初めてのローンで悩むのが、どの金融機関からお金を借りれば良いのか、ということです。世の中には銀行、消費者金融、信販会社とたくさんの金融機関があり、どこも自分のサービスがナンバーワンであるかのように謳っているため、ローン初心者は悩んでしまいがちです。
今回はそんなローン初心者の方のために、金融機関選びの指標のようなものを用意しました。
目次
カードローンとキャッシングは限度額も金利も違う!
金融機関選びの前に、まずはカードローンとキャッシングの違いについて説明します。カードローンは、主に銀行や消費者金融、信販会社などが発行するカードを使ってお金を引き出したり、口座にお金を振り込んでもらったり出来るサービスのことです。
最初に審査が行われて借入限度額が設定され、その範囲内ならば何度でも借りることができます。限度額はカードローンやその人の信用によって異なりますが、少ない場合でも十万円程度、多い場合は1000万円近くになることもあります。
返済方法は基本的に複数回で、リボルビング払いで支払っていきます。金利はキャッシングと比べれば低めです。
一方、キャッシングはクレジットカードに付帯していることが多い、小口の融資です。キャッシングの審査はクレジットカードの診査と同時に行われるため、クレジットカード発行後に改めて審査を受ける必要はありません。
限度額は少なければ数万円、多くても数十万円前後と、カードローンと比べると低額なことがほとんどです。返済方法は翌月一括払いが多いですが、リボルビング払いのものもあります。金利は高めです。
長期間の借り入れにはカードローン、緊急時の借り入れにはキャッシングが便利
カードローンとキャッシングの大きな違いは限度額と借りやすさです。限度額はカードローンのほうが遥かに高額なので、数十万~数百万円単位の借り入れをする際にはこちらが便利です。
金利もキャッシングと比べて低いので、カードローンとキャッシングの両方どちらを選んでもいいという立場にあるときは、基本的にはカードローンを利用した方がいいでしょう。
ただし、いくら金利が低いと言っても、返済期間が長くなればそれだけ利息の支払合計が増えることにはかわりありません。借り過ぎにはくれぐれも注意しましょう。
一方、借りやすさという点ではキャッシングのほうが優れています。クレジットカードさえ持っていればカードローンのように審査を受ける必要はないため、緊急時の借り入れには役立ちます。
金利がカードローンと比べるとやや高いのが難点ですが、返済方法は翌月一括払いになっているところが多いため、利息の支払総額は低く抑えられることが多いおです。
銀行とノンバンクでは金利が全く違う!オススメは銀行
続いて、金融機関の種類による違いを見ていきましょう。世の中には様々な金融機関がありますが、概ね銀行(信用金庫や労働金庫などを含む)とノンバンク(消費者金融やクレジットカード会社、信販会社など)の2種類の分けることができます。
両者の最大の違いは、預金の預入機能を持つかどうかです。銀行は預金の預入機能を持ち、その預けられたお金をより高い金利で融資することによって利ざやを得ています。
一方、ノンバンクは預金の預入機能を持ちません。ではどうやって融資するお金を用意しているのかというと、銀行から借りています。
銀行が預金金利よりも高い金利で貸し出したお金を、さらに高い金利で消費者に融資することによって利ざやを得ているわけです。見方を変えると、ノンバンクで借りられるお金には二重に金利がかかっているといえます。
従って、銀行とノンバンクでは銀行のほうが金利が必然的に低くなります。むろん銀行にもノンバンクにもいろいろな金融機関があり、金利はまちまちですが、全体的な傾向として銀行のほうが金利が低いことは間違いありません。
したがって、銀行とノンバンクを選べる立場にある場合は、銀行で借りた方がいい、ということになります。
銀行は審査が厳しい
一方で、銀行は審査が厳しいという欠点もあります。審査の合格率が発表されているわけではありませんが、一般的な銀行のカードローンの審査合格率は30%程度と言われています。
消費者金融の審査合格率が45%程度なのと比べると、明らかに低い数字です。金利が低いぶん、より確実にお金を返せる人にしか貸し出さない、というのが銀行の基本方針なわけです。銀行の審査に通るほどの信用力がないという場合は、仕方がないので消費者金融で借りざるを得ません。
消費者金融の審査はとってもスピーディ
審査の内容だけでなく、審査のスピードも銀行と消費者金融では違います。ほとんどのケースにおいて、消費者金融の審査スピードは銀行のそれを上回っています。最近は即日審査、即日融資が受けられる消費者金融も少なくありません。最近は銀行のカードローンの審査もだいぶスピーディーになっては来ていますが、まだ消費者金融と比べると遅いです。どうしても今日中にお金を借りたいという場合は、消費者金融が第一の選択肢になります。
総量規制でお金が借りられない?
消費者金融には総量規制という足かせがあります。これは、年収の3分の1以上を貸し出してはいけないという法律のことです。消費者金融で借りすぎて債務整理をする人があまりにも多かったため、このような規制が作られました。
ただし、年収の3分の1以上は絶対に借りられないようにしてしまうと殆どの人は住宅ローンもカーローンも組めなくなってしまうため、銀行のローンは規制の対象外となりました。
ただし、銀行も無制限にお金を貸し出すわけではなく、実質的な限度の上限はあります。それが明文化されているか、いないかの違いです。
信販会社はクレジットカードを発行している会社
信販会社とは、販売信用取引を営んでいる会社のことです。
販売信用取引とは簡単に言えばクレジットカードを利用した取引のことで、信販会社とはクレジットカードを発行している会社のことです(JCBカードやVISAなどの国際ブランドではなく、それを利用して決済を行っている会社です)。
クレジットカードは気持ち的には現金で決済しているのとあまり変わりませんが、実際には信販会社に一度支払いを立て替えてもらっているため、現金払いとは違います。一方でお金を融資してもらっているわけでもありません。あくまでも立て替えです。
ただし、多くの信販会社は、クレジットカード事業とは別に貸金業も行っています。信販会社が貸金業を営もうとする場合は登録をする必要があり、実際に多くの信販会社が登録を行っています。つまり、多くの信販会社は消費者金融としての顔も持っているわけです。
信販会社もカードローンを取り扱っていることが多いですが、銀行や消費者金融と違って実店舗がないことが足かせとなり、あまり人気はないようです。
金利や審査の厳しさは銀行と消費者金融のちょうど中間ぐらいですが、審査にはやや時間がかかることが多く、即日融資に対応しているところは殆どありません。
この柔軟性の低さも信販会社のクレジットカードの利用者増の足を引っ張っています。現段階では、これと言って信販会社をおすすめする理由はあまりありません。
カードローンは基本的には銀行で!
前述の通り、銀行と消費者金融では基本的に銀行のほうが金利が低く設定されているため、どちらかを選べる状況にあるのならば銀行を選んだほうがいいでしょう。金利は低いに越したことはありません。
審査のスピードでは消費者金融のほうが優っていますが、最近は即日融資が可能な銀行も増えてきています。
消費者金融は30日以内なら金利が0になることも
ただし、借り入れが少なく、30日以内に返せそうなときは、消費者金融のキャッシングを利用した方がいいでしょう。現在はほとんどの大手消費者金融が30日間無利息サービスを提供しているからです。
通常は15%程度の金利が0%になるのですから、これを利用しない手はありません。ただし、借入期間が30日を過ぎてしまうと通常通りの金利がかかるので、なるべく早めに返済しましょう。
カードローンと目的別ローンは全くの別物
銀行や信販会社が取り扱っているローンには、カードローンと目的別ローンがあります。カードローンは使いみちが予め指定されていないローンで、目的別ローンは教育ローンや住宅ローンのように予め目的が決められているローンです。
当然、便利なのはカードローンですが、金利は目的別ローンのほうが低く設定されていますので、状況に合わせて使い分けましょう。