借金の原因などの統計を集めてみた

人は借金をしているという事実をなかなか人に話したがらないものです。

自動車ローンや住宅ローンは比較的前向きで投資に近い性格を持つ借金であるためその存在を公にするのに抵抗のない人が多いようですが、カードローンやキャッシングの利用はうしろめたさからかひた隠しにする人が多いようです。

そこで今回は、そんななかなか公にならない借金の統計をいろいろと集めてみました。人がどれくらいどのような借金をしているのか、またちゃんと返済できているのかが気になるという方にぜひ参考にしていただきたいと思います。

借金の統計はなぜ少ないのか

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債務整理の方法は大きく、任意整理、個人再生、自己破産の3つに分類することができます。このうち、最も実施者数が多いのは任意整理です。任意整理は債権者(金融機関)と債務者(借り手・弁護士)の私的な話し合いによって、借金を減額してもらう制度です。

私的な話し合いであるため体系だった統計などが存在せず、それゆえに借金の実態がなかなか見えてこないのです。一方、自己破産については公的な手続きであるため各種の統計が残っています。まずは自己破産に関する統計を見ていきたいましょう。

自己破産者は平成15年をピークに減少してきている

自己破産申立件数は原則として経済状況が好調な時には少なく、不調な時には多くなります。

司法統計によれば、バブルがはじける以前の自己破産申立件数は年間1万件~1万5000件程度と低いところで安定していましたが、バブルが崩壊した1991年~1992年ごろから急激に増え始めます。

平成10年には史上初めて自己破産申立件数が10万件を超え、平成14年には20万件を超えました。ピーク時の平成15年時には25万2000件にまで達していました。

しかし、その後自己破産申立件数は減少の一途をたどっています。平成17年には再び20万件を割り、平成20年には15万件を割り、平成24年には10万件を割りました。平成27年の自己破産申立件数は7万件ほどと、最も多かった時期の3分の1以下にとどまっています。

自己破産以外の債務整理の選択肢があることが十分に周知されたこと、経済状況が多少なりともよくなってきていることなどが原因と考えられます。

自己破産者の原因は「生活苦・低所得」がトップ

日本弁護士連合会が2005年発表した調査結果によれば、自己破産の原因のうち最も多いのは「生活苦・低所得」で24.47%でした。ついで「負債の返済」が12.78%、「保証債務・第三者の債務の肩代わり」が9.92%、「病気・医療費」が9.06%で続いていました。

自己破産者の月収はほとんどが「30万円未満」

日本弁護士連合会が2005年発表した調査結果によれば、自己破産者の月収分布で最も多いのは「5万円未満」で33%でした。

ついで「10万円以上15万円未満」が18%、「15万円以上20万円未満」と「5万円以上10万円未満」が14%、「20万円以上25万円未満」が11%で続いていました。月収が30万円を超えていたのは全体のわずか5%でした。

自己破産者の住居形態は「持ち家でない」が約3分の2

日本弁護士連合会が2005年発表した調査結果によれば、自己破産者の住居形態分布で最も多いのは「持ち家でない」が65.59%でトップでした。以下「家族所有」が23.78%、「本人所有」が6.97%と続いています。

自己破産者の職業は「給与生活者」が最も多いが「無職」も約3割

日本弁護士連合会が2005年発表した調査結果によれば、自己破産者の職業分布で最も多いのは「給与生活者」で36.9%でしたが、「無職」も28.05%とかなりの割合を占めていました。

「パート・アルバイト・期間社員」は20.12%、「自営・自由業」は6.79%、「年金生活者」は3.57%でした。

借金自殺者数は不明だが、毎年数千人が「経済問題」で自殺している

警察庁の発表によれば、日本人の自殺者数は年間でおよそ約3万人程度で、ここ数年はやや減少傾向にあります。その内訳を見た場合、最も多い原因は「健康問題」で50%、以下「経済問題」が17%、「家庭問題」が14%、「勤務問題」が9%と続いています。

もちろん、経済問題がすべて借金問題というわけではありませんが、自殺者3万人の約17%、つまり5000人が経済問題で自殺していることになっています。

もちろん、借金問題で自殺をする必要など全くありません。借金は合法的に減らしたり、なくしたりすることもできます。自殺する前に、弁護士や司法書士などに相談しましょう。

ちなみに、日本は世界的にも自殺者数が多い国として知られていますが、それでも世界ワーストというわけではありません(世界12位)。ワースト3は「ガイアナ、韓国、スリランカ」です。

また、年齢別に見た場合、若年層の自殺者の割合数は世界34位のアメリカよりも少なく、中年期になると一気に増えるという特徴があります。

前述のとおり日本人の自殺の原因の50%は健康問題です。中年期に差し掛かり健康問題を抱えて自殺……というパターンが多いのかもしれません。

土地家屋借金返済は全国平均で3万3518円

平成25年時点での土地家屋借金返済は全国平均で約3万3518円です。都道府県別に見た場合、千葉県が5万7684円でトップ、以下埼玉県が5万3677円、鹿児島県が4万9858円、神奈川県が4万8254円で続いています。

カードローン利用経験者はおよそ「5人に1人」

日本信用情報機構の発表によれば、平成26年時点で貸金業者の利用登録がある人(貸金業者を利用した経験がある人)の数は約1970万人です。一方、貸金業者から借り入れができる年齢の日本人の数は約1億人程度です。

つまり、大体5人に1人が貸金業者から借り入れをしたことがあるということになります。

なお、前述の1970万人のうち、今も利用残高がある人は約1260万人です。さらに400万人には異動情報(3か月以上の延滞)が登録されています。カードローンで借り入れをした人の5人に1人は、延滞を起こしているというわけですね。

カードローンでの平均借入額は55万円前後

一方、平成26年時点での一人当たりの平均借入金額は55万円前後となっています。平成19年時点では117万円だったので、わずか7年で半額以下になってしまったことがわかります。

総量規制が施行され、また貸し付けの際の審査が以前より厳格になったことなどが関係しているものと思われます。

カードローン利用者は7割が男性、年齢は40代が最多

株式会社オープンスマイルが行った意識調査によれば、キャッシング利用者の性別は7割が男性です。しかし、女性の利用者も3割と決して少なくはありません。最近は女性専用のキャッシングサービスなどの登場もあり、女性の利用者が増えているようです。

利用者数は40代がもっとも多く、次いで50代、30代、20代とづついていました。職業は「会社員」が128件で最も多く、「以下学生/主婦」35件、「公務員」「自営業」が30件で続いていました。

キャッシングの利用目的は「生活資金」がトップ

株式会社おーぷんスマイルの調査によれば、キャッシングの利用目的は、「生活資金」が123件でトップでした。以下「趣味や遊びのお金として」が68件、「欲しい商品を買うお金として」が53件で続いていました。

利用先は「アイフル」「プロミス」「アコム」といった消費者金融系が多く、逆に銀行は少なめでした。

奨学金は3人に1人が利用しており、平均貸与額は大学生で約300万

文部科学省の発表によれば、全学生のうち、日本学生支援機構奨学金を受給している学生の割合は35.9%です。およそ3人に1人が奨学金を利用していることがわかります。

平均貸与額は学部生(大学生)が299万円、大学院生が378万円です。仮に奨学金を借りて大学院まで出る場合、299万円+378万円=677万円の借金を背負うことになるわけですね。

なお、奨学金の事業総額は1兆1745億円で、無利子3068億円、有利子8677億円です。

住宅ローンは注文住宅で2200万円

住宅金融支援機構が実施している「平成24年フラット35利用者調査報告」によれば、注文住宅の場合の購入平均金額は3224.9万円で、うち住宅ローンの割合は2226.2万円です。1か月当りの返済額は10.09万円です。

一方、建売住宅の場合の購入平均金額は3188.2万円で、うち住宅ローンの割合は2521.1万円です。1か月当りの返済額は10.01万円です。

マンションの購入平均金額は3340.2万円で、うち住宅ローンの割合は2382.9万円です。1か月当りの返済額は10.38万円です。

日本貸金業協会の登録業者数はものすごいペースで減少している

日本貸金業協会のデータによれば、平成18年の改正貸金業法の施行以降、ものすごいペースで登録者数が減少しています。

平成18年には1万4000件余りあった登録者数は平成20年には1万件を割り、平成22年には5000件を割り、平成24年には2500件余りまで減ってしまいました。度重なる締め付けによって、体力のない中小の貸金業者は軒並み淘汰されてしまったようです。

日本の政府債務残高のGDPに対する割合は世界一!しかし危険性は低い

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日本に限らず、世界中の国の政府は借金を抱えています。国が借金をするために発行するのが国債です。国債は債券の一種であり、金融機関や投資家がこの国債を購入します。

政府はあらかじめ決められた金利に従って国債の購入者に利子を支払い、期限が来たら元本を返済します。

たとえば、金利1.0%、償還期間3年の国債を100万円投資家に買ってもらった場合、政府は投資家に対して毎年1万円を支払い、3年後に元本の100万円 を返済します。

投資家は100万円を払うことにより、103万円を得たことになります。逆に政府は100万円を得たことにより、103万円を支払ったこと になります。

なぜわざわざ政府は損をする国債を発行するのか。そうしないと資金が集められないからです。日本に限らずほとんどの国では原則として歳入(収入)よりも歳出(支出)のほうが多いです(産油国などは歳入のほうが多いです)。

国債を発行しないと、ほとんどの国は成り立たないのです。

ただし、だからと言って国債発行が悪いことかというと必ずしもそうとは言えません。財政再建政策(歳出を減らし、借金しないようにする政策)をとった国は不景気にさいなまれることが多く、歳出まで減ってしまうというケースが多々あるからです。

そもそも現在の経済の構造的に借金は増え続けるものなので、借金の 金額自体が増えることは大して問題ではありません。しかし、それでも支払い能力を超えた借金をするのは危険です。

政府の借金の尺度を図るのが債務の対GDP比です。この数値が低ければ低いほど財政は健全であるといえます。GDPとは国内総生産のことで、1年間に国内で生産されたサービスや価 値の総金額のことです。

1年間ですべての会社や個人が稼いだ金額と言ってもいいかもしれません(厳密にはちょっと違うのですが、そこまで深く理解する必要はないでしょう)。

たとえば、ある国の政府の借金が100億円、GDPが500億円だった場合、その国の債務の対GDP比は100億÷500億=0.2=20%ということになります。

しかし、政府の借金が100億円でも、GDPが50億円しかなかった場合、その国の債務の対GDP比 は100億÷50億=2.0=200%となります。大切なのは借金の額自体の大きさではなく、借金とGDP比の割合なのですね。

さて、肝心 の世界の債務の対GDPを見ていきましょう(データは2014年時点のものです)。まず、日本の債務の対GDP比は246.17%です。これが高いのか低いのかぴんと来ないという方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこの数値、まぎれもない世界一です。

つまり、日本はGDPに対して借金が多すぎるというわけです。安倍政権がGDPの底上げに意欲的なのも、GDPが上がれば債務の対GDP比が下がるということが念頭にあるからなのでしょう。

ちなみに、主な他国の債務の対GDP比は以下の通りです。

  • アメリカ:104.79%
  • フランス:95.56%
  • カナダ:87.91%
  • ドイツ:74.62%
  • インド;66.07%
  • ブラジル:65.22%
  • 南アフリカ:45.97%
  • 中国:41.14%
  • アラブ首長国連邦:15.68%
  • サウジアラビア:1.58%

こうしてみると、日本に限らず先進国の債務の対GDPは軒並み高いことがわかります。先進国ほど社会保障が行き届いており、それを維持するために多くのお金が必要になるためと思われます。先進国きっての金持ち国家と言われるドイツですら70%を超えています。

一方、新興国はそれと比べると債務の対GDPは少なめです。アラブ首長国連邦やサウジアラビアなどの産油国はさらに少ないですね。

では、これだけをもって日本を含む先進国の経済が危険なのかというと、一概にそうとも言えません。

日本の国債はほとんど日本人が買っています。つまり、日本政府の借金が増えると同時に、日本人の資産も増えているわけですね。

海外の投資家は低すぎる日本の国債の利回りを嫌ってほとんど購入しないので、仮に今後国債の利子が支払えなくなったとしても、海外の投資家に急に資金を引き上げられる可能性は極めて低いというわけです。

もちろん、これはよくある説の一つですが、日本の財政危機論が唱えられてからかなりの月日が経っているにもかかわらず、いまだに 日本が財政破たんをしていないのは事実です。

最後に

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このように借金にはいろいろな統計がありますが、一番大切なのは返せる範囲で借金をするということです。無理な借り入れは真に慎みましょう。

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