嘘の理由でお金を借りると詐欺になるのでしょうか?その答えは、よほど悪質な場合は詐欺として訴えられる可能性もある、です。全く返済する気がないのに借金をした場合は、賃金業者から犯罪者扱いされて訴えられるかもしれません。
ただ、実際に詐欺として罪に問われるかは別問題です。本当に返済する意思があったかどうかは本人にしかわからないことも多く、有力な証拠となるものも少ないケースが多いため、詐欺として立証するのは非常に難しいとされています。
また、借金の返済の目処が立たず、債務整理を行うことになった場合、債権者(お金を貸している人)から詐欺として訴えられる可能性はあるのでしょうか?こちらも、場合によってはありえます。詳しくは後述しますね。
この記事では、嘘をついて借金したら詐欺罪になるのか?債務整理を行うと詐欺として訴えられることがあるのか?について解説していきます。
返す気がないのに借金をすると詐欺?
消費者金融や銀行から借金をする際、その理由を書く欄がありますよね。また、友人からお金を借りる場合でも、なにかしらの事情や理由を説明すると思います。
この際に、明らかな嘘をついて借金をすると詐欺になる可能性があります。期日までに返済できれば何の問題もありませんが、返済が遅れた場合は危険です。
ただ、実際に詐欺として立証するのは難しいとされています。というのも、その嘘の理由が嘘であったかどうかは本人にしかわからないことも多く、証拠となりうるものも準備できないことが多いためです。
それでも、誰もが絶対におかしいと感じるレベルの虚偽であったなら、詐欺罪として成立するかもしれません。借金をする際は、その理由をある程度正直に話すようにしましょう。
どうしても話しにくい内容であるなら少しくらい誤魔化しても大丈夫ですが、明らかな嘘はつかないようにしましょうね。
また、嘘をついてギャンブルのためのお金を借入するのは絶対にやめましょう。このケースは詐欺罪として訴えられるリスクがとても高いためです。
債務整理を行うことになった場合でも、ギャンブルのために借りた分については返済義務が消滅しないことがあります。
偽りの内容を申込書に書くと詐欺になる?
申込書には職業や収入を書く欄があります。これらの項目に嘘の内容を書いて、お金を借りようとすると詐欺にあたる可能性があるので注意です。
無職なのに何かの職についていると記入したり、収入を偽って借金しようとするのは悪質な行為だと判断されるためですね。
ただ、嘘の内容を書いたとしても、それは見抜かれる場合が多いです。現在の職業については、職場に在籍確認の連絡を入れて裏を取ることがほとんどですし、収入については収入証明書の提出を求められることもあります。
また、他の業者からの借金があることを誤魔化そうとするのも無駄な行為です。賃金業者や金融機関は信用情報機関と呼ばれる団体を通して、顧客の情報を共有しているため、嘘をついてもすぐにバレてしまいます。
嘘をついたことが知られればあなたへの信用は一気に下がり、審査を通過するのは非常に難しくなってしまうでしょう。申込書には本当のことを記入するようにしましょうね。
返済が遅れる理由を偽るのも詐欺になる可能性がある
借金に関する詐欺罪が成立するかどうかは、基本的に借入の時点がキーになります。上述したように、返済する気が全くないのに借入した場合、お金を受け取ったタイミングで詐欺罪は成立します。
しかし実は、詐欺になりうるポイントはこれ以外にもう一つあります。それは、返済が遅れた場合に相手に嘘の理由を述べたときです。
この場合、詐欺罪ではなく詐欺利得罪という罪が成立します。詐欺罪は相手を騙して物品や金品を受け取ることを言いますが、詐欺利得罪は相手を騙して何らかの利益を得ることを言います。
嘘の理由をついて返済を遅らせてもらった場合、相手を騙して返済義務を免れるという利益を得ているので、この罪が適用される可能性があるのですね。
ただ、こちらのケースでもやはり実証するのは難しいとされています。述べた理由が嘘であるかどうかは本人にしかわからないことも多く、それが返済を免れるためであった、ということを客観的に証明するのはとても困難なためです。
とはいえ、借金延滞の際に嘘の理由を伝えると罪に問われる可能性があるのは事実なので、返済が遅れる理由はなるべく正直に、もしくは無難なものにしましょう。
お金の都合がつかないと伝え、いつまでには返済できますと約束すれば、消費者金融や銀行側も納得してくれることが多いです。
債務整理をすると詐欺として訴えられる?
悪徳な業者、会社の中には、債務整理をするとあなたを詐欺罪で訴えますと恐喝してくることがあります。債務整理をされると借金は減額、もしくはチャラになってしまうので、業者としてはなんとか阻止したいという考えがあるのでしょう。
しかし、債務整理を行っても詐欺罪に該当することはほぼありません。債務整理は合法な手続きですし、債務者に与えられた権利の一つです。
ただ、ケースによっては詐欺として認められてしまうこともありえます。たとえば、返さない前提で多額の借金をし、全く返済しないまま債務整理を行うような場合ですね。
このような場合では、自己破産をする前提で借金したと裁判所に判断されても仕方ありません。あまりに悪質と判断されると、自己破産の手続きが無効になる可能性すらあります。
返済の意思があったことを証明するには、最低でも数回程度は返済しておきたいところです。半年程度が目安でしょうか。
ですから、他の借金を返すために新たに借金を作る、というのは避けましょう。最終的にどうにもならなくなって、一度も返済したことがない借金が溜まっていくだけです。
返済が苦しい場合は借金以外の方法で対処し、万策尽きた場合は弁護士に相談しましょう。彼らは借金に関してのプロですから、法律相談をお願いすることで適切で的確なアドバイスをもらえますよ。必要であれば債務整理の手続きについても教えてもらえるでしょう。
一番大切なのは、自分の返済能力を超えて借金をしないことです。金融機関や賃金業者から借り入れを行う場合は、返済の目途を立てられる金額で融資を受けましょうね。
まとめ
返済する気がないのに借金をしたり、嘘の理由で返済期日を延長したりすると詐欺罪に該当する恐れがあります。実証するのは難しいとされていますが、そういった可能性がある以上、意図的にこれらの行為をするのは避けたほうがよいでしょう。
債務整理についても、もとから返済する気がなかったと判断される借金については減額や消滅の対象にならない可能性があります。とはいえ、ほとんどの借金については債務整理が認められるので、そこまで心配する必要はありません。
不安なときは、とりあえず弁護士に相談してみましょう。借金や債務整理に関する相談なら無料で対応している事務所も増えてきているので、気軽な気持ちで訪問してみてくださいね。