大人のADHDの診断・治療・向いている仕事を紹介

近年注目されているADHDという新たな障害。「普通の人」との考え方・感じ方の違いから周囲との軋轢を起こすことも多いADHD患者ですが、きちんと自身に向いている仕事を選べばその才能を十分に発揮することができます。

場合によっては定型発達者(発達障害ではない、いわゆる「健常者」)以上に社会的な成功をおさめることだって不可能ではありません。

今回は大人の発達障害にスポットを絞り、気付きから診断、治療、更には適職の探し方までまとめて解説していきたいと思います。

そもそもADHDってどんな障害?

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ADHDについてご存じない方もいらっしゃるかと思うので、まずはこの障害について軽く紹介させていただきます。

ADHDは別名注意欠陥多動性障害とも呼ばれている、注意欠陥(集中力がなく気が散りやすい)や多動(じっとしていられない、落ち着きがない)、あるいは衝動性(順番が待てない、考える前に行動する)と言った症状が見られる障害です。

ADHDは知能障害ではありません。知能障害を併発しているADHD患者もいますが、あくまで別物です。知能障害があるわけではないゆえに周囲も本人も気が付きにくく、それが本人の生きづらさや孤立、あるいは周囲との軋轢などを生み出してしまいがちです。

ADHDは発達障害の一つに分類されます。発達障害は発達障害者支援法という法律で定義されており、ADHDのほか広汎性発達障害、学習障害などが含まれています。自閉症やアスペルガー症候群は広汎性発達障害の一種です。

発達障害は医学的には病気ではなく障害に分類されています。もちろん病気と障害は完全に明確に分類できるものではありませんが、基本的には発達障害は障害であると考えたほうが間違いが少ないでしょう。

そして障害というのは基本的に一生涯治ることはありません。薬などで症状を抑えることは可能ですが、それはあくまで薬の効果であり、投薬を辞めてしまえばまたもとに戻ってしまいます。ADHD患者は、原則として一生自分の発達障害と付き合っていくことになります。

発達障害で障害者手帳はもらえる?

障害者手帳には身体障害者手帳、精神障害者手帳、療養手帳の3つがあります。発達障害者手帳がないではないか、と思われるかもしれませんが、発達障害でも一定の条件を満たせば精神障害者手帳もしくは療養手帳を取得することができます。

知的障害を伴わない発達障害の場合は前者、伴う場合は後者を取得します。

発達障害はなぜ起こる?

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発達障害がなぜ起こるかについては未だに明らかになっていません。遺伝が原因であるという説と、環境が原因であるという説の両方があります。

おそらくは両方とも原因の一部になっているのでしょう。現在有力とされている説は脳の前頭葉部分に機能異常があるというものですが、これも絶対に正しいと証明されているわけではありません。

また、最近の研究では、発達障害に家族性があるということがわかっています。家族性とは、近親者にその病気や障害の人がいると、本人もその病気や障害になる可能性が高くなる性質のことです。近親者に発達障害者がいる場合、本人も発達障害になる可能性が高いというわけです。

ただし、だからといって発達障害の両親から必ず発達障害の子供が生まれてくるというわけでもなければ、定型発達の両親から必ず定型発達の子供が生まれてくるわけでもありません。確率が違うだけです。

発達障害が親の躾や育て方にあるとする考え方は現在では否定されています。もしより完璧に子育てをできる人など1人もいませんし、そもそも正しい子育てとは何かを完璧に定義することも不可能でしょう。

ADHDは生きづらい

物忘れ

ADHDの主な症状は前述の通り「不注意」「多動性」「衝動性」から成り立っています。この3つの症状が必ずしも同じ頻度で現れるわけではありません。

不注意は殆ど出ないけど多動性は頻繁に出るという人もいれば、衝動性だけ頻繁に出るという人もいます。もちろん、3つ全部出るという人もいますし、逆に3つとも(無視できるほど小さくはないが)あまり出ないという比較的軽度な人もいます。

そしてADHD患者の殆どは、これらの症状のために大なり小なり生きづらさを感じています。世の中というのは元々多数派にとって住みよく作られるものだからです。

ADHD患者からすれば定型発達者は奇異に見えるのでしょうが、それと同様に定型発達者から見ればADHD患者は奇異に見えます。そしてADHD患者と定型発達者では後者のほうが数が多いので、ADHD患者はどうしても大多数の周囲から変人視されてしまうわけです。

クラスの全員が静かに授業を聞いている中で一人だけ多動を起こして立ち歩く生徒、あるいは忘れ物ばかりするような生徒は、周りの生徒からも教師からも異質なものに見えるものです。

最近は発達障害について知識のある教師も増えてきましたが、生徒にはそこまでの理解は期待できません。悪気なくそうした存在を仲間外れにしようとするはずです。

人間社会というのは規範に則った行動を求められる社会です。皆が秩序を守らず自分勝手に動いてしまえば、人間社会はあっという間に瓦解してしまいます。だからこそ人間社会は秩序を乱す(と定型発達者には見える)ADHD患者をどうしても排除しようとするのです。

ADHDは子供の頃に気づけば対処がし易い

小学校

ADHD患者は何度も同じようなことを注意されたり、授業態度が問題しされたりすることが多いです。その症状は子供時代からすでに現れているのです。この時に回りがADHDに気がつくことができれば、その後の問題を大きく減らし、本人の生活を快適なものにできます。

しかし、それは簡単なことではありません。前述の通り症状が出るとは言え、それが必ずしも明確なものではなく、「ただ単に注意力散漫だったり落ち着きがなかったりするのか、それともADHDのために注意力散漫だったり落ち着きがなかったりするのか」が傍目にはわかりづらいからです。

また、親心としては、自身の子供がADHDであると認めたくないという気持ちもあるようです。本来そんなものは親のエゴ以外でもなんでもなく、ただ子供を苦しめるだけにしかならないのですが、そのことをきっちりと理解できない親は少なくないようです。

子供時代からADHDに十分に対処しなかった場合、大人になって本人がさらに苦労するケースが多いです。学生時代は基本的に決められたことだけやっていれば過ごせるうえ、親や教師、友人などのフォローも期待できるので、ADHDがそこまで大きな問題になることはありません。

しかし、大人になって就職すると決められたこと以外のこともこなさなければならなくなり、おまけに大人として責任ある行動を求められることになるため、生きづらさをより感じるようになるのです。就職したものの就職先での仕事や人間関係がうまくいかず、すぐに退職してしまう例も少なくありません。

大人になってからの対処も手遅れではない

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しかし、だからといって諦める必要はありません。ADHDはたしかに子供のうちから対処したほうがいい障害ではありますが、大人になってからでも遅すぎるということはありません。なにもしないよりは、何かしたほうが遥かにいい結果を生むのです。

ここまで読んで、自身がADHDであるかもしれないと感じた方は、病院できちんと診断を下してもらって下さい。

ADHDの疑いがある場合はまずは病院へ

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発達障害の診断ができる診療科は精神科と心療内科です。メンタルヘルス科、と言った看板を掲げている病院もありますが、そこでもOKです。ただし、上記の診療科が全て発達障害の診断に対応してくれるわけではないので、念のために事前に病院へ問い合わせておいたほうがいいでしょう。

株式会社Qlifeが運営する「大人のためのADHD.ac.jp」では、全国の大人の発達障害の診断ができる病院を検索できます。

近くに医療機関が見つからなかった場合は、発達障害支援センター、保健所、精神保健福祉センターなどに相談してみて下さい。適切な医療機関を紹介してもらえるだけではなく、いろいろな助言ももらえます。

診断は基本的にアメリカ精神医学会が定めた「DSM-5」という診断基準に基づいて行われます。病院によっては別の診断基準を使うこともありますが、内容にそこまで大きな違いはありません。

診断に必要な持ち物

必要な持ち物は時と場合によって変わるので詳しくは事前に確認していただく必要がありますが、一般的には以下のものを持ってきてくださいと言われることが多いです。もちろん、残っていないものは持っていかなくてもOKです。

  • 家族に聞いた子供時代の様子が書かれたメモ
  • 小中学生のときの通知表
  • 保育園や幼稚園の時に使っていた連絡帳
  • 母子手帳

確定診断を受けるメリットは?

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ADHDの診断を受けることに迷いを感じている方もいらっしゃるかと思いますが、迷っているのならば診断を受けることをおすすめします。ADHDの診断を受けることのメリットはたくさんありますが、デメリットは殆ど無いからです。

各種サービスが受けられる

診断を受ける一番のメリットは、各種サービスを利用できるようになることです。

ADHDと認められれば、ほとんどのケースにおいて精神障害者手帳を取得できます。精神障害者手帳があれば、様々なサービスが受けられます。精神障害者手帳には1級から3級までがあり、級が上なほど症状が重く、受けられるサービスも増えます。

1級から3級まで共通するサービスには、公共料金の割引、所得税や住民税、相続税などの控除、自動車税や自動車取得税の軽減、生活福祉資金の給付、障害者職場適応訓練への参加などがあります。

さらに自治体によっては鉄道料金やバス料金の割引、携帯料金の割引、上下水道料金の割引、一部公共施設や民間施設などの割引を受けられるケースもあります。

なお、将来障害者枠で求人に応募しようと考えている場合は、医師の診断と障害者手帳が必須になります。もちろん、障害者手帳を取得した上で、一般枠で応募することも可能です。

ただし、その場合でも就労支援を受ける場合は障害者手帳が必要になるため、やはり取得しておいたほうがいいということになります。

自身に合わせた治療が受けられる

ADHDは発達障害ですから治ることはありませんが、治療によって症状を改善し、生きやすい環境を作ることは可能です。ADHDの治療には薬物療法、認知行動療法、環境調整法などがあります。

薬物療法はそのまま、薬を使った治療法です。薬を使っている間は症状を緩和することができます。ただし、人によって効き目や副作用は違いますので、医師と相談しながら慎重に使用を進める必要があります。

ADHDに使われている治療薬はストラテラとコンサータです。ストラテラは伝達物質の一種であるノルアドレナリンの再取り込みをするトランスポーターの働きを阻害するものです。

即効性は低く、効果が現れるまでに2週間、十分な効果を得るためには6~8週間程度かかることもあります。時間がかかる分副作用は弱く、安全性も高いため、どの医師でも処方することができます。

一方、コンサータは神経細胞にあるトランスポーターの働きを阻害するものです。ストラテラと比べると即効性が高いですが、反面副作用や依存症になるリスクなども高いため、認定を受けた医師しか処方できない決まりになっています。

認知行動療法とは、人間の認知の歪みを改善していく治療法です。一つの事象だけを見て全てを悪く考えてしまう過剰なマイナス思考、白黒はっきりつけたがる二曲思考は代表的な認知の歪みであり、これを訓練によって改善していきます。

勘違いされやすいことですが、認知行動療法とは無理やりプラス思考に持っていくことではありません。過剰なマイナス思考は認知の歪みですが、過剰なプラス思考も認知の歪みだからです。あくまでも現実に即した対応ができる柔軟な認知ができるようにするのが目的です。

環境療法とは患者を取り巻く家庭環境、社内環境などをできる範囲で改善していく治療法です。

例えば、集中するのが苦手な場合は、机の上や視線の先に余計なものをおかないようにすれば、目の前にある課題に集中しやすくなります。環境療法には周囲のフォローが必要不可欠です。

なお、ADHDが原因で心身に不調をきたしている場合は、そちらの治療もあわせて行います。例えばうつ症状が出ている場合は抗うつ剤などを用います。

なお、このような二次的な症状を二次障害と言います。認知行動療法は二次障害の治療にも効果的であるとされています。

周囲から理解が得やすくなる

ADHDという名前がつくことによって、周囲から理解を得やすくなります。理解が得られればそれだけ前述の環境療法もやりやすくなりますし、本人がより能力を発揮できる環境が整えられれば周囲にも良い影響を与えます。

ただし、周囲の人がかならずADHDに理解を示してくれるとは期待しない方がいいでしょう。別に周囲の人にはADHDを理解する義務も、受け入れる義務もないからです。

もちろん、ADHDの人にもADHDを理解しない人を受け入れる義務はありません。お互いに合わないのならば、最低限しかかかわらなければいいのです。大切なのは、相手に理解してもらうのではなく、こちらから理解させようとすることです。

確定診断を受けるデメリットは?

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ADHDの診断を受けることによるデメリットはハッキリ言って殆どありません。とはいえまったくないというわけではなく、人によっては以下の様なことを大きなデメリットと感じることもあります。

地方の場合病院を探すのが大変

都心には優秀な精神科・心療内科がたくさんあるので病院探しはそれほど大変ではありませんが、地方、ましてや農村部ともなると病院を探すだけでも大変です。

やっと見つけたと思って初診までに数ヶ月、検査にさらに数カ月かかるような場合もままあります。その期間中は自分でもADHDに関して色々と学んで、できる対策はしておいたほうがいいでしょう。

別の診断結果が出ることがある

ADHDだと思って診断を受けても、別の結果が出るかもしれません。前述の診断基準に当てはまったからと言って、必ずADHDというわけではないのです。

例えば精神的に疲れているときはどうしても注意力が散漫になってしまいますし、うつ病や認知症などでもそのような症状が見られることがあります。

もちろん、別の診断結果が出ればそれに応じて適切な治療が受けられるので、診断を受けたことを後悔する必要はまったくないのですが。

診断結果にショックをうけることがある

すでに自分がADHDかもしれないと考えている場合は診断が下っても「ああ、やっぱり……」ぐらいで済むことが多いですが、家族に勧められての受診だったりすると診断結果を受け入れられないかもしれません。

自分自身が障害者であると認めることができない人にとっては、診断は非常に辛いものでしょう。

しかし、だからといって診断を受けない、もしくは診断結果を受け入れないというのは非常に危険です。

現在の日本にはADHDも含めると約320万人の精神障害者もいます。だから何だ、それがどうした、と思われるかもしれませんが、要するに精神障害と言うものは別に珍しいものでもなんでもないのです。自分だけを特別視するのはやめましょう。

ADHD患者は才能があるって本当?

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これは本当とも嘘とも言えます。ADHDの人の中に、圧倒的に社会的な成功を収めた人が居るのは確かです。例えば元プロ野球選手にして読売巨人軍監督の長嶋茂雄さんや、黒柳徹子さんなどはADHDであると言われてます(本人が直接認めたわけではないようです)。

ただし、だからといってADHDの人=才能がある人と決めつけるのは間違っています。世の中にはたくさんの成功者がいて、その中にある割合でADHDの人が入っていただけです。

むしろ大多数のADHD患者は特別な才能があるわけではなく、ただ単にADHDであると考えたほうがいいでしょう。ADHDの人だからこういう才能があるはず、という決めつけは、本人にとっても周囲にとっても不幸な結果を生みます。

ADHDの人ならではの傾向があるのは確か

一方で、ADHD患者の殆どの人にはある傾向が見られます。それは、好きなことに対しては完全に近い集中力が発揮できることです。

ADHDは注意欠陥障害であり、集中力が長続きしないのが代表的な症状の一つですが、それは対象があまり興味のないものであれば、の話です。対象が得意なこと、好きなことであれば、定型発達者にはとても真似出来ない集中力を発揮できる人が多いことは確かです。

しかし、その集中力が必ずしもいい方向に出るとは限りません。例えば興味の対象が人間社会で全く価値の無いものであった場合、その分野をいくら極めても他者からは評価されず、したがってお金も稼げず困窮することになります。

一方で誰も興味を持たなかったことを研究して新たな発見にたどり着き、大きな成功を手にする人もいます。

ADHDに向いているのは固定観念にとらわれない仕事

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ADHDの人が向いているのは、いわゆるクリエイティブな職業です。例えば起業家、芸術家、音楽家、研究科、プロデューサーなど……こうした職業で成功するためのコツは、他人が挑戦しないことに挑戦する発想力と、それを継続する持続力です。そしてADHDの好きなことに対しては驚異的な集中力を発揮できるという特性はそれにマッチしています。

一方、向いていない職業は時間やルールを守らなければ行けない仕事、持続的な集中力を求められる仕事などです。具体的には事務職、秘書、医療関係の仕事、パイロット、運転手などです。

特に医療や乗り物の運転はただ持続的な集中力が必要なだけではなく、人の命を預かる失敗が許されない仕事であるため、ADHD患者との相性は極めて悪いといえるでしょう。もちろん、ADHD患者にこれらの職業に就く資格が無いわけではありませんが、おそらく採用試験で不採用となるか、採用された後に職場に適応できなくなる可能性が極めて高いです。

ADHDでも大手企業に就職できる!

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ADHDの人に向いている職業を見ると、どうにも立場が不安定なものが多いですね。たしかに起業家や芸術家は当たれば大金持ちですが、それよりも安定した雇用を求めるADHD患者のほうがおそらくは多いでしょう。誰だって危ない橋は渡りたくありません。

そんな方にオススメなのが、障害者手帳を活かした障害者採用枠での採用です。現在は法律で、従業員数が一定以上の企業、要するに規模が比較的大きい企業は、その人数に応じて障害者を一定割合雇用することを義務付けています。

この割合を法定雇用率といい、その割合は一般の民間企業の場合2.0%、国は地方公共団体などの役所は2.3%です。

この条件を満たさない場合、ハローワークから行政指導が行われる他、常用労働者が100人以上いる場合は障害者雇用納付金(条件を満たさなかったために取られる罰金のようなものです)が徴収されます。

徴収されたお金は法定雇用率を達成している企業に対して分配されます。つまり、障害者雇用率が低い企業から高い企業にお金が動いていくわけです。

このような事情があるため、現在は以前と比べればどこの企業も障害者雇用に積極的です。もちろん、能力が著しく低い障害者を雇用する企業はまずないでしょうが、健常者とほぼ同じ能力があるのならばそちらを選ぶ、という企業はそれなりにあります。

特に法定雇用率を満たさないと納付金が徴収される大企業、企業イメージを大事にする企業などは障害者雇用に積極的です。この流れを利用すれば、大企業への就職は決して絵空事ではありません。

障害者雇用はADHDに厳しい一面も……

ADHDを含む精神障害患者の就職は、身体障害者と比べると不利な一面もあります。平成22年の厚生労働省の調査によれば、新規求職者に対する障害別就職率は、身体障害者37.8%であるのに対して、精神障害者36.7%と若干低くなっています。

もちろん大した差ではありませんし、精神障害者という括りもかなり大雑把なものですが、就職率は決して高くありません。

現実の採用現場では、同じような能力を持っているのならば身体障害者のほうが精神障害者よりも優先されるケースが少なくありません。

まず、身体障害者の内1級、もしくは2級を持っている人を雇用した場合、障害者を2人雇用したものとして計算されます。つまり、少ない雇用数で法定雇用率が満たされるわけです。一方、精神障害者の場合は級に関わらず1人としてしかカウントされません。

また、身体障害者はその人が働きやすい環境を一度整えれば後は健常者と変わりないように仕事が任せられるが、精神障害者の場合はいつ何時問題行動を起こすのかわからないので注意深く監視する必要があり、生産性が落ちると考える企業も少なくありません。企業にとって精神障害者はまだまだ「雇用するリスクが大きい」存在なのかもしれません。

もちろん、だからと言って悲観的になる必要はありません。前述の通り、障害別就職率は身体障害者も精神障害者もほぼ変わりありません。

また、そもそも身体障害者と精神障害者では適職も違うので、必ず枠を食い合うわけでもありません。変に他人をライバル視すること無く、どうすれば自分が高く評価されるのかを優先的に考えたほうがいいでしょう。

就労支援をフルに活用しよう

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いきなり就職活動を始めるのもいいですが、自分の適性もわからず、能力もないままやみくもに就職活動をしてもなかなかいいい結果は生まれません。それよりも現存する様々な支援制度をフルに活用して自分の能力や弱点をしっかりと把握してから始めたほうがいいでしょう。

発達障害者支援センター

発達障害者支援センターは、各都道府県や政令指定都市などに設置されている発達障害者の支援をする施設です。ADHDを含む発達障害者本人とその家族、関係機関が利用できます。

施設内には精神科医、小児科医、言語療法士、心理士、社会福祉士などが在籍しており、様々な支援を受けることができます。もちろん、就労支援も受けられます。

サポートステーション

サポートステーションは厚生労働省と地方自治体が共同で運営している、働くことに悩みを抱えている若者のための施設です。

発達障害のあるなしにかかわらず、働くことに対して悩みを抱えている人ならば誰でも利用できます。キャリアコンサルタントや臨床心理士が複数在籍しています。

若年コミュニケーション能力要支援者就職プログラム

若年コミュニケーション能力要支援者就職プログラムは、大学等高等教育機関とハローワークが連携して運営している、コミュニケーションに悩みを抱えている若者のためのプログラムです。

発達障害者支援センターなどへの誘導を行う他、就職チュータに依る職業訓練、職場定着訓練なども行われます。

就労支援って具体的にどんなことが行われるの?

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サービスや施設によって内容は異なりますが、一般的には以下のような支援が受けられます。

履歴書の書き方指導

就職するためにはとにもかくにも履歴書を書く必要がありますが、ADHDの人は総じて履歴書を書くのが苦手です。書きミスが多いからです。

また、自分のことを総じて能力の低い、ダメな人間であると思いこんでいる事が多いです。これでは良い履歴書は書けませんね。就労支援で指導を受けることによって、よりよい履歴書が書けるようになります。

なお、書きミスを無くすのは簡単なことです。手書きじゃなくてワープロソフトを使って書けばいいのです。ワープロなら何度間違えてもバックスペースキーで簡単に文字を消せます。

中には手書きじゃない履歴書の評価を下げる企業もあるようですが、そのような旧態依然とした企業にADHDの人が就職できたとしてもおそらくろくなことにならないでしょうから、別に問題ありません。

面接の模擬練習

ADHDの方は、即興的な対応が求められる面接が苦手な人が少なくありません。面接官の言っていることが理解できなかったり、答えはきちんとできているのにそれを言葉にするのが苦手だったりするケースが少なくないようです。

しかし、これも練習することによってある程度カバーすることができます。

PCスキルアップ研修

PCスキルはほぼすべての社会人に求められる基本的なスキルです。どこまでスキルが必要かは業界によって異なりますが、使えないよりは使えたほうがいいことは言うまでもありません。PCスキルを身に着けておくことは、どんな業界に就職する上でも役立つはずです。

求人サイトを活用しよう

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求人はハローワークでも探すことができますが、正直な所ハローワークにある求人の質はあまり高くありません。より良いところへの就職を求めるのならば、求人サイトを使ったほうがいいでしょう。

求人サイトに情報を掲載するにはお金がかかります。裏を返せば、求人サイトへの掲載をしているような企業は、掲載料を払うだけの余裕と、掲載料を払ってでも人を雇いたいという熱意があるわけです。

こうした企業は福利厚生に優れているケースも多く、発達障害者に対する理解もある程度進んでいる可能性が高いです。

もちろん、すべての企業がそうだというわけではないので、事前に求人をよく読んで吟味する必要があります。

障害者向け求人探すならDODAが便利

DODAは障害者の就職に特化した「DODAチャレンジ」というサイトを運営しています。求人紹介や面接アドバイスの他、キャリアプランや就労に関する諸手続きなどの手厚いサポートが特徴で、非公開求人も充実しています。入社が確定した時点で企業から報酬が払われることによって成り立っており、求職者の利用料金は完全無料です。

大人のADHD患者が「楽に」生きる方法

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大人のADHD患者が楽に生きる方法はズバリ、自分にあった職場を見つけ、自分にあった人と人間関係を築くことです。

ADHD患者はADHDに理解を示さない人と無理して付き合う必要はないですし、ADHDに理解を示さない人はADHD患者と無理して付き合う必要はありません。お互い干渉しなければ、最も快適に過ごせます。

合わない人との人間関係は思い切って「切る」ことが、快適に暮らすための一番のコツといえるかもしれません。もちろん、キリすぎて孤立してしまわないように気をつける必要はありますが。

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