みなし貸金業者とは?みなし賃金業者にも過払い金請求はできるの?

最近、みなし〇〇という言葉がよく見かけますね。最も有名なのは「みなし残業代」でしょうか。これは予想される残業代をあらかじめ給与に加えておくことを言います。

では、みなし賃金業者とはどういった意味なのでしょうか?簡単に説明すると、賃金業を廃業して債権回収のみを行っている業者を言います。

えっ、お金を貸すことを辞めているのに借金の回収だけするなんてことができるの?と思った人もいるのではないでしょうか。それについては以下で詳しく解説していきますね。

また、賃金業者が廃業しても自分には全く関係がない、と考えている人もいるでしょう。ところが、みなし賃金業者の存在はわたしたちが利用者として新たにお金を借りる際に大きな影響を与えることがあります。これに関しても記事の後半で説明しています。

さらに、みなし賃金業者から過払い請求は可能なのかどうかについても解説していきます。

みなし賃金業者とは?

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賃金業者とは消費者金融やクレジットカードを扱っている業者を指します。そして、みなし賃金業者とは賃金業を廃業した後、債権回収業務だけを行っている業者を言います。ただ、この説明だけではいまいちよくわかりませんね。

詳しく説明していきましょう。まず、賃金業者は賃金業を開始するにあたり、国や都道府県に賃金業開始の届出書を提出する必要があります。これから消費者金融やクレジットカード会社を始めるから許可をください、ということですね。

この届出を出さずに賃金業を行うことはできません。届出をせずに賃金業を行うと、行政処分を受けることがあります。届出を行っている業者は以下のページから財務局の登録番号を確認することができます。

登録貸金業者情報検索入力ページ:http://clearing.fsa.go.jp/kashikin/

また、賃金業を廃止することになった場合は同様に廃業届という申請書を提出する必要があります。もう新たにお金の貸し借りは行わないから登録名簿から削除してね、ということです。

しかし、賃金業を廃止したから今までの契約や貸していた借金も全てチャラ、とはなりません。廃業届を提出すると新たなお金の貸付はできなくなりますが、債権者としての権利は残っており、貸したお金の回収は可能なままなのです

つまり、賃金業の廃業届を提出しているけれど、借金の回収をまだ行っている業者を「みなし賃金業者」というのですね。

そして、この債権回収を行っている期間は他の賃金業者と同じように賃金業法が適用されます。当然、暴力団員による脅迫など悪質な取り立てを行うと行政指導の対象になります。

みなし賃金業者がわたしたちに与える影響とは?

英語の本

実はみなし賃金業者の存在は、わたしたちの借金に関しても大きな影響を与えることがあるのです。

借金に関する法律の一つに金融庁が施行した「総量規制」というものがあります。これは個人の借入額を規制する法律で、これにより借入額の上限は年収の3分の1までと規則で定められており、基本的にこの額を超える借金をすることはできません(住宅ローンなどは例外)。

そして、個人の借入額や、借入記録は全ての賃金業者で共有されています。これは信用情報機関という組織が各賃金業者の顧客の情報を一括して管理しており、また、信用情報機関はその協会に属する全ての賃金業者に情報提供を行っています。

信用情報機関と呼ばれる団体は現在3つあり、その団体同士でも情報を共有しています。そして、基本的に全ての賃金業者はそのいずれかに加入しています。

つまり、Aという消費者金融で借金をすると、その借入額などの情報は他のB、C、D・・・と全ての賃金業者にも共有されるということです。

この仕組みによって、賃金業者は顧客の現在の借入額を把握し、総量規制に引っ掛からない範囲で融資を行っているのです。

また、わたしたちが照会者、申請者として信用情報機関に登録されている情報を確認することも可能です。照会窓口や照会書の請求方法は各団体のホームページから確認できます。

みなし賃金業者からの借入額は信用情報機関によって管理されていない

借金をすると借入額などの情報が全て信用情報機関に記録されると述べましたが、例外もあります。その一つがみなし賃金業者からの借金なのです。

みなし賃金業者は廃業届を提出していますから、形式上、すでに賃金業者ではありません。また、廃業届を出すのとほぼ同時期に信用情報機関からも脱退しています。

そして、信用情報機関は脱退した賃金業者の情報は全て削除しています。顧客の負債記録などもその対象です。

つまり、みなし賃金業者からの負債は信用情報機関に管理されていない、ということになります。たとえ、みなし賃金業者に100万円の返済義務があったとしても、他の賃金業者からの借金がなければ、信用情報機関の記録上では負債は0円となるのです。

この食い違いによって、総量規制を超える借金をすることが可能になります。他の賃金業者が参考にするのは信用情報機関の記録ですから、その記録で総量規制の範囲を超えない限り、借入が可能というわけですね。

ただ、この方法は当然合法なものではなく、かなりグレーな手段ですから積極的に利用しようとは思わないほうがいいでしょう。

みなし賃金業者から過払い請求はできる?

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たとえ廃業届を提出していても過払い金請求は可能です。特に、みなし賃金業者である期間は賃金業法が適用されていますから、それに則った法的手続きをとることができます。とはいえ、個人で行うのは難しいですから弁護士に相談するとよいでしょう。

ただ、債権回収も行っていない、完全に賃金業を廃業した業者への過払い金請求は困難です。請求を行うことは可能ですが、戻ってくる金額には期待しないほうがよいでしょう。成功しても1割、2割程度の回収に終わることがほとんどです。

倒産している賃金業者から過払い金請求はできる?

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賃金業を廃業していても、現在も会社が存続しているならば過払い金請求は可能であることについて上述しました。では、倒産した会社からの過払い金請求は可能なのでしょうか?

倒産とは会社や企業が赤字や借金などでもはや事業を存続できなくなり、破産手続きを行う場合などを言います。倒産の際に必ずしも破産手続きをするとは限りませんが、それに近いものと考えて問題ありません。

倒産した会社への過払い金請求ができるかどうかは請求のタイミングによって大きく左右されます。

破産手続き完了前なら多少の過払い金は取り戻せることがある

賃金業者の破産手続きが完了する前なら過払い金を回収できる可能性があります。

破産手続きを行うと、会社などが現在保有している資金や財産の割り当てが行われます。借金を全額返済することはできないけれど、返せる範囲で返済を行います、ということですね。

この対象には以前の債務者への過払い金の返還も含まれます。こちらが申請を行った場合に限りますが、過払い金請求を行うことで配当を受け取ることができるのです。

ただ、回収できる金額は本来の金額からはほど遠いものです。請求する場合は少しでも回収できればラッキーくらいの気持ちで手続きを行いましょう。

破産手続きが完了している場合は過払い金の回収はほぼ不可能

破産手続きが完了すると、その会社、法人は消滅します。そのため、過払い金請求を行おうにももはや対応してくれる相手がいない、ということになってしまいます。

この状態からの過払い金請求はほぼ不可能です。倒産前に他社へ債権譲渡していた場合、その譲渡先を特定することで請求できることもありますが、実際に特定するのは非常に難しいでしょう。

まとめ

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賃金業法改正によって、賃金業を廃業する業者は増加傾向にあります。そして、これからもますます廃業、倒産する企業は増えていくでしょう。

賃金業者が廃業しているかどうかは自身で確かめるしかありません。過払い金請求を予定している人は、対象企業が知らない間に廃業していて請求ができなかった・・・、なんてことにならないように早めに確認、手続きをすることをおすすめします。

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