担をしているということがわかりました。

毎月の負担が小さい ⇔ 支払い総額が大きい

毎月の負担が大きい ⇔ 支払い総額が小さい

ということがカードローンでは言えます。大切なのは、バランスをうまくとるということです。

基本的には、余ったお金はすべて返済をする

カードローンのメリットは、いつでも追加融資を受けられるという点にあります。

限度額の範囲内ならいつでも追加融資を受けられるので、返済をしすぎるということをそれほど心配する必要はありません。

具体例

例えば、給料日に手取りが23万円入ってきて、生活費として15万円、交際費などで5万円かかるとしたら、差額の3万円をすべて返済にあてても大丈夫でしょう。

計算が少し違っていたり、コンパに誘われたなど、予定外の出費ができてしまったとしても、追加融資を受けるという方法があるので、手持ち金に余裕を持たせておく必要はありません。

返しすぎたらどうなる?

ここで、例えば23万円の給料が振り込まれた時に、生活費がどのくらいかかるのかわからないので、とりあえず20万円くらいを返済してしまうという人がいます。

その後、必要に応じてカードローンからお金を追加で借入していき、生活費の足しにします。

5月10日 給料が23万円振り込まれる 20万円を返済
5月20日 生活費や交際費が足りなくなったので、10万円を追加で借りる
6月5日 生活費として10万円を追加で借りる

結果的には、20万円を手元に残して、3万円だけを返済した場合とほぼ変わりがありません。利息は日割り計算となるので、わずかに利息を節約できています。

カードローンでは限度額を超えなければお金の出し入れが自由であり、まるで限度額分のお金が入っているサイフのように使うことができますので、こういった返済方法をしても問題はありません。

しかし、このような利用方法がおすすめなのは、ATM手数料がかからないということが前提です。コンビニATMで借入と返済を行って、毎回手数料として108円もしくは216円がかかってきたのでは、損をしてしまうでしょう。

手数料がかからない方法で借入と返済を行うのであれば、とりあえずもらった給料の大部分を返済にあててしまって、そこから生活費など必要なお金を引き出していくという使い方をすることも自由です。

手持ち金はいらない?

金利が18.0%程度ととても高いので、手持ち金は残さず、余裕のあるお金はすべて返済に回してしまいましょう。どうしても不安な人は、生活費の他に手持ち金として1万円~3万円くらい残しておけば十分でしょう。

生活で工夫をしてカードローンの返済を早める

カードローンの返済を早めるためには、無駄遣いをしないことが一番です。

新車の購入を我慢して、カードローンの返済を優先する

自動車は5年に1回くらいのサイクルで買い替えをする人も多いでしょう。自動車の平均買い替え年数は、およそ7年~8年になります。

中には、10年以上も同じ自動車に乗り続けている人もいます。

「自動車を買い替えしたい」と思っても、「先にカードローンを返済してしまおう」という考えが浮かぶ人は、利息を節約できる人です。

自動車ローンの金利は3.0%~7.0%くらいになりますので、どちらを優先するべきかは目に見えています。

家賃の低い部屋に引越し?

生活費の中で大きな割合を占めるのが、家賃です。月収が20万円くらいなのに月額10万円のマンションに住んでいるという人もたくさんおり、節約する余地が大きい費用でもあります。

月額10万円のマンションから4万円のアパートに引越しをすれば、大きな節約効果があります。

しかし、長期的なプランを立てるならばともかく、50万円のカードローンを返済するために引越しをするというのは大げさな感じもします。

家賃4万円のアパート・マンションに引越しをする場合、敷金・礼金、仲介手数料などの初期コストとして20万円~30万円程度がかかります。

その20万円~30万円を使って50万円の借金を20万円~30万円に減らしたほうが良いような気もしますね。

50万円の借金を返済するためだけに引越しをするということはおすすめができませんが、その他のさまざまな要素も考慮した上で、メリットがあると感じたら、引越しを検討してみましょう。

フリーターから正社員へ

他にやりたいことがあると、フリーターをやっている人は、この機会に正社員になってみるのも良いでしょう。

現在では、正社員としてとある企業に就職をしたら、定年まで勤めるという常識は壊れてきています。

将来的に希望の仕事へ転職するのだとしても、正社員として責任のある仕事をやってきた人のほうが面接で有利になります。

フリーター → 正社員

よりも、

正社員 → 正社員

への転職のほうが簡単なのです。

若い人は正社員になれる可能性もそれなりに高いので、正社員になることも考えてみましょう。

一時的に給料の高い仕事をする

平日は正社員として働いているという人は、土日だけ建設現場などで働くという方法などがあります。

フリーターをやっている人は、自動車工場の期間工を半年間だけやってみるというのも良いでしょう。

自動車工場の期間工なら、給料が高いだけでなく、福利厚生も充実しているので、半年間で50万円くらいならば完済してしまえる可能性が高いです。

求人によっては、入社祝金として10万円~30万円程度がもらえるものもあります。入社祝金で借金を一気に半分以下にしてしまえる可能性があるというのは、魅力的です。

銀行カードローンへ借り換え

それまでの返済で延滞をしておらず、安定収入を得ているような、属性の良い人におすすめなのが、銀行カードローンへの借り換えです。

三菱東京UFJ銀行カードローン「バンクイック」では、年1.8%~14.6%という低金利なので、借り換えをすることで大きく利息を節約できることになるでしょう。

三井住友銀行カードローンやみずほカードローンなど、やはりメガバンクの銀行カードローンは条件が良くおすすめですが、地方銀行のカードローンでも好条件のものはたくさん存在しています。

債務整理をすることにメリットはあるの?

50万円くらいの借金では、債務整理をすることにメリットはないでしょう。

弁護士費用がかかる

個人再生では、弁護士費用の相場が40万円~55万円くらいになります。住宅ローンの特別条項を利用する場合には、5万円くらい上乗せされます。

自己破産では、25万円~40万円くらいが弁護士費用の相場になります。

すなわち、50万円くらいの借金では、自己破産や個人再生をすることにメリットはほとんどありません。

任意整理ではどうか?

任意整理の場合、着手金が1件あたり2万円~5万円、成功報酬10%~20%くらいが弁護士費用の相場となります。

司法書士に依頼をした場合には、成功報酬はかからず、着手金1件あたり2万円~5万円だけがかかってくるというケースが多いです。

1社から50万円を借りている場合なら、任意整理をすることにメリットはありそうです。

借金が50万円でも、返済が困難になり、借金地獄に陥ってしまう可能性がある場合には、早い段階で弁護士や司法書士に相談をして、任意整理で解決をしてしまいましょう。

デメリットもある

任意整理をすることのデメリットは、和解してからおよそ5年間ブラックリストにのってしまうということです。

このデメリットの大きさは人それぞれであり、5年間クレジットカードやローンをいっさい利用せずに生活ができるという人ならば、利息をカットできるというメリットのほうが大きくなるでしょう。

目安としては、返済が長期化して、50万円の元本に対して、利息が25万円以上かかってきそうなケースでは、任意整理を検討してみましょう。

まずは相談をして、メリットとデメリットの説明を十分に受けた後で、メリットのほうが大きくなることが確認できてから、正式な依頼をしましょう。