あなたはどれに投資する?世の中の全投資と借金の仕組み

世の中にはさまざまな投資があります。不確実性が高い代わりに大きく利益を得られる可能性もある投資もあれば、不確実性はほとんどない代わりにほとんど金利もつかないような投資もあります。今回は世の中にある様々な投資について解説していきたいと思います。

そもそも投資ってなに?

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そもそも投資とは、資本を増加させるために、つまりはお金を増やすための取り組みを言います。普通預金も利子が付くので、投資の一種に含まれます。

ただし、生産能力が増加しない商業活動などは投資には含まれません。あくまでも資本を増やすための取り組みを投資といいます。

世の中のすべての投資には不確実性が伴う

世の中に存在するすべての投資には不確実性(リスク)があります。不確実性とは簡単に言えば、あらかじめ期待していた収益が実現できない可能性のことです。

たとえば普通預金などはあらかじめ利回りが公表されているので一見不確実性はないように見えますが、銀行の経営が悪化すれば、その利回りがきちんと実現されない可能性がありますし、銀行が倒産してしまえばそもそも元本を全額回収できない可能性すらあります。

逆に、銀行の経営が極めて好調だったり、世の中の景気が良くなったりした場合、利回りが当初の予定より上がることもあり得ます。このように、予想以上の収益が挙げられる可能性も不確実性に含まれます。

一般的に、投資の期待収益率(金利)が低い投資は不確実性が低く(予想通りの収益を上げやすい)、期待収益率が高い投資は不確実性が高い(予想より儲かったり、予想より儲からなかったりする可能性が高い)とされています。

たとえば、普通預金は期待収益率は低いですが、不確実性は低く、銀行の倒産や急激な業績の悪化など極めて深刻な事態が発生しない限りは予想通りの収益を上げることができます。

一方、株式投資は期待収益率は高いですが、不確実性は高く、ちょっとした株価の変動で大損したり、あるいは大勝ちしたりします。危険を背負ってでも大きく稼ぐ可能性に賭けたい人は不確実性の高い投資を、そうでない人は不確実性の低い投資を選ぶことになります。

投資の対象には預金、株式、債券、商品、不動産、保険、為替、年金、投資信託などがあります。

【預金】は最も不確実性が低い安全性の高い投資

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世の中には不確実性を極端に嫌う人がいますが、残念ながら生きていく限りは不確実性から逃れることができません。一見ノーリスクに見える預金にも銀行倒産などのリスクがあります。

どんな形であれ、資産を持つということは不確実性を受け入れるということに変わりないのです。

とはいえ、預金はすべての投資の中でも最も不確実性が低く、安全性が高い投資であることもまた事実です。

銀行が倒産するということはめったにないことであり、また万が一倒産したとしてもペイオフという制度によって1000万円前での元本とその利息は守られるので、実質的にはほぼリスクは0と言ってもいいでしょう(完全に0ではありません……念のため)。

預金と言えば普通預金が有名ですが、実はそれ以外にも様々な種類の預金があります。ここではそれぞれの預金の特徴とメリット、デメリットなどについて解説をしていきます。

普通預金は最も身近な預金

普通預金はおそらく皆さんも日常的に使用しているであろう預金です。自由に預入や払い入れができるなど、換金性の高い仕組みになっています。

窓口のみならず、ATMでも預入や払い入れができるため、給料や年金の受け取り、あるいは生活費の引き出しなどに使っている方も多いでしょう。投資というよりも、安全な貯金箱といったほうがいいかもしれません。

もちろんペイオフの対象であり、元本は1000万円まで確実に守られます。

普通預金はこのように換金性が非常に高く安全というメリットがある反面、金利は非常に低いです。

たとえば、横浜銀行の場合、普通預金の金利は年利0.001%となっています。100万円預け入れても利子は10円にしかなりません。ATMを年に1回使用するだけでも赤字になります。

安全に資産を保持するには極めて有効な普通預金ですが、増やすのにはおそらくもっとも向いていない金融商品でもあると言えるでしょう。

定期預金は金利が高いが、換金性が低い

定期預金は初めに預け入れる期間を決めて利用するタイプの預金です。もちろんこちらもペイオフの対象であり、安全性は高いです。期間は1年後、3年後、5年後、10年後などと設定します。

満期まで引き出すことができないというデメリットはありますが、金利は普通預金と比べれば高めです。たとえば前述の横浜銀行の場合、定期預金の金利は0.01%となっています。普通預金の10倍です。

ただ、10倍と言っても非常に低いことには変わりありません(100万円預けて利子は100円)。ネット銀行などだともう少し金利が高くなる傾向にありますが、それでもせいぜい0.1%程度(100万円預けて利子は1000円)であり、大きく稼ぐには向いていません。

なお、定期預金をどうしても中途解約したいという場合は、元本は帰ってくるものの付くはずだった利子が少なくなるケースが大半なので気を付けましょう。どの程度少なくなるかは銀行によってまちまちなので、各銀行にお問い合わせください。

総合口座は普通預金と定期預金のいいとこどり

想像口座とは、普通預金に定期預金の機能がついてきた、総合的な用途に使える口座です。普通預金のように自由にお金を受け取ったり、支払ったりすることができる一方で、定期預金としてお金を預けることができます(もちろん預けなくても問題ありません)。

また、普通預金の残高が不足した場合に、定期預金で預けているお金を担保にお金を借りることができます。この仕組みは「当座借越」といいます。

基本的に普通口座の上位互換である総合口座ですが、当座借越を利用した場合はそれにも金利が付く(借金が増える)ことを念頭に置いておきましょう。

当座預金はより安全度が高いが、金利は全くつかない

当座預金は企業や個人事業主が業務上の支払いに利用するための預金です。現金ではなく、小切手や手形で支払をする際に利用します。当座預金を開設する場合は、一般的に審査を受ける必要があります。

審査自体は厳しいものではありませんが、審査に合格したとしても通帳は発行されず、かわりに当座勘定照合表という表が送られてきます。インターネットバンキングから取引状況を確認することもできます。

当座預金は業務用のお金ということで、普通預金とは別に全額が保護されます。資産としての安全性は普通預金よりもさらに上であるといっていいでしょう。

ただし、残念ながら利息は付かない(当座預金に利息をつけることは臨時金利調整法という法律で禁じされている)ため、投資にはなりません。

貯蓄預金は普通預金と定期預金の中間に位置する預金

貯蓄預金はその名の通り、貯蓄を主な目的とした預金です。金利は普通預金よりも高く(ただし定期預金よりは低い)、換金性は定期預金よりも高い(ただし普通預金より低い)という特徴があります。

預入残高に応じて金利が高くなる「金額階層別金利型」と、残高が一定以上の場合に金利が高くなる「金額別金利型」がありますが、より主流なのは全社です。

貯蓄預金は普通預金と同じように原則いつでも出し入れができますが、給与の受け取り口座として指定したり、公共料金を引き落とししたりすることはできません。

また、銀行の定めた額より預入金額が少ない場合は、普通預金と同じかそれ以下の金利しか適用されないことがあります。使い方を誤ると金利も換金性もよくない口座になりかねませんので注意しましょう。

大口定期預金は1000万円以上の定期預金

大口定期預金は、1000万円から預け入れが可能な定期預金です。庶民には少し縁遠い預金と思われるかもしれませんが、退職金などまとまったお金が入ったときはこれを利用する人も少なくないようです。

大口定期預金の特徴はなんといっても、銀行と預金者が話し合って金利を決定できることにあります。銀行の店頭やウェブサイトに表示されている金利はあくまでも最低値であり、交渉次第ではそれよりも高い金利を適用してもらうことも可能、というわけです。

1億、3億、10億といったまとまったお金を預け入れれば、それだけ高い金利が適用される可能性が高いです。

現代は市場金利が低く、そっちからお金を引っ張ったほうが効率的なので、わざわざ高い金利を支払ってまで預金者をつなぎとめようとする銀行はなかなかありませんが、それでも交渉次第で金利が高くなるというのは大きなメリットと言えるでしょう。

積立定期預金は毎月積み立てるタイプの定期預金

積立定期預金は、毎月一定の金額を拠出ししていくタイプの預金です。一定の期間積み立てた後、据え置き期間を経て、満期日に到達すれば元本に金利を上乗せした分が返ってきます。

定期預金と違って、最初からまとまった金額を用意せずとも始められるのでハードルが低いというメリットがあります。

普通預金から自動振り替えで積み立てることができるので、たとえば普通預金口座を給料受取口座として指定し、そこから毎月一定額を定期預金口座に移して積み立てていく、といったようなことも可能です。

積立金額は5000円以上の場合は1000円単位、1万円以上の場合は1円単位としている銀行が多いようですが、そうでないところもあるので詳細は各銀行までお問い合わせください。

預金は不確実性が低いので誰でも始めやすい

預金はおそらく数ある投資の名でも最も不確実性が低いので誰でも始めやすいです。将来投資を始めたいと考えている方は、まずは定期預金から始めてみるといいかもしれませんね。

【株式投資】は不確実性が非常に高いが、うまくはまれば大儲けできる可能性を秘めている

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株式投資とは、株式を購入したり売却したりすることによって、利益を得る投資のことです。前述の預金とは比べ物にならないくらいの不確実性を秘めている反面、うまくいけば年収を超える利益を上げられるかもしれないという魅力があります。

株式は企業が資金調達のために発行する券である

そもそも株式とはいったいあんなのでしょうか。株式とは簡単に言えば、会社の一部です。会社は事業資金を得るために、株式を発行しています。

株式を購入することは、会社に事業資金を出資すること、つまりは会社のオーナーの一人となることとほぼ同義といえます。株式を大量に取得すれば、企業経営そのものに大きく携わることもできます。

もちろん、通常は個人投資家がそこまで株式を大量に購入することはできませんが、個人オーナーとしての権利を手に入れることができれば様々なメリットを享受することができます。

株式は他人に譲渡・売買することができる

株式は他人に譲渡・売買することができます。勢いのあり業績がいい企業の株は多くの人が欲しがるので取引価格が上がります。安い段階で株を買って起き、高くなってから売る、というのが株式投資の基本的な方針です。

このように、安く購入して高く売却することによって得られる利益をキャピタルゲインといいます。

株式を所有していると配当金が受け取れることがある

企業は、株式を所有している株主に対して一部の利益を還元することがあります。この還元されるお金を配当金といいます。配当金を出していない企業もあれば、配当金を年に4回出す企業もあります。

多くの企業は年に2回配当金を出していますが、業績が悪化した場合には配当金が減ったり、なくなったりすることがあります。

投資金額に対する配当金の割合を配当利回りといいます。たとえば、1株1000円の株式を1000株購入し、その株を所有し続けていたことによって、1年に2回、それぞれ1株につき5円の配当金が配られたとします。

この場合、投資金額は100万円、配当金は5円×1000株×2回=1万円です。よって配当利回りは1万円÷100万円=0.01=1.0%となります。

このように、資産(この場合は株式)を長く所有し続けることによって得られる利益をインカムゲインといいます。

株主優待がもらえることも!

株式を一定数上所有していると、配当金とは別に株主優待がもらえることがあります。株主優待は株主だけがもらえるご褒美のようなもので、日本の企業独自の制度であり、海外の企業ではめったに見られないようです。

株主優待の内容は様々で、たとえば日本マクドナルドならば優待食事券、オリエンタルランドならばディズニーランドのパスポート、タカラトミーならば株主限定の自社製品、小田急ならば乗車券といった感じで、本業に関連した商品や金券などが送られることが多いです。

株主優待でもらえる優待の内容は、株式の所有数におおむね比例しますが、完全に比例するというわけではありません。一般的には零細株主であるほど(所有株数が少ないほど)利回りが高くなり、それゆえに個人投資家からの人気が高いです。

そのため、個人投資家を増やしたいと考えている企業ほど、株主優待に対して積極的になります。逆にそうでない企業は、株主優待を一切用意していないところもあります。

株主優待で得をしたいという場合は、複数の銘柄を最低限の数だけ買うようにするといいでしょう。

前述のとおり、株主優待は一般的には零細株主ほど利回りが高くなる傾向にあるので、一つの銘柄をたくさん持つよりも、複数の銘柄を少しずつ持った方がいろいろもらえてお得です。

ただし、中には長期で大量に株を所有し続けることによって株主優待のランクが上がるような企業もありますので、ケースバイケースで判断することも大切です。

株主優待の利回りはおおむね1.0%前後ですが、中には5%を超えるような企業もあります。たとえば、メガネスーパーの株主優待は割引券ですが、その利回りは2016年4月現在で7.81%にも達しています。

ただし、もらえるのはメガネスーパーでしか使えない割引券なので、配当金と違い換金性は低いです。これは何もメガネスーパーに限った話ではないので、株式を購入する前には必ず株主優待が使える店舗などを確認しておいた方がいいでしょう。

また、前述のとおり、株式の価格は毎日上下します。株主優待の利回りがいくら高くても、株式自体の価格が下がってしまい、総合的に赤字になってしまうようでは本末転倒です。

あくまでも株式の値上がりが優先で、株主優待はもらえればラッキーなおまけ程度に考えておいた方がいいでしょう。

なお、その企業がどんな株主優待を配布しているかはそれぞれの企業のホームページでも確認することができますが、Yahoo!ファイナンスを使うともっと楽に確認することができます。

まず、Yahoo!ファイナンスにアクセスし、企業名で検索します。すると株価が表示されるので、その中から「株主優待」をクリックすると、その企業の株主優待の内容が確認できます。

現物取引と信用取引の違い

株取引の方法には、現物取引信用取引があります。現物取引は持っているお金の範囲内の株取引、信用取引は持っているお金以上の株取引といえます。

たとえば、今ここに現金が50万円あるとします。このお金で1株1000円の株を現物取引する場合、当然50万円分(500株)しか買えません。しかし、信用取引ならば最大でこの3倍、150万円分(1500株)の取引をすることができます。

必然的に、もうかったときの利益は3倍になりますし、損した時の損失も3倍になります。

いったいなぜこのようなことが可能なのでしょうか。理由は簡単で、借金をしているからです。つまり、信用取引とは、自分の持っているお金に、借金を追加して行う取引のことなのです。

たとえば、前述の信用取引例の場合、50万円の自分のお金に、100万円の借金を追加して取引を行っていることになります。この取引で1株1000円の株が1500円に上がった場合、もうけは(1500-1000)×1500=75万円です。

これがもし現物取引だったならば、もうけは25万円しか出ていませんでした。信用取引をしたことで、利益が3倍になったわけですね。

もちろん、逆のケースも考えられます。1株1000円の株が500円になった場合、損失は(1000-500)×1500=75万円です。もともと持っているお金は50万円しかなかったので、その差額(25万円)は借金ということになります。

信用取引は借金を抱える可能性がある取引と言ってもいいでしょう。一方、現物取引は持ち金すべてを失うことはあっても、借金を抱えることは絶対にありえません。

ただし、実際には信用取引にも強制決済があるので、借金を背負う可能性はそこまで高いとは言えません。通常は持っているお金(保証金といいます)が一定の割合以下になった場合、追証という警告が発せられます。

追証が発せられた場合は保証金を追加して割合を上げるか、もしくはその時点で決済をする必要があります。追証を繰り返すと傷がどんどん深くなるので、適切なところで損切りの決済をすることも大切です。

また、追証は常にスムーズに機能するとは限りません。株価があまりにも急激に下がった場合は追証が追い付かず、多額の借金を抱えてしまうこともあります。ライブドアショックではこの現象で、1000万円以上の借金を背負った投資家もいたとか……。

信用取引では売りから入れる

現物取引では買いから入る(最初に株を買って、後で売る)ことしかできませんが、信用取引の場合は売りから入る(最初に株を売って、後で買い戻す)ことができます。これを空売りといいます。

最初に持っていない株を売るとはどういうことだ、と思われるかもしれませんが、空売りでは最初に証券会社から株を借りて、それを売ります。その後、株式を買い戻し、その買った株を証券会社に返します。

たとえば、最初に証券会社から1株500円の株を証券会社から1000株借り、それを売ります(+50万円)。そしてその後、1株400円になった時点でそれを買い戻し(-40万円)、それを証券会社に返します。

50万円で売って40万円で買い戻したので、差し引き10万円の利益です。このように、信用取引では株価が下がっている場面でも儲けることができるのです。

ただし、売りから入るのにはリスクもあります。株式相場の格言に「買いは家まで、売りは命まで」というものがあります。買いから入るよりも、売りから入るほうが損した時のリスクは高い、というわけです。

たとえば、1株500円の株を信用取引で3000株借り、その後株価が0(倒産)になってしまっても、損失は150万円です。このうち50万円はもともと持っていたお金で賄えるので、借金は100万です。

一方、1株500円の株を証券会社から1000株借り、それを売った場合についても考えます。(+50万円)。その後株価が下がればいいのですが、仮に1株が10万円になったとしたらどうでしょう。

この場合、買い戻すのに1億円かかります(-1億円)。従って損失は9950万円ということになります。信用取引は億単位の借金を抱える可能性があることについては、よく肝に念じておきましょう。

信用取引には期限がある

現物取引には期限がありません。買った株をいつまでも塩漬けにして、ひたすら値段が上がるまで待つという戦術を取ることも可能なのです。しかし、信用取引は6か月以内に行わなければならないとされています。塩漬けにすることはできないのですね。

信用取引には金利がかかる

信用取引は借金をして行う取引なので、当然その借金の部分に金利がかかります。また、信用取引で売りから入る場合は、貸し株に対する金利がかかります。金利は証券会社にもよりますが、おおむね1.0%~4.0%程度です。

信用取引ができない銘柄がある

現物取引では、上場されている株は原則としてすべて購入することができます。一方、信用取引では取引できる銘柄に制限があります。信用取引ができる銘柄のうち、空売りもできる銘柄を「貸借銘柄」といいます。

その他細かい相違点

現物取引には株主優待が付くことがありますが、信用取引にはそれがありません。また、どちらの取引でも手数料がかかりますが、原則として信用取引のほうが安く設定されています。

株式はどこでどうやって売り買いするの?

さて、ここからは肝心な株の買い方・売り方に関する説明です。

まず、株を購入する際には必ず証券口座を作る必要があります。銀行や郵便局では株は買えませんので注意しましょう。

証券口座は証券会社の口座で、株式以外にも投資信託や債券など、様々な証券を購入することができます。銀行や郵便局と同じように、現金を預けておくこともできますし、金利もつきますが、給与振り込みや公共料金の自動引き落としには対応していません。

株式投資に限らず、投資をやりたいという場合は、いつも使う銀行口座とは別に、証券口座を開いておくといいでしょう。

さて、問題はどこの証券会社で証券口座を開くかですが、おすすめはネット専業でやっている証券会社の証券口座です。ネット専業の証券会社は、実店舗がない分経費が掛からず、そうでない証券会社と比べて手数料が安いというメリットがあります。

また、実店舗と違って24時間いつでも注文可能なのもうれしいところです。口座開設費用や口座維持費も無料であるところが多いので、安心して利用できます。豊富な分析ツールが用意されていることも多いです。

代表的なネット証券会社には楽天証券、マネックス証券、松井証券、SBI証券などがあります。

一方、実店舗を構えているいわゆる総合証券には、株取引の相談を証券マンにできるというメリットがあります。しかし、人件費がかかる分手数料は非常に高いです。ネット証券の5倍以上、ということもざらです。

証券マンのアドバイス通りに買って損しても彼らが責任を取ってくれるわけではありませんし、基本的にはネット証券をお勧めします。どの証券会社がいいかで迷った場合は、「手数料」「機能」「キャンペーン」などで選ぶといいでしょう。

証券会社が決まったら、資料請求をします。資料請求を行うと、資料とともに口座開設申込書が送られてきます。

資料をよく読み、その証券会社にすると決めた場合は、口座開設申込書を記入しましょう。申し込みにはこのほか、印鑑と身分証明書のコピーが必要になるので用意しておきましょう。

なお、口座には「特定口座(源泉徴収あり)」「特定口座(源泉徴収なし)」「一般口座」があります。これらの違いは簡単に言えば確定申告が必要かどうかです。

「一般口座」を選んだ場合、利益を自分で集計し、自分で確定申告をする必要があります。面倒なうえにこれといったメリットもないので、「一般口座」を選ぶのはやめたほうがいいでしょう。

「特定口座(源泉徴収なし)」を選んだ場合、利益の集計は証券会社が行ってくれますが、この書類をもとに自身で確定申告を行う必要があります。

通常自分で確定申告を行わない会社員の人にとっては結構な負担となりますが、源泉徴収がないので利益を再投資できるというメリットがあります。

「特定口座(源泉徴収あり)」を選んだ場合は、利益の集計も確定申告も必要ありません。投資額の面ではやや不利になってしまいますが、手間が省けるので基本的にはこれを選ぶようにするといいでしょう。

申込書を提出してしばらくすると証券会社からログインIDとパスワードが送付されてくるので、それをもとにログインし、取引口座にお金を入れます。入金が確認され次第、取引ができるようになります。

株の売買方法

株式を売買する際には「銘柄」「株数」「注文方法」「注文の有効期限」を決めなければなりません。

銘柄の選び方についてはその企業の将来性、安定性などから決めます。選び方の指南本はたくさんあるので、それらも参考になさってください。

株数は単元株数に沿って買う必要があります。たとえば、単元株数が100株である場合は、100株、200株、300株、400株……と買うことができます。銘柄によって単元株数はまちまちなので気を付けましょう。

注文方法には「成行注文」「指値注文」「逆指値注文」があります。

成行注文は値段を指定せずに、銘柄と株数だけを指定する注文方法です。取引が成立する可能性は高まりますが、思っていた以上に高く買わされたり、安く売らされたりする可能性もあります。

このような失敗を防ぐためには、板を見る必要があります。板とは買いたい人と売りたい人の集合体です。

指値注文とは、「●●円以下で買いたい」「××円以上で売りたい」という注文方法です。値段を指定するので、思いもがけない価格で取引させられる可能性は減りますが、その価格に応じてくれる別の投資家がいないと取引そのものが成立しない可能性があります。

逆指値注文とは「●●円以上になったら買う」「××円以下になったら売る」という注文方法です。自動で取引が成立するため、損切りをするうえで非常に有効です。

非上場株式の売買方法

上記の方法で取引できるのは上場している企業の株だけです。非上場株式(未公開株)を買いたい場合は当事者間で直接売買をすることになります。非上場株式が取引できるグリーンシート市場というのもありますが、取引は難しいです。

株式投資は預金よりも高利回り、だけどリスクも多い!

配当金が2%を超えるケースは少なくありません。一般的な銀行の金利(利回り)は0.001~0.1%程度なので、それと比べるとかなりの高利回りといえます。反面、不確実性も高いです。

【債券】は安全性とそこそこの利回りを兼ね備えた投資

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画像:asahi

債権とは、国、地方公共団体、企業などが資金の調達をするために発行する証券のことです。資金調達のために発行するという点では株式と同じですが、あらかじめ利率や満期日がきめられているという点が株式とは違います。

債権には利札というものが付いてきます。この利札を換金することによって利息を得ることができます。そしてその後満期日を迎えれば、元本を返してもらえます。

たとえば、利回り2.0%、満期日まで5年の債券を100万円購入するとします。この債権には利札が通常10枚付いてくるので、それを半年ごとに換金してもらいます。

1年当たりの利息は100万円×2.0%で2万円、つまり利札1枚当たりの利息は1万円です。それを5年繰り返し、満期日が来たら元本を返済してもらい、投資は終了となります。

株式は価格の上下によっては損する可能性があるのに対して、債券は原則として満期日まで持ち続ければ損することはありません。したがって、株式よりも安全性が高い投資であるといえます。

また、債券は満期日を待たずにマーケットで売却することも可能です。ただし、マーケットにおける債券価格は日々変動していますので、満期日を待たずに手放す場合は損する可能性も考えなければなりません。

債券価格が下落傾向にあるという時は、債券は手放さずに満期日まで待った方がいいでしょう。

債券の価格変動要因は経済環境と金利

債券の価格に影響を与えるのは経済環境と金利変動です。特に大きな影響を与えるのが金利変動です。原則として、金利が上昇すると既存の債券の価値が下がるので債券価格は下がり、金利が下がると既存の債券の価値が上がるので債券価格は上がります。

逆に、金利が上昇すると株式価格は上がり、金利が下がると株式価格は上がります。つまり、債券価格と株式価格は負の相関関係にあるといえます。一方が上がれば一方が下がるのです。

もちろん、現在の日本や世界を取り巻く経済環境は非常に複雑なので、この原則に当てはまらない値動きをすることもしばしばありますが……。

債券の発行元は国や地方自治体、企業など

債券を発行できるのは国、地方自治体、企業などです。日本だけでなく、外国やその国の地方自治体、企業なども債券を発行しています。国が発行するものを国債、地方が発行するものを地方債、企業が発行するものを社債といいます。

債券は発行元が債務不履行にならない限りは元本が保証されるので、潰れにくい先進国や大企業などの債券を買うのが、安全に投資を進めるコツといえます。

ただし、安全な債券ほど利回りが低いので、あえて発展途上国や小さな企業の債券を買うという選択もなくはありません。それ相応のリスクは背負うことになりますが。

日本国債の利回りはマイナス?

日本の10年物国債の利回りが2月9日、初めてマイナスに転じました。そして、現在市場で取引されている国債のうち21.1%の国債はマイナス利回りであるとされています。国債がマイナス利回りなのはなにも日本に限った話ではないのです。

利回りがマイナスということは持っていれば持っているだけ損をするということにも思えるかもしれませんが、マイナス利回りの国債を買うと必ずしも損するというわけではありません。

たとえば、今後も金利がさらに下がっていくものと仮定してみます。金利が下がれば、債券価格は上がります。つまり、今のうちに国債を買っておけば、将来債券価格が上昇するというわけです。

たとえ利回りがマイナスでも、債券価格の上昇でそれをカバーすることができれば問題ないわけですね。それを見越して日本国債を買う人も少なくないのです。

債券の買い方

債券の買い方は、原則として株式の買い方と同じです。まずは証券会社に口座を開設して入金を行い、購入する債券を選びます。初心者のうちはあまりリスクの高い債券は選ばず、日本を含む先進国の国債や、大企業の国債から始めてみるといいでしょう。

購入する債券を決めたら、次に購入金額を決めましょう。債権は銘柄ごとに申込単位が決まっており、その整数倍でしか購入することができません。債権の中にはかなり価格が高く、おまけに申込単位も多いものがあります。

そうしたものは個人投資家では買いづらいので避けたほうがいいでしょう。

注文が成立すると債券を受け取ることができますので、利息が付く日になったら利息を、満期日が来たら元本を受け取りましょう。

利付債と割引債の違い

利付債はそのまま、利子がついてくる債券です。額面金額通りに発行され、債券にはに利札と呼ばれるチケットがついており、これを利息と引き換えることができます。

利息は通常年2回受け取りますが、債券の種類によっては年1回だったり、年4回だったりすることもあります。

一方、割引債は利息が付かない代わりに、額面より安く買うことができる(その差額が実質的な利息となる)債券です。たとえば、額面金額が500万円の債券を470万円で購入した場合、その差額の30万円が実質的な利息となります。

国内の債券ではあまり見らませんが、外国債券ではよく見られます。

海外の債券を買う際の注意点

日本のみならず、海外の国や地方自治体、企業なども債券を発行しています。こうした海外の債券を買うこともできるのですが、購入の際には、通常の債券購入時の注意点とは別にいくつか気を付けなければならないことがあります。

海外の債券を買う際に一番考えなければならないのが、為替変動のリスクです。たとえ債券を買って利回りを得ても、為替が変動すれば損をしてしまう可能性がある、というわけです。

たとえば、利回り5.0%、満期日1年のアメリカ企業の債券を100万円分購入するとします。購入時の為替レートは1ドル=100円とします。この場合、1万ドル分の債券を購入することができます。

その後、1年たって元本1万ドルと利息500ドルが返ってきます。この時点で手元には1万500ドルがあります。この時も1ドル=100円ならば、1万500ドルは105万円となり、5万円の利益が発生したことになります。

しかし、仮にこのとき1ドル=90円になっていたとしたら、1万500ドルは94万5000円にしかならず、5万5000円の損失が発生したことになります。こうした為替リスクは外国の債券のみならず、株式などを購入する際にも必ずついて回るリスクなので気を付けましょう。

もう一つのリスクが信用リスクです。国内の債券を買う場合でも信用リスク、つまりは債務不履行のリスクはついて回りますが、海外の債券を買う場合はさらにそのことに気を付ける必要があります。

新興国の国債や、その国の企業の社債は非常に高利回りなので魅力的に感じるかもしれませんが、その分債務不履行のリスクも高いのです。

それから、意外と見落としがちなのがカントリーリスクです。カントリーリスクとはその国が抱えているリスクのことです。たとえば紛争が続いている国だと途中で売却が困難になったり、政治的な理由による取引規制がかかったりすることがあります。

先進国でもテロなどのリスクがあります。(日本にも言えることですが)

【商品投資】(コモディティ投資)は文字通り「商品に投資する」

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商品投資とは商品、つまりはものに投資する投資のことです。コモディティ投資ということもあります。商品も株式や債券などと同じように、時間がたつにつれて価格が上がったりします。安いときに商品を買い、高くなったら売る、というのが商品投資の基本的な考え方です。

商品投資の投資先はトウモロコシや大豆などの穀物、原油やガソリンなどのエネルギー資源、金銀プラチナなどの貴金属、あるいは牛肉や豚肉などです。これらのコモディティは商品取引所で活発に取引されており、非常に複雑な仕組みになっています。

こうした商品は新興国の経済の発展により、実情以上に高く取引される傾向があります。このような環境にうまく乗っかることができれば、株式投資以上に大きな利益を上げることも不可能ではありません。

コモディティ投資にはインフレに備える効果がある

株式もインフレに備える効果がありますが、コモディティ投資もインフレに備える効果があります。コモディティの需要が増加するとコモディティの価格は上昇し、その生産に用いられる原材料価格も上昇します。

インフレが加速すればするほどコモディティ価格も上昇するので、インフレのリスクヘッジに役立ちます。

コモディティは株式や債券とまた違った値動きをする

前述のとおり、株式価格と債券価格は負の相関関係にあります。詳しい理論は省略しますが、株式価格が上がれば債券価格は下がり、株式価格が下がれば債券価格は上がるというわけです。

一方、コモディティは株式価格や債券価格とは特に連動して動かないことが、過去の研究から明らかになっています。つまり、株式や債券とは別にコモディティを所有することによって、世界同時株安などの場面でのリスクヘッジになるわけです。

コモディティ投資にはインカムゲインがない

資産を所有しているだけで入ってくる収入をインカムゲインといいます。たとえば株式ならば配当金や株主優待などがインカムゲインになりますし、債券ならば利札が、預金ならば利息が、不動産投資ならば家賃収入がインカムゲインとなります。

しかし、コモディティ投資は商品を所有し、高いときに売る投資なので、インカムゲインは存在していません。したがって、複利効果を得られないので、長期所有には向いていません。短期的に所有し少しでも高くなったら売り抜けるというスタイルが一般的と言えるでしょう。

コモディティ投資はボラティリティが大きい

ボラティリティとは価格変動の激しさのことです。コモディティは株式や債券よりも急激に値が上がったり下がったりしやすいので、大きな利益を手にする可能性が大きい反面、大損するリスクも秘めています。

そのため、コモディティは金融資産の主力にするのではなく、その中の一部にするにとどめておいた方が安全です。

コモディティ投資のやり方

コモディティには前述のとおり、エネルギーや金属、農産物や家畜などいろいろなものがあります。これらの個別の商品に投資するといっても、別に何も石油や家畜を買って、家に置いといて価格が上がったら売る、というわけではありません。

そんなスペースはないですし、管理が大変です。一般的にコモディティ投資はファンドを通じて行います。コモディティファンドはコモディティに投資する投資信託の一種であり、様々な商品に投資することができます。

コモディティ投資には個別投資とインデックス投資があります。個別投資の場合は「金のみ」「石油のみ」「牛肉と豚肉のみ」といった感じで、商品数を絞って投資を行います。

商品は個別性が強いので、急激に値が上がりすることもありますが、逆に急激に値下がりすることもあります。全体的には椅子区ハイリターンな投資と言えるでしょう。

インデックス投資とは、コモディティ全体に投資し、S&P-GSCI(日経平均のコモディティ版のようなもの)などに連動するように投資するものです。

指標通りに投資し、平均点を上げることに重点を置いています。多くの商品を少しづつ買うので大儲けもできませんが、大損もしづらいです。

また、最近はETFも人気です。ETFは上場投資信託と呼ばれるもので、コモディティファンドよりも手数料が少ないというメリットがあります。

コモディティ投資はリスクヘッジに最適!

コモディティ投資はメインの投資にするにはリスクが大きすぎますが、株式や債券とはまた違った動きをするので、ある程度所有しておけばリスクヘッジにつながります。

【不動産投資】は賃貸収入と売却益を狙う投資

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不動産投資は日本でも人気のある、比較的メジャーな投資です。低金利時代が続き預金の利息や国債の利回りが低水準に陥っている現在の環境においても、5%以上の利回りを期待することができる有望な投資といえます。

不動産投資は利益を上げることを目的に、不動産を購入する投資です。不動産も商品の一つであり、そういった意味ではコモディティ投資に近いものがありますが、不動産投資投資のメインの目的は家賃収入、すなわちインカムゲインを得ることです。

たとえば、5000万円で不動産を購入し、年間家賃収入が500万円だった場合、インカムゲインの利回りは500万÷5000万=0.1=10%となります。

一方、売却益、すなわちキャピタルゲインを狙って不動産に投資をするという手法もあります。

不動産のうち建物の部分は原則として年月がたつほど価値が下がるのでキャピタルゲインを狙うのは簡単ではありませんが、それでも東京都内の一部のマンションなどは建設後に値上がりすることもあります。

安い価格で購入し、その後高い価格で売却することができれば、インカムゲイン以上の利益を得ることもできます。

不動産投資のメリット

不動産投資の最大のメリットは、毎月安定した収入を得られるということです。不動産の賃料水準はここ10年、非常に安定しています。高くなっているわけでもないですが、安くなっているわけでもないので、安定して収入を得ることができます。

毎月の収入を増やすだけでなく、私的年金としての効果も期待できます。利回りは5.0%以上が期待できるケースが多々あり、銀行預金や債券などと比べると高水準です。

なお、不動産投資の利回りには表面利回りと実質利回りがあります。表面利回りとは年間の家賃収入を物件価格で割った、表面的な利回りです。

たとえば年間家賃が100万円、物件価格が1000万円の場合、表面利回りは100万円÷1000万円=0.1=10%となります。

一方、実質利回りとは、年間の家賃収入から経年の経費(管理費や固定資産税など)を引いたものを、物件価格に購入時の諸経費(登録免許税など)を足したもので割った数字です。

たとえば、年間家賃が100万円、経年の経費が15万円、物件価格が1000万円、物件購入時の諸経費が100万円だった場合、実質利回りは(100万円-15万円)÷(1000万円+100万円)≒0.077=7.7%となります。

表面利回りは必ず実質利回りよりも大きな数値になりますが、より実態に即しているのは実質利回りです。

不動産投資の不確実性(リスク)は債券投資と株式投資の中間くらい

不動産投資も投資の仲間ですから、当然不確実性(リスク)があります。不動産投資のリスクには以下のようなものがあります。

空室リスク

不動産投資で最も気を付けなければならないのが空室リスクです。いくら利回りが高い物件を購入できても、その利回り通りの運営ができなければ意味がありません。

特に地方の物件は利回りが高く設定されていることが多いので魅力的に感じることも多々あるかと思いますが、人口が減り続けている地方で入居率100%を目指すのは非常に難しいことです。

賃料下落リスク

不動産のうち建物の部分は年々劣化していきます。建物が劣化したのにもかかわらず、以前と同じ賃料のまま入居者募集をかけても人が集まってくる道理はありません。

空室リスクと賃料下落リスクは表裏一体のものであり、どちらか一方のリスクをなくそうとすればもう一方のリスクが高まる、ということを覚えておきましょう。

家賃滞納リスク

入居者がいつもスムーズに家賃を払ってくれるとは限りません。現代の法律では入居者の権利というものが非常に手厚く保護されているため、家賃の取り立てにもルールがありますし、即座に追い出すということもできません。

あらかじめ家賃保証会社のサービスに入るなどしてリスクヘッジを行っておくことが大切です。

災害リスク

地震をはじめとするさまざまな災害が発生する日本の建物は、それらの災害にも耐えうるように作られていますが、それでも必ず災害をしのげるわけではありません。

地震以外にも台風や河川の氾濫などの水害、あるいは火事などのリスクには常にさらされることになります。地震保険、火災保険などには忘れずに加入しましょう。

このように不動産投資にはさまざまなリスクが存在する一方で、不動産の価値がいきなり0になってしまうようなことは通常ありません。たとえ建物が全壊してしまっても、土地はそのまま残るからです。そのため、不動産投資のリスクは株式投資よりは低いとされています。

一方で安定して利回りを得ることができる債券投資よりはリスクが高めです。リターンはその逆で、株式投資が最も多く、ついで不動産投資、最後に債券、という順になっています。不動産投資はいわばミドルリスク・ミドルリターンの投資といえます。

不動産投資は借金をしてやると有利

不動産投資も株式投資(信用取引)と同じで、借金をしてから行うことができます。銀行などでは、おおむね年収の5~10倍程度の融資を受けることが可能です。もちろん、借金の割合が多くなればそれだけリスクも高まりますが、その代りにリターンも高まります。

借金をしてまで不動産投資をするメリットはいろいろありますが、一番のメリットはズバリ「レバレッジ」を聞かせられることです。レバレッジとはてこの原理のことです。

たとえば、100万円の自己資金と900万円の借金で物件を購入する場合、レバレッジは(100万+900万)÷100万円=10倍となります。レバレッジを効かせることによって、少ない資金でも規模の大きな物件が購入できるようになります。

不動産投資は基本的に規模が大きい物件のほうが効率的に行うことができるので、借金の金利を差し引いても利益が大きくなる可能性が高いです。

借金はどこから借りるべきか?

不動産投資をする場合は通常、銀行か日本政策金融公庫から借金をすることになるかと思います(ノンバンク系は金利が高すぎるのでお勧めできません)。

この中でもおすすめは日本政策金融公庫です。日本政策金融公庫は中小企業支援という主旨のもと、運営されている政府系の金融機関ですが、個人でも借りることができます。

民間の銀行と違って利益を第一にしているわけではないため、条件さえ満たしていれば銀行と比べると低金利かつ長期で借りることができます。もちろん、だからと言って誰にでも貸してくれるというわけではなく、審査に合格する必要があります。

日本政策金融公庫は原則として投資を目的とした融資は行っていないのですが、不動産投資に関しては「不動産賃貸事業」、つまり事業として融資を受けることが可能です。賃貸事業でないもの、つまり売却益を狙ったものに関しては融資が下りないので気を付けましょう。

また、日本政策金融公庫は政府系の金融機関であるため、公共料金や税金の未払いに対してとても敏感です。忘れずに払っておきましょう。

金利は全期間を対象とした固定金利です。返済期間や担保、頭金の割合などに応じて金利が変化します。2015年現在の場合、20年の借り入れであれば1.90%~2.50%が基準の金利となります。

ただし、女性である場合、借入額が担保物件の評価額に収まる場合は、金利面で優遇されます。

物件は100件見てみよう

不動産投資で融資を受けることと同じくらい並んで大切なのが物件選びです。物件選びで大切なのは、自分の住みたい物件を選ぶのではなく、利益が上がる物件を選ぶことです。

東京都内の一等地などの物件は確かに魅力的ですが、物件価格が高いゆえに利回りが低くなりがちという欠点があります。多少地域としてのランクが下がっても、物件価格が割安で高い利回りが望める物件を選んだほうがいいでしょう。

都市部の物件の場合は駅からの距離が重視されることが多いです。急行や快速などが止まる大きな駅の近くならばなおいいのですが、各停しか止まらない駅でもそれほど問題はありません。

それよりも大切なのは駅までの距離です。どんな大きな駅が最寄駅でも、徒歩15分を過ぎてしまうと途端に人気が大きく落ちてしまいます。できれば徒歩15分以内の物件を狙うようにしたいものです。

ただし、駅から15分以上の物件がすべて悪いのかというと一概にそうとは言えません。近くに大きな商業施設があったり、バス停が近くにあったり、間取りに余裕があったり、設備が最新のものだったりすれば利益を上げられる可能性があります。

あまり一つ一つの条件にこだわらず、総合的に収益をあげられる物件を選ぶようにしましょう。

また、外と内では外のようによりこだわったほうがいいとされています。外とは立地、環境、周辺施設などの自分ではどうにもならない条件です。一方、内とは外観、内装、間取り、設備などの、自分である程度変更ができる条件です。

内は後からでも変更できるので、安い物件を変えて後からリノベーションで手を加える、といったようなこともできますが、外は自分で変えることができません。なのでもともとの条件が恵まれているものを選ぶようにしましょう。

物件価格に関しては、収益還元法で計るといいでしょう。収益還元法とはその物件が将来生み出すであろう利益の現在価値の和を求めることによって、その物件の資産価格を求める手法です。

収益還元法には直接還元法とDCF法があり、後者の方がより精度は高いですが、その分計算も複雑です。ここでは直接還元法について説明します。

直接還元法における収益価格の計算方法は以下の通りです。

収益価格=1年間の収益÷還元利回り

たとえば、還元利回り(周辺の物件の利回りや企業などが公表しているなどから求める)が8%、1年間の収益が400万円だった場合、不動産価格は400万÷8%=400万÷0.08=5000万円となります。

収益価格が5000万円なのに6000万円で売りに出されている場合、その物件は割高なので買わないほうがいいということになります。逆に、収益価格が5000万円の物件が3000万円で売りに出されていた場合は、その物件は割安なので買ったほうがいいということになります。

ただし、このような好条件の物件に出会えることはめったにありません。不動産投資の世界に「100:10:3:1の法則」というものがあります。

これはロバート・キヨサキ氏の書籍でも紹介された、有名な法則で「100の物件を見て、10の物件に買い付けを入れ、3の物件から返事をもらい、1の物件を購入する」というものです。

言い換えれば、1つのこれだという物件を見つけるためには、平均で100件の物件を見る必要があるのです。

100件の物件を見続けるのは簡単なことではありません。仮に週末に2件の物件を見続けたとしても、100件の物件を見るためには50週、ほぼ丸1年を費やす必要があります。不動産投資は最初の物件購入までが最も大変なのです。

逆にそこをしのいでしまえば、管理は原則として管理会社に任せることができますし、大変なことはそれほど多くありません。物件を見ることも投資だと思って、根気よく見ていくことが大切です。

【保険】は補償もついてくる投資

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保険は将来発生する可能性がある危険(病気、障害、死亡事故など)に対して備えるために、一定の保険料を加入者が毎月支払い、実際にその危険に直面した人(病気や障害になった人、死亡事故の遺族など)に対して保険金が支払われる制度です。

私たちの身近に存在する危険から生命や財産を守るための重要な制度であり、公営保険(国民年金、国民健康保険、雇用保険、農業保険など)と民間保険に分類することができます。

保険と貯蓄、それぞれのメリットとデメリット

万が一の危機や、将来訪れる出来事(老後や子供の教育資金など)に備える最も一般的な方法は貯蓄(貯金)です。貯蓄は非常に換金性が高く、いつでも必要な額を引き出せるという面では非常に優れています。しかし、貯蓄には以下のようなデメリットもあります。

非常に大きなリスクには対応できない

数千万円、あるいはそれ以上の金額を貯めるのには非常に時間がかかります。万が一死亡事故を起こしたり、障害が残る事故に巻き込まれた場合には数千万円のお金が必要になることがありますが、そんな大金を用意するのは簡単なことではありません。

貯蓄だけで対応するのは効率が悪い

死亡事故や障害には必ず直面するわけではありません。むしろそうしたことには一生無縁である可能性のほうが高いでしょう。こうした起こるかどうかもわからない危機のためだけに、数千万円ものお金をストックしておくというのは非常に効率が悪いです。

その点、保険ならば毎月少しの掛け金(保険料)を支払うだけで万が一の保証を受けることができます。仮に万が一の事態が発生すれば数千万円、あるいはそれ以上の保険金を受け取ることができますし、万が一の事態が発生しなくても毎月の保険料を失うだけで済みます。

保険料が惜しいのは確かですが、貯蓄だけで備えるよりははるかに効率的といえます。

また、保険に加入した場合、生命保険料控除を受けることができます。生命保険料控除は、支払った保険料に応じて、一定の金額が所得から割り引かれるという制度です。

所得が割り引かれればその分所得税や住民税が少なくなります。貯蓄で将来に備えてもこのようなメリットはありません。この点も保険ならではのメリットといえます。

掛け金を支払うことで増えて返ってくる保険がある

保険料は基本的に万が一の保証のために支払うものなので、その万が一の事態が発生しなかった場合は金銭的にはいわゆる「払い損」となります(保証が得られるという安心感は何事にも代えがたいものですが)。

解約返戻金が返ってくるケースもありますが、原則的には「支払った金額≧受け取れる金額」です。

しかし、保険商品の中には、毎月一定の金額を支払うことにより、満期になるとそれ以上の金額になって返ってくるタイプの保険もあります。このような保険を貯蓄型保険といいます。

こうした貯蓄型保険はあらかじめ返礼率(利率)がきめられていることもあれば、運用成績によって利率が変動することもあります。

利率がきめられているタイプの貯蓄型保険に加入すれば、毎月1%程度の金利が付きます。また、前述のとおり保険料を支払っていればその分だけ所得が割り引かれ所得税と住民税が安くなるというメリットもあります。

代表的な保険を一挙紹介!

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ここからは、世の中に存在する様々な種類の保険を一挙紹介していきたいと思います。どの保険が最適かはその人の立場や健康状態によって異なるかと思いますので、いろいろと比較してみてください。

医療保険

医療保険とは、病気やけがなどで医療機関にかかった際に発生する経済的な負担を軽減するための保険です。日本には国民皆保険制度があるため、国民健康保険や社会保険に加入している限りは医療を3割、もしくはそれ以下の負担で受けることができます。

こうした経済的な負担を減らすのが、民間の医療保険の役割といえます。

民間の医療保険にもいろいろありますが、一般的には入院すると日額で5000円から1万円程度が支払われる、というのが一般的です(このお金を入院給付金といいます)。

最近は入院が短期化し、かわりに通院で代用する人が増えたことから、通院した回数に応じて保険金が支払われるタイプの医療保険も増えてきています。手術を受けるごとに保険金が支払われることもあります。

また、先進医療(高度だが高額な医療の総称)を受けた場合に、技術料と同額が保険金として支払われるという特約が付いている医療保険も少なくありません。

こうした医療保険を選んでおけば、万が一国が指定するような珍しい難病にかかった場合の経済的な負担を大きく減らすことができます。

また、医療保険には解約返戻金がついてくることがあります。解約返戻金つきの医療保険とは、解約した場合に支払った保険料がいくらか返ってくるタイプの保険です。

「支払った額>解約返戻金」なので貯蓄とはいいがたいかもしれませんが、一部とはいえ支払ったお金が返ってくるのはうれしいですよね。

一方、解約返戻金がない医療保険もあります。いわゆる「掛け捨て」というやつですね。こちらは解約返戻金こそないものの、保険料は安いのでとりあえず保障だけは受けたいという人向けです。

保証期間には「定期型」と「終身型」があります。両者の差はいろいろあるのですが、一番の大きな違いは「保証が一生涯続くかどうか」ということです。

よくテレビで「保証が一生続きます!」というフレーズを耳にすることがあるかと思いますが、あのような保険はすべて終身型です。

定期型は一定の期間ごとに契約が終了するので、契約が切れた後は再び保険に加入しなければなりません。年齢が上がってから保険に加入しようとすると保険料が跳ね上がることがあるのでそのことには気を付ける必要がありますが、保険の見直しはしやすいです。

また、若いときの保険料は終身型と比べれば安いです。

終身型は自分から解約をしない限り保証が一生涯続くので安心ですが、定期型と比べると保険料は割高です。ただし、60歳払い込みなどを利用すれば払込期間を短縮することもできます。

あちらを立てればこちらが立てず、といった感じでどちらも一長一短なので、自身のニーズに応じて保険を選ぶといいでしょう。

それからもう一つ注意しなければいけないのが審査です。民間の医療保険は公的医療保険と違って、加入の際に審査を受ける必要があります。この審査に合格しなければ保険に入ることができません。

審査では主に既往歴(過去にどんな病気になったか)が問われます。生命保険会社としてはなるべく保険金支払いのリスクが高い人は入れたくないので、過去に大きな病気にかかっていると保険に入れないことがあります。

最近はそうした人向けの保険も登場しています。通常よりも審査が簡単で、いくつかの項目に引っかからなければ入れる保険を「引受基準緩和型保険」、審査なしで加入できる保険を「無選択型」といいます。

当然、通常の保険よりは引き受け基準緩和型保険のほうが、そしてそれよりも無選択型のほうが毎月の保険料が高くなるので、加入の際には注意が必要です。

なお、生命保険文化センターの「疾病入院給付金の支払われる生命保険の加入率」の調査によれば、成人の約72.3%は民間の生命保険に加入していたそうです。それだけ多くの人が万が一に備えているわけですね。

死亡保険

死亡保険とは、万が一亡くなった際に、遺族に保険金を残すことができる保険です。

世帯主が万が一若くして亡くなった場合、その過程に入ってくるお金が大幅に減るので、世帯の収支のバランスが崩れてしまいます。

平成24年度に行われた生命保険に関する全国実態調査によれば、残された家族がその後も生活していくためには、平均で5513万円が必要とされています。それを補うのが死亡保険の役割といえます。

死亡保険という名がついていますが、多くの保険は高度障害にも対応しています。

問題は死亡(高度障害)時にいくら残すべきか、ということですが、必要保証額の目安は「年収×3+教育費」とされています。たとえば一家の大黒柱の年収が500万円で、子供が一人いるという場合は、1500万円+教育費が必要になります。

教育費は小学校から大学まですべて公立に通わせる場合は約1000万円、すべて私立に通わせる場合は約2400万円となります。

仮に子供が1人で、すべて私立に通わせたいと考えている場合は、1500万円+2400万=3900万円が必要保証額ということになります。あらかじめ保証金額が4000万円程度の保険に入ってもいいですし、自分で保険金額が設定できるタイプの保険に入ってもいいでしょう。

なお、死亡保険にも医療保険と同じように、「定期型」と「終身型」があります。

やはりどちらも一長一短ですが、死亡保険は年を取った後は必要なくなることが多い(子供も育っているので教育費が不必要になり、なおかつ十分な貯蓄があるケースが多い)ため、終身型に加入するメリットはそこまで大きくありません。

もちろん、中には年を取った後も十分な補償が欲しいという方もいらっしゃるかもしれませんが、当サイトでは基本的には定期型をお勧めします。

がん保険

がん保険とは、がんのみを対象とする保険です。医療保険の対象がさらに狭まったもの、と考えるといいでしょう。なんだかずいぶん範囲が狭い保険だ、と思われるかもしれませんが、生涯でがんに罹患(りかん)する確率は、男性58.0%、女性43.1%と言われています。

大雑把に言えば、2人に1人はがんになるわけですね。そう思えば、がん保険に加入することは決して無駄とは言えません。がん保険は入院に支払限度日数が定められていることが多いですが、がん保険にはそれがないので治療が長期化しても安心です。

ちなみに、部位別に見た場合、男性は胃がん、女性は大腸がんに最もかかりやすいとされています。前立腺がんのように男性しかならないがんもあれば、子宮がんのように女性しかならないがんもあります。

がん保険では一般的にがんと診断されたときに「診断給付金」が支払われます。そのほか入院時には「入院給付金」、手術時には「手術給付金」、通院時には「通院給付金」が支払われます。

入院給付金と手術給付金はどこの生命保険会社も似たり寄ったりですが、診断給付金と通院給付金は結構バラエティに富んでいます。最近はがんの入院日数が短期化しているので、相対的に診断給付金や通院給付金の重要度が上昇しています。

さて、問題はがん保険に果たして加入する必要があるのかどうかということです。確かに2人に1人は生涯に1度以上にがんになるのですが、50歳までの罹患リスクは男性で6%、女性では5%程度なので、そこまで高くありません。

若い時期からそこまで恐れる必要はないでしょう。逆に50歳を過ぎると男女ともに急速に罹患率が上がるので、50歳を過ぎたらがん保険に入ったほうがいいかもしれません。

どれだけ補償が必要かなのは難しいところです。がんはかかる部位によっても治療費や入院日数などが異なりますが、どのがんになるかはかかってみるまで分からないからです。よく見られる胃がんの場合平均入院費用は約60万円、3割負担に直すと18万円程度です。

そのほかの部位も大体似たようなものですが、白血病だけは入院費用が約140万、3割負担で44万とかなり高額です。がんの恐ろしいところは1回手術を受けて終わり、ではないというところにあります。万が一に備えておきましょう。

学資保険

学資保険とは、子供の教育費を用意するための保険です。保険料を一定の期間収め続け、満期までの間は様々な保障を受けることができます。その後満期日になったら給付金を受け取ることができます。

保険としての機能と貯蓄としての機能を兼ね備えた商品であり、満期日を子供の入学時期に合わせることによって経済的な負担を減らすことができます。

学資保険のメリットは、補償がついてくることです。学資保険は保険の一種なので、満期になるまでに親が亡くなったり、あるいは高度障害になったりした場合には保険金を受け取ることができます。一方で貯蓄性もあるので何かと便利です。

また、学資保険は保険なので、一度加入してしまえば毎月強制的に保険料が回収されます。一方、預金は個人の事由であり強制力はありません。

意思の弱い人だと、預金をしようと思ったけどできなかった、ということも起こり得ます。学資保険に加入しておけば、必ず子供の教育費を用意することができます。

学資保険と一口に言っても色々なタイプのものがあり、契約期間中の保障に重点を置いているものもあれば、満期日の給付金の返戻率に重点を置いていることもあります。

保障が充実している商品の場合は元本割れを起こすケースがある(満期日の給付金が保険料の支払総額よりも少なくなることがある)ので注意が必要です。

また、ほとんどの学資保険は中途解約をすると元本割れしてしまうので、よほどのことがない限りは加入し続けたほうがいいでしょう。

なお、学資保険と似たものにこども保険というものがあります。こども保険は基本的には学資保険と同じで、保障がついてきてなおかつ満期日には満期金を受け取ることができますが、学資保険は貯蓄性を重視、こども保険は万が一の際の補償を重視しています。

そのため、こども保険は元本割れすることを前提に作られているものが大半です。子供の将来に備えたいのならば学資保険を、親の万が一の際に備えつつそれなりに教育資金も貯めたいという場合はこども保険を選ぶといいでしょう。

死亡保険

死亡保険とは、加入者が死亡した場合、もしくは高度障害などで働くのが困難になってしまった場合に遺族が保険金を受け取れる保険のことです。

死亡保険は主に掛け捨てと貯蓄型に分類することができます。掛け捨ての中でも最も使いやすいのが、収入保障保険です。収入補償保険は会社員や公務員、自営業者などがなくなったり高度障害が残った場合に、遺族の生活を支えるための保険です。

保険金は「毎月10万円」「毎月20万円」のように分割して支払われます。

収入保障保険のメリットは、収入にかかわらず加入することができ、なおかつ保険金額を自分で設定することができるという点にあります。

保険料が高くなってもいいので万が一の際にたくさんのお金を残したいという場合には保険金額を高めに設定すればいいですし、そんなに余裕がない場合には保険料を低めに設定すればいいのです。

ただし、保険金額は被保険者の死亡した時期にも左右されます。加入してから被保険者が亡くなるまでの期間が短ければ短いほど、多くの保険金を受け取ることができます。若いうちに亡くなったほうがより多くの生活費が必要になるためです。

このように収入補償保険は補償内容が合理的で無駄のない設計になっています。掛け捨てで万が一のことがなかった場合には何も返ってきませんが、その分保険料は割安です。

煙草を吸っていない場合などは保険料がさらに割り引かれることがあります。万が一の際には収入保障保険で備え、その上で学資保険などで教育費用を用意する、といったような戦略的なライフプランニングが求められます。

一方、貯蓄型の場合は低解約返戻金型終身保険がおすすめです。こちらは死亡保障もついていますが、むしろメインの目的は老後の資金をためるところにあるといってもいいでしょう。

被保険者が死亡したり、高度障害が残った場合には保険金を一括で受け取ることができるほか、万が一のことがなかった場合には満期後に満期金を受け取ることができます。支払額よりも満期金のほうが多いので、貯蓄性を兼ね備えているといえます。

この保険のいいところは、一生涯の保障がいついてくることです。一生涯保険料が上がることもなく、自ら解約しない限りはずっと保証を受け続けることができます。

その分若いときの保険料は若干割高に設定されていますが、最終的に満期になれば増えて返ってくるので最終的にはお得といえます。

ただし、満期を迎えるまでに契約を解除してしまうと、返礼率が下がってしまいます。早期に契約を解除した場合は、元本割れを起こすリスクもあります。加入前に、保険料を毎月きちんと払い続けることができるのかをよく確かめましょう。

所得補償保険

所得補償保険は収入保障保険と名前こそ似ていますが、その内容はまるで違います。

収入保障保険は、被保険者が死亡、もしくは高度障害となった場合に「残された家族の」生活を保障するためのものでしたが、こちらは被保険者に高度障害が残ったり、怪我で一時的に働けなくなった場合に「被保険者本人の」生活を保障するための保険です。

たとえば、所得補償保険で月20万円を保障してもらうプランを組んだとします。その後、交通事故に遭い、3か月間働くことができなくなってしまったとします。

この場合、被保険者は20万円×3か月=60万円を受け取ることができる、というわけです。所得補償保険はいわば毎月の収入の代替なのです。その後再び働けるようになった場合は、保険金の支払いはストップします。

所得補償保険の一番のメリットは、働けなくなってしまった後もお金がもらえることです。そのため、万が一の際のセーフティネットが充実していない中小企業の会社員や、自営業者にとっては優先度が高い保険であるといえます。

特に自営業者は万が一の際にも傷病手当金や障害厚生年金が受け取れないので、加入しておいた方がいいでしょう。

逆に大企業の社員や公務員など、セーフティネットが充実している人にとってはあまり加入するメリットはありません。会社から独自の給付金などが支給される場合にはまず不要でしょう。

なお、所得補償保険は働けなくなったら必ず受給できるというわけではありません。所得補償保険にはあらかじめ給付のための要件というものが定められており、そこに該当しなければたとえ実態として働けていなくても保険金は支給されないので注意しましょう。

最近はうつ病をはじめとする精神疾患にかかる人が少なくありませんが、精神疾患の際にも保険金が支払われるタイプの商品は現状ではほとんど存在していません。

精神疾患は肉体的な疾患と比べて判断が非常に難しいためです。中には精神疾患でも補償される所得補償保険もありますので、そちらに加入したほうがいいかもしれません。

個人年金保険

個人保険年金は、その名のとおり個人で年金を作るための保険です。国民年金、厚生年金などでは足りないという人たち向けの私的な年金であり、国民年金制度の根本が揺らぎつつある今注目を集めています。

年金支給開始時期は60歳からというのが一般的です。受け取り形式には年金のほかに一時金(一括で受け取る)もあります。

年金形式での受け取りには「終身年金」「有期年金」「確定年金」があります。

終身年金はその名の通り終身、つまりはなくなるまで一生年金を受け取れる仕組みです。公的年金と同じですね。

90歳まで生きても、100歳まで生きても受け取れるため安心ですが、逆に早めに亡くなってしまった場合には元本割れを起こすことになります(亡くなったらそんなことはどうでもいいのかもしれませんが……)。また、月々の保険料もやや高めに設定されています。

有期年金は決められた期間だけ年金を受け取れる仕組みです。支給開始が60歳、期間が10年という場合は、70歳になるまで年金を受け取ることができます。

ただし、70歳になる前に亡くなってしまった場合は、その時点で年金の支払いがストップしてしまいます。終身年金と同じように元本割れになってしまうリスクはありますが、その分保険料は割安です。

確定年金は有期年金と同じように、決められた期間だけ年金を受け取れる仕組みです。ただし、こちらは有期年金と違って、本人が亡くなった場合は遺族が年金を受け取ることができます。

そのため掛け捨てにはならず、原則元本割れを起こすことはありません。安全性という点では最も優秀といえます。保険料は終身年金と有期年金の中間ぐらいです。

また、最近は夫婦年金と呼ばれる新しい個人年金も注目を集めています。これは夫婦そろって保険に加入し、どちらか一方が生きている限りは保険金の支払いが続くというものです。

まとめて加入する分、夫婦がそれぞれ別の保険に加入するよりは保険料が安く設定されていることが多いです。ただし、どちらか一方がなくなってしまった後は年金額が少なくなるケースもあります。

原則として利率はあらかじめ決められており、運用成績にかかわらず一定の金額を受け取れるものが多いですが、中には運用実績に応じて年金が変動するタイプのものもあります。こうしたものは変額年金といいます。

変額年金の場合はリスクは原則として被保険者が負うことになりますが、インフレに対応できるというメリットもあります。

自動車保険

自動車保険は、自動車の利用によって発生する事故などで発生する損害を補償するための保険です。自動車保険は大きく自賠責保険任意保険に分けることができます。

自賠責保険は別名強制保険とも呼ばれるもので、その名の通り強制的に加入させられることになる保険です。

自賠責保険に入っていない、未加入の場合は厳しい罰則が与えられることになる(1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金、違反点数6点で免停確定)ので、必ず加入してください。

また、自賠責保険に入っていたとしても、「自賠責保険証明書」を携帯していなかった場合には罰金30万円が発生するので、忘れずに車の中に置いておきましょう。

自賠責保険の補償範囲は死亡、死亡するまでの障害、障害による損害、後遺障害による損害です。死亡の場合の支払限度額は1人につき3000万円とされています。ただし、加害者に全く責任がない場合(被害者にすべての責任がある場合)は保険金は支払われません。

また、補償範囲は他人(対人)のみであって、車やバイク、家の塀など(対物)は範囲外となっています。たとえば人の家の塀に車をぶつけて破壊してしまった場合、自賠責保険からは何も出てこないので注意しましょう。

自賠責保険の保険料は、保険会社にかかわらずどこでも一定です。自賠責保険には「ノーロス・ノープロフィット(赤字も黒字も出さない)」という原則があるからです。

保険会社は自賠責保険で損失を出しても駄目ですし、逆に利益を上げても駄目と決められているのです。また、補償範囲もしっかりと定められています。そのため、どこの保険会社で自賠責保険に加入しても同じというわけです。

ただし、後述する任意保険の補償範囲は保険会社によってまちまちです。自賠責保険と任意保険を同時に加入することによって保険料が引き下げられる場合があるので、任意保険の内容から自賠責保険の保険会社を決めるといいでしょう。

さて、任意保険とはその名のとおり任意で入る保険です。前述のとおり、自賠責保険の対象は対人のみであり、対物事故などはその対象外となっています。

また、対人事故についても補償の上限額がきめられているので、相手に高度障害が残ってしまった場合などは自賠責保険だけではカバーしきれないことがあります。

自賠責保険の上限額は1人につき3000万円ですが、事故の内容によっては数億円の賠償金が科せられる可能性があります。そんな自賠責保険では対応しきれない範囲をカバーするのが任意保険の役目といえます。

個人の場合、任意保険は原則として、自動車1台ごとにノンフリートという契約を結びます(これに対して、10台以上の契約をフリーと契約といいます)。任意保険は最初に6等級からスタートし、事故を起こさずに運転し続けていれば徐々に等級は上がっていきます。

逆に、事故を起こして保険金の支払いを受けた場合は、等級は下がってしまいます。一般的な事故の場合は3等級一気に下がりますが、盗難や車上荒らしの被害の倍は1等級ダウンになります。

等級は20等級が最高で、1等級が最低です。等級が高ければ高いほど、つまり事故を起こしていない期間が長いほど保険料は安くなります。逆に等級が下がってしまうと保険料は高くなり、1等級だと64%の割増となってしまいます。

なお、1~5等級、つまり初期段階よりも下の等級になってしまった場合は、それが13か月間引き継がれます。1度保険を解約して、すぐに入りなおせば6等級にリセットできるわけではないので注意しましょう(13か月間経過してから入りなおせば6等級にリセットできます)。

また、任意保険の等級は同居家族間であれば引き継ぐことが可能になっています。たとえば父親が20等級を取ったまま車の運転をやめて、それと同時に息子が免許を取って任意保険に入る場合、息子は20等級から始めることができます。

また、2台以上の自動車を持っている場合、2台目以降の等級は7等級から始められます。

任意保険はさらに細かく「対人賠償保険」「対物賠償保険」「人身傷害補償保険」「搭乗者傷害保険」「無保険車傷害保険」「自損事故保険」「車両保険」に分類することができます。

対人賠償保険は、他人をケガさせてしまったり、死亡させてしまったときのための保険です。対人については自賠責保険でもある程度カバーされますが、それで足りなかった部分については任意保険の対人賠償保険から賄われることになります。

なお、対人賠償保険によって補償されるのは「他人」のみとなっています。自分はもちろん、父、母、息子、使用人なども補償の対象外となるので注意しましょう。

また、対人賠償保険は過失割合によって減額されることがあります。過失割合とは、事故が起きたときにその不注意の責任を割合で示したもので、たとえば加害者の過失割合が60%、被害者の過失割合が40%といった形で表記します。

仮に自分が被害者だったとしても、過失割合が1%以上ある場合は保険金が満額支払われないので注意しましょう。

対人賠償保険には上限額があるものと、無制限のものがあります。当然後者の方が保険料は高いですが、そちらに入っておいた方が安心です。

対物賠償保険は、他人の車な家の塀などの財物に損害を与えてしまった場合に、保険金が支払われる保険です。対物については自賠責保険の対象外となっていますので、対物賠償保険でしっかりとカバーをする必要があります。

なお、対人賠償保険によって補償されるのは「他人の財物」のみとなっていまず、自分はもちろん、父、母、息子の財物などは保障の対象外となります。なのでたとえば自分の家の塀に車をぶつけてしまった場合は保険金が下りないので注意しましょう。

また、対物賠償保険も過失割合によって減額されます。

人身傷害補償保険は、契約している車に乗っている人がけがをしたり、死亡したりした場合に、その過失割合にかかわらず実際の損害額と同額が支払われる保険です。過失割合は問われないので、自身に過失があったとしても満額補償を受けることができます。

乗車中以外にも歩行中や自転車走行中、契約車両以外の自動車に乗車中などでも保険金が支払われるケースがあり、対応範囲が非常に広い保険であるといえます。一般的に示談成立を待たずに保険金が支払われるため、安心して治療を受けることができます。

搭乗者傷害保険は、契約している車に乗っている人がけがをしたり、死亡したりした場合に保険金が下りる保険です。

こう書くと人身傷害補償保険と全く同じように見えますが、人身傷害補償保険は損害金額が全額支払われるのに対して、搭乗者傷害保険はその怪我の内容にかかわらず、一定の金額が支払われるという違いがあります。

たとえば、頭部や打撲やねんざは5万円、手指の骨折や脱臼は20万円、といった感じです。損害が全額保証されるわけではありませんが、細かい診断を待たずに保険金を受け取れるというメリットがあります。

無保険車傷害保険は、事故の相手が保険に加入していないなどの理由で、損害賠償が十分受けられないときに相手の賠償責任の不足分について保険金が支払われる保険です。

世の中には任意保険なしで運転している人がいますし(公道を走る車の15%は任意保険に加入していません)、さらに悪質なことに自賠責保険にすら加入しないまま運転している人もいます。

こうした相手と事故を起こした場合、充分な損害補償が受けられないことがあります。加害者が自己破産した場合、単なる過失による事故に関しては免責になる可能性が高いです。

また、ひき逃げや当て逃げなどで加害者が特定できないようなケースも考えられます。そのような事態に備えるのが無保険車傷害保険といえます。この保険に入っていれば、相手が無保険車であった場合にも保険金を受け取ることができます。

無保険車傷害保険は後遺障害、死亡などの場合にのみ適用され、完治する怪我の場合には適用されません。補償範囲は自分が契約している対人損害賠償保険と同額で、無制限にしている場合は2億円が上限となります。

自損事故保険は自分に100%の過失があるか、もしくは相手がいない単独事故を起こした場合に補償が受けられる保険です。たとえばガードレールにぶつかったり、ハンドルを切り損ねてがけ下に落ちたり、といったようなケースが考えられます。

日本損害保険協会の行った調査によれば、交通事故全体の約1割は単独事故であり、意外とお世話になる機会は多い保険であるといえます。

自損事故保険は原則、個々の事情は勘案されずに、事故の結果(死亡、後遺障害)などに応じてあらかじめ決められた額が支給される決まりになっています。あくまでも最低限の保証なので、これだけでは足りないという場合は別の保険に加入する必要があります。

車両保険は自分の自動車の損害を補償してもらえる保険です。任意保険の中でも比較的優先度は低い保険といえます。

激安で購入した中古車などの場合は、車両保険に加入して毎月保険料を支払うよりも、故障した場合はその都度修理するか、もしくは別の自動車に乗り換えたほうが効率的というケースが多々あります。

逆に高級車に乗っている場合などは、万が一に備えて車両保険に加入しておいた方がいいかもしれません。

任意保険はこのような様々な様々な保険を組み合わせたものが販売されています。補償が手厚い代わりに保険料が高いものもあれば、補償は最低限で保険料が安いものもあります。自身のニーズに応じて、必要なものを選ぶようにしましょう。

火災保険・地震保険

火災保険地震保険は、どちらも万が一の災害に備えるための保険です。先の熊本地震を例に出すまでもなく、日本は世界有数の地震国として知られています。また、火災はすべての財産を失う非常に怖い災害の一つです。

これらの災害に備えるのが、火災保険と地震保険です。

まずは火災保険について説明します。火災保険は火災と名がついているものの、実際には火災以外の様々な災害にも対応している、幅の広い保険です。火災保険の細かい補償内容は保険会社によって異なりますが、一般的には以下のような災害時に補償を受けることができます。

まずは火災。日本では毎年4万件~6万件程度の火災が発生しており、1500人~1800人が命を落としています。火災の原因は様々ですが、特に多いのが放火、たばこ、たき火、コンロなどです。

放火は家主がどんなに気を使っていても防ぐことは不可能ですし、隣の家の火災が燃え広がってしまうケースも考えられます。火災保険に加入していれば、このような事態になった場合補償を受けることができます。

補償の対象は建物のみならず、家財(家の敷地内にある物全般、たとえば家具など)も対象となっていることが多いようです。

次に落雷。あまり我々にとっては身近な災害とは思えないかもしれませんが、東京都内では毎年約10件~15件程度、雷による火災が発生しています。

また、火災にならずとも、電源が入っていたパソコンが故障したり、屋根に穴が開いたりしてしまうケースも考えられます。こうした時に損害を補償してもらうことができます。

それから水災。いわゆる河川の氾濫などです。日本では毎年約4万4000棟の建物が水災の被害に遭っています。日本は雨が比較的多く、また台風も毎年上陸することから水災には特に気をつける必要があります。

たとえ近くに川や山がなくても安心はできません。最近はアスファルトの上で行き場を失った水があふれる、都市型の洪水も増えてきているからです。火災保険ならば、こうした事態にも備えることができます。ただし、津波による被害は保障されないケースが大半です。

続いて自動車事故、落下物など。自動車などが運転を誤って敷地内に突っ込み塀を壊したり、崖の上から落石があったり、隕石が落っこちてきたりした場合に、補償を受けることができます。

このほかにも風災雹災盗難漏水などによる水濡れなども補償の対象となっていることが多いです。細かい補償内容は損害保険会社によってまちまちなので、確認してみましょう。

ここからは地震保険の説明です。地震保険は地震、噴火、もしくはこれによる津波、火災などで建物や家財などに損害が発生した場合に、補償を受けることができる保険です。

地震保険は必ず火災保険とセットで入る必要があります。地震保険単独で加入することはできません(火災保険単独での加入は可能です)。また、地震保険と火災保険は必ず同じ損害保険会社で加入しなければなりません。

地震保険の対象は建物、家財です。高額な貴金属、宝石、美術品などは対象外となることがあります。保険金の支払いは全損の場合保険金の100%、半損の場合50%、一部損の場合5%となっています。

地震保険料は地域によって異なり、地震のリスクが高いとされている都道府県(主に太平洋側の都道府県)ほど保険料が高く、そうでない地域(主に日本海側の都道府県)ほど保険料は低くなっています。

ただし、東日本大震災のあった東北も、熊本地震の熊本も、比較的地震のリスクは低い地域とされていたので、この指標自体はあまりあてになりません。どんな地域でも万が一の事態に備えておくことが大切です。

労災保険

労災保険は、業務上の事由、もしくは通勤などで労働者が死傷した場合に、本人もしくは遺族に対して保険金が支払われる保険です。労災保険は会社や事業所単位で加入し、そこで働くすべての人に適用される保険です。

保険料は全額会社(事業主)が負担することになっています。そのため、通常個人で入ることはありません。例外として個人事業主などは、個人で労災保険に入ることができます。

変額保険

変額保険とは、運用実績によって将来支払われる保険金の額が変動するタイプの保険です。運用方法を指示するのはほかならぬ契約者自身です。

支払った保険料は株式、債券、定期預金などの購入に充てられ、その運用がうまくいけば保険金が増え、うまくいかなければ保険金は減ります。

ただし、運用がうまくいかなくても死亡保険金は減額されないので、いざという時にお金を残すことができます。

たとえばリスクを負ってでも大きく稼ぎたいときは株式中心に買うように指示を出し、逆にあまりリスクを取りたくないという時は債券中心で買うように指示するなど、状況に応じてポートフォリオ(購入した証券の割合)を変更していく必要があります。

運用の方法は人それぞれなので何とも言えませんが、一般的に若いうちはやり直しがきくのでリスクをとって株式を中心にポートフォリオを作り、50台を過ぎたら資産を守るために安全性の高い債券中心に切り替えるというのが、一般的な戦術です。

変額保険のいいところは、インフレリスクに対応できることです。あらかじめ返戻率がきめられている一般的な保険の利率は年利1.0%程度なので、それ以上のインフレが起きてしまった場合は資産が目減りすることになります。

しかし、変額保険はインフレが起きればその分だけポートフォリオの価値も上がるので、インフレが発生しても資産が目減りしません。一方で当然運用に失敗すれば元本割れを起こす可能性もあるので、保険商品としてはややハイリスクとも言えます。

外貨建保険

外貨建保険とは、その名の通り外貨で運用を行る保険です。外貨にも米ドル、豪ドル、ユーロ、元など様々な種類があり、通貨ごとにメリットもリスクも違います。

外貨建て保険は保険料の支払いから、受け取る保険金、年金、解約返戻金などがすべて外貨になっています。外貨建て保険の一番のメリットは、日本円よりも金利が高いことです。

今の日本は世界に類を見ない低金利状態が続いており、各保険会社もその運用には四苦八苦しています。

その点、外貨はほとんどが日本円よりも高い金利になっているので、長く運用していけば行くほど有利になります。金利が高い分、保険料が安くなるというメリットもあります。

また、外貨建保険では、満期日もしくは解約時に、契約時よりも円安になっていれば、為替差益を得られるというメリットがあります。

たとえば、保険金が1万ドルだった場合、1ドル90円ならば90万円にしかなりませんが、1ドル120円ならば120万円になります。運用益と為替差益を合わせると金利が10%を超える可能性もあります。

また、外貨建保険は外貨で運用するので、資産を外貨に分散できるというメリットもあります。投資をするうえで、金融資産を分散させるというのはとても大切です。

株式だけを持っていては世界同時株安に対応できませんし、不動産だけを持っていては原発事故などに対応できませんが、少しずついろいろな金融資産を持つことにより、ある資産の値下がりをほかの資産でカバーすることができます。

一方で、外貨建保険にはデメリットもあります。一番のデメリットは、円高になると受け取れる保険金が減ってしまいまうことです。急激に円高が進んだ場合、日本より高い金利をもってしてもその穴埋めができずに元本割れを起こしてしまう可能性があります。

より確実な保障が欲しいという時は、外貨建て保険は避けたほうがいいでしょう。

また、外貨と日本円の交換の際には為替手数料がかかります。保険料は割安な外貨建て保険ですが、このような費用も掛かることを把握しておきましょう。

おすすめの通貨は?

一口に外貨と言ってもその種類は様々です。どの外貨で運用を行うかによって、最終的な利益に大きな差がつくことは珍しくありません。では、いったいどの通貨で運用を行っていけばいいのでしょうか。

初心者の場合は原則として、先進国の通貨(主に米ドル、豪ドル、ユーロ)を選んだほうが無難であるとされています。

先進国の通貨は安定しており、急激に値が上がったり下がったりしないからです。その分金利は発展途上国と比べると安いですが、それでも日本と比べれば十分すぎるほど高いです。

発展途上国の場合は金利が20%を超えるようなことも珍しくないですが、反面急激な円高を起こす可能性も秘めているので安定感はありません。

失ってもいい資金がたくさんある場合は、さらに増やすことを目的に買ってもいいですが、そうでない場合は避けたほうがいいでしょう。

なお、外貨を用いた投資は何も外貨建て保険だけではありません。外貨預金、FX、外貨債券などもあります。

【為替投資】は外貨と日本円の交換レートの変動を利用した投資

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為替投資とは、外貨と日本円の交換レートが常に変動していることを利用し、その差を活用して儲ける投資です。

たとえば、1ドル100円の時に100ドルを購入し、その後1ドル110円の時に売り抜けることができれば、差し引き(110円-100円)×100=1000円の利益を得ることができます。

為替投資と聞くと複雑なものであるという想像をされるかもしれませんが、基本的な仕組みはこれだけです。

為替投資の中でも代表的なものにFXがあります。FXはそのリスクとリターンの高さから、投資よりも投機として扱われることが多いですが、うまくやれば一夜にして数千万単位の利益を得ることも可能です。

FXは通貨の交換レート変動と金利差で儲ける

FXは、日本円と外貨(主に米ドル、豪ドル)を売買して利益を生み出す投資です。基本的な仕組みは上で紹介した通り、円高の時に外貨を購入し、その後円安になったら外貨を売るというものになっています。

FXは「margin Foreign eXchange trading」の略であり、FX会社にお金(証拠金)を預けて取引を行います。

また、FXは金利差でも稼ぐことができます。たとえば、仮に日本の金利が0.1%で、オーストラリアの金利が3.0%だったとします。この状況で豪ドルを買った場合、2国間の金利差は3.0-0.1=2.9%です。

そのため、豪ドルを所有している限りは、半永久的に2.9%の金利を受け取ることができます。この金利差をスワップポイントといいます。

逆に日本よりも金利が低い通貨を買った場合は、その差分だけスワップポイントを支払う必要がありますが、現在日本より金利が低い国はほとんど存在していないので、その点に関しては心配する必要はありません。

最近はむしろ為替ではなく、スワップポイント狙いでFXを始める人も少なくありません。

また、FXでは売りから入ることも可能です。この辺りは株式投資の信用取引と同じですね。たとえば、1豪ドル100円の時に100豪ドルを売り(+1万円)、その後1豪ドル90円になった段階で100豪ドルを買い戻せば(-9000円)、差し引き1000円の利益となります。

信用取引では株価が上がっても下がっても利益が上げられたように、FXでは自国通貨が下がっても上がっても利益が挙げられるのです。

ただし、この場合金利の低い日本円を金利の高い豪ドルで買っていることになるので、その分のスワップポイントを支払う必要があります。

日本円よりも金利の低い通貨で売りから入った場合はスワップポイントを得ることができるのですが、前述のとおり日本よりも金利が低い国はほとんどありません。

FXのレバレッジ効果

また、FXもレバレッジがあります。不動産投資や信用取引などでも借金をして投資することができましたが、FXでもそれは可能です。FXに一定の額のお金(証拠金)を預けると、最大でその25倍までの額の取引をすることができるのです。

たとえば、自己資金が1万円で、レバレッジなしで1豪ドル100円の時に100豪ドルを売り(+1万円)、その後1豪ドル90円になった段階で100豪ドルを買い戻せば(-9000円)、差し引き1000円の利益にしかなりません。

しかし、自己資金が1万円でも、レバレッジ25倍で取引をすれば、1豪ドル100円の時に2500豪ドルが売れます(+25万円)。その後1豪ドル90円になった段階で2500豪ドルを買い戻せば(-22万5000円)、差し引き2万5000円の利益になります。

むろん、逆の結果が出た場合は損失も25倍になるので、一概にレバレッジを増やすことがいいとは言えません。初心者のうちは3~6倍程度のレバレッジで様子を見ながら取引を進めていき、慣れたら徐々にレバレッジを上げていくのがいいでしょう。

FXと外貨預金の違い

レバレッジなし(1倍)のFXは、基本的には外貨預金と変わりありません。しかし、FXは頻繁に交換を繰り返す取引であるため、為替手数料が極めて安く設定されています。一方、外貨預金は人件費が高い銀行で取り扱われているため、手数料は高いです。

さらに、FXの場合は業者が倒産しても預けている資金は100%戻ってくるので安全です。取引はしたくないけれど外貨をもってリスクの低減を図りたいという場合は、FX口座を作るといいでしょう。

FXのスプレッドって何?

FXを始めたときに必ず目にするであろう用語が「スプレッド」です。スプレッドとは、売値と買値の間にある差のこと、要するに為替手数料のことです。

FX会社は「外貨⇒日本円」の交換レートと、「日本円⇒外貨」の交換レートに差をつけることによって利益を得ています。スプレッドはFX会社が自由に設定することができるのですが、当然スプレッドの低い業者のほうが人気です。

スプレッドには変動制のもと固定制のものがあります。変動制のものは安いときは非常に安いのですが、タイミングによっては大きく上がることもあり安定しません。固定性は変動制と比べると少し高めに設定されていますが、基本的には一定です。

繰り返し取引をするという場合は、固定性を選んだほうがいいでしょう。

ロスカットはお早めに

含み損が拡大し、証拠金の維持率が下がってきた場合には、FX会社から警告が送られてきます。警告の内容は「証拠金を追加するか、決済(損切り)をしてください」というものです。この損切りをロスカットといいます。

ロスカットは損失を確定させる行為なので非常に気が引けるかと思いますが、ロスカットがきちんとできるかがFXで成功するかしないかの分かれ目と言っても過言ではありません。

もちろん、その後反転することも考えられるので一概に早いロスカットがいいとは言えませんが、だらだらと続けて傷口を広げるような真似は避けたいものです。

なお、警告が送られてきたにもかかわらず証拠金の追加も決済もせず、さらに含み損が拡大した場合は、FX会社によって強制的に決済されることになります。これを強制ロスカットといいます。

この仕組みがあるおかげで基本的にFXで借金を負うことはありませんが、相場の状況次第では強制ロスカットがなかなか成立せず、借金を背負ってしまうこともあります。そのリスクを避けるのならば、やはりレバレッジは小さめにしたほうがいいでしょう。

ナンピン買いは諸刃の剣

ナンピン買いとは、購入した外貨が値下がりし(円高になり)含み損が発生した場合に、さらにその外貨を買い増しすることによって、平均購入単価を下げる方法のことです。

たとえば、1ドル120円の段階で1000ドルを購入したとします。その後円安の方向に振れてくれれば利益が出たのですが、よみとは逆に円高方向に振れ、1ドル116円になってしまいました。

この時点でロスカットをしてもいいのですが、それをせずにさらにドルを買い増すのがナンピン買いです。たとえばこの時点でさらに1000ドルを購入すれば、その時点でのドルの平均購入単価は120円から118円にまで下がります。

その後相場が好転して1ドル119円になれば利益を上げることができます。一方、ナンピン買いをしていなかった場合は、ドルの平均購入単価は120円のままなので、119円の段階で売っても損失が出てしまいます。

しかし、下落傾向にある通貨をさらに買いますというのはリスクが高い手法ともいえます。その後さらに通貨が下落してしまった場合はさらに損失を増やすことになります。

同じような手法に塩漬けというものがあります。塩漬けとは、相場を読み間違えて損失を出した場合に、損切りをせず、買い増しもせずそのまましばらく様子を見ることです。

スワップポイントで為替損益をカバーできている場合はある程度有効な手法ですが、やはり下落傾向にある通貨をそのまま持ち続けるというのはリスクが高いので気を付けましょう。

電子取引特有のリスクに注意

FXは一般的にネットで売買を行うため、ネット特有のリスク(回線がつながらない、サーバーダウン、入力ミス)などが発生することがあります。

大手の各FX会社のサーバー稼働率は99.9%以上ではあるものの、アクセス集中による遅滞などのリスクがなくなったわけではありません、モバイル端末のエラー、アプリの不具合といったリスクもあります。

こうしたリスクは、より良質なサービスを提供しているFX会社を選ぶことによって減らすことができます。また、株式投資でもあった逆指値取引を利用して損失を限定させておくなどの対策も有効です。

【年金】は未来の自分への投資

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年金とは、毎月一定額を受給できる仕組みのことです。現在の日本には国民年金という20歳以上の国民全員に加入が義務付けられている年金制度がありますが、それ以外にも様々な年金制度があります。

運営主体別に見た年金の種類

年金の種類はその運営もとによって大きく「公的年金」「企業年金」「私的年金」に分けることができます。公的年金は国が社会保障の給付として行うもので、前述の国民年金も公的年金に含まれます。そのほか、厚生年金保険や障害年金などが公的年金に含まれます。

企業年金は、企業が従業員の老後の生活の安定を図るために設けたものです。企業年金は法律で定められた義務ではないので、企業年金がない企業も存在しますが、一般的に大企業は企業年金が充実している場合が多いです。

私的年金は個人が自分の責任と計画に基づいて資産を形成するタイプの年金です。

公的年金や企業年金は通常、国や企業が運営を行ってくれるので個人でしなければならないことはほとんどありませんが、私的年金の場合はその運用指図も自分でしなければならないケースがあります。

その場合、運用がうまくいけば受給できる金額が増えますし、運用に失敗すれば元本割れを引き起こすケースもあります。

給付の種類

年金とはいざという時のためのものです。いざという時とは、簡単に言えば何らかの事情で収入がなくなってしまった、あるいは大きく減ってしまったときのことです。減ってしまった収入をカバーするのが、年金の役目であり使命であるといえます。

給付の種類は大きく「老齢年金」「障害年金」「遺族年金」に分けることができます。

老齢年金とは、年を取って働けなくなってしまったときのための年金です。国民年金、国民年金基金、確定拠出年金、退職共済などが該当します。

障害年金は、障害により働けなくなってしまったときのための年金です。障害基礎年金、障害厚生年金などが該当します。

遺族年金とは、一家の家計を支えていた人物が亡くなってしまった場合に、遺族に対して給付される年金です。遺族基礎年金、遺族厚生年金、遺族共済年金などが該当します。

年金の被保険者

年金に加入し、保険料を支払って将来年金を受給する人を被保険者といいます。自営業者や学生などは第1号被保険者、会社員や公務員は第2号被保険者、第2号被保険者の配偶者は第3号被保険者という区分になっています。

国民年金とは

昭和60年以前は、サラリーマンは厚生年金、公務員は共済年金、自営業や自由業、無職の人は国民年金に加入するという仕組みになっていました。職業や職種によって、入るべき年金制度が違っていたのです。

しかし、この制度にはさまざまな問題点があった(入っている年金によって将来の受取額が変わってしまうなど)ため、昭和61年に年金制度が改正され、すべての日本国民(日本に住む外国人含む)は国民年金に加入することが義務付けられました。

一方、サラリーマンのための厚生年金や、公務員のための共済年金は、それぞれの2階建て部分として残されることになりました。

たとえばサラリーマンの場合は国民年金と厚生年金の両方に加入し、公務員の場合は国民年金と共済年金に加入する、というわけですね。自営業の人は国民年金のみです。

その後平成27年にふたたび年金制度が改正され、共済年金は廃止されました。今後は公務員もサラリーマンと同じ厚生年金に加入することになります。

国民年金は、所得にかかわらず一定の額を納めていく制度です。したがって、同じ額を保険料として納付すれば、同じ額を毎月受け取ることができるわけです。ただし、年金保険料は毎年変更されています。平成28年度の国民年金保険料は1万6260円です。

なお、国民年金には前納制度があります。将来の一定の期間(最大で2年間)の保険料を納付することができます。前納制度を利用した場合、保険料が安くなります。また、口座振替にした場合、月々の保険料が50円安くなります。

また、生活保護を受けている場合や、ハンセン病療養所などで療養している人、障碍者や寡婦で所得が少ない人などは、年金を免除してもらえるケースがあります。支払いが難しいという時は、年金事務所まで相談してみましょう。

なお、平成28度の年金額は年額78万100円です。月ごとに直すとだいたい6万3000円ぐらいです。これだけではとても生活していけないということで、通常は後述する他の年金制度も加入するのが一般的です。

国民年金基金とは

国民年金基金は、自営業者などの第1号被保険者が国民年金に上乗せすることができる公的年金制度の一つです(会社員は公務員は別の年金に加入します)。国民年金基金には職能型と地域型がありますが、どこに加入しても同一の掛け金に対しては同一の給付が返ってきます。

国民年金基金は第1号被保険者ならばだれでも加入することができますが、強制加入ではありません。必要ないと思った場合は、入らなくても構いません。

運用は保険料を積み立ててそれを財源として運用し、年金を支給する積み立て方式をとっています。運用は各基金がやってくれるので、加入者が特に何かする必要はありません。

国民年金基金の特徴として、保険料をある程度自分で自由に設定できることが挙げられます。上限は月6万8000円までと定められていて、保険料が多くなればなるほど、当然将来受給できる額も大きくなります。

まず、1口目は2つの型(A型、B型)から選択します。どちらも終身年金ですが、A型は15年の保証期間があります(本人が亡くなった場合遺族に年金が支払われます)。

もう少し年金額を増やしたいという人は、2口目以降を加算します。型によって支給開始時期や支払保証期間が違うので、加入前によく確認してみましょう。

なお、国民年金基金の保険料は、原則として全額所得控除になります。たとえば、毎月6万8000円の保険料を支払った場合、1年間では81万6000円の所得控除となり、大幅に所得税や住民税を減らすことができます。

厚生年金とは

厚生年金とは、サラリーマンや公務員、すなわち第2号被保険者が加入することができる年金です。かつてはサラリーマンのためのものでしたが、現在は公務員も厚生年金に加入することになっています。厚生年金は国民健康保険と違って原則として強制加入となっています。

厚生年金は、会社と労働者が折半で保険料を支払います。それでいて充実した補償を受け取ることができるので、国民年金基金と比べるとお得感は高いです。ただし、厚生年金保険料は自分で決めることはできず、所得に比例して増えていきます。

つまり、所得が高い人ほど厚生年金保険料の負担が大きくなり、その分将来受給できる年金も増える、というわけです。月収が40万円程度の場合、大体自己負担すべき保険料は3万6000円ぐらいになります。

なお、サラリーマンや公務員の場合は通常、保険料は毎月給料から天引きされることになりますが、その天引きの中には国民年金保険料も含まれています。厚生年金の加入者は国民年金にも自動で加入していることになるわけですね。

なお、厚生年金の受給額は加入期間と納めた保険料にも左右されます。仮に平均給与が月40万、加入期間が40年の場合、受給額は毎月11万円前後となります。

ここに国民年金(約6万3000円)が加算されます。上記の夫と専業主婦の妻からなる夫婦の場合、毎月の合計受給額は11万+6万3000円×2=23万6000円前後になると覚えておきましょう。

企業年金とは

企業年金とは、企業が従業員のために用意する年金のことです。多くの企業は退職金を年金ではなく一時金で支給しますが、中には年金として支給する企業もあります。

受給する側としても一括で受け取るよりは年金として受け取ったほうが生活が安定しやすいのでうれしいところです。

企業年金は大きく確定給付年金と、確定拠出年金に分類することができます。確定給付年金とは、将来に支給される年金額があらかじめ決められており、つまり給付が確定している年金です。

そのため、年金資産が足りなくなった場合は、企業は掛け金を追加で拠出する義務があります。加入者側としては安心できる制度ですが、企業側としては気が抜けない制度とも言えます。

確定拠出年金は、拠出する額があらかじめ決められており、支給額はその運用結果によって変わる、というものです。給付額が変動しやすいためリスクが高いと思われるかもしれませんが、インフレに対応できるというメリットもあります。

個人型確定拠出年金とは

上記のような企業が行う確定拠出年金は企業型確定拠出年金といいますが、それとは別に個人で加入できるタイプの確定拠出年金もあります。このようなものを個人型確定拠出年金といいます。

主な利用者は自営業者ですが、企業年金がない会社に勤めている会社員でも加入できるケースがあります。

個人型確定拠出年金では、原則として運用を自分で行います。株式や債券、不動産投資信託などを毎月度の割合で買っていくか、あるいはどのタイミングで売ったり買ったりするかを自分で決めて、自分の責任において運用していくのです。

運用に成功すれば当然多くの年金を受け取ることができますが、運用に失敗すれば元本割れの可能性もあります。

第1号被保険者の場合、個人型確定拠出年金と国民年金基金を併用することができます。先ほど国民年金基金の保険料の上限は月額6万8000円と申し上げましたが、正確には個人型確定拠出年金と国民年金基金両方の掛け金の上限が6万8000円です。

たとえば、個人型確定拠出年金を月3万円、国民年金基金を月3万円とすることはできますが、個人型確定拠出年金を月4万円、国民年金基金を月4万円とすることはできませんので注意してください。個人型確定拠出年金も全額所得控除の対象となります。

個人型確定拠出年金の一番のメリットは、信用リスクがないことです。個人型確定拠出年金は個々人がそれぞれ自分の資産を運用するしているので、仮に運用先の信託銀行や、金融商品の提供会社が破たんしても原則として資産は保障されます。

それに対して国民年金基金は多くの人が支払った資産をまとめて運用しているのですが、現在国民年金基金は積立金が不足しています。積立金が足りないということは将来破たんする可能性があるということです。

今後加入者がそのリスクを背負わされる可能性があるということです。

今後数年の間に破たんするということはないでしょうが、20年、30年先はわかりません。若い人は信用リスクのない個人型確定拠出年金に入ったほうがいいでしょう。

一方、個人型確定拠出年金には受給額が決まっていないというリスクがありますが、資産が増える可能性があるという点ではこれはむしろメリットとも言えます。

どうしてもリスクを背負いたくないという場合は、預貯金などの商品を中心にポートフォリオを組めば安心です。それでも所得控除を受けられるので、資産運用よりも節税を考えている人にもおすすめです。

それよりも大きく稼ぎたいという場合は、それよりもリスクが高い債券、不動産投資信託、あるいは株式を選ぶことも可能です。自身の年齢、背負えるリスクなどに応じて、運用商品を選んでください。

障害年金とは

障害年金とは、障害を負ったことにより生活が困難になった場合に生活を保障するための年金のことです。年金という名前こそついているものの、実質的には若い人のための制度といえます。

がんや心臓病、糖尿病などの内部疾患、あるいはうつ病や統合失調症などの精神疾患でも、その障害の内容によっては受給することが可能です。

障害年金には国民年金加入者が受給できる「障害基礎年金」、厚生年金加入者が受給できる「障害厚生年金」があります。たとえば自営業で国民年金にのみ加入している人は、障害基礎年金のみを受給できます。

一方で会社員で国民年金と厚生年金の両方に入っていた人は、障害基礎年金と障害厚生年金の両方を受給することができます。

障害の等級はその重さによって1級、2級、3級に分類することができます。また、3級よりもさらに軽いものに障害手当金があります。3級以上の場合は障害厚生年金が、2級以上の場合はそれに加えて障害基礎年金が受給できます。

たとえば、自営業者で国民年金しか加入していないという人が3級の障害になった場合は何も受給できませんが、会社員で厚生年金にも加入していた人が3級の障害になった場合は障害厚生年金が受給できます。

支給額は障害が重いほど、また配偶者や子供が多いほど多くなります。支給額は物価や賃金の手当てに応じて毎年見直しが行われています。

障害年金を受給するには、本人による申請が必要になります。申請の内容は複雑なので、日本年金機構や年金事務所、年金相談センターなどにあらかじめ相談したほうがいいでしょう。その際には年金手帳など、基礎年金番号がわかるものを用意しておくといいでしょう。

なお、本人が申請するのが難しい場合は、社労士に手続きを代行してもらうことができます。

遺族年金とは

遺族年金とは、被保険者が死亡した時に、残された遺族に対して給付される年金のことです。

遺族年金には国民年金加入者が受給できる「遺族基礎年金」と、厚生年金加入者が受給できる「遺族厚生年金」があります。自営業者は遺族基礎年金を、会社員は遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方を受給することができます。

また、遺族基礎年金は残された家族の生活を保障するためのものですので、18歳未満の子供がいる場合にしか受給できません。配偶者しかいないという場合は、「寡婦年金」もしくは「死亡一時金」を受け取ることになります。

一方、遺族厚生年金は子供がいない場合でも支給されることがあります。子供がいる厚生年金加入者が亡くなった場合、遺族は遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方を受け取ることができるわけです。

また、このない妻が遺族厚生年金を受け取る場合、40歳から65歳の間は中高年齢寡婦加算として、受け取れる額が増えます。

寡婦年金は遺族基礎年金と遺族厚生年金のどちらも支給されない場合に、10年以上婚姻関係のあった妻が受け取れる年金です。夫が掛けてきた国民年金が無駄にならないように、という配慮からきている年金です。

一方、死亡一時金とは寡婦年金の一時金バージョンのようなものです。こちらは配偶者のほかに、子供、孫、父母、祖父母、兄弟姉妹も受け取れます(生計を同じくしていた場合のみ)。

遺族年金も手続きを社労士に任せることができます。

【投資信託】は人に運用を任せる投資

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投資信託とは、多数の投資家から集めたお金を一つのまとまりとして動かし、株式や債券に投資して利益を得て、その利益を投資家に配分する投資です。

お金を運用するのは投資のプロであるファンドマネージャーと呼ばれる人で、彼らは株式、債券、不動産、その他金融商品を買ったり売ったりする指示を信託銀行という金融機関に出してお金を増やしていきます。

投資信託では面倒なことはすべてファンドマネージャーが行ってくれるのでとっても楽です。

投資信託にかかわってくる3つの会社

投資信託は「投資信託を販売する会社(販売会社)」、「資金を集めてファンドを作り運用指図を出す会社(委託会社)」、「委託会社の指示をもとに投資と資金の管理を行う(受託会社)」があります。

販売会社は投資信託の募集、販売を行う窓口で、証券会社や銀行、郵便局などが該当します。投資信託の品ぞろえや手数料などは販売会社によって異なるので、事前に販売会社について詳しく調べておく必要があります。

委託会社はファンドマネージャーが所属している会社で、集められた資金の使い方を決める会社です。

どんな株式を買うのか、債券を買うのか、不動産を買うのか、日本に投資するのか、海外に投資するのか、保有する金融商品の割合はどう調整するのか、売買のタイミングはどうやって決めるか……といった運用の指示を出します。

受託会社は信託銀行とも呼ばれる銀行の一種であり、委託会社の指示に従って実際に金融商品を売ったり買ったり管理したりしています。信託銀行は運用会社から独立しています。

投資家の出したお金と信託銀行を運営するお金は区別されているので、万が一信託銀行が倒産してしまったとしても投資家のお金は保全されるので安心です。

投資信託は分散投資できる

たとえば1社、あるいは少数の企業の株式や債券しか所有しない場合、企業の倒産や株価・債券の急激な下落があると、その影響をもろに受けてしまいます。

しかし、投資信託では複数の企業の株式や債券、あるいは不動産などに分散して投資を行うため、企業倒産や株価・債券の急激な下落が起こってもほかの金融資産でカバーすることができます。

投資信託で買えるものにはいろいろありますが、リスクとリターンが特に高いのは「外国株式」です。以下「国内株式」「不動産投資信託」「外国債券」「日本債券」「預貯金」と続いていきます。自身の取れるリスクに応じて商品を選んでいきましょう。

積立投資ならば儲かりやすい

投資信託は一般的に積立投資で行います。積立投資とは、毎月少しずつお金を出して金融商品を買い増していくタイプの投資です。たとえば最初に毎月2万円ずつ投資すると決めて、あとはそれに従ってお金を払っていく、という感じです。

一度にまとまったお金が用意できなくても投資を始められるので初心者でも気軽に行うことができます。

また、積立投資はドル・コスト平均法の考え方を導入したものであるため、平均コストを少なく抑えることができます。

ドルコスト平均法とは簡単に言えば、毎月一定の額を拠出し、金融商品が安いときにはたくさん買って、高いときには少ししか買わないという投資方法です。安いときにたくさん買うので、平均購入価格を安く抑えることができます。

運用のプロに任せられるので安心

投資信託では購入する商品こそ投資家自身が決めますが、実際にそれを運用するのはプロのファンドマネージャーです。ファンドマネージャーは各ファンドが決めた運用方針に従って投資の判断を行います。

彼らに任せておけば100%安心というわけではもちろんないですが、素人がやるよりはよっぽど効率的と言えるでしょう。

投資信託には元本保証がない

投資信託では株式や不動産など、それなりにリスクがある商品に投資を行うので、元本保証はありません

中には預貯金などの元本保証があるタイプの投資信託もありますが、わざわざ投資信託で預貯金を買うくらいだったら最初から銀行に預貯金をしたほうが手数料もかからず効率的です。

せっかく投資信託をするのでしたら、それなりのリスクを背負うべきです。絶対に元本保証が欲しいという場合は、そもそも投資信託はやらないほうがいいでしょう。

投資信託にはコストがかかる

投資信託を運用するにはさまざまなコストがかかります。なかでも重要なのが手数料です。投資信託の手数料には金融商品を売り買いするのにかかる「購入時手数料」、運用に対してかかる「運用管理費用」、金融資産をお金に換えるときにかかる「信託財産留保額」があります。

購入時手数料は購入価格の0~3%程度です。中には購入時手数料が0%の投資信託もあり、これを「ノーロード投資信託」といいます。

運用管理費用は投資信託を行っている最中に毎年支払う費用で、保有している金融資産の0.1~3.0%程度かかります。積極的に利益を追求するアクティブファンドは運用管理費用が高いです。

信託財産留保額は金融資産をお金に換えるときにかかる費用です。0~0.5%程度です。これらの手数料は運用の失敗、成功にかかわらず支払わなければなりません。

投資信託の始め方

投資信託を始めるにあたっては、まずは自身の投資スタイルを決める必要があります。債券中心に安全に運用するのか、株式中心に積極的に利益を狙うのか。

こうした方針は人それぞれなので正解はありませんが、ある程度年を取った人は安全に、やり直しのきく若い人は積極的に利益を狙い運用するべきとされています。

次に購入窓口(販売会社)を決めます。販売会社は大きく証券会社と銀行に分類することができます。

普段預貯金をしている銀行で始めてもいいのですが、おすすめは証券会社です。証券会社は銀行と比べると取り扱っている商品が多いうえ、ネット証券ならば手数料も安いからです。

販売会社が決まったら、次に口座を開きましょう。証券口座も銀行口座と同じように無料で開設することができます。手続きから実際に取引が始められるまでに数週間程度かかることがあるので、早めに口座を開いておきましょう。

口座を開いたらいよいよ投資信託を開始します。投資信託には買いたいときに買う「スポット購入」と、一定期間(通常毎月)ごとに一定の金額を投資していく「積立投資」がありますが、後者の方が一般的です。積立投資は前述のとおりドルコスト法の恩恵を得ることができますし、なるべくこちらを選びましょう。

投資信託は買い方の指示を出したら終わりではなく、値上がりしたら売らなければなりません。定期的にポートフォリオ(保有している財産の配分)をチェックし、値上がりしているものについては適切なタイミングで手放すようにしましょう。

また、加齢とともに買い方の指示も変えていく必要があります。若いうちは株式中心で攻めの投資をしていたという人も、ある程度年を重ねたら債券中心の安全運転に切り替えたほうがいいでしょう。こうした指示は販売会社に連絡しましょう。

NISA専用の口座を作れば税金がかからない!

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NISAという単語を聞いたことがある人は少なくないかと思います。なんか投資に関連した用語だ、とご存知の方は少なくないかと思いますが、実際にその意味まで知っている方は意外と多くないのではないかと思います。

NISAとは簡単に言えば、日本国内で投資を促すために作られた税制優遇制度です。具体的には「株や投資信託などの運用益や配当金を一定額非課税にする制度」ですが、この制度を利用するためには一定の手続きが必要になります。

NISAでは通常20%かかる税金が、投資金額120万円まで非課税となります。たとえば、2016年に120万円の投資を行い、12%の利益が出たとします。

この場合利益は12万円であり、その20%に相当する2万4000円が税金として引かれることになりますが、NISA制度を利用すればこの税金を0にすることができます。

非課税枠は2023年まで、毎年120万円ずつ割り当てられます。非課税の期間は最大で5年間となっており、途中で売却した場合は再利用ができません。そのため、NISAは売買を頻繁に行わない長期投資向けの制度であるといえます。

NISA口座の作り方

NISAを始めるにあたっては、NISA用の口座を作成する必要があります。NISA用の口座を作るにはまず、通常の口座を作る必要があります。

その上でNISA口座を作り、投資を始めます。NISA口座は原則として1人1口座しか持てないので、どこの金融機関で口座を作るかが非常に大切になります。

銀行のほうが身近な気もしますが、おすすめは取扱商品が多い証券会社です。特にネット証券は手数料も安く、気軽に取引を始めることができます。

口座を開いたらさっそく運用を行うことになります。1年目は仕込みの期間であり、購入と売却ができます。2年目以降は1年目の非課税枠については運用と売却しかできません。

頻繁に購入するような商品はNISAとは相性が悪いので、なるべく長期保有を前提とした商品を買うようにするといいでしょう。

5年中に購入した金融商品に利益が出ている状態で売却した場合、その利益には税金がかかりません。たとえば100万円で購入した株を3年間運用し、150万円で売却した場合は50万円の利益が出たことになりますが、税金は1円もかかりません。

5年が過ぎた場合は、さらに再度5年間運用することも可能です。これをロールオーバーといいます。

NISAのデメリットは損失が出ると税金がかかること

NISAは売却益に対する税金がかからないため基本的にはお得な制度ですが、場合によっては普通に取引するよりも多くの税金がかかってしまうことがあります。それは「NISA口座で損失を出し、通常口座で利益を出した場合」です。

前述の通り、通常口座で利益が出た場合は税金が20%かかります。ただし、利益と損失が両方出た場合、それを合算することができます。たとえばA証券で15万円利益が出て、B証券で10万円損失が出た場合、実質的な利益は15万円-10万円=5万円です。

このように利益と損失を合算して、それに20%をかけたものが課税額となります。この場合は5万円×20%=1万円です。

しかし、NISAではこの仕組みが使えません。たとえばA証券のNISA口座で15万円の損失を出し、B証券で10万円の利益を出したとしましょう。この場合、実質的な利益は-5万円、つまりは5万円の損失です。

しかし、NISA口座では損益の合算ができないため、B証券の10万円の利益がまるまる課税対象になってしまいます。課税額は10万円×20=2万円です。

実質的には損をしてしまう可能性があるにもかかわらず、税金を支払わなければならないというのがNISA最大のデメリットと言えるでしょう。

では、NISAで損をせず得するためにはいったいどうしたらいいのでしょうか。一番いいのは当然損失を出さず、利益を上げることです。利益が上がっているうちはNISAで得をすることができます。

しかし、当然いつもいつも投資が成功するとは限りません。そこで大切になるのが損切りです。NISA口座での損失を最小限に抑えれば、それによる損は少なくなります。

ただし、損切りはいつも早い方がいいのかというとそんなことはありません。もしかしたらその後反転するかもしれないからです。この辺りの見極めは繰り返し投資を行って、徐々に慣れていくしかないですね。

NISAにお勧めの金融機関はどこ?

NISAは多くの金融機関が取り扱ってますが、どこで初めても同じ、というわけでもありません。それぞれ手数料や運用商品が違います。前述のとおり、基本的には取扱商品が多い証券会社をお勧めしますが、証券会社ならばどこでもいいというわけでもありません。

証券会社には店舗型とネット証券がありますが、おすすめは楽天証券などのネット証券です。転居や転勤にも柔軟に対応できるうえ、手数料が安いからです。

店舗型は店舗に直接赴いてアドバイスが聞けるというメリットはありますが、手数料が高いというデメリットの方が大きいです。

また、金融機関によっては口座開設キャンペーンを行っているところもあります。キャンペーンだけで口座を開くのはあまりいいこととは言えませんが、手数料や取扱商品がほぼ互角という場合はキャンペーンを判断基準の一つに加えてしまってもいいかもしれません。

現行制度では一度NISA口座を開いてしまうと1年間は金融機関を変更できないので慎重に選びましょう。

投資の心得

最後に、投資を始める上で心得ておきたいことをいくつか紹介しておきます。

投資は長期投資が基本

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投資には短期間の間に売買を繰り返す短期投資と、長期的に金融資産を保持する長期投資があります。どちらにもそれぞれメリットとデメリットがありますが、安定的に利益を上げやすいのは長期投資です。

長期投資は複利効果(利益を投資することにより加速度的に利益を増やす効果)が得られるからです。

また、短期投資はすぐに値上がりする銘柄を探す必要がありますが、それを見つけるのはプロでも簡単なことではありません。

一方、長期投資の場合は長期的な成長を予測できるかがポイントになりますが、こちらを予想するのは短期投資よりは簡単です。難しい短期投資は賢く詳しいプロに任せて、アマチュアは長期的な視点をもって運用していくことが大切です。

大事なお金には手を付けない

投資は余裕資金でやるのが大原則です。投資には必ずリスクが伴います。生活資金や教育資金などの、今後必要になるお金には絶対に手を付けてはいけません。そんなお金をかけている状態で正常な判断ができるわけはないからです。

投資に回すお金がないという場合は、まずは本業に精を出して投資に回せる資金を作るところから始めるようにしましょう。

完全勝利を目指さない

投資の世界で100戦100勝をすることはまずできません。できたとしてもそれは単なる偶然であり、101戦目がどうなるかはわかりません。

世界一投資で勝ち続けている人でさえ、小さな勝負では何度も負けています。それでもトータルで勝っているので、莫大な金融資産を築けているのです。我々も彼らを見習い、トータルで勝つことを目標に据えるべきです。

理解できない商品は買わない

最近は複雑な金融商品も増えてきていますが、そうした商品はリスクが読みづらいので購入は避けたほうがいいでしょう。複雑な金融商品だけど買いたいという場合は、買う前にその金融商品の仕組みについてしっかりと学ぶことが大切です。

損切りは早急に行う

下落し始めた金融商品がその後反転するか、そのまま落ち続けていくかは誰にもわかりません。しかし、一般的に言えば一度落ち始めた金融商品は短期的にはその後も落ち始めるので早急に手放したほうがいいとされています。

そもそも前述のとおり、相場の世界で100戦100勝することは不可能です。問題は負けたときの傷口をいかに小さくするかです。損を確定させるという行為は、とても悲しく辛い行為ですが、それを乗り越えてこそ相場の世界で生き続けることができます。

利益は目標に届いた時点で確定する

上昇し始めた金融商品がその後反転するか、そのまま上がり続けていくかは誰にもわかりません。保有している金融商品が値上がりするとついつい欲張ってしまうものですが、永久に上昇し続けることはありません。

目標利益をあらかじめ定めて置き、そこに到達したらさっさと売りましょう。機械的に判断できるようになれば、利益確定を逃すことはなくなります。

時々は休む

不調な時は無理して投資を行う必要はありません。時には相場のことを忘れて家族とのひと時を楽しんだり、外出して気分転換を図ることも大切です。

投資に失敗した時は債務整理も視野に

このような心得をもってしても、投資に失敗することはあり得ます。投資で借金を背負ってしまったときは、額によっては債務整理を考慮したほうがいいかもしれません。

もちろん、失敗しても債務整理に行きつかないようにリスク管理をするのが大切なことですが、投資に手を出す以上債務整理の可能性を完璧に排除することはできません。

借金で首が舞わなくなってしまったときは、なるべく早く弁護士事務所などに相談しましょう。