年収300万で住宅ローンが組める?

住宅ローンの審査基準は金融機関によって異なってきます。申し込みをした金融機関から「返済能力がある」と判断されることが重要になります。

審査基準がさまざまであるとは言っても、やはり年収が高くて安定した収入がある人は返済能力がありと判断される可能性が高いでしょう。

年収300万円の人は一般的には住宅ローンの審査に通ることは難しいと言われていますが、ケースバイケースです。ここでは年収300万円前後の人に焦点をあてて解説していきます。

住宅ローンの申し込み条件

住宅ローンの申し込み条件としては、年齢条件、収入条件、返済比率の3つが重要になります。外国人の場合でも永住権を取得していれば申し込みが可能です。

年齢条件

借入時に20歳以上70歳
完済時に80歳の誕生日まで

というところが多いようです。

・借入時に20歳以上65歳

となっているところも多いです。基本的には借入時の年齢の上限は65歳~70歳となっていますが、中には、

・借入時に20歳以上55歳

というように年齢条件がかなり厳しくなっている住宅ローンも存在します。

完済時の年齢は80歳で共通しているように思います。

収入条件

安定かつ継続した収入がある人

昔は正社員の人でないと住宅ローンを組むことは難しかったですが、非正規社員の増加という社会問題に金融機関も対応してきており、契約社員や派遣社員の人でも申し込みは可能となっています。

アルバイトの人は断られる可能性が高くなるようです。

アルバイトでも安定かつ継続した収入があるという条件を満たしていれば申し込みができる金融機関も存在しています。

自営業の人の場合、安定した収入を得ているということが重要になります。医者や弁護士の人は自営業でも住宅ローンで有利になります。

返済比率

フラット35の場合、返済比率の基準さえ満たしていれば勤務形態は問われません。派遣社員、契約社員、アルバイトでも返済比率の基準さえ満たしていれば申し込みが可能です。

年収400万円未満…30%以下
年収400万円以上…35%以下

フラット35の場合、返済比率の基準は30%以下となります。

年収400万円以上の人の返済比率の基準が35%以下と緩く設定されているのは、年収が高い人は生活に余裕があるからでしょう。

しかし、年収が高い人は教育費などで多額のお金を使う傾向があるので、35%以下という基準は満たしている必要があるようです。

返済比率=ローンの年間返済額÷年収

で計算されます。返済負担率という呼び方をすることもありますが、同じ意味です。

年収が300万円の人の場合、

300万円×30%=90万円がローンの返済に使えるお金となります。

外国人でも住宅ローンが組める?

日本国籍の人または永住許可等を受けている外国人

という条件がついていますので、日本人の人はもちろん、永住許可を受けているならば外国人でも住宅ローンが組めます。

・国内にお住まいの人

というシンプルな条件となっていることもありますが、この場合でもやはり外国人の人は永住許可を受けていないと難しいようです。申し込みはできても、永住許可がないと保証会社の審査ではじかれる可能性が高くなります。

年収300万円の人はいくらまで借りられる?

年収300万円の人でも他の条件さえ満たしていれば住宅ローンに申し込みをすることができます。

問題は、いくらまで借りられるのかということになります。

返済比率で計算をしてみる

フラット35の基準で考えると、返済比率が30%ならばギリギリ借りることができます。

年収が300万円の人の場合は、年間返済額が90万円になります。

他に自動車ローンなどの借金がないということも条件となります。

最長35年の住宅ローンを組むと、

90万円×35年=3,150万円

のローンを組めるということになるのでしょうか?

ここで忘れてはならないのが金利です。金利が1.5%、35年のプランで2,400万円を借りたとしてシミュレーションをすると、結果は

返済総額:30,863,159円

となり、返済比率30%に近いラインとなります。

金利が1.5%(固定)のところで住宅ローンを組んだとしたら、2,400万円くらいが借りられる上限となるということです。金利がもっと低ければ借りられる金額は上がります。

一般的には、返済比率25%以下が無理なく返済していける目安となります。

ローンを返済できなくなったらせっかく購入したマイホームを失ってしまうので、返済比率30%ギリギリのラインで借りるのではなく、もっと余裕のある返済プランにしておくのが無難でしょう。

年収の5倍という目安

年収の5倍という目安も有名です。

年収が300万円の人の場合、

300万円×5=1,500万円

というのが無理なく返済をしていける借入額ということになります。

「年収の5倍」という基準はシンプルですが、金利について考慮されていないという欠点もあります。

現在は金利がとても低い状態にありますので、この基準はあてはまらなくなっているという意見もあります。

住宅ローンの審査のポイント

住宅ローンの審査でポイントとなるのは、年収、年齢、勤続年数、勤務形態、個人信用情報などです。

家の担保としての価値も重要

家の価値については、基本的には購入価格がそのまま不動産の価値とみなされるので、あまり影響はしないこともあります。

しかし、銀行が独自の基準で判断をしますので、場合によっては不利になることもあるようです。

例えば、築年数が25年くらい経過した中古一戸建てで、2,500万円の価格がついているが、実際の価値は1,500万円しかないというケースなどもあります。

築年数が25年くらい経過していると建物の価値はほぼゼロになっていることも少なくありません。しかし、見た目が綺麗ならば500万円くらいの価値をつけて売りに出す売主も多いようです。

中古物件を購入する時には特に気をつけておくべきポイントです。数万円のコストをかけてでも専門家に調査を依頼する価値はあるでしょう。

他社からの借入は完済しておく

年収が300万円という人は、他社からの借金が少しでもあると大きく不利になってしまうこともあります。

消費者金融のカードローンを持っている人は、実際に借りている金額がゼロでも解約をしておきましょう。

クレジットカードについているショッピング枠は借金とはみなされませんが、キャッシング枠は借金とみなされます。キャッシング枠をゼロにしておくか、カード自体を解約しておきましょう。

ショッピング枠は一括払いにしている分には影響しませんが、分割払いやリボ払いで支払っていると借金としてみなされます。住宅ローンを借りる前は分割払いやリボ払いはなるべくやめておきましょう。

自動車ローンのような金利が低い借金は無理に返済をする必要はないという意見もあります。しかし、それらの借金もすべて完済しておくことが少しでも審査で有利になるためのコツです。

派遣会社が同じなら勤続年数はリセットされない

派遣で働いている人は、頻繁に職場が変わる傾向があります。

職場が変わっても派遣会社が同じなら勤続年数は継続できるということを覚えておくと役に立つでしょう。

A派遣会社に所属、B会社で勤務・・・1年
A派遣会社に所属、C会社で勤務・・・2年
A派遣会社の技能社員となり、D会社で勤務・・・2年

このケースでは、ずっとA派遣会社に所属をしているので、勤務先の会社が変わっても勤続年数は継続され、合計5年となります。

勤続年数が2年と5年ではかなり違いますので、申し込みの時には間違えないようにしておきましょう。

派遣社員として働いている人は複数の派遣会社に登録をして、条件の良い仕事を与えてくれる会社で働きたいと思うでしょう。

しかし、派遣社員の人も1つの会社でずっと働き続けたほうが金融機関からの印象は良いので、住宅ローンの審査を受ける前の転職には慎重になりましょう。

個人信用情報

住宅ローンの審査を受ける前には、個人信用情報を良好な状態にしておくことがとても重要です。

それまでクレジットカードやローンなどをいっさい利用をしたことがないという人は、個人信用情報になにも記録がないという状態(スーパーホワイト)となっているので、不利になるようです。

住宅ローンへ申し込みをする1年~2年くらい前からクレジットカードを契約して、良好なクレジットヒストリーを積んでいくようにすると良いでしょう。

ブラックリストにのってしまっている人は、基本的には住宅ローンは諦めなければなりません。とはいっても、ブラックリストにのってからおよそ5年が経過していれば審査には影響しなくなります。

ブラックリストにのってから住宅ローンの審査に影響する期間をまとめると、次のようになります。

長期延滞・・・借金の完済から5年
任意整理、特定調停・・・和解から5年
個人再生、自己破産・・・10年

長期延滞というのは一般的には3ヶ月以上の延滞のことを指しますが、61日の延滞でもブラックリストにのってしまうことがあるので注意をしておきましょう。

長期延滞をしている人は借金を完済させるということが1つの条件となり、その後5年間ブラックリストにのってしまいます。任意整理などを検討したほうがメリットがあるでしょう。

個人再生と自己破産では10年間という長い期間住宅ローンが組めなくなります。

正社員への転職がおすすめ

最長35年という長期の借入となる住宅ローンでは、安定した収入を得ているということがなにより重要になります。

現在は派遣や契約社員でも住宅ローンを借りられるようにはなっていますが、やはり正社員のほうが有利になります。

住宅ローンを借りる直前で転職をすることはおすすめができませんが、1年以上の猶予がある場合には転職を検討してみましょう。

転職をすると基本的には勤続年数はリセットされますが、キャリアアップのための転職であったり、職業に連続性があったりする場合には前職の勤続年数も加算できるケースがあります。

転職サイトの中でも最大手であるDODAには登録だけでもしておきましょう。

DODAでは完全無料で転職エージェントのサービスを受けられるので、住宅ローンを組みたいということも一緒に相談をしてみると良いかもしれません。