借金は人をものすごく疲れさせてしまいます。それは、お金についての負担だけでなく周りとの関係や未来についての漠然とした不安も原因となっていますから、根深いですよね・・・。
この借金による蓄積された疲労を甘く見てはいけません。人によってはうつ病になることもありますし、最悪の場合は借金を理由に命を絶ってしまうことさえあるので本当に怖いです。
ここでは、借金での疲れから開放されるための方法や考え方についてお話します。
借金返済による疲れが溜まると、無駄遣いの危険がある
まず、借金返済で疲れるのは金銭的余裕のなさが理由となります。借金を返すということはお給料の一部が自由に使えなくなるということですから・・・。
月々の返済額を確保するために、生活費をとことん削っている状況は徐々にストレスが蓄積されていきます。
このストレスをただただ我慢していると、張りつめていた気持ちはいつか切れてしまう日がくるでしょう。そうなると、これまでの節約が無駄になってしまうくらい散財に走ってしまう危険があります。
特に危ないのが限度額いっぱいに借金して「いない」人です。
限度額いっぱいまで借りている人なら、総量規制の影響もあって簡単には新規の借り入れは難しいでしょう。
ですが、まだ限度額が残っている場合は、ストレス発散のためにお金を再び借りてしまい、パーッと贅沢したくなる衝動に駆られてしまうリスクがあるのです。
節約による我慢・・・の大変なところは、一度やめてしまうと大きな反動が返ってくるということ。完済を目指している途中なのに「今月は頑張ったし、ちょっと借りてもいいかな」という思考に陥っているなら、すぐに契約している金融会社に電話して限度額を減らしてもらう手続きを取ることをおすすめします。
ストレス発散法が更なるキャッシング・・・という思考になってしまうのは、かなり危ない状態であることを認識してください。
借金の完済後も気を緩めることができない
また、借金を返済している間に貯金を殖やすことは、かなり難しいです。なぜなら本来貯金に回すはずのお金を借金返済に使っているからです。
収入が減ったり支出が増えてしまったりする状態は、貯金をどんどん切り崩していくことになります。
この場合、貯金がないことによる反動は、完済後にやってきます。
借金を返したという気の緩みからまた借金をしてしまうのです。信じられないかもしれませんが、せっかく完済したのに、また借金を繰り返す人は珍しくありません。
それくらい借り入れをする癖というのは、なかなか抜けません。困った時・ストレス発散の手段として、真っ先に借り入れする選択肢が浮かんでしまうのです。
借金と向き合うことへの精神的な疲れ
金銭的負担と同じくらい、いや、それ以上に大変なのが精神的な負担です。「不安」「恐怖」は、正常な判断力を奪ってしまいます。
「今の生活を続けていて、ちゃんとした未来があるのかなぁ...」
「一体、いつまで借金生活が続くんだろう...」
計画通りに返済できている人でさえ、数年計画だと先が見えずに不安がこみ上げてくるくらいです。計画通りの返済ができていない人にとっては、いかに借金が恐ろしいものか、容易に想像できると思います。
暇さえあればスマホやパソコンで借金の残高と返済額を延々とチェックして、ひどい時には「この借金が、ある日突然減っていれば良いなぁ」と半ば本気で願うようになったら、かなり精神的な疲れが溜まっていると言えるでしょう。
はっきり言って、借金を確認する時間があるならバイトを入れるなどした方がよほど生産的ですよね。
頭では分かっていることができなくなる・・・。精神的な疲労は、それくらい大きな影響を及ぼしてしまうのです。
多重債務者の苦労は返済だけではない
借金の精神的負担を語るうえで外せないのが多重債務です。多重債務者と言えば、借金の総額も大きくなるケースが多いですから、もちろん返済するうえでの苦労も大きいです。
そしてもうひとつの精神的負担があります。
多重債務の精神的負担は「借金の計算が面倒になること」と、複数の借り入れ先があるために「実際の合計額より借金が多く感じること」です。
1社から借金している人は、借入金額が大きくても、管理自体は簡単です。毎月1回の返済日を守っていけば良いのですから。
しかし、多重債務者の場合は、気にするべき相手が複数いるのです。一度滞納した時には督促状が3枚も4枚も届きますし、複数の業者から電話がかかってきます。
こうした状況に陥っている人は、借入額を減らすよりも借入先を減らすことで精神的な負担が和らぐかもしれません。
また、貸金業法で定められた利率の関係上、多重債務者は利息も大きくなる傾向があります。
多重債務者であるいうことは、借入上限額が100万円未満・・・つまり利息の上限が年率18%になっていると考えられます。
・1社と契約、100万円まで借入ができる・・・年率15%が上限
・2社と契約、それぞれから50万円まで借入ができる・・・年率18%が上限
借金の返済がもう無理なのかと思った時の絶望感は大きい
借金の完済なんて無理なのか・・・と追い詰められてしまうと、このまま債務整理をすべきか、もう少し頑張ってみようか...そんな葛藤が精神的な負担になってしまうものです。
他人に相談できない辛さ
そして、借金の精神的な辛さと言えば「他人に相談できないこと」があります。もし、親に借金のことを話せば、きっと心配されますし、ものすごく怒られてしまうかもしれません。
兄弟に話すこともはばかられます。もし、配偶者にまで隠していた場合、最悪、離婚にもなりかねませんし、友人関係を壊してしまうリスクもあります。
そのくらい、お金の問題はデリケートでその人の信頼に直結します。だからこそ、真面目で責任感が強い性格で、人の目が気になるという人ほど、借金問題を大きくしてしまったことを必死で隠そうとするのです。
もちろん、その場の体面を守ることはできますが、借金が返せなくなれば、いつかはバレてしまいます。また、借金から逃げて延滞を長く続けてしまえば、銀行口座を差し押さえられるなど実生活の中での苦しみも大きくなってしまいます。
誰にも知られたくない気持ちはよく分かりますが、事態が深刻になれば、一人で抱えてどうにかなる問題ではありません。
疲れを回復して借金地獄から抜け出す為のポイント
このように、借金での疲れは未来への不安が大きく、周囲に助けを求められない場合は余計に身動きが取れなくなってしまいます。
そこで、借金で疲れた心や家計を回復させ、借金地獄から抜け出す為のポイントがこちらです。
家族や親しい人に正直に打ち明ける
借金はその人の信頼に関わります。
しかし、借金をするうえで最悪なのは「隠していた借金がばれる」ことです。借金をした上にウソまで付くとは、どんなに優しい人もあなたを見放してしまうでしょう。
嘘をついて隠し通そうとするくらいなら、思い切って打ち明けてしまった方が結果的に状況は好転することが多いです。特に借金がバレる可能性の高い配偶者には最優先で打ち明けましょう。
次に、配偶者以外の家族にも打ち明けます。家族は借金を知ると動揺すると思いますが、それはあなたのことを想っている証。心配も叱責もありがたいものです。
もし、借金をした理由が周囲も納得できるものであり、あなたが反省していると伝われば夫婦や家族の関係を続けられる可能性も高いので、勇気を出して打ち明けてみてください。
逆にその借金の理由が褒められたものでなく、しかも反省の色が見られない場合は正直に打ち明けても許してもらえないでしょう。せめて反省していることを伝える努力はするべきです。
どうしても身内に話せない時は・・・
身内には絶対話せないという事情やプライドがある人は、法律事務所やカウンセラー、司法書士などの専門家に相談する事をおすすめします。
使い分けとしては「とりあえず気持ちを吐き出したい」ときはカウンセラーに、「借金問題を解決したい」時は弁護士に相談します。気持ちが軽くなったことによって借金返済するためのエネルギーが湧いてくることも多いです。
話を聞く仕事をしている人は、当然守秘義務がありますから、あなたの話したことが外部に漏れることはありません。
ちなみに、相談には無料で応じてくれるので安心してください。
借金を一つにまとめる
多重債務が精神的な負担になるなら、借入先を一つにまとめる選択肢を検討します。銀行や消費者金融では多重債務者向けに債務を1か所にまとめるためのサービス、おまとめローンを提供しています。
→おまとめローンとは
複数からの借入を一本化するためのローン。現在の借入金額相当分を新規で借りて、一括返済、そして新規で借入した金融機関へ返済していくという仕組み。
おまとめローンは元本が減るわけではありませんが、利息が軽減される可能性があります。
おまとめローンの商品を提供している金融機関に相談すると、結果的に負担が軽くなるかどうかを計算してくれます。
債務整理をする
債務整理をすると、ブラックリストに載るというデメリットがあります。そのデメリットの大きさから、なかなか決断できなくて悩み続けているという人もいるでしょう。
ブラックリストに載って制限されることは、クレジットカードやカードローンの発行、金融機関からの借り入れ、ローンを組むこと…などです。借入できない期間は5~10年となっています。
債務整理は借金を支払い可能なレベルで調整、もしくは帳消しにしてもらえるので、「もう返すことができない」という辛さから解放されます。
自己破産をすれば債務の返済義務がなくなりますが、ブラックリストの掲載年数も長くなる(最大10年)ため、可能であれば、借金総額の減額、将来の利息のカットなどを行う任意整理で済ませたいところです。
任意整理だと、ブラックリストに載る期間は5年程度となっています。
まとめ
借金の返済は、その金額が大きくなるほどに、コツコツ続けていくことが重要になります。
将来のことを考えると焦りや不安が募って、一気にどうにか返済しようとすると、生活の質が著しく低下し、身体的・肉体的な疲れが蓄積され、思わぬ事態を招いてしまいます。
短期間で解決したい気持ちは分かりますが、コツコツ返済していくこと、そして解決が困難だと感じたらできるだけ早く専門家を頼ることを頭に入れておいてください。