借金のある親と縁を切る方法

親子の愛は海より深い、などといいますが、それも結局は親子によりけりです。確かに深い愛情から成り立っているような親子もありますが、一方で子を子とも思わない親、あるいは親を親と思わない子がいるのもまた事実です。

仮に親が借金を作って、それを子供に押し付けようとしてきた時には、一体どうすれば良いのでしょうか?

残念ながら親子の縁は法的には切れない!

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まず、結論から言えば、親子の縁を切る方法はありません。養子の場合は縁を切ることもできますが、実子の場合は不可能です。子供がどれだけ望んでも、親は一生親のままなのです。では、親が借金を一方的に押し付けようとしてきた時にはどうすれば良いのでしょうか。

親の借金を子供が返す必要はない

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親の借金は親の借金であり、子供が返す必要はありません。そのルールについては債権者も十分把握しているので、あなたのもとにいきなり借金取りがやってきて返済を催促するようなことはありません。

しかし、そういった難しいことを知らない親は、ヒステリックにあなたに対して借金を代わりに返せと叫んでくるかもしれません。そうなった時に活用したいのが「親族関係調整調停」です。

親族関係調整調停とは

親族関係調整調停とは、親族の間で感情的な対立、あるいは紛争などが発生し、家庭内での解決が難しくなった場合に利用できる家庭裁判所の超低制度です。借金にかぎらず、ありとあらゆる親子間トラブルに利用できる幅広い制度です。

民事調停と違い調停費用が一律1200円と安価に抑えられているなどのメリットが有ります。調停手続きでは双方の言い分を聞いたあと、家庭裁判所の調停員が解決案を提示したり、解決のために必要な助言を行います。

調停は原則として平日に行われ、概ね2時間程度かかります。調停員は中立な立場から話し合いを調停し、合意に至れば調停は成立します。

便利な制度であることは間違いないのですが、あくまで調停には双方の合意が必要になります。親が話し合いがとても行えるような人間なかった場合にはどうすれば良いのでしょうか。

親とかかわらずに生きる

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こうしたまともな話し合いが通用しない人間と話しあおうとしても無駄です。話ができない人間と話し合うのは、猿と話し合うのと何も変わりません。そうした人の元からは、すぐに離れるのが最善の選択です。

親に対して離れると宣言する必要もありません。ただ黙って離れていけば良いのです。進学や就職など、親元を離れる機械が間近に迫っている人は、それをダシにして(といったら良い方が悪いかもしれませんが)親から距離を取ってください。

ただ、中にはそれが難しいという人もいるでしょう。職場や家に押しかけられたらどうするんだ、と思われるかもしれません。警察は民事不介入の原則がありますので、こうしたケースではあまりあてになりません。

それよりは弁護士に相談した方がいいでしょう。必ず協力が得られるとは限りませんが、警察よりはよっぽど当てになるはずです。弁護士費用はかかりますが、幸せと自由を手に入れるための費用だと思って割りきりましょう。

また、職場や自宅の周辺などで味方を作っておくことも大切です。中には親子だからという理由で合鍵を渡してしまうような大家もいます。そうした大家の管理しているアパートやマンションに住んでいてはいけません。一刻も早く引っ越しましょう。

親が生活保護受給者になったら

親が生活保護の受給申請を行うと、子供のもとに「あなたの親が生活保護受給の申請をしましたが、あなたが親を扶養することはできませんか?」という書類が届くはずです。

書類を受け取った子供は、親を援助するか、援助しないかを自分の意志で決めることができます。援助したくないのならば、たとえ金銭的に余裕があったとしても援助する必要は全くありません。

援助を断っても、役所の方から援助を強制されることはありません。じゃあしょうがないですね、で終了です。一時的な同情から援助を始めてしまうとのちのち苦しむことになるので、親に対して何の愛情もないのならばきちんと断りましょう。

借金を抱えていた親が死んだら

借金を抱えていた親が死亡したとしても、連帯保証人になっていないかぎりは借金を肩代わりする必要はありません。しかし、財産を相続する場合は一緒に借金も相続することになるので注意が必要です。

相続ではプラスの財産とマイナスの財産を両方引き継がなければならないというルールが有ります。土地や預金だけもらって、借金は継がないというようなことはできないのです。

相続をしたくない場合は、相続放棄の手続を裁判所で行う必要があります。相続放棄の手続は、親が死亡してから3ヶ月以内に行う必要があるので注意が必要です。

遅れてしまうと強制的に借金を引き継がされることになってしまいますので、親が死亡したらなるべく借金を早く洗い出すようにしましょう。