借金が借金を生む悪循環を断ち切る7つの方法

資本主義社会のもとでは、人間はお金に働かせてお金を得られます。例えば銀行や消費者金融などの金融機関は、お金を貸して(働かせて)、利息という形でお金を得る事によって利益を得ていますし、我々個人も銀行にお金を貸す(預金する)ことによって利益(利息)を得ています。

逆の立場から見た場合、お金を借りると、それだけでお金が失われていきます。一度借金をするとお金が自動的に失われていき、それを補うために新たな借金をして更にお金が失われていくという悪循環に入りがちです。

借金の悪循環を何処かで断ち切らないと、いずれは返済不可能なラインを突破し、最終的には債務整理をすることになります。

債務整理自体は借金を合法的に整理できる素晴らしい方法ですが、当然デメリットもあるため、しないで済むのならばそれに越したことはありません。

今回は借金の悪循環を効果的に断ち切り、債務整理を防ぐ方法について解説いたします。現在借金が膨らんできていて返済が苦しくなっているという方のお役に立てれば幸いです。

債務整理の主なデメリット

2017年11月現在、日本で使える債務整理は以下の4つです。

  • 任意整理
  • 特定調停
  • 個人再生
  • 自己破産

このうち、特定調停はほぼ任意整理の下位互換であるため、選ぶメリットは非常に少ないです。従って、実質的な選択肢は任意整理、個人再生、自己破産の3つになります。

任意整理では将来の利息がカットされ、個人再生では借金が原則5分の1になり、自己破産では借金が0になります。いずれも借金返済の負担をなくせる素晴らしい制度です。しかし、一方でいずれの手続きにも相応のデメリットがあることを忘れてはなりません。代表的なデメリットは以下のとおりです。

一定の期間借金ができなくなる

債務整理を行うと、そのことが信用情報機関(個人の借金の情報をまとめて管理する機関)に通知されます。金融機関は新たな融資の際に行う審査で必ず信用情報機関に登録された情報を参照します。

当然、過去に債務整理をしたことという記録が残っている人には融資をしません。債務整理をしたという情報は一定期間(任意整理なら約5年、個人再生と特定調停は約10年)で消去されますが、それまでの間は住宅ローンや自動車ローンを含めたすべての借金ができなくなると思ったほうがいいでしょう。

保証人に影響が出る

借金をする際に保証人を付けていて、なおかつその借金を整理する場合、本人が債務整理を行うと保証人のもとに請求が行きます。これを避けるためには、保証人を付けた借金を債務整理の対象外とするしかありませんが、そうすると借金の圧縮効果が小さくなります。

また、個人再生や自己破産の場合は、原則としてそもそも特定の借金を債務整理の対象外とすることができません(個人再生は例外的に住宅ローンのみ対象外と出来ます)。

保証人が借金を返済できない場合は、保証人も債務整理を行うしかありません。身近な人を保証人にしたにも関わらず債務整理をした場合、関係悪化は免れないでしょう。

財産が没収される(個人再生、自己破産)

債務整理をした場合、一部の財産が没収されることがあります。例えば自動車や自宅などを借金して買っており、その債務を債務整理の対象に含めた場合は必ず没収されます。例えば

自己破産の場合は、自動車ローンや住宅ローンが残っていなくても、財産が20万円を超える場合は没収されます。

官報に掲載される(個人再生、自己破産)

官報とは国が発行する機関紙です。個人再生や自己破産をすると、官報にそのことが名前・住所入りで掲載されます。

官報を見ている人は非常に少ないので、コレがきっかけで債務整理をしたことが周りにバレるということはまずないでしょう(この記事で漢方の存在自体を初めて知った人も多いかと思います)。しかし、闇金関係者などもこの情報を見ているため、闇金などからダイレクトメールが来ることもあります。

そこ借りなければ被害は出ませんが、債務整理直後で正規の金融機関から借金ができないために誘惑に負けてしまう人も多いようです。

借金の悪循環が完成するまでの流れ

いきなり返せない額の借金をして返済が立ち行かなくなるという事例はほとんどありません。そもそもいきなりそんなに貸してくれる金融機関が存在しないですし、そんな頭の悪い借り方をしようとする人もいないからです。

最終的に債務整理に行き着いた人も、元をたどれば最初は問題なく返せる額(数万円程度)の借金しかしていないことがほとんどです。

債務整理への道(ケース1)

なんとなく、ちょっとお小遣いが足りないから程度の理由で数万円を借ります。給料日が来て、それを問題なく返済します。しばらくするとまたお小遣いが足りなくなり、数万円を借りて返済します。これで終わってくれれば、特に問題ありません。

しかし、これを何度か繰り返していると、利用限度額が増大します。利用限度額が増大するのは望ましいことのようにも思えますが、実はこれが大きな罠なのです。利用限度額が大きくなると気も大きくなってしまい、借りる額が増えてしまうのです。

最初は数万円借りただけだったのに、5万円、8万円、10万円と次第に借りる額がアップしていき、それに伴い利息の支払いも増えていきます。しかし、この程度の金額ならばまだ普通に返せます。返済実績ができるので利用限度額はさらに増大し、恒常的に借りる金額も増えてきます。

次第に、利用限度額を自分の貯金と勘違いするようになります。「100万円の貯金」と「利用限度額100万円」は全く違うものであることは考えるまでもなく明白なはずなのですが、両者を混同してしまうのです。

こうなれば後は債務整理一直線。利用限度額ギリギリまで借り、なかなか借金が減らない日々がスタートします。やがて利用限度額上限に達して借りられなくなると、今度は別の金融機関から借りようとします。

かくして多重債務に陥り、毎月の支払いは更に増え、やがてどこからも借りられなくなり、債務整理にたどり着きます。

債務整理への道(ケース2)

債務整理へのもう一つの主要なルートは、クレジットカードの支払い滞納です。普段何気なく使っているので失念しがちですが、クレジットカードでの支払いは借金の一種です。

クレジットカードを使った日と、口座からお金が引き落とされる日は別日です。(デビットカードは即時引き落としなので借金ではありません)。通常、1回払いもしくは2回払いの際は金利はかかりませんが、3回払い以上になると金利がかかります。

クレジットカードは現金が財布から減っていかないので、お金を使っているという間隔がなくなりがちですが、それゆえに使いすぎてしまう可能性も高いものです。分割払いやリボ払い(両者の違いは後述)を繰り返して、いつのまにか借金が膨らんでいて、債務整理する以外に道はなくなったというケースは意外と多いので注意が必要です。

債務整理は他人事ではない

こんな事態に陥るのはお金に極めてだらしない人だけかと思いきや、意外と「普通の人」にもありうるシナリオなのです。2016年には、約7万人もの人が自己破産・個人再生のいずれかを裁判所に申し立てています。

任意整理は裁判所を通さない私的な手続きなので正確な統計はありませんが、デメリットが少なく比較的少額の債務の整理に向いていることから、少なくとも自己破産・個人再生の数倍は行われていると思われます。債務整理は決してお金にだらしない人だけのものではないのです。

借金の悪循環を断ち切る「7つの方法」

このような悪循環に陥らないためにはそもそも借金をしなければいいのですが、すでに借りている人はどうすればいいのでしょうか。解決策は色々と考えられますが、以下の7つの方法は特に効果的です。

  • カードローンを解約する
  • 不要な人付き合いを減らす
  • リボ払いを辞める
  • 現金orデビットカードしか使わない
  • 刺激的なメディアとの接触機会を減らす
  • 借金がなくなったら貯金をする
  • 債務整理をする

カードローンを解約する

借金の悪循環が生まれる最も大きな原因は銀行や消費者金融のカードローンです。自動車ローンや住宅ローンがきっかけとなることはまずありません。

従って、カードローンを使わなければ借金の悪循環を断ち切ることが出来ます。現時点で少額の借り入れを繰り返している場合は、本格的に借金グセができる前に、一刻も早くカードローンを解約すべきです。

カードローンの解約は、債務がない状態ならばいつでも出来ます。完済していても、自ら解約の手続きを行わなければ解約されない(いつでも借りられる状態が維持されてしまう)ため、現時点で債務が少ししかない場合は一括返済して即座に解約の手続きをしてください。

解約すると今までのようにすぐに借りられることはなくなってしまいますが、すぐに借りられないほうが身のためです。

解約手続きの方法は金融機関によって異なりますが、多くの場合は電話で解約届を請求し、送られてきたそれに記入して返送するという形になっています。詳しくは各金融機関までお問い合わせください。

カードローンを解約すると住宅ローンが組みやすくなる

カードローンの残高が0円であっても、カードローンの契約を維持し続けていると、住宅ローンの審査で不利になることが有ります。カードローンは契約してさえ居ればすぐに借りられるものであるため、住宅ローンの融資担当者に「住宅ローンを借り入れたあとでカードローンも借りる可能性がある」と判断されてしまうからです。

たとえこちらにカードローンを利用する気がまったくなくても、心の中の声は相手には伝わりません。それを伝えたいのならば、カードローンを解約するという行動で示す必要があります。

不要な人付き合いを減らす

カードローンでお金を借りる理由の多くは、「ちょっとした消費・浪費のため」です。つまり、ちょっとした消費・浪費を減らせば、それだけでカードローンを使ってしまう確率が大幅に減るわけです。そのためには、余計な人付き合いを減らす必要があります。有益な人間関係は暮らしを豊かにしますが、余計な人間関係は損失を生みます。

不要な人付き合いとは、例えば居酒屋での愚痴大会などです。何の生産性もない上、無駄に時間とお金を浪費します。

常に生産性のばかり考えて生きるのは窮屈かもしれませんが、少なくともこのような人付き合いにはなんの価値もありません。何の価値もないだけならまだいいのですが、無駄にお金まで消費します。

こんなことにお金を使うよりは、一人で行きたい店に行って食事したほうがよっぽどいいです。

リボ払いを辞める

リボ払いとは、クレジットカードの支払い方法の一種です。一括払い、分割払いとの選択になります。何回かに分けて支払うという点では分割払いと同じですが、支払の仕組みが大きく違います。

分割払いは買い物ごとに支払いを分けるもので、最初に支払い階数を指定し、その回数に分けて支払うシステムです。分割払い中にさらに別のものを分割払いで買うと、一時的に2つ分の支払いを行うことになるため、毎月の支払金額がわかります。

一方、リボ払いはカード会社のルールに従って毎月一定の金額を支払っていく支払い方法です。リボ払い中に別のものを買っても毎月の支払額は大きくならず、代わりに支払期間が長くなります。

このような仕組みになっているため、多くの人が毎月の支払額が大きくならないリボ払いを選んでいますが、実際に債務整理により大きく近づくのはリボ払いです。

クレジットカード会社がリボ払いを進めるのは、それを使わせたほうが利息の支払総額が多くなる、つまりは儲かるからです。

リボ払いをしていると毎月の支払総額は常に一定なため、たくさん借金をしているという自覚がなかなか生まれません。それゆえに無駄な浪費を重ねやすく、気がついたときには借金が返済不能な額にまで膨らみがちです。

返済期間が長くなるので利息が膨らみ毎月の返済額に対する利息の割合は大きく、元本の割合は小さくなります。それゆえに元本がなかなか減っていかず、それがさらに利息を増やす原因となります。

リボ払いは今すぐやめるべきで、リボ払いでしか買えないようなものは買うべきではありません。

現時点ですでにリボ払いを始めてしまっているという場合は、繰り上げ返済をするといいでしょう。繰り上げ返済とは、毎月一定の支払額とは別に、追加で返済することです。追加で支払った文は全額元本の返済に当てられるため、将来の利息を大きく減らせます。

ただし、毎月の支払いを無視して繰り上げ返済だけを行うということはできません。繰り上げ返済をする余裕すらないという場合は、債務整理を真剣に検討した方がいいでしょう。

現金orデビットカードしか使わない

リボ払いほどではありませんが、分割払いでも利息の支払いが生まれることになります。まとまったお金がなければ買えない自動車や住宅などはローンを組むのもやむなしですが、クレジットカードで買える程度の金額の買い物でローンを組んで利息を支払うのは非常にもったいないです。

日常レベル(~10万円程度)の小さな買い物では出来る限り一括払いをするべきですし、10万円程度の支払いを一括払いできないほど余裕のない人はそもそもクレジットカードに向いていません。

そのような方には、クレジットカードの破棄をおすすめします。クレジットカード会社に連絡して解約したい旨を告げれば、すぐに解約してもらえます。殆どのクレジットカード会社で、電話での解約を受け付けています。破棄したカードは自ら裁断して小分けにして捨てればOKです(詳しい破棄方法はクレジットカード会社の電話オペレーターまでお尋ねください)。

多くの現金を持ち歩くのが不安だったり煩わしかったりする場合は、デビットカードを使うといいでしょう。デビットカードはクレジットカードと違い1回払以外は選べず、使うとすぐに口座から引き落とされます。

口座にお金がない場合はデビットカードは使えないため、借金を背負うリスクはありません。特典はクレジットカードと比べると少なめですが、無料で作れ、クレジットカードが使える店ならばほぼ問題なく使えて、16歳以上ならば誰でも申し込めます。審査がないので債務整理直後でも使えます。

刺激的なメディアとの接触機会を減らす

借金がある人にとって、テレビやインターネットなどの刺激的なメディアは大敵です。彼らはあの手この手を利用して、消費をさせようとしてきます。

消費を促すこと自体は当然のこと(皆が消費を控えれば景気は沈み、全員が損をすることになります)ですが、借金がある状態でそれに付き合うのはとても危険なことです。

消費はお金に余裕のある人に任せ、借金の返済中は、刺激的なメディアとの接触は必要最低限にとどめておくといいでしょう。

借金がなくなったら貯金をする

現在ある借金をどうにか全て返し終わったら、貯金を始めてみるといいでしょう。貯金をして、その貯めたお金でほしいものを買えば、余計な利息を払わされることはありません。

逆に僅かではありますが銀行から利息を受け取ることができます。自分のお金なので買い物に慎重になり、無駄な消費を抑えられる効果もあります。

そして、預金通帳の桁が増えていくのを見るのは楽しいです。暗い趣味にも思えますが、借金を重ねるよりはよっぽど健全です。

債務整理をする

借金がどうしても返せない場合は、無理をせず債務整理をするのも一つの手段です。前述の通り、債務整理にはデメリットはありますが、いつまでも返せない借金を支払い続けるよりは、さっさと債務整理に踏み切ってしまったほうがいいです。

問題はどの債務整理を選ぶか、ということですが、カードローンやリボ払いが原因の場合は債務総額は大して多くないでしょうし、任意整理で事足りるケースが多いです。

任意整理ならば官報にも掲載されませんし、住宅ローンや自動車ローンなどを整理の対象外とすることも可能です。債務整理をすると一定の機関新たな借金ができなくなるため、また借りてしまうリスクもなくせます。

ただし、債務整理をしても、日々の収支改善を行わなければ、いずれまた借金の悪循環にハマっていってしまう可能性が高いです。債務整理の手続きと同時に、生活改善も進めていきましょう。

まとめ

  • 債務整理をすると新たな借金ができなくなるなどのデメリットがある
  • カードローンやクレジットカードの濫用は債務整理に繋がる可能性が高い
  • 現在借金がある場合、カードローンは解約し、リボ払いをやめるとよい
  • 返済が苦しい場合は債務整理に踏み切るのも一つの手

借金の悪循環は長年染み付いたものですので、一朝一夕の努力でなんとかなるものではありません。しかし、だからといっていつまでもその悪循環を放置すると、ますます借金の額は膨らんでいきます。まだ余裕がある今だからこそ、生活を見直すことが大切です。

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