借金600万円に奨学金が含まれている時の債務整理の方法は?

借金が600万円あって、その中に奨学金が含まれている場合には、債務整理をする前に、連帯保証人のことを考えなければなりません。ここでは、奨学金を債務整理する場合の注意点について解説をします。

奨学金を債務整理する方法とは?

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奨学金も借金のうちなので、債務整理をすることはできます。しかし、日本学生支援機構の奨学金については、任意整理の交渉が難しいという意見もあります。

また、奨学金の種類にもよりますが、無利子~金利3%程度になっているので、任意整理をして金利をゼロにしても、弁護士費用を差し引くとあまりメリットはなかったりします。

奨学金を債務整理するなら、個人再生か自己破産という方法をとることになるでしょう。まずは個人再生から解説をします。

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奨学金を個人再生する

個人再生は裁判所で行われる手続きであり、法律によって細かくルールが決まっています。

借金の総額が600万円の場合には、その5分の1である120万円にまで借金を減額することができます。ただし、もっている資産の総額が大きい場合には、借金の総額以下にまで減額ができません。

例えば、200万円の価値のある車(ローン完済済み)を保有している場合には、200万円までしか借金を減額することはできません。自動車ローンが残っている場合には、車は没収されてしまうので、資産には含まれません。

考えてみれば、200万円の資産を持っているのに、借金を120万円まで減額できたら、債権者は納得しないでしょう。

それならば、車を売って200万円のお金に換えて、借金を返済してくださいと言うはずです。そのため、保有資産の価値を下回る金額まで借金を減額することはできないようになっています。

奨学金を個人再生するときに注意が必要なのが、連帯保証人の義務までも免除されないということです。免除された分の借金は、連帯保証人に一括請求がされてしまいます。

具体的に計算してみる

例えば、600万円の借金のうち、300万円が奨学金だったとして考えてみます。5分の1の60万円にまで減額され、差額の240万円は免除されました。しかし、返済義務が免除されるのは申し立てをした本人だけなので、240万円は連帯保証人に対して一括請求されてしまいます。

連帯保証人は分割返済ができるように交渉をすることはできますが、債権者が交渉に応じる義務はありません。一括返済ができなければ、連帯保証人も債務整理をするはめになってしまうかもしれません。

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奨学金を自己破産する

自己破産でも、個人再生の場合と基本的には考え方は一緒です。自己破産では、借金が全額免除されるので、連帯保証人に対して全額が一括請求されてしまいます。

一括請求がされてしまう理由

なぜ連帯保証人に一括請求がされてしまうのかというと、債務整理は重大な契約違反にあたるので、契約を強制解約されてしまい、分割払いの権利も失ってしまうからです。

連帯保証人はその名の通り連帯して債務を保証している身であり、本人と同様の権利義務を持っていますので、本人が分割払いの権利を失うと、連帯保証人も失ってしまいます。

奨学金だけを債務整理しない方法もある?

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上の説明でわかるとおり、奨学金を債務整理してしまうと、必ず連帯保証人に迷惑をかけてしまいます。しかし、個人再生でも自己破産でも、整理をする借金の対象を自由に選ぶことはできません。原則として、すべての借金を整理の対象としなければなりません。

任意整理なら対象を自由に選べる

任意整理は、裁判所を通さず、金融機関との交渉だけで行われる手続きです。そのため、整理をしたい借金を自由に選ぶことができます。

具体例で見る

600万円の借金の内訳が、A消費者金融200万円、Bクレジット会社200万円、奨学金200万円だったとします。このとき、A社とB社からの借金合計400万円だけを任意整理して、奨学金200万円はそのまま返済を続けるということができます。

もしも消費者金融からの金利が高い借金の返済だけに困っていて、その借金をなんとかすれば奨学金の返済を続けることができるという状況なら、任意整理で解決できる可能性が高いでしょう。

任意整理では、個人再生や自己破産のように元本までも大きく減額もしくは免除することができません。減額できるのは利息と遅延損害金までです。借金問題が深刻化する前に、早い段階で弁護士や司法書士に相談しましょう。

奨学金の減額返還、返還猶予の制度

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日本学生支援機構の奨学金には、減額返還、返還猶予の制度があります。

減額返還の制度とは

減額返還の制度とは、毎月の返済額を2分の1にして返還できる制度です。残りの2分の1は免除されるわけではなく、返済期間を延長することになります。

減額返還を受けるための条件は、次の通りです。

・病気や経済的事情により、返還が困難であること

・申請・審査の時点で滞納をしていないこと

・口座振替加入者であること

・個人信用情報の取り扱いに関する同意書を提出すること

経済的事情については、年収が300万円以下が目安となっているようです。一律25万円が控除され、被扶養者1人につき38万円を控除できます。例えば、被扶養者が1人いるなら、年収が363万円以下の場合に可能性があるということです。

返還猶予の制度とは

返還猶予の制度とは、その名の通り返還を一定期間猶予してもらえるという制度です。猶予を受けている期間中は利息もかかりませんが、返済が延期される制度なので、その分だけ完済が遅れることになります。

年収の基準は減額返還制度と同じで300万円ですが、25万円の控除はありません。扶養者控除の38万円については、同じく適用されます。被扶養者が1人いるなら、年収338万円以下が目安です。

前年度の年収が300万円を超えていても、傷病、生活保護受給中、失業中といった事情がある場合には、申請ができます。

減額返還制度と同じで、延滞をする前に申請することが重要です。延滞をしている場合には、滞納分を一括で返済してから申請しなければならない場合があります。

減額返還・返還猶予が適用される期間

減額返還・返還猶予の制度は、いつまでも利用できるわけではありません。適用期間は、通算10年が限度です。ただし、傷病、災害、生活保護、産休・育休中、一部の大学校在学、海外派遣の場合には制限がありません。

任意整理と減額返還・返還猶予の制度は両立できる

任意整理をしても借金の負担が大きすぎて解決ができないと悩んでいる人は、減額返還・返還猶予の制度を利用することも検討してみましょう。

600万円の借金の内訳がどのようなものかにもよるので一概には言えませんが、任意整理をして貸金業者からの借金の負担を減らし、その上減額返還・返還猶予を利用して奨学金の負担も減らせば、借金の負担をかなり減らせることになります。

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