やっぱり連帯保証人を解除したい!保証人を辞められるのはどんな時?

連帯保証人契約

金融機関から大きな借金をする際に設定することが多い連帯保証人。住宅ローンなどでは夫や妻といった配偶者を連帯保証人にすることも多いですね。

しかし最悪の場合、借金の肩代わりをすることになってしまいます。そのため、安易な気持ちで引き受けてしまうと後々大きな後悔を呼ぶことになりかねません。

夫婦であっても離婚すれば他人に戻ります。しかし、連帯保証人の契約は解除されることはありません。また、仲のいい友人や知人に依頼されても冷静に考え、決定することが重要です。

とはいえ、契約してからことの重大さを知った、という人もいるでしょう。そして、その責任の重さから連帯保証人を解除したいと考えている人も多いはずです。

連帯保証人の解除は債務者(お金を借りている本人)や保証人の一存で行うことはできません。債権者(お金を貸している人)の同意が必要になります。ただ、一般的に債権者の同意を得るのはとても難しく、ほぼ不可能といっても過言ではありません。

また、自分の知らないところで勝手に連帯保証人にされていた、実際に連帯保証人になってみたら聞かされている契約内容と違った、などのトラブルもよく起こります。

しかし、このような詐欺に近い形で連帯保証人になってしまった場合は高確率で連帯保証人を解除することが可能です。それでもやはり専門的な手続きと知識が必要になるので、弁護士に依頼することになるでしょう。

この記事では連帯保証人は解除できるのかについて解説します。また、その解除方法についてトラブルのケースごとに解説していきます。

連帯保証人の解除には債権者の合意が必要

合意

まず、連帯保証人が契約内容について同意し、正式な手続きが行われた場合の解除方法について解説します。

連帯保証人を解除してもらうには債権者の同意を得る必要があります。しかし、実際にこの同意を得ることはとても難しいです。

連帯保証人がいなくなるということは、もし債務者が借金を返済できなくなった場合、そのまま貸し倒れになってしまうことを意味します。つまり、連帯保証人を解除することは債権者にとって何のメリットもないのですね。

そのため、どうしても保証人側が譲歩する必要があります。具体的には他の保証人を探すなどですが、これでも債権者の同意を得るのは難しいでしょう。

保証人は必ずしも一人である必要はなく、基本的に何人でも設定することができます。そして、保証人の人数が増えれば増えるほど、貸し倒れのリスクは減少していきます。

ですから、債権者側としては新しい保証人ができたとしても前の保証人をわざわざ解除するメリットはどこにもありません。保証人が多いほど都合がいいのですから。

このような理由から連帯保証人の解除について、債権者の同意を得ることはとても難しいのです。

それでも100%解除不可能なわけではない

一般的に連帯保証人の解除は難しいとされていますが、それでも絶対に無理、というわけではありません。

ある程度の金銭を支払ったり、他の財産を担保とすることで債権者の同意を得られる場合があります。具体的な金額は借金の額や債務者の経済状況、交渉内容によって左右されるでしょう。

また、この過程で支払ったお金は後から債務者に請求することができます。これを求償権といい、支払った額に5%の法定利息を追加して請求できます。

債権者としてもこれで債務者からしっかり借金の返済が行われれば、連帯保証人解除で受け取った金額は丸儲けですから悪い話ではありませんね。

債務者の経済状況が悪くなく、借金返済の見込みがあるならこの方法で債権者の同意を得られる可能性は高くなります。

それでも確実に成功するわけではなく、むしろ成功率としてはかなり低いものであることは知っておいてくださいね。

債権者との交渉は素人では難しいでしょうから、法律の専門家であり、交渉のプロでもある弁護士に相談、依頼しましょう。相談料無料の弁護士事務所も増えていますから、気軽に相談することができますよ。

ちなみに求償権は借金の肩代わりをした場合でももちろん行使することができます。ただ、借金の肩代わりをしたということは、本来の債務者には返済能力がなかったということになるので、実際に賠償してもらうのは難しいでしょう。

根保証に注意

連帯保証人にもさまざまな形態があります。その中でも「根保証」には特に注意が必要です

一般的には債務者、もしくは連帯保証人が借金を完済したら自動的に保証人の契約は解除される、というのが多くの人の認識でしょう。

しかし、根保証では一定期間の間の借金はずっと連帯保証人にされてしまうのです。さらに、保証人に契約の確認をする必要があるのは最初の一回だけで、それ以降の借金の際には確認の義務はありません。

つまり、最初の借金の返済が完了したからもう連帯保証人ではない、ということではなく、債務者が設定された期間内にさらに借金をした場合は自動的に連帯保証人にされてしまうのですね。

さらに、根保証は契約期間満了後に自動更新になっていることが多々あります。知らずに放置しているとそれこそ永遠に連帯保証人にされてしまうので、契約期間終了後には必ず解除か、更新かの意思を伝えましょう。

後になって、そんなの知らなかった!は通じませんので、連帯保証人になる際は契約内容を必ずチェックしておきましょう。また、根保証として連帯保証人になる場合はその期間、そして最大保証額も欠かさず確認しておきましょう。

手続きを経ずに連帯保証人にされた場合は解除も

レッドカード

ここまでは自身が連帯保証人として同意し、契約内容にも問題がなかった場合のケースについて解説してきました。

本来、全ての契約がこうあるべきなのですが、まれに自身が望んでいなかった形で連帯保証人にされてしまうケースがあります。知らない間に勝手に保証人にされていた!などの場合ですね。

このような場合は法的な手続きを踏むことによって契約を解除できる可能性が高いです。

ただ、場合によっては裁判になることもあります。こうなると個人で対応することが難しくなり、多くの場合弁護士に依頼する必要があります。

また、裁判を起こすとなると裁判費用、弁護士費用など多くの費用がかかってしまいます。勝手に連帯保証人にされたうえ、裁判費用まで負担するなんて納得がいかない!と思うかもしれませんが、こればっかりは仕方ありません。

予防策としては実印など、契約に関わる重要なものは第三者が簡単に触れられない場所に保管しておく、などですね。

それでは、さまざまなケースごとにどういった手続きが必要になるのかを見ていきましょう。

代筆などで全く知らないうちに連帯保証人にされた場合

本来、連帯保証人として契約する場合、本人にその意思確認を行う必要があります。この意思表示がないままに契約された契約書は「無効」となります。

ですから、本人の知らないところで代筆された契約書には法的な効力がありません。このケースではこれを利用して契約解除を迫ることになります。

具体的には、この契約書には「保証の意思」がない旨を記した書面を「内容証明郵便」で債権者に送付しましょう。

内容証明郵便とは日本郵便が第三者として郵便物の内容を証明してくれるものです。後から、そんな内容の郵便は届いていないなどとゴネられないように、必ず内容証明郵便で送りましょう。

ただ、このケースでは多くの場合において、この手続きだけで連帯保証人を解除することは難しいです。なぜなら、保証の意思が本当になかったのかどうかの確認はとても難しいからです。

ですから、契約者本人の筆跡ではない、実印が使用されていない、などの状況証拠を利用して保証の意思がなかったことを立証する必要があります。

そのまま訴訟を起こすことになる場合も多いので、あらかじめ弁護士に相談してから書面を送付するとよいでしょう。

詐欺や騙されて連帯保証人になった場合

100万円の借金の連帯保証人だと聞いていたのに、実際には1000万円の借金の連帯保証人になっていた、このような場合においても契約を解除できる可能性があります。

ポイントは債権者が連帯保証人を騙していた場合です。債務者の説明によって騙されて契約した場合、また少し事情が変わってきます。

この場合も、連帯保証人の契約は詐欺に近い形で結ばれたこと、そのため契約は無効であることの旨を記した書面を債権者に内容証明郵便で送付しましょう。

ただ、このケースにおいてもこれだけで解決するとは断言できません。契約書の内容が真っ当なものであった場合、裁判において債権者に騙されて契約したことを立証する必要があるからです。

多くの場合、契約時の説明は口頭で行われるので、あらかじめ録音しておけばほぼ完璧な証拠となりうるのですが、そこまで準備して契約することはまれでしょう。

このケースでもやはり法的な知識、手続きが必要になるので、弁護士に依頼したほうが無難だと言えます。

では、債務者に騙されて契約を行った場合はどうなるのでしょう?借金の金額はもちろん、絶対に大丈夫だから!などと安心させる言葉で契約を促された場合も騙されたうちに入ります。

このケースにおいても連帯保証人を解除できる可能性があります。本来、契約を結ぶ前に債務者は保証人に経済状態などを正しく説明する必要があります

この時点で借金の返済が苦しいことがわかっていれば多くの人が保証人にはならないでしょう。経済状態を説明する、その責任を怠った債務者には大きな落ち度があります。

これを利用して連帯保証人の解除を主張します。方法は債権者に騙された場合と同様で、債務者は経済状況を説明する責任を怠ったため、この契約は無効であることの旨を記した書類を内容証明郵便で債権者に送付します。

ただ、この場合も裁判になれば債務者の説明不足だった点を立証する必要があります。やはり素人では難しいので、弁護士に依頼することになるでしょう。

どちらの場合も、もし裁判で事実を立証できなかった場合は敗訴になり、連帯保証人の責任を負うことになります。100%勝てるわけではないことを知っておきましょう。

ちなみに脅迫されて契約した場合ももちろん解除できる可能性があります。具体的な流れは上述したケースとほぼ同じです。

未成年者が連帯保証人になった場合

親権者の同意なく未成年者が連帯保証人になった場合もその契約を解除することができます。方法は連帯保証人が未成年である旨の書面を内容証明郵便で債権者に送付します。

また、この手続きは未成年者の本人だけでなく、親権者が行うこともできます。ただ、未成年者が20歳になった時点で本人のみしか手続きできなくなるので注意してください。

さらに、親権者の同意があったとしても未成年者本人の同意がなければその連帯保証人の契約は無効です。勝手に親が自分の子供を連帯保証人にすることはできないのですね。

このように多くの場合において未成年者の連帯保証人は解除できますが、条件によっては未成年者であっても解除することができません。その条件は以下です。

・未成年者が婚姻している場合(婚姻すると未成年者でも成人として扱われます)
・未成年者が成人(20歳)になって5年以上経過した場合(時効になります)

ちなみに未成年者であっても親権者と本人の同意があれば連帯保証人になることができます。この場合は後から解除できません。注意しましょう。

追認に注意!

博士

ここまでさまざまなケースにおける連帯保証人の解除方法について解説してきましたが、解除を成功させるために絶対にやってはいけないことがあります。それが「追認」です。

追認とは実際にお金を債権者に支払ってしまうことなどを言います。たとえ1円でもアウトです

ここまでの連帯保証人解除の申し立て理由を見るとわかるように、契約解除が成立するのは、そんな契約は知らなかった、または聞いていた内容と違う、などの場合です。

追認、つまり少額でもお金を支払ってしまえば、その契約を認めたことになってしまいます。こうなれば契約内容においてお互いの同意があったと判断され、たとえ自分の知らないところで交わされた契約であっても解除は非常に難しくなります。

債権者からの催促があっても、契約に同意していないのならば金銭を支払ってはいけないということですね。

まとめ

両親

連帯保証人になった結果、その責任の重さから不安や心配で夜も眠れなくなった、という人もいます。借金の額にもよりますが、そのまま肩代わりする可能性があることを考えれば無理もありません。

絶対に安易に連帯保証人にならないように気をつけましょう。また、すでになっている人は契約内容をもう一度しっかり見直し、おかしなところがないかチェックしておきましょう。

そして、正当な手続きを経ずに連帯保証人になってしまった場合は、法的手続きを経て解除できる可能性があることを知っておきましょう。

そのためには追認を避けることがとても大切です。契約内容に納得していない場合はたとえ催促されても1円も支払わないようにしましょう。

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