少額でお金の運用方法を学びながら稼ぐ!「積立投資」を始めよう

投資には興味があるけれど、まとまったお金は用意できないし、何よりもせっかくのお金を失うのは怖い……という理由で、投資を躊躇していらっしゃる方は少なくないかと思います。

そのような方に是非オススメしたいのが「積立投資」という投資法です。積立投資は通常の投資にはない様々なメリットがあり、初心者でも気軽に取り組めます。

積立投資は「初期費用ほぼ0」で出来る投資

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投資の最初のハードルは、何と言っても初期費用を用意することです。例えば、1株300円、取引単位が1000株単位の株を購入するには、どう考えても30万円が必要です。

リスク分散のために買う銘柄を増やせば、更にお金がかかります。そこまでして結果損をしてしまったというのでは困ると、投資を諦めてしまう方も少なくないでしょう。

一方、積立投資は初期費用ほぼ0で始めることができます。積立投資では最初に「月1万円」「月3万円」と言った感じで積立額を決め、それに従って投資をしていきます。

積立預金に似ていますね。違いはその積み立てたお金を預金として預けるか、別の金融商品で運用するか、ということだけです。

積立投資は月1万円程度でも十分に効果があります。なかなか給料やボーナスが増えなくて困っているという方も、これならば安心して始めることが出来るのではないでしょうか。

積立投資は知識があまり必要ない

積立投資は基本的に投資信託という形で行います。投資信託は複数の投資家がお金を出し合って、それをひとまとまりのお金としてプロのファンドマネージャーという人が運用するタイプの投資です。そして利益が発生したら、投資家同士でお金を分け合います。

投資信託では大まかなポートフォリオの方針(株式や債券の割合、組み合わせ)は投資家が決めますが、実際にどのような商品を購入するかの意思決定はファンドマネージャーが行います。

なので、それほど知識がなくても始めることができます。もちろん、全く知識がない人にはおすすめできませんが、勉強する時間があまりない、という方にもおすすめです。(参考:投資信託で安全にお金を運用する方法

また、積立投資の資金は基本的に銀行からの自動引落なので、運用に手間もかかりません。

積立投資はリスクの分散がしやすい

積立投資では前述の通り、株式や債券、あるいは他の資産(不動産や貴金属)などを組み合わせて買います。そのため、自動的にリスクの分散を図ることができます。

株式や債券、不動産など異なる値動きをする金融商品をまんべんなく買うことによって、大損するリスクを減らせます。もちろん、大きく収益を上げられる可能性もなくなりますが、長期的な資産運用で大切なのは大損をしないことです。

積立投資は目標が立てやすい

積立投資はリスクが小さいので、ある程度年利を事前に予測することができます。もちろんその予測が外れることも多いのですが、大外れすることはあまりありません。

そのため、今の積立を続けると将来どれだけの額になるのか飲めどがたちやすいです。長期的な資産運用を考えているのならば、積立投資がぴったりです。

積立投資はいつ始めても利益が出やすい

一般的な投資の難しいところは、安いところで買って高いところで手放サなければならないことです。相場を読むというのは熟練した投資家にとっても容易なことではなく、投資を始めたばかりの1年生にとってはなおさら難しいものです。ここが底値、と思って仕入れたらその後急激なペースで暴落し続けたり、逆にもっと下がると思って静観していたら反発したり……という事例は掃いて捨てるほどあります。

一方、積立投資は価格が高いときに始めても、低いときに始めても大した違いがなく、安定して利益を上げやすい仕組みになっています。積立投資は毎月少しずつ積み立てていく投資なので、最初の価格はあまり影響がないのです。それよりも大切なのはどのように値が動くかですが、それについては予想の仕様がありません。

つまり、いつ始めても実質的に同じ、というわけです。今月始めても来月始めても、あるいは半年後に始めても大して変わりがないので、参入したいと思ったときに参入すれば良いのです。

積立投資の長期的なパワー

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積立投資は毎月拠出する額があまり大きくないので、大きな利益が望めないのでは?と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

毎月の拠出額が少なくても、長く続けることにより複利効果(利息に利息がつくこと)が得られるため、最終的にはかなりの利益を得ることができます。

実際にシミュレーションしてみましょう。あなたは今30歳で、50歳まで毎月3万円ずつ積み立てて投資をするとします。仮にこのお金に利息がつかなかった場合、20年間で溜められる額は3万円×12ヶ月×20年=720万円です。

毎月3万円門頑張って拠出した割には、大した額にはなりませんね。

しかし、積立投資での運用に成功すれば、もっと効率的にお金を貯めることができます。例えば、仮に年利2%での運用に成功した場合、最終的な積立金額は約884万円になります。積立投資をしなかった時と比べて、160万円以上も増えています。

年に2%も利益があげられるの?と思われるかもしれませんが、十分にリスクを分散させるポートフォリオ(株式や債券の配分)を組んだ場合、長期的に見れば平均利回りは5~6%になります。

もちろん、時には利回りが10%を超えたり、逆にマイナス20%になったりするかもしれませんが、長期間続けることによって1年あたりの平均利回りを5~6%に近づけられます。

仮に平均利回りが6%だった場合、最終的な積立金額は約1386万円です。投資をしなかった時と比べて、最終的な金額が倍近くなっています。積立投資の効果がお分かりいただけたかと思います。

逆に、目標金額から毎月の積立額を計算することも可能です。例えば、目標金額が2000万円で、20年間で積立を行うとします。この場合、リターンを平均より少し低い4%と仮定すると、必要な毎月の積立金額は5万4529円です。

リターンを5%と仮定すれば、4万8658円です。このように目標から毎月の積立金額を逆算することによって、自然と老後の生活に必要な資産を形成することができます。

値下がりしても利益が出るカラクリ

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にわかには信じがたい話かもしれませんが、積立投資では金融商品の価格が最初より低くなった時点で売却したとしても利益を出せる可能性があります。

例えば最初は1万円だった金融商品を毎月買い続け、最終的に6000円になっていた時点で売却したとしても、利益が出る可能性があるのです。

ただし、これには条件があります。金融商品の価格が下がり続けていた場合は、どうやっても利益が出ません。金融商品の価格が上がったり下がったりしていた場合は、最終的に価格が下がっていたとしても利益を出せる可能性があります。

具体的に計算してみましょう。例えば、投資を開始した当初の価格は1万円で、その後7年目まで1000円/年のペースで価格が下がり、その後10年目まで1000円/年のペースで価格が上がることがわかっている金融商品があったとします。

10年目終了時点での最終的な価格は6000円です。この金融商品を10年間に渡り毎月1万円使い続けた場合、投資した金額は120万円になりますが、最終的な積立金額はなんと139万円になります。

価格が1万円から6000円下がったにも関わらず、19万円もの利益が出ています。一体なぜでしょうか。

ドルコスト平均法の威力

まず、積立投資は原則として毎月一定の金額を拠出する投資です。一定の金額を投資し続けるということは、言いかえれば金融商品の金額が高いときには少ししか買わず、安いときにはたくさん買うということです。

このような買い方をしていると自然と1口あたりの平均購入単価が下がりるため、少し価格が回復しただけでも高い利益を得ることが出来るのです。

もう一度具体例をもとに計算してみましょう。仮に1ヶ月目が1口1円、2ヶ月目が0.5円、3ヶ月目が0.9円になることがわかっている金融商品を3ヶ月間、毎月1万円分ずつ買って、最後に全て売却するとします。

この場合、1ヶ月目の購入口数は1万口、2ヶ月目は2万口、3ヶ月目は1万1111口となります。最終的な購入口数は4万1111口です。これを最終金額の1口=0.9円で売却すると、売却額は4万1111円×0.9≒37000円となります。

一方、購入にかけた総費用は1万円×3=3万円なので、最終利益は3万7000円-3万円=7000円となります。最初よりも価格が下がっているのに、利益が出ていることが確認できました。

一体なぜ利益を上げることができたのか。価格が大幅に下がった2ヶ月目に大量に金融商品を買えているからです。これが全体の平均購入価格を押し下げており、そのお陰で利益が出たのです。つまり、積立投資では価格の下落はピンチではなく、むしろチャンスであるといえます。

なお、このように毎月一定の金額で買い続ける手法を「ドルコスト法」と言います。ドルコスト法は平均購入得価格を下げられるだけでなく、機械的に買うので欲や恐怖心に振り回されずに投資ができるというメリットもあります。

一方で価格が下がり続けている場合は利益が出ない、底値で買えない、と言ったデメリットも有り、万能ではありません。ですが色々と有益な点が多いのは間違いありません。

バリュー平均法でさらに大きな利益を狙える

ドルコスト平均法の考え方を更に推し進めたものに「バリュー平均法」があります。

バリュー平均法はアメリカのハーバード大学の元教授であるマイケル・エデルソン氏が考案したもので、ドルコスト法の「高いときは少ししか買わず、安いときにはたくさん買う」という方針をさらに強化したものです。

バリュー平均法では、まず最初に投資の目標を決めます。例えば、1ヶ月に月3万円ずつ購入して「20年後に720万円にする」と言った感じです。そして、毎月末に保有資産を時価で計算し、それに足りなければ追加購入し、上回っていれば余った分を売却する、と言うものです。

例えば、1年目終了時点での時価が34万円になっていたとします。本来、20年で720万円溜めたいのならば、1年目終了時点では時価総額が36万円になっていなければいないはずですが、それには2万円足りません。

従って、1年1ヶ月目には、通常の3万円とは別に、不足分の2万円を追加で拠出し、5万円分購入します。

それから1ヶ月が経って改めて時価総額を計算したところ、41万円になっていました。本来、1年1ヶ月目終了時点では時価総額が39万円になっていなければいけないはずですが、2万円余ってしまっています。

従って、1年2ヶ月目には、通常の3万円から、余った2万円を引いた1万円分だけ購入します。

さらに1ヶ月が経って改めて時価総額を計算したところ、48万円になっていました。本来、1年2ヶ月目終了時点では時価総額が45万円になっていなければいけないはずですが、3万円余ってしまっています。

この場合は、通常の3万円から余った3万円を引いた0円分だけ購入します。つまり、何も購入しないのです。

さらに1ヶ月が経って改めて時価総額を計算したところ、53万円になっていました。本来、1年3ヶ月め終了時点では時価総額が48万円になっていなければいけないのですが、5万円余ってしまっています。

この場合、通常の3万円を超えて超過している2万円分だけ、すでに持っている分を売却してしまいます。

このように、バリュー平均法では、毎月購入金額を変更します。価格が下がっているときには購入金額を高めて、価格が上がっているときには購入金額を少なくする、あるいは売却することによって、平均購入単価をさらに引き下げるのです。

バリュー平均法のメリットは、ドルコスト法よりもさらに平均購入単価が下がることです。その為、少し価格が盛り返しただけでも利益を得られる可能性がより高まります。

一方、デメリットとしては、価格下落時には大量に追加資金を拠出しなければならないことが挙げられます。

例えば、先の例で1年目の時価総額が14万円になっていた場合は、本来の目標額に22万円足りないので、1年1ヶ月目の拠出額は、通常の3万円に不足分の22万円を加えた25万円になります。

もちろん、これはちょっと極端な話ですが、ありえないわけでもありません。2008年には日経平均全体で相場が40%も下落しています。このような不測の事態に弱いのが、バリュー平均法の弱点です。

もう一つのデメリットは面倒くさいことです。ドルコスト平均法は毎月一定の額を拠出するだけなので面倒な計算は必要ありませんが、バリュー平均法では毎月末になったらその時点での時価総額を計算し、それに応じて拠出額を変更しなければなりません。

「口数」と「基準価額」

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ここで積立投資に置いて極めて重要となる口数と基準価額という単語について説明していきます。まず、口数とは、受益権の単位のこと、投資信託の取引単位のことです。

株式投資における「株数」のようなものです。一方、基準価額とは、ある口数(通常は1万口)の時価のことです。

積立投資では毎月一定の額だけ拠出をすることになるので、基準価額が安いほど1ヶ月あたりの購入口数を多くすることができ、その分だけ平均購入単価を下げることができます。

例えば、毎月の拠出額が1万円で、基準価額が1万円の場合は1万口しか買うことができませんが、翌月基準価額が5000円になれば2万口買えます。2ヶ月で2万円を拠出し、それで3万口を買っているので、平均購入単価は0.666口/円となります。

繰り返しになりますが、積立投資では基本的に値下がりをしているときがチャンスです。一時的に評価金額は低くなりますが、基準価額が低くなっている限りは平均購入単価を下げられるため、相場が反転すれば大きな利益を得られます。

積立投資で損をすることもある

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ここまで積立投資がいかに素晴らしい投資であるかを説明してきましたが、もちろん積立投資に弱点がまったくないというわけではありません。弱点を予め把握し、それに対する対策を考えて置くことにより、大損のリスクを防ぐことができます。

基準価額が下がり続けると、積立投資と言えども損をする

積立投資が有利なのは基準価額が下がるとその分だけ口数が増やせ、平均購入単価を下げることが出来るからですが、平均購入単価がいくら下がっても、現在の単価がそれを下回ってしまっては利益を上げることはできません。

基準価額が下がり続けている状況では、損失が発生してしまいます。

ただし、現実的には基準価額が下がり続けるということはめったにありません。景気は一方的なものではなく、循環するため、大抵の場合はいずれ反転します。

反転さえしてしまえば損失を埋め合わせ、利益を得ることはそう難しくありません。積立投資を長くやればやるほど反転する可能性が高くなり、多くの利益を得られます。

基準価額が上がってから下がると損をする

基準価額が上がると、それだけ変える口数が少なくなり、平均購入単価は上がります。相場が上がり続けていればそれでも問題ないのですが、一度上がった後に元の水準まで下がってしまうと、損をしてしまうこともあります。

積立投資は値下がり→値上がりという流れには強くても、値上がり→値下がりという流れには弱いのです。

ただし、積立投資を続けるとこのような波は何回もやってきます。値上がり→値下がり→値上がり→値下がり→値上がり→値下がり→値上がり……と言った感じです。こうした並を何度も繰り返すことによって、最終的に安定した利益を得ることが出来るのです。

長期的な展望を持って、ゆっくりと資産を築いていこう

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積立投資で大切なのは、長期的な視野を持つことです。積立投資は一括投資と違って、急に評価額が数倍になるようなことはまずありません。長い間時間をかけて、複利効果を狙って少しずつじわじわと資産を増やしていけるのが積立投資の長所であり、醍醐味です。

とはいえ、何の目的もなくただ長期間に渡って積立投資をするのは簡単なことではありません。途中で何のために毎月頑張ってお金を出しているのかわからなくなってしまっては困ります。メンタルを安定させるためにも、具体的な目標を決めてしまったほうが良いでしょう。

まず、そもそも何故積立投資をするのかについて考えます。一体なぜお金を増やしたいのか。

結婚資金のためか、旅行資金のためか、教育資金のためか、老後資金のためか、はたまた他にも何か目的があるのか……。そして、その目的から、いつまでにいくら必要になるのかを考えます。

例えば、老後資金を作る場合について考えます。将来的に年金の受取は65歳になることが確定しており、なおかつ将来的にはさらに受給開始年齢が引き上げられるとも言われています。

一方、多くの企業では60歳定年制を採用していますので、どうしても間に空白期間ができてしまいます。この期間の生活資金を稼ぐためにも、60歳までにある程度の資金は用意しておきたいところです。

再就職する人も多いでしょうが、以前より収入が減ることは間違いないので、やはり資金を用意しなければなりません。

仮に30歳で積立投資を始めるとしたら、60歳になるまでの30年間投資をすることになります。この時までに3000万円を得るには、一体どうしたら良いでしょうか。

まず、想定される平均利回りを考えます。前述の通り、適切なポートフォリオを組めばだいたい平均利回りは5~6%になりますが、いつもそうなるとは限りません。今回はちょっと慎重に、平均的な利回りを3%に設定したいと思います。

仮に毎月の積立額を3万円にした場合、最終的な評価額は約1748万円になります。目標金額にはまったくもって達していません。仕方がないので、積立金額をもっと増やしてみます。4万円にした場合、評価額は約2331万円になります。だいぶ増えましたが、まだ足りません。

5万円ならば、評価額は2913万円になります。まだ少し足りませんが、これならほぼ目標は達成したと言っていいでしょう。従って、この条件で60歳までに3000万円溜めたい場合は、毎月5万円強を拠出すれば良いことになります。

みなさんもこのように目標を定めて、熱意を持って積立投資に挑んで下さい。