借金を債務整理する場合の費用ってどれくらいかかるの?

借金問題を解決する手段の一つに債務整理があります。債務整理という制度自体は多くの人にとって有益で、うまく使えば人生を立て直すこともできますが、その一方で手続は難しいため原則として弁護士を通じて行うことになります。

そこで問題となってくるのが、弁護士費用をはじめとする処々の費用が用意できない場合はどうすれば良いのか、ということです。今回は債務整理の際にかかる費用と、それが用意できない場合の対処法いついて考えてみたいと思います。

債務整理には4種類あり、それぞれ費用は異なる

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現在日本で利用できる債務整理には「任意整理」「特定調停」「個人再生」「自己破産」の4つがあります。

それぞれ手続きの内容が異なり、それにともなって発生する費用にも差があります。

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任意整理の報酬形態は)「1社あたりいくら」が多い

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任意整理とは、債権者と債務者(もしくは債務者から依頼を受けた弁護士)が話し合いをして借金を減らす制度です。借金を債権者の任意で減らすので任意整理という名前がついています。

債権者がわざわざ借金(債権)を減らすような話し合いに応じてくれるのかと思われるかもしれませんが、大抵の場合は応じてもらえます。

債権者としても、話し合いがこじれて債務者に自己破産されたら困るからです(自己破産をされると借金はチャラになってしまうため、債権者は借金をとりっぱぐれてしまいます。そんなことになるくらいならば、任意整理に応じたほうがまだましだというわけです)。

任意整理は私的な話し合いであるため、他の手続きのように「手続きを利用するための手数料」というものが存在しません。例えば自己破産の場合は裁判所に郵便切手を収める必要がありますが、任意整理の場合はそれもありません。

従って任意整理の費用はイコールそのまま弁護士費用といってもいいでしょう。

弁護士に支払うべき4つの費用

弁護士費用は更に「着手金」「報酬金」「減額報酬」「過払い報酬」「実費」に分類できます。

着手金はその名の通り、着手に対して支払う費用です。依頼の成功、失敗にかかわらず、必ず支払わなければならない費用です。

案件の難易度によって着手金は上下しますが、平均相場は1社につき2万円程度です。

例えば債務を3件抱えている場合は、3件×2万円=6万円となります。着手金0円を歌っている弁護士事務所もありますが、そうした弁護士事務所は後述の他の費用で報酬をまかなっているところもありますので、着手金0円の事務所が一概にお得というわけではありません。

報酬金は、依頼が成功した場合に支払う成功報酬のことです。やはり案件の難易度によって上下しますが、平均相場は1社につき2万円程度です。例えば債務を3件抱えている場合は、3件×2万円=6万円となります。

減額報酬は、任意整理によって減額となった借金の額に比例して支払われる報酬です。減額報酬の相場は、減額できた借金の10%程度です。

例えば、任意整理によって借金が100万円から60万円になった場合、減額幅は40万円なので、減額報酬は40万円×10%=4万円となります。

過払い報酬は、過払い金が返ってきた場合にのみ発生する費用です。過払い金とは、過去にいわゆるグレーゾーン金利で払いすぎていた利息のことです。

過払い報酬の相場は、取り戻せた金額の20%程度です。例えば、過払い金が50万円戻ってきた場合、過払い報酬は50万円×20%=10万円となります。

実費とはその他、受任通知の郵送代や業者との話し合いの場に赴くための交通費などのことです。実費は弁護士事務所持ちとしているところもあれば、依頼者が支払うところもあります。

実費負担は弁護士事務所ごとにルールが異なりますので、必ず事前に把握しておきましょう。実費は高くても1万円程度です。

さて、ここまでの数字から、費用を具体的に計算してみましょう。例えば、任意整理によって3社から借りていた100万円の借金が50万円になり、更に過払い金が30万円返ってきたとします。また、実費は弁護士事務所負担とします。この場合、費用は以下のようになります。

着手金:2万円×3件=6万円
報酬金:2万円×3件=6万円
減額報酬:50万円×10%=5万円
過払い報酬:30万円×20%=6万円
合計=6万円+6万円+5万円+6万円=23万円

あくまで一例ですが、費用はこのくらいになります。任意整理によって得られた利益は債務の圧縮幅50万円と、過払い金返還の30万円で合計80万円です。従って実質的な収益は80万円-23万円=57万円となります。

特定調停は自分で減額交渉をするため、費用は安い

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特定調停は、簡易裁判所の仲裁の元、債権者と債務者が話し合いによって借金を減額する制度です。話し合いによる借金の減額という点では任意整理と同じですが、特定調停は裁判所が間に入るため強制力があるという特徴があります。

任意整理は弁護士を立てて行うのがほとんどですが、特定調停の場合は通常債務者本人が話し合いに参加します。特定調停はもともと弁護士費用が払えない(任意整理ができない)人のために作られたものであるためです。

借金の減額幅や交渉の方向性などは原則として任意整理と変わりありませんが、過払い金返還には期待できないことが多いです。

中には弁護士をつけて特定調停を行う人もいますが、弁護士費用が払えるのならば任意整理を選んだほうがいろいろな面でお得です。従って、ここでは弁護士をつけず、自分で特定調停を行う場合の費用だけを計算します。

特定調停は1万円以内の費用で済むことがほとんど

特定調停を行う上で支払わなければならないのが、収入印紙代と切手代です。

収入印紙は特定調停を行う際に裁判所に提出する「申立書」に貼り付けるものです。収入印紙は税務署、郵便局、コンビニ、金券ショップなどいろいろなところで売っています。

金券ショップは他よりもちょっと安く売っているので、近くにある場合はここを優先的に探してみると良いでしょう。

収入印紙を何円分貼れば良いのかは、借入件数に左右されますが、原則として1社につき500円です。例えば3社から借り入れている場合は、3社×500円=1500円ということになります。

各裁判所によって多少費用が異なるので、管轄内の簡易裁判所に事前に問い合わせてください。

切手代は裁判所が郵便物を送るときに使う費用です。原則として、1社借入の場合は1450円、移行は借入件数が1社増えるにつき250円ずつ増えていきます。例えば3社から借り入れている場合、1450円+250円×2=1950円となります。

切手代がいくら掛かるかは場合によって異なり、最初に支払った分だけでは足りない馬合は裁判所から追科で切手代を請求されます。逆に余った場合は、特定調停の終了後に変換されます。

原則として、かかる費用はこれだけです。殆どのケースで、費用総額は1万円以下になります。特定調停が任意整理と比べて遥かに安いことがよくおわかりいただけたかと思います。

個人再生は債務整理で最も高く付くことが多い

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個人再生は裁判所を通して行う債務整理の一つです。任意整理や特定調停と比べて借金を大幅に減額することができ、また自己破産と違って自宅を守ることができるため人気があります。

一方、5000万円以上の借金がある場合は利用できない、費用が他の債務整理と比べて高いなどの欠点もあります。

個人再生の場合は弁護士費用だけでなく、個人再生の手続自体にも費用がかかります。

弁護士費用はさらに「着手金」「報酬金」「実費」に分類されることが多いです。

着手金の相場は20万円程度、報酬金は10万円程度、実費は3万円程度です。従って、弁護士費用は合計で33万円ということになります。実際にはこれよりも費用がかかる弁護士事務所も結構ありますので、必ず依頼の前に弁護士費用を確認するようにしましょう。

個人再生の手続自体の費用としては、「収入印紙代」「官報掲載費用」「切手代」「個人再生委員への報酬」などに分類できます。この内、最も大きいのが個人再生委員への報酬で、全体の9割程度を占めています(その他の費用は合計で2万~3万円程度です)。

個人再生委員とは、裁判所から選任されることがある指導監督員です。個人再生委員が選任されるかどうかは裁判所次第です。

例えば東京地方裁判所では、すべての案件について個人再生委員が選ばれていますが、それ以外の裁判所では弁護士が代理人となっている場合は個人再生員がつかず、本人申立ての場合は個人再生委員が就くことがほとんどです。

個人再生委員に対して支払う費用は15万円~25万円費用です。かなり高額なので、東京地方裁判所の管轄内の場合は弁護士に依頼すると弁護士代+個人再生委員への報酬で60万円程度の出費になってしまいます。

東京在住の場合は、弁護士をあえて雇わず自分で手続を進めていくというのも一つの普段かもしれません(ただし個人再生委員は中立的な立場のもとに手続きを進めるので、必ずしも味方になってくれるとは思わないほうが良いです)。

自己破産の場合も費用はかなり高額に

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自己破産は現存する債務整理の中では唯一、借金をチャラにすることができる制度です。任意整理や個人再生などと違い、借金が残らないため無職でも行うことができます。反面、原則として20万円以上の財産は没収になるなどのデメリットも有ります。

自己破産の場合、個人再生と同様に弁護士費用と手続きの費用を払う必要があります。

自己破産には同時廃止(債務者が高額な財産を持っておらず、それを債権者に分配する必要が無い場合の手続き)と管財事件(債権者が高額な財産を持っており、それを債権者に分配する必要がある場合の手続き)に分類できます。

弁護士費用は同時廃止の場合は30万円程度、管財事件の場合は35万円程度になります。

手続きにかかる費用は「収入印紙代」「予納郵券代(切手代)」「予納金」の3つがあります。収入印紙代は1500円程度、予納郵券代」は1万円程度です。額が最も大きいのは予納金です。

予納金とは、債務者が裁判所に対して支払う費用です。破産手続きには様々な事務手続きが必要で、それに充てられる費用が予納金です。

同時廃止事件の場合、予納金は1万円~3万円程度ですが、管財事件の場合は最低でも50万円と一気に額が跳ね上がります(債務の額によって変動します)。場合によっては弁護士費用と手続き費用で数百万になることもあるので、借金が多い場合は注意が必要です。

弁護士費用が払えない場合は分割・後払いを利用するか、法テラスに相談しよう

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債務整理をしたいけれど弁護士費用が払えないという場合は、費用が安い特定調停を選ぶのもいいですが、どうしても個人再生や自己破産が必要なケースも中にはあるでしょう。

そのような場合は、費用の分割払い・後払いを認めている弁護士事務所に依頼をすると良いかもしれません。最近は多くの弁護士事務所が分割払い・後払いに対応しているので、まずは相談するところから初めてみましょう。

また、法テラスに相談するというのも一つの手です。法テラスには無料で相談ができるほか、弁護士を紹介してもらうこともできます。また、法テラスには立替制度があり、一時的に費用を立て替えてもらうことができます。

この制度を利用した場合、債務者は法テラスに対して立て替えてもらった弁護士費用を分割払していくことになります。ただし、この制度は収入額が一定以下しか無いなど、特定の条件を満たさなければ利用できないので注意が必要です。

司法書士は費用が安い?

債務整理は弁護士でなく、司法書士に依頼することもできます。司法書士は書類作成の代理人として、自己破産や個人再生のための申立書を作成します。一方、弁護士は本人の代理人として手続きを行います。

また、任意整理の場合は、140万円以下のケースのみ司法書士も代理人となります。司法書士は弁護士と比べて費用が安い反面、できないことも多いので注意が必要です。

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