借金があっても住宅ローンや自動車ローンは組めるの?

消費者金融で借金をしているけれど、さらに住宅ローンや自動車ローンを組めるのだろうか?その疑問、このページでお答えします。

結論からお話しすると、たとえサラ金や銀行から多額の借入をしていても、これらのローンを利用することは可能です。

住宅ローンと自動車ローンは総量規制と呼ばれる規制の範囲外であり、現在の借入額に関わらず利用できるのです。総量規制についての詳細は後述しますね。

ただ、もちろん無条件でローンを組めるわけではありません。一般的な借金の場合と同様に審査があり、それをクリアできないとお金は貸してもらえません。そして、他に高額な借金がある場合は、この審査で不利になってしまう可能性があります。

どうすれば審査に通りやすくなるかも解説していくので、ぜひ参考にしてくださいね。

借金の限度額を決める総量規制とは?

あまり知られていませんが、借金は無限にできるわけではありません。複数社から借金していると審査を通過しづらくなる、というのも一つの理由ですが、それ以上に総量規制によって限度額が設定されているためです。

総量規制は、「賃金業法」という法律の中で定められている、借金に関するルールの一つで、個人の借金の限度額を明確に規制しています。

総量規制によって、個人は年収の3分の1の額までしか借入できません。たとえば年収が300万円だったとしたら、消費者金融では100万円までしか借金できない、ということですね。

ただ、銀行からの借り入れは総量規制の範囲外となっているので、銀行からならばこの規制にとらわれず借金することも可能です。

しかし、最近は銀行も総量規制による規制を重視しており、法律上は問題なくても、審査落ちによって借入できない、というケースが増えているようです。

複数社から借入すれば、総量規制に関係なくいくらでも借金できるのでは?と思った人もいるかもしれません。確かに、A社から100万円、B社から100万円、C社から100万円・・・と借りていけば、無限に借り入れできるように思えますね。

ただ、当然ですがそれはできません。というのも、消費者金融や銀行はその顧客の借入状況をすべて把握しているためです。

ほぼ全ての賃金業者は「信用情報機関」と呼ばれる団体に所属しており、自社の顧客情報をその機関に送っています。そして、信用情報機関は送られてきた情報を、団体に所属している全ての業者と共有します。

つまり、A社で100万円借りたなら、その情報が信用情報機関を介してB社やC社にも伝えられてしまうのです。これにより、B社やC社から借り入れしようとしても総量規制に引っかかり、審査落ちしてしまいます。

このようにして、個人が借金できる限度額は厳密に規制されているのです。

住宅ローンや自動車ローンは総量規制の範囲外

年収の3分の1を超えて借金はできないと定めている総量規制ですが、幸いなことに住宅ローンや自動車ローンはこの規制の範囲外となっています。

ただ、これは当たり前と言えば当たり前で、とくに住宅ローンは数千万円ほどの借入額になることも珍しくありません。これに総量規制を当てはめると、誰も住宅ローンなんて組めなくなってしまいますよね。

この2種類以外にも、「不動産担保貸付」も総量規制の例外となっています。不動産担保貸付とはその名の通り、自分が所有している不動産を担保に高額な融資を受ける方法で、こちらも百万、千万単位での借り入れが可能です。

ただ、ローンを利用できるのと、実際に融資を受けられるかは別問題です。確かに、これらのローンは現在の借入額に関わらず利用できますが、必ず審査をクリアできるとは限りません。

さらに、すでに借金があるなら審査で不利になるのは明白です。どういった状況だと審査で不利になるのか、以下で見ていきましょう。

ローンの審査で不利になる3つの項目

ローンの審査項目は非常に多岐にわたります。職業や年齢、融資希望額などが審査の対象になり、これらの要素から総合的に判断しています。

その中の一つに、現在の借金状況があります。いくら借金があるのか、何社から借りているのか、そして過去に金融事故を起こした経歴はないか、などですね。一つずつ詳しく解説していきます。

現在の借入額が大きいほど不利になる

先述したように、金融機関は顧客の借入状況を全て把握しています。そのため、現在、何社から借り入れをしているか、その総額はいくらであるかは筒抜けであると言っていいでしょう。

一般的に、現在の借入額が大きいほど審査で不利になるとされています。借金が多いほど、その人は資金繰りに困っているということですから、踏み倒されるリスクがあるのでは、と金融機関は判断するのですね。

当たり前ですが、銀行は消費者金融はリスクが高い顧客にはお金を貸しません。もし踏み倒されてしまえば大損になってしまいますからね。

ですから、現在多額の借金をしている場合は、ローンの審査で相当不利になると考えておくべきです。可能であるなら、それらの借金を精算してから申し込むようにしましょう。

複数社から借り入れていると不利になる

複数社から借金をしている事実も審査に悪影響を与えます。1社で借りられる限度額だけでは足りず、よほど資金面で困っているんだろうという印象を与えてしまうためです。

また、多重債務者は自己破産や任意整理といった、債務整理を行う可能性が高いというデータが存在します。債務整理は法律にのっとった合法な手段ですが、金融機関側からするとそんなことは関係なく、踏み倒されたのと変わりません。

ですから、多重債務者にはなるべく融資しないようにしているのですね。2社程度なら問題はないかもしれませんが、4社、5社になってくると審査を通過するのは厳しいと言わざるをえません。

現在、多重債務をしているなら、まずは1社だけでも完済していくようにしましょう。それが難しい場合でも、借り換えローンを使えば借金を1社だけにまとめることが可能です。

借り換えローンやおまとめローンを利用すれば、金利が下がって支払う利息が減るといったメリットもあるので、多重債務で悩んでいるなら、これらを検討してみてもいいかもしれません。

金融事故の履歴が残っていると審査は通らない

金融事故とは、借金の延滞や債務整理を行った事実のことです。これらの記録は情報信用機関に一定期間登録され、その記録が残っている間は住宅ローンや自動車ローンを利用できません。申し込み自体はできますが、ほぼ100%審査で落とされてしまうでしょう。

どれくらいの期間、記録が保存されるかは事故の種類によります。たとえば、延滞であれば1年または5年、自己破産であれば5年または10年間、記録が残されてしまいます。

ただ、延滞記録については、1日でも返済が遅れたからアウトというわけではありません。具体的にどのくらいの期間、返済が滞ると記録として保存されるかは業者によって異なりますが、一般的には3ヵ月程度だとされています。

また、延滞記録が消滅するのは、完済してから1年、もしくは5年であることに注意しましょう。

自分の金融事故の記録が残っているかどうかは、信用情報機関に開示請求することで調べられます。信用情報機関は3つの組織から成っているため、その全てに開示手続きを行う必要があります。

過去に金融事故の経験があって、それから十分な時間が経っていないなら、開示手続きを行ってからローンの申し込みをしたほうがよいでしょう。記録が保存されている間は、何度申し込んでも審査をクリアできないので、骨折り損になってしまいます。

もう一つ注意したいのが、金融事故を起こした金融機関から再度お金を借りるのは、非常に困難であるということです。

信用情報機関に保存されている金融事故の情報は数年で抹消されますが、実際に利用した金融機関からその記録が消えることはありません。一度不義理を働いた相手に対して、もう一度チャンスをあげるほど業者も優しくありません。

ローンを利用する場合は、金融事故を起こした会社とは別のところを選ぶようにしましょう。

過去に大きな借金をしていても、しっかり返済していれば問題はない

よく、過去に大きな借金をしたからローンを利用できないのでは・・・という悩み相談を見かけますが、たとえ数千万円の借金をしていても、きちんと完済できているなら何も問題はありません。

むしろ、「この人はしっかり借金を返済してくれる人」のような好印象を与えられる可能性すらあります。これはリボ払いやキャッシング、カードローンなど、借金の種類によらずそうなので、安心してローンの申し込みをしてくださいね。

まとめ

借金があっても、住宅ローンや自動車ローンは利用できます。これは借金の額に関わらずです。

ただ、借入状況によっては審査で大きく不利になってしまう可能性があります。ローンの申し込み前にはなるべく借入残高を少なくしておきましょう。

また、複数社から借り入れをしている場合は、借り換えローンやおまとめローンを利用して、1社か2社程度に借金をまとめておきたいところです。

ローンの審査結果は融資希望額によっても変わります。一度断られてしまっても、希望額を減らしたり、返済期間を長くしたりすることによって、審査をクリアできるようになる可能性があるので、諦めずに何度かチャレンジしてみましょう。