最近は無料相談を受け付けてくれる弁護士事務所がたくさんあります。しかし、何の準備もなく相談に行ってしまうと、こちらの窮状が弁護士側にうまく伝わらず、最適な解決方法を提案してもらえない可能性があります。
弁護士の判断材料はできるだけ多いに越したことはありません。相談の前にかならず準備をするようにしましょう。
弁護士は専門家だが、スーパーマンではない
弁護士はおそらく、日本で一番債務整理について詳しい人たちです。しかし、それでも債務整理の全てを知っているわけではありません。彼らは相談しただけで物事を解決してくれるスーパーマンではないのです。
債務整理はあくまでも債務者が主体的に動くべきものであって、弁護士はその手助けをしてくれるだけです。もちろん手助けがあるとないのとでは債務整理に掛けなければならない労力に大きな差が出ますが、弁護士に頼むだけではダメだということを覚えておいてください。
相談の前に情報収集&整理しよう
相談に前にするべきことは情報収集と整理です。今こちらがどのような状況に落ちっているのかを示す資料=情報が多いほど、弁護士は最適な判断を下せるようになります。では、一体どのような情報を集めれば良いのでしょうか。
個人に関する基本情報
最初に用意するのは個人の基本情報です。具体的には氏名、年齢、住所、生年月日などです。これらの情報は収集するまでもないことかもしれませんが、念の為に免許証や保険証などの身分証明書を用意しておきましょう。
借金に関する情報
もっとも重要なのがこの借金に関する情報です。弁護士といえども、どこでどれだけ借りているのかがわからなければ、最適な提案をすることはできませんし、金融機関に受任通知を送付することもできません。
自分はどこの消費者金融から、あるいは銀行から、どれだけの借金をしているのか、金利は何%なのかなどを必ず調べておきましょう。
そうした情報は契約書や借用書に記載されているので、そのコピーをとっておいてください。また、直近の取引明細もあるにこしたことはありません。
借り入れをしたのがずっと前のことで正式な書類がなくなっている場合や、どこから借りているのかすらよくわからなくなってしまった場合は、個人信用情報機関に問い合わせてください。
個人情報信用機関とは、故人の借金に関する情報をまとめて管理している民間の機関です。金融機関が借金の審査を行う際にはこの機関に情報の問い合わせを行うのですが、故人が自分の借金を調べるために利用することもできます。現在、日本には
JICC(日本信用情報機構)
株式会社シー・アイ・シー
全国銀行個人信用情報センター
の3つの個人信用情報機関があります。1機関につき500円程度で情報開示請求ができますので、どこから借りているのかわからなくなってしまった場合はすべての機関に問い合わせてください。
なお、すでに完済した借金がある場合は、そちらに関する情報も調べておいてください。過払い金が発生している場合、払い過ぎた利息を取り戻せる可能性があります。
収入と支出に関する情報
適切な債務整理を選ぶためには、収入と支出に関する情報が必要です。同じ額の借金があっても、高給取りな人と安月給な人では最適な選択肢が異なってきます。
最低でも直近1ヶ月分の収入と支出を把握しておいたほうが良いでしょう。収入は給料明細などから確認できます(自営業者の人の場合は、確定申告書が役立つかと思います。)が、支出は家計簿などを付けておかなければわかりません。
家計簿は支出を証明するだけでなく、無駄遣いを把握する上でも便利なものですので、現在家計簿をつけていない人は早速今日からつけ始めましょう。
財産に関する情報
財産がある場合は、それについても調べておきましょう。まずは普通預金や定期預金などがいくらあるのかチェックしてください。それ以外にも保険、持ち家、自動車など、財産と呼べそうなものは一通りリストアップしておきましょう。
高価な財産がある場合はそれを売却して借金の返済に当てるという選択も視野に入ります。
弁護士に相談する際のポイント
弁護士に相談する際に最も気をつけなければならないことは、嘘をついてはいけないということです。債務整理は場合によっては裁判に進むこともあります。
隠していたことが後で発覚したりすると、裁判で負ける可能性が高まってしまいます。また、債務整理が十分に行われず、トラブルに巻き込まれるかもしれません。
弁護士には守秘義務があり、そこで得た情報は業務以外では一切使うことがないため、躊躇する必要はありません。すべてを包み隠さず話せば、それだけ適切な債務整理を選択できる可能性が高まります。まずは無料相談するところから始めてみてください。