学生時代は人生の中で最も時間的に余裕のある時期です。この時期は勉強、遊び、交友などに励みたいものですが、勉強にも遊びにもお金がかかるのが悩みどころです。
社会勉強という名目でせっかくの青春時代をたかだか時給900円程度で売るのももったいない話ですし、場合によっては学生ローンの利用も視野に入れたほうがいいかもしれません。
目次
学生ローンは審査のハードルが低い
学生ローンの最大のメリットは、通常のローンと比べて審査のハードルが低いことです。学生ローンは学生に貸し出すことを前提に設計されていますから、その分審査も簡単に終わることが多いです。
もちろん、属性が高ければ通常の消費者金融を利用することも可能なのですが、審査に通る確率は高くないでしょう。お金が必要な学生にとって、学生ローンは心強い味方となるはずです。
金利は一般的な消費者金融と銀行の間ぐらい
学生ローンの金利は年利15~18%ぐらいです。これは大手の消費者金融とほぼ同じ、もしくは若干低い程度で、銀行のカードローンよりは高めになっています。
それならば銀行のカードローンを利用すればいいのでは、と思われるかもしれませんが、銀行のカードローンは非常に審査が厳しく、アルバイトの学生ではまず合格できません。学生ローンは学生が審査に通る可能性の高いローンの中では、最も低金利です。
返済は原則銀行振り込みのみ
大手の消費者金融は提携ATMから借り入れ、引き出しなどが行なえますが、学生ローン会社には通常提携ATMがないので、銀行振込でしか返せません。
不便といえば不便ですが、最近はネットバンキングでも簡単に振込ができますし、なによりついつい借りすぎてしまうこともなくなるため、むしろ学生にとってはありがたい仕組みになっています。
申込みは原則インターネットから
学生ローンの申込みは、学生ローン会社のホームページから行います。店頭での申込みに対応している場合もありますが、殆どの学生ローン会社の店舗は東京にしかありませんので、地方の学生には実質的にはインターネット一択となります。
インターネットでの申込みで損することもないですし、これを選んでおけば間違いないでしょう。
申込みの際の確認事項
申込みの際の確認事項は、基本的に通常のローンと代わりありません。具体的には、以下の項目が確認されます。
- 氏名
- 生年月日と年齢
- 性別
- 住所
- 電話番号
- メールアドレス
- 家の種類(実家、一人暮らし、寮など)
- 実家の住所
- 実家の電話番号
- 学校名と学年
- バイト先の情報
- 銀行口座
- 電話連絡してもいい時間帯
返済をきちんと行えば、他者に連絡が行くことはない
確認事項に実家や学校、バイト先などが入っているため、借金をしたことがバレてしまうのではと心配になるかもしれませんが、学生ローン会社が借金の事実を他者に伝えることは通常ありません。将来、就職先に学生ローンの申込みや利用がバレることもありません。
通常のローンには仕事場にそれとなく電話をかけてその人が在籍をしているかをチェックする在籍確認がありますが(参考:借金をするときの「在籍確認」ってなんだ?)、学生ローンにはそのような手続きはありません。
滞納を繰り返し、督促の電話も無視し続けた時に実家に連絡が行くことは在るかもしれませんが、逆に言えばそうでもしない限りは連絡がイカないということです。
学生ローンの審査は年齢と収入がメイン
いかに審査のハードルが低い学生ローンと言えども、誰にでも貸してくれるわけではありません。まず、原則として20歳以上の学生しか利用できません。18歳、19歳の場合は、たとえアルバイトをしていて定期的な収入があっても利用できないケースがほとんどです。
また、収入の安定性も主要な条件の一つです。学生ローンは貸金業であるため、総量規制の対象になります。総量規制とは、貸金業者は顧客にその人の年収の3分の1以上の貸付を行ってはいけないとする規制のことです。
バイトをしていない学生の年収は0ですから、貸付上限額は0×1/3=0円となるため、貸し出すことはできません。仮に年収が30万円なら、30万円×1/3=10万円まで借りられます。
学生のバイトの場合は在籍確認が行われないことも多いため、年収を偽って借りる人も少なくないようですが、それはあまり好ましいことではありません。
学生のうちからあまり借金に染まってしまうのは危険です。学生ローンも立派な借金の一つですから、借りた分には利息を上乗せして返さなければならない、ということをしっかりと認識し、節度を持って利用しなければなりません。
利用目的については、ギャンブル以外ならばだいたいなんでもOKです。旅行に行くとか、パソコンを買うとか、娯楽費に使うとかでも構いません。学生ローン会社も殆どの学生が娯楽費のために借りていることは十分承知していますから、正直に伝えても審査で不利になることはありません。
審査は電話でも行われる
審査は書類とともに電話でも行われます。実家ぐらしの場合はなるべく親御さんがいない時間帯を指定して連絡してもらうこともできますし、自分の携帯電話にかけてもらうこともできるので、これで他人にバレる可能性はほぼないでしょう。
電話では希望利用額、利用目的、返済プランなどを聞かれます。嘘をつく必要はないですが、これも審査の一環ですから迂闊な発言をしないように気をつけましょう。話の内容次第では、返済する気がない、もしくはその能力がないと解釈されてしまいかねません。
利用目的については前述の通りギャンブル以外ならなんでもOKですが、学費目的の場合は請求書などの提出が求められることが多いので注意が必要です。迂闊に印象を良くしようとすると、却って墓穴を掘る事になります。娯楽費がほしいならばそう伝えたほうがいいでしょう。
返済は原則銀行振込、返済期間は5年まで
前述の通り、学生ローンの返済は原則として銀行振り込みで行います。学生ローン会社は規模があまり大きくない業者が多いため、提携ATMが存在しないからです。
業者によっては来店や現金書留による返済を認めているところもありますが、これらの返済方法が銀行振込に勝っている点は殆どありませんので、基本的には利用はおすすめできません。
返済期間は5年が上限
学生ローンの返済期間は5年が上限となっています。つまり、借り入れを学生時代に行って、完済は社会人になってから、とすることも可能なわけです。卒業時点で一括返済を求められるようなことはありません。
ただし、ローンには毎月の最低返済額というものが定められています。そのため、借入額が少ないと返済期間が短くなることもあります。増額や再借り入れなどは社会人になってからできることが多いです。
繰上返済も可能
学生ローンの場合も通常のローンと同じように、繰上返済を行うことが可能です。繰上返済とは、毎月決められた金額に更に上乗せして返済することです。繰り上げ返済したぶんは全額元本に充当されるため、将来発生する利息を少なくすることができます。
ただし、繰上返済をしたとしても、債務が残っている限りは毎月以降の支払いをしなくても良くなるわけではありません。毎月返済額が5000円の所今月は1万円返したので来月は1円も払わなくていい、というようには全くならないので注意が必要です。
繰上返済は手持ちの資金に余裕があるときにのみ行いましょう。
遅延損害金やブラックリストへの登録に注意
返済日までに返済できなかった場合、遅延損害金が発生します。遅延損害金は通常の金利よりも高いので、返済が送れないように気をつけましょう。
また、返済遅れを繰り返すと、そのことが学生ローン会社から信用情報機関に伝えられます。信用情報機関は借金の申込み、返済状況などを一元管理するデータベースのような機関で、金融機関は審査の際に信用情報機関のデータにアクセスすることができます。
つまり、将来金融機関にローンを申し込むと、返済事故を起こしたことがバレてしまうのです。
信用情報機関に返済事故情報が登録されていると、原則としてローンは利用できなくなってしまいます。事故情報は、借金を完済した後も5年間はデータ上に残り続けます。
社会人になって住宅ローンを組む段階になってから後悔しても遅いので、返済事故は絶対に起こさないようにしましょう。
大手消費者金融は学生にも貸してくれることがある
殆どの消費者金融は学生を相手にしてくれませんが、一部の大手消費者金融は学生が相手でも融資してくれることがあります。
中でもプロミスは学生相手でも貸してくれることが多いとされています。プロミスには学生専用のローンはないので、社会人が利用しているのと同じローンを利用することになります。
大手消費者金融でも学生ローン専業でも金利はほぼ変わらない
プロミスのカードローンの金利は4.5%~17.8%です。一方、学生ローン専業のカレッヂやマルイなどの金利は概ね12~17%前後です。
このように比べるとプロミスのほうが有利に見えますが、実際にはどちらを選んでも適用される金利は殆ど変わりません。最初の借り入れでは通常、上限金利やそれに近い金利でしか借りられないからです。
プロミスなどの大手消費者金融の金利幅が広いのは、一部の顧客を大きく優遇しているからです。ほとんどの顧客には上限に近い金利が適用されます。
学生の場合は上限額も少なくなりますし、金利が多少違ったところで発生する利息の額も殆ど変わりません。学生ローンを選ぶ際には、僅かな金利の差に気を使うよりも、毎月の返済を遅れないようにすることのほうが大切です。
学生ローン利用の際の注意点
学生ローンの注意点は、基本的に通常のローンと余り変わりありません。借りすぎない、計画的に返済する、などを守っていけば問題ないでしょう。借金を返すために借金をする、というようになってしまっては末期です。
学生ローンは上限額が低いので自己破産に追い込まれることはまず無いでしょうが、任意整理などのリスクはあります。お金の管理が苦手だという方は、そもそも学生ローンを利用しないほうがいいかもしれません。