うつ病で借金が返済できなくなっても、解決策は必ず残されていますので、投げやりにならないようにしましょう。
病気で働けないという状況なら、弁護士費用ゼロで自己破産ができるケースもあります。
うつ病にかかった後の手続きの流れ
うつ病にかかったかもしれないと思ったら、すぐに病院に相談をしましょう。
初診日が重要になる?
だれだって、自分の病気が悪化することなどは考えたくもないでしょう。しかし、後で後悔してしまうことも多いので、病気が悪化してしまうことも想定して、将来のことを考えておきましょう。
うつ病でも障害等級2級と判定されて、障害基礎年金が受給できることがあります。働いている人なら、障害厚生年金も受けられる可能性が高いです。
障害基礎年金にしても、障害厚生年金にしても、初診日が重要になります。
2、初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと
という2つの条件を満たしていないと、障害基礎年金、障害厚生年金は受給できません。
早く病院で診察を受けないと、初診日がずれる?
働いている時にうつ病にかかったかもしれないと思っていたが、病院には行かなかったとします。
その後仕事を辞めて、1年後くらいに病院にかかって、うつ病と診断されても、初診日の条件を満たさないため、障害厚生年金は受給できません。
国民年金をきちんと納付していたか、免除を受けていた場合には障害基礎年金のほうは受けることができます。国民年金を未納だった場合には、障害基礎年金もずっと受けることができなくなります。
なるべく働いていて、厚生年金を納めている時に病院で診察を受けましょう。初めて精神病院などで診察を受けたその日が初診日になります。メンタルクリニックなどでもかまいません。
うつ病で退職・休職をする場合
うつ病にかかって退職・休職をすることになっても、傷病手当金が支給されるので、しばらくの生活費は確保できます。
傷病手当金とは?
傷病手当金でもらえる金額は、給料の約3分の2です。
月収30万円なら、月額20万円程度がもらえるということです。しかも、この傷病手当金でもらったお金は非課税なので、所得税・住民税が引かれません。
最長で1年と6ヶ月受給することが出来ます。
1年と6ヶ月は傷病手当金をもらい、その後は障害認定を受けて障害基礎年金、障害厚生年金をもらうという流れも可能です。
失業保険とどちらがお得?
失業をした人は、失業保険を受給するという選択肢もありますが、金額についても、期間についても、傷病手当金のほうがお得です。
退職をする前に病院へ行くことが重要
傷病手当金は、退職をする前に病院へ行って、一定の期間労働ができない状態にあると診断を受けている必要があります。
退職をした後になって病院へ行き、うつ病で労働ができないと診断されても、傷病手当金はもらえませんので注意をしておきましょう。
本当にうつ病?症状をチェック
うつ病の症状としては、次のようなものがよくあげられます。
・食欲不振
・やる気が出ない
・睡眠障害
・自殺を考える
・妄想的になる
・自分に対してネガティブ
インターネットのうつ病診断なども参考になります。
インターネットのうつ病診断を受けて、「うつ病の可能性が高い」と出たとしても、病院へ行ってみたら「うつ病ではない」と言われたり、別の病気と診断されたりすることもありますので、絶対ではありません。
新型うつ病とは?
最近では、新型うつ病というものも登場しているようです。新型うつ病の場合には、うれしいことがあると気分が健康状態にまで回復します。
・過食
・睡眠のとりすぎ
・他人に対する攻撃的な姿勢
というように、従来のうつ病とは正反対の特徴があります。このような症状に該当する場合にも、病院で診察を受けてみましょう。
その他の精神病の可能性も
自分がうつ病かもしれないと思って病院へ行ってみたら、他の病気だったということもよくあるようです。
社会不安障害の可能性も?
社会不安障害とは、以前は「あがり症」とか「対人恐怖症」などと呼ばれていたものです。
あがり症はだれにでもあることであり、病気ではないと考える人もいますが、現在は病気として認定を受けることができます。
発達障害とは?
発達障害にはいくつかの種類があり、自閉症、アスペルガー症候群、ADHD、学習障害などが有名かもしれません。
成人になってから発達障害と診断される、大人の発達障害も増えているようです。
・周囲の人とのコミュニケーションがうまくいかない
・物忘れが多い
・整理・整頓ができない
・時間を守れない
・落ち着きがなく、そわそわしてしまう
・空気が読めない
こういったことはだれにでもあることですが、いつもこのような状態が続いており、日常生活にも支障が出てしまうレベルだとしたら、発達障害の可能性が高いでしょう。
学力には問題がないため、学生の時には問題が表面化しないが、社会人になってからトラブルが多発し、表面化してしまうようになるのが、大人の発達障害です。
借金を抱えたままうつ病になったら?
うつ病になっても、障害手当金や障害年金などを受けることもできるので、生活には問題がないことも多いです。しかし、借金を返済していくだけの余裕はないでしょう。
親からの援助を受ける
一番良いのは、親から援助を受けるということです。親や兄弟には扶養義務がありますので、収入に余裕があれば援助をする義務があります。
自分の身を切って援助をしなければならないほどの義務ではないので、親や兄弟が一般的な収入しか得ていない場合には、援助は期待できないかもしれません。
債務整理をする
借金を抱えたままうつ病になってしまったら、早い段階で弁護士に相談をしましょう。
任意整理
任意整理をすれば将来利息を全額カットできます。消費者金融やクレジットカードのリボ払いなど、金利が高い借金を抱えている場合には大きく負担を減らせる可能性があります。
すでに借金を延滞してしまっている人は、多額の遅延損害金が発生しているかもしれませんが、それもカットできます。しかし、なるべく延滞をする前の状態で弁護士などに相談をしましょう。
個人再生
個人再生では元本までも大きく減らせます。100万円~500万円の借金なら、100万円まで圧縮することができます。
しかし、100万円未満には借金の金額を減らせませんので、借金の金額が100万円~150万円くらいの場合にはあまりメリットがありません。
とても複雑な手続きですので、弁護士に依頼をするのが一般的です。弁護士に依頼をしたら弁護士費用も40万円~55万円くらいかかってしまうので、合計で140万円以上は債務が残ります。
うつ病で働けない状態にある人は、この方法では解決できない可能性が高いかもしれません。
自己破産
自己破産をすれば借金をすべて帳消しにすることができます。その半面で、資産をすべて失うというデメリットも存在します。
借金はすべてゼロになりますので、弁護士費用の30万円~40万円くらいが残るだけとなります。
生活保護を受けている人で、自己破産の手続きが終わった時点でも生活保護から抜け出せていない場合には、弁護士費用についてもゼロにできる法テラスの制度があります。
過払い金請求をする
過去にグレーゾーン金利で消費者金融もしくはクレジットカード会社から借金をしていた人は、過払い金が発生しています。過払い金請求をすることで借金をゼロにできる可能性がありますので、弁護士や司法書士に相談をしてみましょう。
債務整理のデメリットは?
債務整理をするとブラックリストにのってしまうというデメリットがあります。
任意整理なら5年間、個人再生と自己破産なら5年~10年間という長い間、ブラックリストにのってしまいます。
過払い金請求をしただけの場合には、基本的にデメリットはありません。
うつ病で働けない状態にある人でも、障害年金などの収入があればクレジットカードは持てる可能性があります。金融機関からの信用を失い、クレジットカードを作れなくなるのは痛いかもしれません。
デメリットについてもよく理解をして、債務整理をしましょう。
生活保護という最後の手段もある
傷病手当金も、障害年金も受けられず、借金が残ったまま生活していく手段がないという人は、生活保護という最後の手段もあるので、早まらないようにしましょう。
生活保護を受けるためには、一定の条件を満たしている必要がありますが、うつ病で働けず、借金を抱えている人はその条件を満たしている可能性が高いです。
借金を抱えている人はすでに資金がマイナスとなっていますので、早い段階で福祉事務所に相談を受けましょう。条件を満たしていればすぐにでも生活保護の申請ができるでしょう。
その後に法テラスの立替制度を利用して自己破産をすれば、無利子で弁護士費用を借りることができます。
さらに、自己破産が終わった時点でも生活保護を受けていたら、返還義務が免除されます。すなわち、コストゼロで自己破産をすることができます。