クレジットカードを利用すると店頭で「何回払いにしますか?」と尋ねられますよね。なんとなくで答えてしまっている方も少なくないかと思いますが、適当に答えてしまうと余計な出費を増やしてしまいかねません。
今回はクレジットカードは何回払いが最適なのか、カードローンとはどちらがお得なのかを考えてみたいと思います。
分割払いってリボ払いとは違うの?
クレジットカードの一括払い以外の支払い方法には、分割払いとリボ払いがあります。どちらも一括で支払わず、何回かに分けて返済していくという点では同じですが、一方で両者には違いもあります。
分割払いは、完済するまでの回数が決まっています。例えば、12回の分割払いと支払い時に決めた場合、必ず支払い回数は12回になります。伸びたり縮んだりすることは通常ありえません。
また、分割払いは1つの商品に対して適用されるため、例えば1月に購入した商品Aは12回払、2月に購入した商品Bは3回払い、と言った感じで使い分けることもできます。
この場合、2月、3月、4月の3ヶ月間は商品Aの代金支払いと商品Bの代金支払いが重なるため、一時的に負担が大きくなります。
一方、リボ払いは全体に対して適用されるため、完済するまでの回数が決まっていません。毎月の支払金額は一旦最初に決まるのですが、他の商品を購入すると関西日がどんどん先に伸びていきます。
例えば、1月に商品Aを購入した時点では12回払えば完済できる見通しだったものの、その後商品Bを買ったことにより返済回数が20回に伸びる、といったこともあり得るのです。
毎月の支払額が変わらないので負担感は余りありませんが、返済期間が伸びるため最終的な支払額は大きくなりがちです。
分割払いは何回までできる?
分割払いの回数は、クレジットカード会社によって微妙に異なります。例えば、楽天カードの場合は3回、5回、6回、0回、12回、15回、18回、20回、24回、30回、36回の11種類の中から選ぶことになります。最大支払い回数は24、もしくは36となっているカードが多いです。
3回、6回、10回、12回、24回の5種類については、どのクレジットカードでもほぼ選べると考えていただいて間違いないでしょう。ただし、中には分割払い自体が認められていないクレジットカードもあるので注意が必要です。
分割払いの手数料はどこのクレジットカード会社でもだいたい同じ
分割払いを利用すると、その回数に応じて手数料が発生します。手数料と名はついていますが、実際には借金に対する金利のようなものです。
利用額が大きいか、もしくは支払い回数が増えるほど手数料率は高くなります。参考までに、楽天カードの手数料(実質年率)は以下のようになっています。
支払回数 | 3回 | 5回 | 6回 | 10回 | 12回 | 15回 | 18回 | 20回 | 24回 | 30回 | 36回 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
支払期間(ヶ月) | 3 | 5 | 6 | 10 | 12 | 15 | 18 | 20 | 24 | 30 | 36 |
実質年率(%) | 12.25 | 13.50 | 13.75 | 14.50 | 14.75 | 15.00 | 15.00 | 15.00 | 15.00 | 15.00 | 15.00 |
利用代金100円当たりの 分割払手数料(円) |
2.04 | 3.40 | 4.08 | 6.80 | 8.16 | 10.20 | 12.24 | 13.60 | 16.32 | 20.40 | 24.48 |
注目すべきは支払期間の長さ
この票をご覧に鳴っていただくとわかるかと思いますが、15回払いと36回払いは実質年率はどちらも15%ですが、利用代金100円あたりの分割払い手数料は36回払いのほうが2倍以上大きくなっています。支払い回数を増やすと、それだけ金利発生期間が伸びてしまうからです。
分割払いって何かメリットがあるの?
分割払いを選ぶと、それに応じて手数料を支払うことになります。それに対して、一括払いならば手数料はかかりません。それならば一括払いを選んだほうがどう考えても得な用に思えますが、必ずしもそうとはいえません。
分割払いのメリットは、手元に多額の資金がなくても商品を購入できることです。例えば、72万円の商品を購入するケースについて考えます。
一括払いで購入する場合、預金72万円を貯めるまでまたなければなりません。仮に預金が0円で、そこから一ヶ月に3万円貯める場合、24ヶ月間待つことになります。
しかし、24回の分割払いで購入すれば、3万円貯めるだけで買うことができます。つまり、1ヶ月間待つだけで買えるわけです。必要な商品が早く手に入れられるというのが、分割払いの最大のメリットです。
ちなみに、この場合、年利が15%なら支払い合計金額は約83万6000円、つまり手数料は約11万6000円ということになります。この場合、分割払いは11万6000円を払って商品を23ヶ月先に手に入れる契約といえます。
分割払いの途中で一括払いに切り替えることも可能
分割払いをしている最中に余裕資金ができた場合は、途中で一括返済することも可能です。一括返済をしてしまえば将来発生する利息をカットすることができるため、総支払額は少なくなります。ただし、多くのケースでは早期完済手数料という手数料を取られることになるので注意が必要です。
分割払いは「可能な範囲で回数を少なく」
分割払いには現時点では手に入れられない商品を早く手に入れられるというメリットがありますが、そもそも現時点で手に入れられない商品を買うべきではないという考え方もあります。分割払いは要するに借金の一種であり、そこまでして生活に必要ではないものを買うのはおかしい、というわけです。
確かに、この考え方にも一理あります。分割払いだとどうしても総返済額が増えます。そんなことをするくらいならば、日常的に貯金をして、その溜まったお金で一括払いをすればいいわけですからね。
きちんと貯金をして、分割払いをしなくてもいいくらいの余裕を作っておくことがいちばん大切なのかもしれません。分割払いを利用してでも欲しいものがある場合も、なるべく支払い回数は少なくした方が利息の負担を減らせます。分割払いは「可能な範囲で回数を少なく(出来る限り1回)」が理想です。
分割払いとカードローンならどちらがお得?
例えば、クレジットカードで48万円の商品を金利15%・24回払で購入するのと、カードローンで48万円を金利15%で借りてそれで買物をして、残ったローンを24ヶ月で返済するのとではどちらが支払利息が少なくなるでしょうか。答えはもちろん同じです。
となると、どっちを利用してもいいように思えますが、基本的には分割払いをおすすめします。分割払いは何があろうと24回で返済が終了しますが、カードローンは追加で借り入れをしてしまうと支払い回数が伸びてしまうからです。
まとめ
- 分割払いは支払い回数が決まっているが、リボ払いは伸びることがある
- 分割払いは24回、もしくは36回までとなっていることが多い
- 支払い回数が伸びると利息の支払いも増えるので、なるべく少なくした方がいい
- 分割払いとカードローンならば、追加借り入れの危険がない分割払いのほうが安全
分割払いはうまく使えばいい買い物ができますが、利息の支払いを考えるとやはり安易に使うべきではありません。欲しいものができても一括で払えるように預金を増やしておくことが大切です。