人並みの収入と僅かな労力でお金を増やす方法

年収を増やしたり、爪に火を灯すような節約をしたりすれば、誰でもお金を増やすことができます。

しかし、現実的に年収はそう簡単には増えませんし、度の過ぎた節約生活は精神に悪影響を与えます。今回は人並みの収入で、しかも僅かな努力でお金を増やす方法をお教えします。

使えるお金を増やす為に支出を減らす方法11個

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当たり前の話ですが、お金を増やすには、いまと比べて支出を減らすか、収入を増やすかどちらかしかありません。しかし、収入を増やすのが難しいことは、皆さんも御存知かと思います。

それが出来るのならばとっくにそうしている、という方も多いことでしょう。そこでまずは、支出を減らす方法について考えてみたいと思います。

1. クレジットカードはどんなに多くても2枚まで

クレジットカードは現金を出す手間が省ける上、ポイントも貯まるので便利に思えますが、あまりにもたくさんのクレジットカードを持つのはデメリットが大きいです。

クレジットカードの最大のリスクはキャッシング機能がついていることです(付いていないものもありますが)。キャッシングとは短期の借り入れサービスのことで、いつでも手軽にお金が借りられるサービスです。

しかし、キャッシングの金利は法律で定められている金利上限ギリギリに設定されていることが多く、借りれば借りるほど損をしてしまうのです。一度簡単に借りれることに慣れてしまうと、なかなかそこから抜け出すことはできません。

利息をたくさん払わされるのは無駄だと思いながら、何度も借り入れを繰り返しては利息を上乗せして返済する、ということを繰り返していくことでしょう。これを防ぐには、キャッシング機能の付いていないクレジットカードを作るしかありません。

また、クレジットカードを利用するとその情報がクレジットカード会社に登録されます。クレジットカードはその情報をもとに、あなたが食いつきそうな商品の情報を提供してきます。こうした情報の誘惑に耐えられる人はなかなかいません。

このように、クレジットカードには余計な買物をしかねない罠があるため、あまり多く持つべきではありません。ちょっと無駄遣いをしてしまえば、1%程度のポイントなどあっという間に吹き飛んで知っまいます。

クレジットカードはメインを1枚、サブに1枚の計2枚も持てば十分です。人によっては1枚で十分かもしれません。

メインカードは比較的ポイント還元率の高いものを選ぶといいでしょう。一方、サブカードを保つ場合は、特定の状況で大きく力を発揮するもの(例えば高島屋でよく買い物する人ならばタカシマヤカード)と言った感じで選ぶといいでしょう。

2. 日々の消費活動を記録する

家計簿をつけるのは無駄遣いの削減に大いに役立ちます。普段無駄遣いなどしているつもりはなくとも、実際にそれを書き出してみると意外と無駄なことにお金を使っていることがよくわかります。家計簿は無駄遣いを可視化してくれる非常に便利なツールなのです。

しかし、家計簿をつけるのは結構面倒なものです。そこでおすすめしたいのが家計簿アプリです。

家計簿アプリは文字を記入する従来の家計簿とは違い、記帳が遥かに楽です。例えば、「Zaim」というアプリならば、紙のレシートをスマートフォンで撮影するだけで自動的に品目や金額を読み取ってくれるので、面倒な転記が一切不要です。

それだけでなく、円グラフや棒グラフなどを用いて家計ッジの状態を分析することも出来るため、普段どんな無駄遣いをしているのかがひと目でわかります。

記録したデータはCSVやExcelファイルとしてエクスポートすることもできるほか、Facebook / Evernote / Google との連携も可能です。これ以外にも優秀な家計簿アプリはたくさん存在していますので、自分にあったものを探してみて下さい。

3. ポイントカードは普段使う店以外では作らない

財布の中にポイントカードがたくさんある方は、それを一度全て並べてみて下さい。そして、日常的に使うスーパーや薬局などの物以外は全て捨ててしまって下さい。

そもそもポイントカードは、店側が顧客を囲い込むために発行しているものです。ポイントがあとすこし貯まれば値引きですよ、というお得感を演出することによって、自分の店に来させようとしているのです。

もちろん、ポイントが貯まれば割引やサービスを受けられるというのは事実ですが、そのちょっとした割引やサービスのためにいらない買物までしてしまったり、時間を掛けて遠い店まで行くと言うのは本末転倒です。

ポイントカードに振り回されてしまっては意味がありません。

日常的に利用していて、それほど意識することなくポイントが貯められる店についてはともかく、そうでないお店のポイントカードは全て破棄してしまってもかまわないでしょう。捨てればそれだけ財布の中身も軽くなりますし、一石二鳥と言えます。

4. 買物の計画を立てる

衝動買いはそれまでの節約を台無しにしてしまう行為なのでぜひとも避けたいものですが、では一体どうすれば衝動買いを避けることが出来るのでしょうか。一番いい方法は、事前に買物の計画をたてることです。

人間は平常時にはそれなりに冷静な判断を下すことができます。平常時に買物の計画を立てて、そのとおりに行動できれば、衝動買いをすることもなくなるはずです。

5. お金を持ちすぎない

いくら事前に買物の計画を立てていたとしても、お店でいい商品を見れば少なからず心が動くのが人間という生き物です。それは仕方のないことですが、だからといって無駄な買い物を続けてしまうとお金があっという間になくなってしまいます。

お金をあまり持ち歩かないようにしておけば、そうした無駄な買い物をする心配もなくなります。現金ではなくクレジットカードをつかてしまわないか心配だという方は、クレジットカードも破棄してしまったほうがいいかもしれません。

6. 時間は有限な資源だと理解する

あなたの生活圏内にはスーパーAとスーパーBがあります。スーパーAは10分で往復でき、必要なものを買い揃えるのには2000円かかります。一方、スーパーBは40分で往復でき、必要なものを買い揃えるのには1800円かかります。この場合、どちらで買物すべきでしょうか。

単純な価格だけ考えればスーパーBを利用するべきなのですが、時間まで考慮に入れると一概にそうとはいえません。

スーパーBに行くと、スーパーAに行くよりも30分余計に時間を消費します。一方、それによって節約できる金額は200円です。

つまり、スーパーBに行くという選択は、30分を支払って200円を手に入れる行為と対価であるということができます。30分で200円ですから、1時間に直すと400円です。1時間払って400円手に入れるというのは、果たして割に合う行為と言えるでしょうか。

1時間400円というのは最低賃金よりも遥かに低い水準であり、ここまでして節約することに意味があるかは疑問です。

時間という資源が無限にあるのならばこうした時間の無駄遣いはロスにならないのですが、実際には時間は有限です。有限の資源を支払ってでも節約したいか、事前によく考える必要があります。1円でも安いところを見つけるのが、必ずしも正解であるとは限らないのです。

むろん、スーパーAに行くという選択が必ず正しいというわけではありませんし、スーパーBに行くという選択が必ずしも間違っているわけではありません。

例えば、もしあなた健康のために毎日1時間歩くことを日課にしている場合は、スーパーBに行くための時間は無駄ではありません。

7. テレビを見ない

お金持ちは無駄遣いを嫌います。そんな彼らは、テレビを殆ど見ません。テレビは時間の無駄であるということがわかっているからです。彼らは見たいテレビを我慢しているのではなく、見たいと思っていないのです。

テレビは一方的に情報を与えられるだけなので自分の欲しい情報が出てくるまでは待たなければならず、非常に効率の悪い情報資源であるといえます。おまけに番組の合間には多数の宣伝を見せられ、大して価値があるとは思えないようなものを買わそうとしてきます。

本や新聞、あるいはインターネットのほうが、情報源としては有用です。これらの情報源を制することが、お金持ちへの第一歩です。

8. ネットショッピングはより安いところを

前述の通り、実店舗で買い物をする場合は価格だけでなくそれを購入するのに費やす時間についても考慮する必要があります。しかし、ネットショッピングの場合は家から一歩も出ることなく簡単に価格を比較することができるので、より安いところで買うようにしましょう。

価格を比較したい場合は、いわゆる比較サイトを使うことをおすすめします。例えば、価格.comでは様々な商品の価格を一瞬にして比較でき、どこが一番安いのかを瞬時に知ることができます。

9. 自分の価値観で買う

貧乏な人の共通点として、価格が高額なものほど魅力があると考えることが挙げられます。自分のセンスよりも、他人が付けた価格を信じてしまうのです。

その結果、わざわざ少ない収入の中から高い買い物をしたにも関わらず、魅力は大してアップしない、ということが往々にしてあります。要するに、貧乏な人ほど見えっ張りなのです。そのくせ、自分を鍛えようという気持ちはありません。

一方、お金持ちは自分のセンスに対してより自身を持っています。自分がいいと思ったものは、安くても高くてもいいものであると判断するのです。こうしたセンスに自身を見に付けていけば、無駄な買い物で後悔することはなくなります。

10. 健康には十分気をつける

一見節約とは何の関係もなさそうですが、健康でいることはそれだけで節約につながります。病気になったら、どうしても医療費を支払わなければいけません。

時々風邪をひくくらいならば家計にはほとんどダメージがないのですが、大病をしてしまったら年間で何十万円も医療費を支払う羽目になります。しかも病期を治療している期間は働けなくなってしまうため、収入も大きく減ってしまいます。

実際、お金持ちほど健康に気をつけているものです。お金持ちは太っているイメージがありますが、実際にはお金持ちはジムで体を鍛えており、野菜摂取量も多いです。

一方、貧乏な人はジャンクフードばかり食べて、運動習慣もない肥満体型であることが多いです。貧しくても肥満になれるというのはある程度その国が豊かな証拠とも言えるのですが、何にせよ健康には留意すべきです。健康はお金では買えない数少ない資産です。

11. 二重価格に気をつける

もともとの価格と値引き後の価格、2つの価格を並べて表示することを二重価格と言います。二重価格には商品を本来よりも安く見せる効果があります。

例えば、ただ3000円と書いてあるのと、5000円→3000円と書いてあるのでは、後者のほうが安く見えるはずです。本来、5000円という元の価格には何の意味もないのですが、その数字に思考が引っ張られてしまうわけですね。

買い物をする上では、現在の価格のみを考慮しなければなりません。値引率が高い商品を見かけたからと言って、すぐには飛びつかないことです。

お金を増やす方法4つ

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次に、お金を増やす方法について考えてみたいと思います。こちらは支出を減らすほど簡単ではありません。特に会社員は予め基本給というのが決められているので、いくら頑張って業績を上げてもそれが即座に給料に直結することはないはずです。

そんな給料体系の中でも、効果的にお金を増やすためにはどうすればいいのでしょうか。

1. 自動的にお金が貯まる流れを作る

人間というのは何かを始めるのには大量のエネルギーを必要としますが、一度始めてしまえば後は惰性でそれを続けることができます。

何もしていないときは「何もしていない」という現状を維持しようとして、何か始めた後は「何かをしている」という現状を維持しようとするわけです。このような心のメカニズムを現状維持バイアスと言います。

このような心のメカニズムをうまく使えば、労力はほぼ0でどんどんお金を貯めることができます。例えば、自動的にお金が口座から引き落とされる定期積立預金は、一度始めてしまえば後は惰性で続けられるので、何も考えなくてもどんどんお金が溜まっていきます。

「そんな面倒なことをしなくても、普通口座に預金を入れておけば良いんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、そうした考え方はうまく行きません。人間は意思が極めて弱いので、口座に使っても良さそうなお金があるとついつい使ってしまうものなのです。

「今月は貯金できなかったけれど、来月貯金すればいい」という考えは、「今日は食べすぎたけれど、明日は食べる量を減らせばいい」という考えと同じくらいの確率で失敗します。

預金に回す額は所得によって決まります。平均的な稼ぎがある人ならば、大体月収の10%を定期預金に回すようにするといいでしょう。仮に月収30万円なら毎月3万円づつ積み立てていくわけです。

利息のことを一切考えないでも、1年で36万円、10年で360万円が溜まっていきます。収入が増えればそれだけ積み立てる金額も増えるので、大きく資産を増やすことができます。

定期預金ではなく、財形貯蓄を利用するという手もあります。財形貯蓄とは、この制度を導入している会社員や公務員、契約社員などが利用できる、天引きでお金をためていく制度です。

財形貯蓄には住宅購入資金を貯めるための「財形住宅貯蓄」、老後資金を貯めるための「財形年金貯蓄」、その他教育費などを貯めるための「一般財形貯蓄」の3つがあります。

財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄は、元利合計が550万円になるまでは非課税です。一般財形貯蓄は税金は通常通り取られますが、天引きでお金が溜まっていくので楽なことには代わりありません。

仮に退職したとしても、それまでに積み立てたお金は残ります。転職先にも財形貯蓄制度があれば、そのまま続けることもできます。このように、お金が自動的に増えていく仕組みを作ることが大切です。

2. 貯金には必ず目的をもたせる

貯金をするのは基本的にはいいことですが、目的が全くない貯金をするのはあまりおすすめできません。

モチベーションが保てないとか、ついつい使ってしまう可能性があるとか、理由はたくさんありますが、貯金というのは考え方によってはお金を眠らせておくに等しい行為だからです。

貯金をすればたしかにお金に利息はつきますが、その金額は雀の涙です。実質的には無利息であると考えたほうがいいくらいです。

もちろん、貯金の安全性は他の金融資産では買えないものですが、せっかくまとまったお金があるのにそれをただ漫然と貯金で眠らせておくというのはもったいない話です。リスクが有る金融商品で運用すれば、それよりも遥かに高い利回りが期待できるかもしれないからです。

目的がある貯金には、もちろん何の問題もありません。むしろ何かの目的のためにリスクの高い金融商品を選ぶのは悪手です。目的というのは確実に達成するべきで、そのためには元本保証されている金融商品を選ぶのが一番いいからです。

しかし、余っているお金、失っても痛手にならないお金があるならば、それはもっとリスクが高く、リターンも期待できる金融商品で運用すべきです。

世界のお金持ちの中に、現金だけを大量に持っていて他の金融資産はからっきし、という人は殆どいません。不動産、株式、債権、貴金属など、様々な金融資産に分散しています。

こうした分散はリスクヘッジになるだけでなく、平均利回りを上げる効果もあります。貯金より平均利回りが高い金融資産をたくさん持っているのだから当然です。

仮に金融資産が10億円あれば、年間利回りが1%にしかならなくても毎年1000万円の収入が得られます。お金はお金を生むのです。しかし、年間利回りが0.001%の貯金では、1万円の収入にしかなりません。どちらがいいかは明白なはずです。

3. お金を稼ぐにはリスクを追うべきだと心得る

先ほどリスクについて少し触れましたので、ここではもう少しリスクについて掘り下げてみたいと思います。

リスクという言葉を「損をする可能性」と捉えている方は少なくないかと思いますが、その解釈は不十分です。正確には、「期待していたとおりの利回りが得られない可能性」のことです。

例えば、定期預金や債券は利回りが予め公表されています。金融機関の運用状況が悪化したり、債券の発行元の経営状況が著しく悪化しない限りは、元本と予定されていた利息を受け取ることができます。

つまり、ほぼ確実に期待していた通りの利回りが得られるわけで、これらの金融商品はリスクがほぼ無いといえます。

一方、株式や不動産投資でも最初に期待できる利回りを計算しますが、その通りに利回りが発生する可能性はあまり高くありません。例えば、当初は5%の利回りを想定していたのに、2%になったり、-4%になったり、9%になったりすることがしょっちゅうあります。

繰り返していけば平均利回りは5%に近づいていくはずですが、1回の投資では大きくばらつく、というわけです。こうした金融商品はリスクが比較的高い部類に含まれます。

リスクがなくて、なおかつリターンが高いような金融商品があればいうことはありません。例えば年間利回り10%が確実に保証されていて、発行元が倒産することも絶対ないような株式投資があればこんなに素晴らしいことはないはずです。

しかし、実際にはそんな金融商品はありませんし、あるとしても即座に他の投資家に買い占められてしまうので買うことはできません。

大抵の金融商品はリターンが高ければ相応にリスクも高く、リスクが低ければ相応にリターンも少なくなるものです。大きく稼ぎ買いのならば、相応にリスクを背負う必要があるわけです。

とはいえ、リスクとリターンの比率はいつでも同じわけではありません。少しでもリスクを小さく、リターンを大きくしようとする努力は決して無駄ではありません。

リスクとリターンの比率をシャープレシオと言います。シャープレシオは以下の計算式で表せます。

(その金融資産の利回り-無リスク金融資産の利回り)/金融資産の利回りの標準偏差

無リスク金融資産とは、リスクなく運用できる金融資産のことです。一般的には国債の利回りが採用されることが多いです(国債は正確には無リスクではないのですが、ここでは無視します)。

標準偏差とはデータのばらつきの大きさを示す数値です。標準偏差が大きいほど、その金融資産からの利回りから大きくハズレた利回りが出やすくなります。定期預金や国債の標準偏差は実質的には0で、株式や不動産投資の標準偏差は大きくなります。

シャープレシオが高い金融商品ほど、リスクに対してリターンが高い、つまりは投資すべき対象ということになります。

4. 臨時収入は当てにしない

しっかりお金を増やしていける人は、毎月の給料だけでやりくりするのがうまいです。ボーナスや子ども手当と言った臨時収入がなくても十分にお金をためていけるのです。

一方、お金が増やせない人は、臨時収入があるものと仮定してボーナス払いで買い物をするため、なかなかお金を貯めることができません。

もちろん、ボーナスはボーナスですから全額貯金に回すというのは味気ないですが、できれば支給額の半分ぐらいは貯金に回すようにしたいものです。

お金を増やす一番のコツは「我慢をしない」

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個々までお金を増やすためのコツを色々と紹介してきましたが、どれも完璧に行う必要はありません。完璧を求めると、一度計画が失敗したときに立て直せなくなってしまいます。

時には我慢せずに、欲しいものを買ってしまうことも大切です。適度なガス抜きをすることが、お金を貯める一番のコツです。