借金癖が治らない場合の対処法は

浪費のための借金は続けていても何の意味もないどころか、ますます人生を窮屈で苦しいものにします。今すぐ借金癖を治して、これ以上借金を増やさないようにしましょう……

と口で言うのは簡単ですが、実際のところ借金癖のある人間がそれを治すのは簡単なことではありません。治せと言われて治せるのならばとっくにそうしてる、というのが素直なところでしょう。では、借金癖はいったいどのような方法で治していけばいいのでしょうか?

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借金癖が招く破滅的な結末

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まずは借金癖のある人間が起こした、悲劇的な事件についていくつかご覧になっていただきたいと思います。

元千葉ロッテマリーンズ投手強盗殺人事件

元千葉ロッテマリーンズの投手、小川博選手が起こした事件です。小川博選手は1988年に2けた勝利を挙げ、オールスターゲームにも出場した有名な選手です。

その後1992年に引退し、コーチや編成担当の球団職員などを務めていましたが、その借金癖はチーム内でもたびたび噂になっていました。金融機関のみならず友人知人からも借金を繰り返し、さらには離婚していたため養育費なども抱え込み、経済的に困窮しました。

2002年11月には球団にも解雇され、民間の産業廃棄物処理業者に就職するものの、借金癖が改善されることはありませんでした。

2004年11月には勤務先の産業廃棄物の会長の家政婦に金の無心を頼むものの失敗、逆上した小川は女性を突き飛ばし気絶させ、現金175万円を奪います。さらには事件発覚を恐れて女性を川に投げ捨てて殺害し、事件から約1か月後に逮捕されます。

さいたま地方裁判所の一審判決で無期懲役、小川側は控訴したものの東京高裁でも無期懲役が確定し現在も服役中です。

岩手宝くじ殺人事件

岩重県一関市の女性がある日突然行方不明になります。その女性は実は宝くじで2億円の当選金を得ており、交際相手の男の家から女性の通帳、印鑑、家財道具などを発見されます。

警察が捜査を進めていくうちに男は犯行を自供、2億円は会社の借金返済に充てていたこと、女性を殺して埋めたことなどを自供します。男には盛岡地方裁判所で懲役15年が言い渡され、控訴しなかったため判決が確定しました。

福岡3女性連続強盗殺人事件

2004年から2005年にかけて、福岡県内で3人の女性が次々と強盗殺人の被害に遭いました。同年3月、捜査本部は福岡市内で殺害された女性の携帯電話を持ち去った現場作業員の男を発見、横領の現行犯で逮捕します。

男はその後3殺人を自供、事件当時800万円の借金を抱えていたことが明らかになりました。

こうした事件は決して他人ごとではない

こうした事件を凶悪犯罪者が起こした史上まれに見る大犯罪とみなしてしまうのは正しくありません。みなもともとは世間に馴染んで暮らしていたのにもかかわらず、様々な事情から借金を重ね、その返済資金を得るために凶行を犯してしまったのです。

もちろん、彼らの動機は大変身勝手なもので全く同情の余地はありませんが、借金は人の心を狂わせ、判断力を奪ってしまうことがあることはしっかりと覚えておいてほしいと思います。

あなたはこうならないためにも、借金癖を付けない(すでについている場合は治す)ようにしてくださいね。

借金癖が付きやすいのは「見栄っ張り」「ものぐさ」

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いきなり借金癖で困っている人に喧嘩を売るような見出しになってしまいましたが、事実なのでご容赦ください。借金癖が付きやすい人に最も多くみられる特徴は「見栄っ張り」です。

本当は大した稼ぎなどないにもかかわらず、高級品を身に着けたり、ホスト遊びがやめられない、という人などは少なくありません。

お金に困っているのならば本来は生活水準を落とすべきなのですが、それができないために「収入<支出」という状態が続き、その穴埋めをするために借金を繰り返してしまうのです。自覚がある人はもちろん、自覚はないが他人に注意されたことがある人も要注意です。

次によく見られる特徴が「ものぐさ」です。もっと具体的に言えば「お金の管理がずさん」な人は要注意です。社会人ともなれば普通は自分の収入のみならず、毎月かかる固定費用や、貯金に回している額などを大雑把に把握しているはずです。

家賃はいくら、光熱費はいくら、携帯電話料金はいくら……こうした固定費を収入から差し引いて、残った金額をもとに自由に使えるお金を算出するものです。

しかし、お金の管理がずさんな人はそういうようなことをせず、まず使いたいだけ自由に使ってしまいます。そして固定費を差し引いたところ、マイナスになってしまったので仕方なく借金する……これも借金に嵌る王道パターンといえます。

「見栄っ張り」「ものぐさ」でない人も安心はできない

以上の特徴はあくまでも借金癖が付きやすい人の特徴であって、上記に当てはまらないからと言って絶対に安心かというとそんなことはありません。真面目で几帳面だった人が借金地獄に嵌っていくことは決して珍しい現象ではないのです。

人間というのは大変心の弱い生き物であり、目先のお金に釣られがるものです。1か月間の労働に耐えて30万円を得るよりも、キャッシングで今すぐ30万円を得ることを選んでしまいがちです。

借金癖は究極のところ、すべての人間に潜在的に存在するものであると思っておいてください。

借金癖は治るが、周囲の強力と本人の意思が必要である

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ここまで読んで「借金癖って一度染みついたら治らないの?」と思われた方がいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。借金癖は治そうと思えば(大変ですが)治すことができます。この「治そうと思えば」というのが非常に重要です。

借金癖は風邪と違ってただ単にのんびりしていれば消えるということは、ほぼありません。本人が「治そう!」という確固たる意志を持ち、なおかつ周囲の協力も取り付ける必要があります

自覚のない借金癖は、自覚のあるそれの何倍も厄介である

借金癖がある人と一口に言っても様々で、自分に借金癖が染みついていることに対して全く気付いていない人もいれば、すでに気付いている人もいます。このうち、より厄介なのは前者です。

借金癖があると自覚していないので「治そう」という気概は全くなく、このままの生活を続けていても大丈夫だと思っているからです。もし、あなたの周りにそうした人がいる場合は、一刻も早く何らかの対策を取る必要があります。

また、借金があるにもかかわらず今まで自覚がなかったという人は、これを機会にもう一度自分の生活を振り返ってみましょう。身の丈に合わない生活を続けている場合は、以下のことを試してみてください。

周囲の人からの援助を断つ

借金を繰り返す人は周りに援助してくれる人がいて、その人に甘えているということが多々あります。「明日食べ物を買うお金がない」などと同情を誘うようなセリフで泣き落として、お金を借りるのです。

もしあなたの周囲にそうした人間がいる場合は、たとえどんなに気の毒に思ってもお金は貸さないようにしてください。

あなたが貸さなくてもほかの人が貸してしまっては意味がないので、周りの人とも協力して外堀を埋めていきましょう。人からの協力が得られないとなれば、多くの人は自分の足で立とうとするものです。

逆にあなたが自身の借金癖を何とかしたいと思っている場合は、今すぐ周りの人たちに「これ以上自分を甘やかさないでほしい」と伝えてください。

クレジットカードの類は破棄する

借金癖が抜けない理由の一つに「借金をいつでもできる」という環境があることがあげられます。

その環境をすっぱり断ち切ってしまえば、借金癖がなくなる可能性は高いです。借金をやめるにやめられない状態が続いている場合は、今すぐクレジットカードをすべて細かく裁断していきましょう。

クレジットカードがなくなったところで再発行の手続きをしてしまえばまた手に入るのだから意味がないのでは?と思われるかもしれませんが、実はそうではありません。一般的なクレジットカードの再発行には、簡単な審査があります。

過去にそのクレジットカードで延滞や未入金が確認された場合、クレジットカードの再発行ができなくなる可能性が高いです。再発行ができなければ借り入れもできないので、借金のしようがありません。借金ができなければ強制的に借金癖が治る、というわけです。

債務整理をして借金ができないようにする

債務整理とは、借金を減らしたり無くしたりする手続きのことです。

弁護士や司法書士の手助けの元、金融機関と話し合って債務を減らす「任意整理」、裁判所を通して借金を0にする「自己破産」などがあります。

すべての手続きに共通して言えるのは債務整理を行うと信用情報機関に登録されて、一定の期間(5年~10年程度)借り入れができなくなるということです。

借金を減額してもらえるうえ、強制的に借金ができない環境を作ってもらえるので、新たに借金を作ってしまう心配がほぼなくなります。

ただし、一定の期間が過ぎてしまえば再び借金ができるようになります。その期間までに借金癖を根絶しておかなければなりません。また、重度の借金壁がある人は一定の期間内でも闇金から借りようとすることもあります。

そんな事態を防ぐために、債務整理と合わせて適切な治療を受ける必要があります。

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場合によっては精神科への通院も視野に

ギャンブル依存症、買い物依存症、重篤な浪費癖、共依存などが原因借金をやめられない人は少なくありません。こうした精神疾患を原因とする借金癖は、個人の意思だけで治すことはほぼ不可能です。そんな簡単に治るものならだれも苦労はしません。

こうした精神疾患を抱えている場合、放置するとより破滅的な事態に進行する可能性が高いです。そうなる前に、精神科などの専門の医療機関にかかることをお勧めいたします。

精神科で受けられる治療は、大きくカウンセリング自助グループによる支え合いに分けられます。カウンセリングとは非常に大雑把に言えば、借金癖がある人に借金癖を認めさせる手続きのことです。

前述の通り、借金癖に対して自覚がない人はそれを治すのが極めて困難です。借金癖を本人に認めさせることは治療の第一歩といえます。時間はかかるかもしれませんが、根気よく続けていけばいつかは本人もそれを認めるはずです。

本人が借金癖に対して自覚的になったら、次は自助グループを利用します。自助グループとは読んで字のごとく助け合いをするためのグループのことです。

同じ異様な境遇にいる人、あるいはすでにその境遇がから脱出した人な度と話し合うことによって心のリハビリを行います。孤独な借金癖の治療において、仲間がいることはとても大切です。一緒に頑張ろうと思える人がいれば、それだけ治癒も早くなります。

薬が処方されることもあるかと思いますが、それはあくまで補助的なものです。投薬治療だけで借金癖が治ることはまずありません。あくまでも本人が治そうとしなければいけません。

医師の指導も参考に、自身の生活を見直す

借金癖を治す場合は自分の生活を見直すことが必要不可欠です。自身の生活水準を落とすことに抵抗を覚える方は少なくないかと思いますが、なにも僧侶のような倹約生活を続けろと言っているわけではありません。

医師たちの指導を参考にして、借金のない会社の同僚と同程度の生活水準を保てばいいだけです。

まずは収入と支出をしっかりと管理するところから始めましょう。毎月の固定費は口座引き落としにして、余ったお金だけを使うようにしましょう。

はじめのうちは苦労するかもしれませんが、少しずつ無駄な出費を削っていけば、借金のない快適な生活を手に入れることができます。

最後に

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繰り返しになりますが、借金癖は一人で何とかしようとしてはいけません。個人の意思だけほぼ治らないからです。必ず周囲の協力を得ることが大切です。家族、友人、医師、弁護士……ありとあらゆるつてを頼って、少しずつ治療していってください。