お金を借りることができる掲示板と聞くと、多くの人が怪しいと思うようです。
この掲示板自体は、詐欺サイトではないケースが多いようですが、詐欺の被害に遭う人がたくさんいるようです。
ここでは、掲示板でお金を借りることの危険性について紹介したいと思います。
お金を借りる掲示板は違法ではない?
お金を借りる掲示板は、あくまでコミュニケーションをとる場所にすぎないので、違法ではありません。
貸金業法では、国もしくは都道府県知事の許可を受けずに金融業を営むことを禁じています。これに違反した場合には、「10年以下の懲役もしくは3000万円以下の罰金」という重い罰則があります。
もしも、掲示板を運営している会社が、貸金業登録をせずにお金を貸していた場合には、違法行為となります。
しかし、お金を借りる掲示板のほとんどは、あくまでお金を貸したい人と、借りたい人とのコミュニケーションの場所を提供しているだけなので、貸金業法には違反をしていません。
なぜ詐欺に遭うのか?
それでは、掲示板が合法なサイトなのに、なぜ詐欺に遭うのか?という問題が出てきます。
実は、掲示板自体は合法でも、それを利用する人が詐欺師や闇金となっているので、詐欺に遭う可能性が高くなっています。
掲示板でお金を借りたい人
掲示板でお金を借りたい人とは、どんな人なのか、考えてみましょう。
一般的に、お金を借りたいならば銀行で融資を受ける人が多いです。
最近ではクレジットカードや消費者金融を利用する人も増えています。昔と比べると、クレジットカードや消費者金融の金利は下がっているので、利用はしやすくなっています。
大手の消費者金融なら、30分程度の審査ですぐにお金を借りられます。正社員の人なら50万円、派遣・契約社員なら30万円、アルバイトなら20万円くらいが限度額の目安になるようです。
安心・信用がある金融業者で手軽に借りることができるのに、わざわざやり取りをしている相手がどんな人なのかもわからない掲示板でお金を借りようとする人は、なにか問題を抱えている可能性が高いです。
・ブラックリストにのっていて、銀行や消費者金融の審査に通らない人
・多重債務者
・20歳未満の未成年
などが考えられます。
掲示板でお金を貸したい人
掲示板でお金を貸す行為が、すべて貸金業法に違反するわけではないようです。例えば、家族や友達にお金を貸しても、貸金業法違反にはなりません。
営利を目的として、継続的に融資を行うという行為は、金融業にあたるので、登録をしなければ貸金業法違反になります。
掲示板で知り合った相手に対して一度だけお金を貸すだけならば、法律に違反しない可能性もあります。
しかし、お金を借りたい人よりも、お金を貸したい人のほうが高いリスクを負っているということが重要です。
家族や友達にお金を貸しても、返してもらえないというトラブルはよくあります。よく知らない相手に対してお金を貸したら、返してもらえない可能性はさらに高いでしょう。
正規の金融業者なら、「銀行や消費者金融を利用すれば良いのに、わざわざ掲示板を利用してお金を借りようとする人は、ブラックリストにのっているなど、なんらかの事情がある可能性が高い」と考えます。
高いリスクがあるにも関わらず、掲示板でお金を貸そうという側も、なにか事情があります。
・詐欺師
・闇金などの違法業者
という可能性が高いでしょう。
正規の金融機関を利用するのが一番良い
ここまでの説明から、お金を借りたい側も、お金を貸したい側も、なんらかの問題を抱えている可能性が高いということがわかってもらえたかと思います。
ブラックリストにのっていたり、多重債務を抱えていても、中小規模の消費者金融ならば審査に通る可能性があります。あくまで正規の金融業者から借りるようにしましょう。
どうしても審査に通らないという時には、怪しいサイトを利用してお金を借りるよりも、債務整理をしたほうが良いと思われます。
債務整理の種類
債務整理には、任意整理、特定調停、個人再生、自己破産という4種類があります。
任意整理
任意整理は、裁判所を通さずに、交渉のみで借金を減額する方法です。個人で交渉をして成功をするケースもありますが、弁護士や司法書士に代理人となってもらうことが一般的です。
将来利息、遅延損害金については基本的に全額カットできます。
対象とする借金を自由に選べるので、最もデメリットの少ない方法だと言われています。
特定調停
特定調停は、任意整理とよく似ていますが、簡易裁判所で調停をするという点で違いがあります。
話し合いによって借金を減額するという点や、将来利息と遅延損害金を全額カットできるという点については、任意整理と共通しています。
特定調停では、簡易裁判所に申し立てを行う必要があるという点で、大きな差があります。
特定調停では、調停委員がついてくれてアドバイスをしてくれるので、弁護士や司法書士に依頼をする必要がありません。専門家に依頼をするためのコストがかからないという点が大きなメリットです。1社あたり最低2,000円程度でできるようです。
時間と手間がかかるというデメリットがあるため、多くの人は任意整理のほうを選ぶようです。
誤解がされることがありますが、裁判をするのではなく、調停による話し合いで解決をするので、官報には記載がされません。
個人再生
任意整理と特定調停で減額ができるのは、借金の利息・遅延損害金までとなりますが、個人再生では元本も大きく減額ができます。
500万円~1,500万円の借金なら、およそ5分の1にまで減額ができます。最大で10分の1まで減額ができるようになっています。
自己破産
自己破産は借金を減額するのではなく、返済義務を免除してもらえます。どれだけ大きな借金があっても、ゼロにすることができます。
延滞税や損害賠償債務など、免除できないものもあることには注意が必要です。
資産はすべて失いますが、99万円までの現金と残高が20万円未満の預貯金は手元に残せるので、しばらくの間の生活費までとられてしまうわけではありません。
残高が20万円未満の預貯金というのは、1つの銀行口座の残高のことを指すのではありません。
A銀行で10万円、B銀行で15万円、C銀行で5万円の口座残高があったなら、合わせると30万円となるので没収されてしまいます。
債務整理のデメリット
債務整理の大きなデメリットは、ブラックリストにのってしまうことです。しばらくの間、クレジットカードやローンは利用ができなくなります。
お金を借りる掲示板を利用している人の中には、すでにブラックリストにのってしまっていて正規の金融機関の審査に通らないという人も多いでしょう。
すでにブラックリストにのってしまっている場合には、このデメリットはありません。むしろ、借金を早く整理してしまったほうが、ブラックリストから解除される時期が早まります。
闇金に関わることのデメリット
詐欺師、闇金、違法業者に関わってしまうと、人生をめちゃくちゃにされてしまいます。
お金を借りる時には、実家の住所・電話番号、勤務先情報なども教えなければならないことが多いです。
実家や勤務先に頻繁に電話がかかってきて、大きな迷惑をかけてしまいます。
また、違法な業者は裏でつながりがあり、個人情報は守られない可能性が高いので、とある違法業者の問題が解決しても、また次にもっと悪質な業者に絡まれてしまうということもあります。
詐欺師の検挙率はとても低く、20%くらいというデータもあります。さらに、被害に遭っても証拠がないなどの理由で警察に被害届を提出せず、泣き寝入りをしてしまうケースも多いため、実際には95%以上の詐欺師は捕まっていないという意見もあります。
いざとなったら警察に助けてもらえば良いなどという甘い考えは捨てなければならないでしょう。