お金が無いのに出費がかさむ!こんな時どうする?

お金がないにも関わらず、急に病気になってしまったり、交通事故を起こしてしまったり、失業してしまったり、冠婚葬祭が入ってしまったりして困った経験をしたことがある方は少なくないかと思います。

そうした時に背に腹は代えられないと高金利な消費者金融のカードローンやクレジットカードのキャッシング機能を使ってしまう人は少なくないかと思いますが、それはちょっと待って下さい。お金の使い道や金額次第ですが、余計な金利を払わずに済ませられる方法が選べる可能性があります。

家族や友人などから低金利で借りる

頼れる人が身近にいる場合は、彼らからお金を借りてもいいでしょう。知人からお金を借りるのが当たり前になってしまっては困りますが、一度や二度、少額の貸付ならば人間関係は壊れないはずです。

ただし、いかに知人と言えどもお金の貸し借りをするのは契約に相当するため、必ず借用書や金銭消費賃貸借契約書、あるいは公正証書などを作成することをおすすめします。あとで金額や金利、返済日に関して言った言わないで揉めてもいいことはありません。ただの借用書や金銭消費賃貸借契約書には法的効力がないため、相手に誠意を見せる時は公正証書を作成するのがいいでしょう。

公正証書は法曹関係者が作る文書

公正証書とは、裁判官や検察官などの法曹関係の仕事をしていた人(公証人)が居る公証役場という役場で作成する文書です。公証役場は都道府県庁や市町村役場などとはまた別の公的機関で、すべての都道府県に存在しています(役場の数は概ね人口に比例します)。

公正証書には通常、金利や返済期間などの他に、執行認諾文言(支払いを怠った場合、裁判を経ずして強制執行をしてもかまわないという文言)を織り込むことができます。こうしておけば返済が滞りにくくなりますし、万が一の際にも面倒な裁判をしなくて済みます。借りる側にとっては不利な条件に思われるかもしれませんが、お金を借りるのですからそれくらいは仕方ありません。

公証人は中立な立場から公正証書の内容をチェックするので、どちらかに有利、もしくは不利になるような提案はしません。違法な内容がないかを確かめるだけです。公正役場に出頭する前に、法的に吟味された原案を作成しておけば、公正役場でトラブルが起こりづらくなります。

公正証書の作成は弁護士、司法書士、行政書士などに任せることができます。専門家に依頼する場合は、その報酬をどちらがどのような割合で按分するかについて予め話し合っておく必要があります。行政書士に依頼する場合は5万円程度と決して費用は安くないため、貸し借りの金額が少ない時は無理に公正証書を作成する必要はありません。

目安としては、60万円を超える場合は公正証書を作成した方がいいでしょう。それ以下の金額の場合は少額訴訟制度という手続きを利用すれば迅速に裁判が終えられるため、公正証書を作成するメリットは余りありません。

知人同士でお金を貸し借りする場合の金利は何%が適切?

個人間でお金を貸し借りする場合も、消費者金融から借りる場合と同様に利息の制限がつきます。利息制限法の上限金利を上回る金利は無効となるので、それ以下に設定しなければなりません。

利息制限法の上限金利は10万円未満の借り入れで年20%、10万円~100万円未満の場合は年18%、100万円以上の場合は15%となっています。この範囲内ならばいくらにしても構いません。借りる側の立場としては金融機関より高い金利になってしまっては意味が無いので、できればより低い金利での融資を引き出したいところです。

なお、利息には上限はありますが、下限はありません。つまり突き詰めれば金利0%、無利息でもOKというわけです。

借用書の書き方

借用書が借用書として認められるためには、以下の9点を記入する必要があります。

「借用証」であることを示すための標題
借用金額
金利の取決め
返済期日
返済方法
「金銭を受領した」という事実の明記
金銭を受領した日付
借主の住所氏名(書名)・押印
借主の氏名

金利については、借用書に利息に関する表記がなかった時は無利息での貸し借りにお互いが合意したものとみなされます。また、利息の支払いはするとしたものの、金利を明記しなかった場合は、年利5%の金利の貸し借りにお互いが合意したものとみなされます。

返済期日は「6ヶ月以内」と言った曖昧な書き方ではなく、「2017年10月31日まで」といったような明確な書き方にすると、トラブルがなくせます。

また、借用書に金額を書く時は、原則として頭に「金」という文字を付けます。また、数字は算用数字(1,2,3……)や日常的に使う漢数字(一、ニ、三……)ではなく、大字と呼ばれる画数の多い漢数字(壱、弐、参……)を使います。これはあとから改ざんされるのを防ぐためです。

借用書は手書きでもワープロ打ちでも同じように効果を発揮しますので、改ざんを手軽に防ぎたいという場合はワープロで作成するのがいいでしょう。ただし、署名の部分は必ず直筆で記入し、さらに実印を押さなければなりません。

自宅にある不要なものを売る

家にあるものが全て必要なものであるとは限りません。すでに全くの無用の長物と化しているものは、リサイクルショップや買取店、あるいはインターネット上のオークションサイトなどで売ってしまいましょう。

特にオークションサイトを通じた取引は、ものによっては高額で買い取ってもらえる可能性があるのでおすすめです。

家にそんな高く売れそうなものはない、と思われるかもしれませんが、世の中何が高く売れるかわかりません。中古の指輪やブランド用品、財布などは意外に高額で売れます。ブランド品は中古でもなんでもいいからほしい、という人が世の中にはたくさんいるのです。

オークションのメリット

オークションの良いところは、両者の合意があれば自由な価格で取引ができることです。リサイクルショップや質屋などで買い取ってもらうと、その業者の利益が買取価格に反映されるため、本来の価値よりも安く買い叩かれてしまうことがあります。

その点、オークションは直接取引なので、中間マージンが発生しません。そのため売る側はより大きな利益を得られますし、買う側もお店で飼うより安く買えることが多いです。

出品はスマートフォンやパソコンなどがあれば事足りるので、いつでもどこでも売りに出せます。最近はスマートフォンでも高画質な画像が撮影できるので、商品紹介なども簡単にできます。

また、オークションは買取店では買い取ってもらえないようなマニアックな商品、中古品なども売れる可能性があります。買取店にとってはガラクタでも、マニアにとっては垂涎の逸品ということもありえます。

オークションの注意点

オークションに参加するには手数料がかかります。手数料は大きく

  • 月額使用料
  • 販売手数料
  • 振込手数料
  • 送料

の4つにわけられます。

最も有名なオークションサイトであるヤフオクの場合、月額使用料は498円、販売手数料は落札価格の8.64%、振込手数料は無料、送料は売り手もしくは買い手が負担します。

また、オークションは売り手と書いての合意があって初めて成立するものですから、ほしいという人が誰もいなければ当然売れません。売れない場合は写真の撮り方を工夫したり、商品説明を魅力的な物に変えたり、最低落札価格を下げたりするなどの工夫が必要になります。

また、落札後の手続きは原則として売り手と買い手が直接行い、オークションサイトの運営は関知しません。その為、商品が届かない、入金されないなどのトラブルに発展することもあります。そうしたリスクを避けたい場合は、多少買取価格が低くなっても、確実にお金が受け取れる買取店などに売ってしまったほうがいいでしょう。

給料の前借りをお願いする

会社員の場合は、会社に事情を説明した上で、会社に給料の前借りをお願いするのもいいでしょう。労働基準法第25条で、労働者が出産や疾病、災害などの費用に当てるために請求する場合は、会社は必ず前借りに対応しなければならないとされています。

ただし、そうした特別な事情がない場合、会社は必ずしも前借りに応じる必要はありません。応じてもらえるかは会社や担当者の裁量次第となります。

また、前借りで借りられる分はすでに働いた分の給料のみです。今後も働き続けることを前提に、その分の給料を先に渡すというのは、両者で合意が合っても労働基準法違反になるのでできません。

例えば、給料算定期間が毎月の月頭から月末までで、前借りを申し出たのが20日である場合は、その月の1日~20日のぶんの給料しか前借りできません。

場合によってはより多くの金額を借りられるケースもありますが、その場合は会社と労働者としての貸し借りではなく、経営者と労働者の個人的なお金の貸し借りになります。個人的なお金の貸し借りのルールは前述の「家族や友人などから低金利で借りる」に準じます。

念のために借用書は必ず作成しておく

前借りもお金の貸し借りであることには代わりありませんから、念のために借用書を作成しておいたほうがいいでしょう。給料の前借りの金額が60万円を超えることはないでしょうから、原則として公正証書を作成する必要はありません(万全を期したい場合は別ですが)。

借用書があれば契約内容を形に残せるので、お互いがお互いを裏切る行動を取れなくなり、結果としてトラブルを防ぐことができます。

借用書についてはインターネット上のウェブサイトからダウンロードするのもいいですが、会社が用意してくれることもあります。会社が用意してくれる場合はそちらを使うほうが楽です。なお、会社からお金を借りる場合、貸主は会社の社長となることが多いです。

会社によっては従業員貸付制度があることも

会社によっては、従業員に対して貸付を行っていることもあります。特に大企業でよく見られる制度ですが、中小企業でも採用しているところがあります。

あくまでも任意の福利厚生の一種であり、すべての会社員が利用できるわけではありませんが、社外でお金のトラブルを起こされ、会社のイメージがダウンするよりは自らが貸したほうがまだマシと考える経営者は少なくありません。

従業員貸付制度は経営者と労働者の合意が合って初めて成立しますので、制度が欲しい場合は労働者どうして話し合ってみることも大切です。

融資の条件

制度の細かい部分は会社によって異なるため一概には言えませんが、対象者は概ね勤続年数が1年~3年以上の正社員に限られていることが多いです。これは消費者金融が勤続年数の短い人に対しては融資を行わないのと同じです。

限度額は数十万円だったり数百万円だったりと様々です。同じ会社内でも役職によって限度額が異なることがあります。資金用途は基本的に怪我や病気、出産や教育など、浪費ではない必要不可欠なもののみが対象となることが多いです。

金利は他の金融機関の平均的な最低金利に、0.3%程度上乗せされた値になることが多いです。つまり、殆どの金融機関よりも安く借りられるということです。返済は原則として給料天引きで行います。

貸付制度の利用中に退職することになった場合は、退職金と相殺することも可能ですが、それを借りてが望まなければ強制的に相殺されることはありません。その場合は退職後も地道に返済していくことになります。

日払いバイトで凌ぐ

短期や単発のアルバイトは比較的ハードな代わりに賃金が高めに設定されていることが多く、数日仕事をこなせば5万円程度のまとまったお金を作ることも不可能ではありません。求人サイトは世の中にいくつもありますが、短期や単発のアルバイトを探したい場合は、ショットワークスジョブセンスなどがおすすめです。特にショットワークスは短期や単発のアルバイトに特化したサイトなので、求人情報が非常に見つけやすいです。

都市部の求人が中心で、地方の求人は余り掲載されていないのが現状ですが、少なくとも都市部の人にとっては大きな味方となるはずです。

仕事は軽作業、運送、販売、アパレル、清掃、コンピュータ、事務、営業、クリエ費ティブ、建築など多岐にわたっているため、自分の得意分野をそのままお金に変えることができます。基本的には軽作業や引っ越しなどの比較的体力を使う仕事が多いので、ある程度体力が必要となるのが玉に瑕です。

日払いや週払いに対応してくれる求人も多いので、すぐにお金がほしいときには役立ちます。どうしてもお金が必要な場合は、面接や研修無しで、すぐに働ける仕事がおすすめです。

公的な制度を活用する

働けない事情がある場合などは、国が用意している様々な福祉制度を利用するといいでしょう。行政に頼って生きるのはお世辞にも格好いいとはいえませんが、緊急時にせに腹は変えられません。

生活保護

生活保護とは、生活に困窮している人に対して必要な保護を行い、自立を促す制度です。といっても、生活に困窮していれば誰でも使えるというわけではありません。生活保護を受給するためには、以下の4つの条件を満たす必要があります。

  • 援助してくれる身内がいない
  • 資産がない
  • 病気や怪我などで働けない
  • 月の収入が最低生活費を下回っている

生活保護を申請した場合、その人の三親等以内の親類に対して扶養照会が届きます。これは「あなたの親族が生活保護を受けようとしていますが、援助できませんか?」と尋ねる書類です。

親族からの援助が受けられる場合は、生活保護は受けられません。援助するかしないかは親族の自由です。

また、不動産や貯金、有価証券などを持っている場合はまずはそちらを現金化してからでないと生活保護は受けられません。持ち家の場合はそれも売却しなければなりません。

自動車がある場合も原則として売却が求められますが、仕事を探すため、あるいは病院を通うためなどの理由でどうしても自動車が必要な時は保持が認められるケースもあります。

最低生活費とは厚生労働省が定めた、生活保護の支給の可否を決定するための基準です。家族の人数や地域によって最低生活費は変動します。家族に障害者がいる場合は最低生活費が高くなります。また、同じ地域、同じ家族構成でも、物価や賃金水準が変われば最低生活費も変動します。

そして、現時点での収入が最低生活費を下回っていれば、その差額分が生活保護として支給されます。例えば現時点での月収が12万円、最低生活費が20万円の場合は、生活保護は8万円支給されます。

生活保護は最期のセーフティネットとして非常に重要なものですが、審査は厳しく時間もかかるため、なるべく早く申し込むことが大切です。

失業保険

失業保険は、自ら仕事を辞めるか、あるいは解雇や倒産、定年などで職を失ったときに仕事が見つかるまでの期間中もらえる給付金のことです。

失業したら誰でももらえるというわけではなく、退職した日からさかのぼること2年間のうちに被保険者期間が通算12ヶ月以上あり、なおかつ働く意志と能力がある人だけが貰えます。

失業保険は退職金のようなボーナス的な意味を持つものではなく、あくまでも失業者の失業中の生活を支えるためのものなので、働く意志がない人には支給されません。また、病気や家庭環境の影響などで働けない場合も失業保険は受け取れません(その場合は別の制度が利用できます)。

失業保険の給付額や給付期間は個人によって異なります。正確な計算式はハローワークが行ってくれるので自分でやる必要はありませんが、失業の理由や被保険者期間がわかっていれば、予め自分で受給日数を計算することも可能です。

まず、失業保険の受給資格には一般受給資格と特定受給資格(特定理由受給)があります。簡単に言えば前者は自己都合退職、後者は会社都合退職です。

受給期間は一般受給資格の場合は90日~150日、特定受給資格(特別受給資格)の場合は90日~330日です。勤続年数が長いほど、受給期間は長くなります。

また、受給できる1日あたりの金額(基本手当日額)は、離職した日の直近6ヶ月の賃金(残業代含む)を180で割り、それに50~80%を掛けた金額となります。ただし、それとは別に年齢ごとに以下のように上限金額が定められています。

失業時の年齢 1日あたりの基本手当の上限 月額の上限(28日分)
29歳以下 6,395円 179,060円
30~44歳 7,105円 198,940円
45~59歳 7,810円 218,680円
60~64歳 6,714円 187,992円

高額療養費制度・高額療養費貸付制度

高額療養費制度とは、毎月の医療費の支払い(自己負担額)が一定以上の金額(自己負担限度額)に達した時、その超えた部分についての払い戻しが受けられる制度です。社会保険や国民健康保険など、公的な保険に加入していれば誰でも利用できる制度です。

自己負担限度額は加入している公的保険や年齢によって異なります。社会保険に加入していて、なおかつ年齢が70歳未満の場合、自己負担限度額は

8万100円+(医療費-26万7000円)×1%

となります。月額医療費が100万円、自己負担割合が3割の場合、返還分は約89万円となります。

なお、高額療養費制度の対象となるのは保険適用される診察や入院の医療費、院外処方で絵支払った費用などです。差額ベッド代、先進医療にかかる費用などは対象外です。先進医療の費用を確保したい場合は、民間の医療保険に先進医療特約をつけるのが最も効率的です。

高額療養費貸付制度とは?

高額療養費制度は医療費がかさんだときには非常に有用な制度ですが、一方で支給に時間がかかる(最低でも受診から3ヶ月)という欠点があります。お金が払い戻されるのを待っていたら、目の前の生活費が払えないというケースもあるでしょう。

そのようなときには、高額療養費貸付制度を利用してください。こちらは高額療養費制度で戻ってくるお金の約8~9割を無利子で借りられる制度で、公的な保険に加入していれば誰でも使えます。こちらは申請から約2~3週間で融資が受けられるため、当座を凌ぐのにも向いています。

高額療養費制度と高額療養費貸付制度を併用することも可能です。その場合、高額療養費の8割~9割に相当する額と、高額療養費貸付制度で借りた金額が相殺され、残りの1割~2割が受け取れます。

傷病手当金・労災

傷病手当金や労災は、いずれも病気や怪我で就業が不可能な時にもらえるものです。

傷病手当金は業務以外の事象が原因で働けなくなった時に支給されるもの、労災は業務内の事象(通退勤も含む)が原因で働けなくなった時に支給されるものです。

例えば休日に近所のコンビニまで出かけようとして自転車に乗り、転んでしまった場合は傷病手当金の対象になりますが、平日に仕事場まで出かけようとして自転車に乗り、転んでしまった場合は労災の対象です。

どちらにも該当する事象の場合は、労災が優先され傷病手当金は受け取れません。どのような事情があれ、両方を同時に受給するのは不可能です。

受給できる金額は傷病手当金がそれまでの月収の3分の2(約67%)、労災は80%です。また、労災は治療費も原則として全額支給されます。さらに、傷病手当金は原則として1年6ヶ月までしか受け取れませんが、労災は条件を満たしていれば期限なく受け取れます。

これだけ比べると、労災のほうが傷病手当金よりもお得に見えますが、労災の方は申請のハードルがかなり高い上に時間もかかるという欠点があります。

労災を申請して通りませんでしたでは困るので、労災に該当しそうな場合でもまずは傷病手当金を申請し、その後労災を申請した方がいいでしょう。

傷病手当金をもらっている状態で労災が認められるとその時点で傷病手当金は打ち切り&今までもらっていた分のお金は返還となりますが、労災が遡って支給されるため問題はありません。

奨学金

奨学金とは、家庭の経済事情により進学が困難な学生向けの経済的支援制度です。教育資金を融資するという点では教育ローンと似ていますが、教育ローンは親が借りるものであるのに対して、奨学金は子供が借りるものであるという違いがあります。奨学金はさらに有利子タイプのものと無利子タイプのものがあります。

奨学金にも色々と種類がありますが、利用者が多い日本学生支援機構の場合は、無金利の第一種奨学金と、金利上限3%(在学中は無利息)の第二種奨学金を用意しています。両者を併用することも可能です。

奨学金は家庭の事情などで進学が難しい家庭にとっては心強い味方であることも確かですが、一方でどんな形であっても借金であることには代わりありません。

前述の通り奨学金は子供が借りる借金です。社会に出ると同時に数百万円以上の借金を子供に背負わせるのは当然良いこととはいえません。借りる前にはきちんと考えることが大切です。

生活福祉資金貸付制度

生活福祉資金貸付制度は、低所得世帯や高齢者世帯、障害者世帯など、特定の条件を満たす世帯に対して、資金を貸し出す制度のことです。市町村に置かれている社会福祉協議会が窓口となります。

貸付の種類は以下のとおりです。

  • 総合支援資金:無所得世帯が生活再建のために必要な資金。
  • 福祉資金:病気や冠婚葬祭などによる一時的な支出増を賄うための資金。
  • 教育支援資金:高校、大学、専門学校のいずれかに通うための資金。

総合支援資金はさらに生活支援費、住居入居費、一時生活再建費の3つに分類できます。住居入居人一時生活再建費はオプションなので、必要ない場合は借りなくてもOKです。

生活支援費は単身世帯なら月15万円以内、2人以上世帯ならば月20万円以内を最大1年まで借りられます。

福祉資金は福祉費と緊急小口資金に分類できます。福祉費は冠婚葬祭、どうしても必要な引っ越しの費用、医療費や休職中の生活費、技能習得に必要な費用などが対象となることが多いです。

緊急小口資金はこのままで剥がししてしまったり、家を失ってしまったりする場合に借りられる緊急性の高い資金です。無利子で10万円まで借りられます。

教育支援資金は教育支援費(授業料)と就学支度費(入学に必要な準備費用)に分類できます。

低所得世帯とは?

低所得世帯とは、平均月収(世帯所得から生活に必要な支出を覗いたもの)が下記の金額以下の世帯のことです。ただし、福祉資金、教育支援資金に関しては、無収入では借りられません。

また、この条件に当てはまっていても、生活保護や失業保険、傷病手当金、奨学金、高額療養費制度など、他の公的制度が利用できる場合はそちらが優先されるので、福祉貸付は利用できません。

世帯人員 1人 2人 3人 4人 5人
平均月収 19万1,000円 27万2,000円 33万5,000円 38万5,000円 42万5,000円

こうしてみると結構条件は緩いですね。ただし、世帯所得から必要な支出を控除してもらうためには、その支出を証明する領収書が必要になります。

カードローンやキャッシングは極力使わない!

ここまでお金がないときのしのぎ方を色々と紹介してきましたが、お金がない時に多くの人が利用を考えるカードローンやキャッシングは紹介しませんでした。理由は簡単で、出来る限り使わない方が良いものだからです。

カードローンやキャッシングは皆さんも御存知の通り非常に高金利です。例えば消費者金融のカードローンは年利が15~18%になることも珍しくありませんし、カード会社のキャッシングも似たようなものです。

必要な金額が高額で、なおかつ目的が決まっている場合は、ここまでに紹介した高額療養費貸付制度や奨学金など、より金利が低い借金を使うべきです。

また、ちょっとだけお金が足りないのをしのぎたいのならばそもそも借金などせず、短期のバイトで乗り切ったほうがよっぽど利口です。

どんな理由があるにせよ、年利が高い借金は極力するべきではありません。お金を借りて一時的にしのげたとしても、それは問題を先送りにしているに過ぎません。

そうしたものに頼らなければいけないほど生活が困窮している場合は、生活の見直しを行い、収支の改善に務めるのが急務です。高金利での借金はしないようにしましょう。