生活保護と借金の問題を詳しく解説!内緒の借金はばれる?ばれない?

芸能人の生活保護不正受給問題などで、生活保護に対して関心が集まっているように思います。国民が納めた大切な税金を、不正を犯す人のために使ってほしくないと考えるのは、当然のことです。

しかし一方で、だれもが病気や失業、事故・事件などのトラブルに遭い、生活保護という制度が必要な状況に陥ってしまう可能性があります。大切なことは、ルールを守って受給するということです。

生活保護を受給している人の中には、資金操りに失敗して借金をしたいと思うことがあるようです。あるいは、まだ生活保護は受けていないが、借金に苦しんでいて、生活保護を受けたいと思うことのほうが、多いかもしれません。

この記事では、「生活保護を受けている人が内緒で借金をしてもばれないの?」という問題を中心に解説します。

さらに、関連する問題として、生活保護を申請する人が「借金をしている人がそのことを内緒にしたまま生活保護を受けることはできるのか?」という問題についても触れてみます。

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生活保護を受けるための条件とは?

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生活保護と借金の問題を考えるためには、生活保護を受けるための条件について知っておく必要があります。生活保護を受けるためには、次の条件を満たしている必要があります。

・貯金や土地などの資産がない
・親や親族からの援助を受けられない
・月の収入が最低基準を下回っている

この3つの条件を満たしていれば、生活保護を受けられます。順番に解説をしていきます。

貯金や土地などの資産がない

生活保護というのは、憲法で定められている、生存権の保障という権利を実現するためにある制度です。すなわち、

憲法25条1項 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する

という権利を実現するためにある制度です。生存権を具体化した法律のうちの1つが、生活保護法という法律です。

自らの能力や資力をフルに活用したとしても、健康で文化的な最低限度の生活に届かない場合に、生活保護という制度を利用することができます。

このことから、貯金や土地などの資産を持っている人は、まだ活用できる資産を持っていますので、生活保護は受けられません。

健康な身体を持っていて、その気になれば働けるという人も、「健康で働ける体」という資産を持っていると考えられるので、「働いてください」と言われてしまうでしょう。

しかし、健康な人でも次の仕事が見つかるまでの間、生活ができないようなら、生活保護を受けられる可能性はあります。

親や親族からの援助を受けられない

扶養義務というのは、簡単に言うと人助けの義務のことです。困っている人を助けましょうという義務です。とはいっても、赤の他人を助けなければならない義務はありません。民法では次のように定められています。

民法877条1項 直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある
同条2項 家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる

祖父母、父母、子、孫などの直系血族と、兄弟姉妹には扶養義務があるということです。2項では、「特別な事情」がある場合には、三親等内の親族にも扶養の義務を負わせることができるとあります。生活保護を受けなければならない事態も、特別な事情となります。

生活保護の申請をすると、三親等内の親族に対して「援助ができませんか?」という連絡が行きます。

扶養義務について、誤解をしている人もいるようです。自分を犠牲にして相手を助けるという義務ではありません。自分の生活が第一であり、相手を助ける余裕がある場合に、扶養する義務があるということです。

どのくらいの年収があれば扶養義務があるのかについては役所の判断となりますが、親の年収が500万円くらいならば、不正受給とはならないようです。芸能人の不正受給がニュースになりましたが、あれは芸能人の年収が高かったため、扶養義務違反と見なされました。

月の収入が最低基準を下回っている

上の2つの条件を満たしていて、かつ月々の収入が厚生労働大臣が定めた最低生活費の基準額を下回っている時に、生活保護を受けられます。この基準額は地域によって異なります。

自分の収入が基準よりも下回っているかもしれないと感じたら、役所に相談をしてみるとよいでしょう。

例えば、基準額が10万円、自分の収入が月に5万円というケースでは、生活保護を受給して、差額の5万円を受け取ることができます。

生活保護を受けている人が借金をしてもばれない?

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いよいよ本題に入っていきます。

生活保護を受けている人は、借金をしてもよいのか

実は、生活保護を受けている人が借金をしてはならないという法律はありません。しかし、法律がないからといって、借金をしてもよいということにはなりません。

借金は収入と見なされる

生活保護を受けている人が借金をすると、それは収入として見なされます。例えば、20万円の借金をしたなら、その人はその月に20万円の収入が入ったとみなされるので、生活保護を受けるための条件を満たさなくなり、生活保護が一時的に停止されてしまうでしょう。

5万円の借金をしたなら、生活保護費から5万円が引かれてしまいます。これでは借金をする意味がありませんね。

生活保護費から借金の返済をすることの可否

生活保護費を借金返済にあててはならないという法律はありません。すなわち、生活保護費から借金を返済しても問題はないということになります。

しかし、一般的には、生活保護費から借金の返済をすることはできないと考えられているようです。生活保護費で借金を返済していると、ケースワーカーから指導が入る可能性は高いです。

さらに、生活保護でもらえるお金は、最低限のものなので、はっきり言って借金を返済できるだけの余裕はありません。生活を圧迫している場合、ケースワーカーから自己破産の指導などが入るでしょう。

また、常識的に考えて、国民が汗水たらして納めた大切な税金を、借金の返済にあてるなど、国民が納得しません。法律はなくても、常識には反した行為です。

借金をしたことはばれる?

生活保護を受けている人の銀行口座は、定期的にチェックが入っています。そのため、銀行振り込みで融資を受けると、高い確率でバレてしまいます。

役所は消費者金融に対する調査も行うことができますが、実は、消費者金融に対する調査はほとんど行われないようです。なぜかというと、借金をしていても、それが資産を増やすことにつながらないからです。

生活保護受給者の数に対して、ケースワーカーの数は足りていないと言われており、余計な調査をしている暇はありません。基本的に、借金の調査は行われないと考えてよいかもしれません。

結論として、消費者金融を利用しても、銀行口座に証拠が残らないようにしておけば、ばれる可能性は低いということになります。誤解しないでほしいのが、ばれないからやってもよいということにはならないということです。

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借金がある人が生活保護を受ける場合

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次に、まだ生活保護を受けていないが、これから受けようとしている人で、借金がある場合について解説をします。

借金があっても生活保護は受けられる

よく誤解がされていますが、借金があっても生活保護は受けられます。

生活保護費から借金の返済をすることは基本的にできないので、自己破産を勧められるケースが多いです。しかし実は、借金の金額が小さい場合には、自己破産の指導をされないこともあります。いずれにしても、ケースワーカーによく相談をして、指示に従っておくことが重要です。

役所は水際作戦といって、生活保護を受けさせないような言動をとることもあるようです。「借金があるなら生活保護は受けられません」と言われたら、弁護士や法テラスに相談をしてみましょう。

借金を内緒にすることの是非

前述したように、役所は消費者金融への調査はほとんど行いません。そのため、銀行口座に怪しいところがなければ、借金を内緒にすることができる可能性が高いでしょう。

しかし、内緒で生活保護費から借金返済をしていくというのは、かなりハードルが高いです。

生活保護でもらえるお金はほんとうにギリギリ生活ができるというものであり、そこから借金の返済をしていると、毎月の生活がかなり圧迫されます。

最初のうちはなんとか生活できていても、冷蔵庫、洗濯機などの電化製品が故障して買い換えなければならなくなったときなどに、一気に破綻してしまうリスクがあります。いざというときのためにいくらか貯金をしておかなければなりません。

最初から嘘をつかずに正直に打ち明けていれば、ケースワーカーはあなたの生活を立て直すために尽力してくれます。借金を内緒にしておくメリットはなく、デメリットしかないと言えます。

借金を内緒にするのは不正受給?

生活保護を受ける人は、資産をすべて申告しなければなりません。カードローンなどの借金はマイナスの資産と呼べるので、申告義務はあります。借金を申告しないことは、申告義務違反です。

しかし、不正受給とは「本当は生活保護を受ける資格がないのに、受給している」ことを指すので、マイナスの資産を申告しないというだけでは、不正受給とは言いません。むしろ、借金がある人は生活保護受給の必要性がさらに高いと言うこともできます。

借金を申告しないことよりも、生活保護費から借金を返済していくという行為のほうが、問題となる可能性があります。いきなり生活保護が停止されることはないと思われますが、ケースワーカーから指導が入り、それに従わなかった場合には停止になる可能性があります。

生活保護受給者はコストゼロで自己破産ができる?

あらかじめ法テラスに相談をしておけば、生活保護受給者は弁護士費用と裁判所の予納金を法テラスに立て替えてもらうことができます。さらに、自己破産の手続きが終わった段階で、まだ生活保護を受けていた場合には、立て替えてもらった費用を免除されます。

すなわち、生活保護受給者は、ほとんど費用をかけずに自己破産をすることができます。

結論!内緒にしておくリスクのほうが大きい

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生活保護を受けると、担当者となったケースワーカーはあなたの生活を守るために動いてくれます。無料でプロの相談を受けられるということもできます。正直に打ち明けて、相談にのってもらったほうがはるかにお得です。

不正受給のリスク

借金をしたら、収入として申告をしなければなりません。この申告義務を怠ると、不正受給者となってしまいます。不正受給をすると、生活保護を停止されたり、最大100万円の罰金を科せられたり、刑罰に処せられたりするリスクがあります。

借金をすること自体は不正受給ではないものの、それを収入として申告をしないという行為が不正受給になるということは重要です。

金融機関とトラブルになることも?

生活保護を受けている人は、金融機関の審査にはほぼ100%通りません。審査に通るためには、生活保護を受けているということを秘密にしなければなりません。

さらに、審査に通るために年収を多めに申告することもあるかもしれません。嘘の申告をしてお金を借りると、最悪のケースでは業者から詐欺罪で訴えられてしまいます。

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