ビットコインFXは超ハイリスク超ハイリターンな仮想通貨投資

近年何かと話題になることが多いビットコイン。最近は現物取引のみならず、ビットコインFXを手がける業者も増えてきています。ビットコインFXは現物取引と比べて利益が数倍~数十倍になる可能性を秘めている反面、損失も数倍~数十倍になるリスクもあるため、気軽に手を出せる投資対象ではありません。

今回はビットコインFXの基本的な仕組みについて説明しますので、リスクとリターンを理解した上で参加するようにしてください。

FXは証拠金を用いて原資の何倍もの取引ができるシステム

ビットコインFXはビットコインを用いたFXです。FXとは、証拠金と呼ばれるお金を担保として預け入れることによって、原資の数倍~数十倍程度の取引が可能になるシステムです。この倍率をレバレッジと言います。

ビットコインFXでは、証拠金を担保にビットコインのポジションをビットコイン取引所から買います。買うのはビットコインそのものではなく、後でその取引所で売れるという権利であるため、他の取引所やウォレットに送金することはできません。買うというよりは、一時的に借りるという言葉のほうが適切かもしれません(実際に、ビットコインFXを行うと金利が発生します)。

買った(借りた)ときよりも売る(返す)ときのほうが値上がりしていれば、その差額×レバレッジが利益となります。逆に値下がりした時は、その差額×レバレッジが損失となります。損失は証拠金で埋め合わせます。

一方、現物取引では実際にビットコインを売買します。現物取引ではビットコインそのものを「買う」ので、他の取引所やウォレットに自由に送金できます。ただし、値上がりしてもその差額分しか利益が出ません。逆に値下がりしても、その差額分しか損失になりません。

ちょっとわかりにくいかと思いますので、具体的な例を見てみましょう。例えば、現時点のレートが1BTC=60万円で、手元に60万円の現金があるとします。

これに対して、レバレッジ3倍のビットコインFXでは60万円を証拠金として預け入れることによって、180万円までビットコインを借りられます。180万円あれば、3BTCまで買え(借りられ)ます。その後1BTC=70万円となった段階で売れ(返せ)ば、210万円で引き取ってもらえますので、差し引き30万円の儲けです

逆に、1BTC=50万円に値下がりした場合は、180万円で借りたビットコインを150万円で引き取ってもらうことになるので、差し引き30万円の損失です。この損失は証拠金から埋め合わされるので、60万円あった証拠金は30万円に減ってしまいます。このように、利益や損失の差額だけを決済する仕組みを「差金決済」といいます。

一方、現物取引の場合、最初に60万円で買ったビットコインが70万円になれば10万円の利益ですし、50万円になれば10万円の損失です。レバレッジが3倍になると、利益も損失も3倍になるのです。

そのため、ビットコインFXは現物取引と比べてハイリスクハイリターンであるといえます。ビットコイン自体がハイリスクハイリターンなものであることまで考えると、ビットコインFXは「超ハイリスクハイリターン」と言ってもいいかもしれません。

ビットコインFXのレバレッジ

ビットコインFXで掛けられるレバレッジはビットコインFXの取引所毎に異なります。主な大手取引所のレバレッジは以下のとおりです。

  • BitBankTrade:最大20倍
  • BitFlyer:最大15倍
  • Zaif:最大7.77倍
  • coincheck:最大5倍

ビットコインFXでは売りから入ることも可能

ビットコインFXでは、現物取引と異なり、売りから入ることも可能です。現物取引では「先に安く買って後で高く売る」と言う形でしか利益を得られないため、ビットコインが値上がりしないと利益を挙げられないのですが、ビットコインFXでは「先に高く売って後で安く買い戻す」ことも可能なので、ビットコインが値下がりしている相場でも利益を出すことができます。

ただし、売りから入って値上がりしてしまった場合は当然損失が発生するので注意しましょう。ビットコインは今後も長期的には値上がりする可能性が高いため、基本的には買いから入ることをおすすめします。

ビットコインFXにはスワップ(金利)がある

ビットコインFXをする場合、必ずスワップ(金利)の支払いが発生します。外国為替証拠金取引(法定通貨同士のレート差を使った取引)の場合は金利をもらえることが有りますが、ビットコインFXの場合は支払いのみが発生します。

金利は取引事によってまちまちですが、ほとんどのビットコインFX取引所では0.04%/日に設定されています。こうしてみると随分少ないようにも見えますが、これはあくまでも1日ごとの数字である点に注意が必要です。

仮にポジションを100日持ち続ければ、スワップは0.04×100=4.0%となります。ポジションを持っている期間が長くなればなるほどスワップも大きくなるので、利益が出るまでひたすら耐え続けるという戦術はおすすめしません。

証拠金が無くなりそうになった場合は強制ロスカットで損切りされる

ビットコインFXは自分の原資以上の取引をするシステムなので、暴落時には証拠金がなくなり、投資家が借金を背負ってしまうことも有りえます。

しかし、投資家が借金を負うのは投資家自身にとってはもちろん、ビットコイン取引所にとっても望ましくないことです。債権を回収する手間がかかってしょうがないからです。双方にとって望ましくない借金をなくすために、ビットコイン取引所は強制ロスカットという仕組みを採用しています。

これはいわば強制的な損切で、暴落時には証拠金が無くなりそうになる前に強制的に決済をしてしまう、というものです。

例えば、原資(証拠金)50万円、レバレッジ10倍で500万円の分の取引をするとします。はじめに1BTC=50万円で10BTC借り、1BTC=43万円となった時点で返すとします。強制ロスカットの仕組みがない場合、この取引での損失は70万円となります。証拠金は50万円しかないので、差し引き20万円の借金を背負ってしまうことになります。

しかし、強制ロスカットが働く場合は、証拠金が0になってしまう1BTC=45万円近辺まで価格が下がってきたら、その時点で強制的に決済されるため、証拠金が減ることはあっても、なくなることはありません。

証拠金がどのくらいまで減ったら強制ロスカットされるか?

強制ロスカットの基準は、ビットコイン取引所によって異なります。強制ロスカットの基準となるのが証拠金維持率です。証拠金維持率とは、必要証拠金な証拠金に対する現在の評価額(含み益や含み損を考慮した時価)のことです。

例えば、現在証拠金として預け入れている金額が15万円、必要証拠金が10万円、評価額が8万円の場合、証拠金維持率は8万円÷10万円=0.80=80%となります。この証拠金維持率が一定の基準を下回ると、強制ロスカットとなります。大手ビットコインFX取引所の基準は以下のとおりです。

  • 100%:BITPoint
  • 50%:BitFlyer、coincheck
  • 30%:Zaif
  • 20%:BitbankTrade

証拠金維持率が下がってきた時は、損がこれ以上大きくなる前に売るか、預入の証拠金を増やすかするといいでしょう。例えば上記の口座に10万円追加で預け入れた場合、評価額は18万円となるので、証拠金維持率は180%まで回復します。

追証について

追証は追加保証金の略です。証拠金維持率が強制ロスカット基準に近づいてきた場合、取引所によっては追証を求められることがあります。

追証を払えば証拠金維持率が回復しますが、一定期間中に払わないとその時点で強制決済となります。現状では追証有りの取引所と追証なしの取引所が混在しています。代表的な取引所のルールは以下のとおりです。

  • Zaif:なし
  • BitbankTrade:なし
  • coincheck:80%
  • BitFlyer:80%

キャピタルゲインフィーとは

には強制ロスカットの仕組みが有りますが、それがいつも完全に動作する保証はありません。ビットコインは価格変動が大きく、ジャンプするように価格が動くことも有りえます。

その場合、証拠金がマイナスとなり、借金を背負うことになります。その場合は原則として取引所が支払いを一時的に建て替えてくれますが、その後取引所に対して支払いを行わなければなりません。

しかし、キャピタルゲインフィーを導入している取引所を利用すれば、借金を背負うことはなくなります。キャピタルゲインフィーとは、取引所が利益の一部を積み立て、その積立金で顧客の借金を穴埋めする制度です。現状ではZaifやBitbankTradeが同制度を採用しています。

ビットコイン信用取引とビットコイン先物はビットコインFXとどう違う?

ビットコインFXとよく似た投資に、ビットコイン信用取引とビットコイン先物があります。この二つはビットコインFXと同様に、原資の数倍~数十倍の取引ができる取引ですが、細かな違いもいくつかあります。

ビットコイン信用取引は自身の信用をもとに資金を借りて売買する取引方法

ビットコイン信用取引は、その名の通り自身の信用をもとに資金を借りて売買する取引方法です。ビットコインFXでは実際に出た利益や損失の差額を証拠金で決済する「差金決済」のシステムを採用していますが、信用取引の場合は差金決済システムはありません。

例えばビットコインFXの場合、原資50万円、レバレッジ3倍で取引をする場合は、証拠金を50万円預け入れて、10万円損失が出た場合は証拠金が40万円となるような仕組みになっています。

一方、ビットコイン信用取引の場合は、原資の50万円にビットコインFX取引所から借りた100万円を追加して150万円の資金としてビットコインを買います。仮に150万円で買ったビットコインが140万円で売れた場合、そこから100万円を返済するので原資は40万円となります。

仮に暴落した時はビットコインFXの場合と同様に強制ロスカットされるため、通常は借金を背負うことはありませんが、システムが上手く働かない時もあります。

ビットコイン先物は先に契約して、あとで実際に売買する取引

ビットコイン先物は、先にビットコインの売買の契約を行い、実際の売買はその後行う取引のことです。例えば、現時点(1月1日)では資金がないけれど、1ヶ月後(2月1日)には資金が手に入るというケースで考えます。

2月1日に新規が手に入ってからビットコインを買うのは現物取引です。それに対して、1月1日時点で契約だけ結び、2月1日に実際に売買をするのが先物取引です。価格は契約した時点、つまり1月1日のものが採用されます。

現物取引なんてこ面倒なことをしなくても、2月1日まで待ってから現物取引をすれば良いのではと思われるかもしれませんが、2月1日にビットコインの価格が上がっていた場合、購入にかかる費用がかさんでしまいます。

一方、先物取引の場合は1月1日の価格で契約するため、2月1日に価格がいくら上がっていた場合は、その時点での価格よりも割安に買えることになります。ただし、逆に価格が下がっていた場合はその時点での価格よりも割高になってしまいます。

FX・信用取引・先物の相違点①取引期限

ビットコインFX・ビットコイン信用取引・ビットコイン先物の一番大きな違いは取引期限の有無です。それぞれの取引期限は以下のようになっています。

  • ビットコインFX:期限なし
  • ビットコイン信用取引:期限あり
  • ビットコイン先物:期限あり(限月まで)

ビットコインFXには取引期限がありません。購入したポジションを購入と同日に決済しても構いませんし、1ヶ月後、3ヶ月後、1年後、あるいはもっと後に決済しても構いません。ただし、前述の通りビットコインFXにはスワップの支払いがありますので、長期的な保有は余りおすすめしません。

ビットコイン信用取引は取引期限があります。取引期限までならいつ売買してもOKですが、期限を過ぎた場合は強制決済となります。取引期限はビットコイン信用取引所によって異なりますが、例えばZaifの場合は30日となっています。そのため、ビットコインFXと比べるとより短期での売買に向いているといえます。

ビットコイン先物は最初に実際に売買する日にちを定めますので、それが期限となります。期限の日を限月と言います。なお、限月より前に取引を終了させることも可能です。

FX・信用取引・先物の相違点②スワップ

各取引のスワップ(金利)は以下のようになっています。

  • ビットコインFX:スワップ有り
  • ビットコイン信用取引:スワップ有り
  • ビットコイン先物:スワップなし

ビットコインFXとビットコイン信用取引は、どちらも証拠金を用いてお金を借りて取引するものなので、その借りているお金に対してスワップがかかります。一方、ビットコイン先物は借金ではなく、将来売買をするという契約なので、スワップはかかりません。

ビットコインFXとビットコイン信用取引のスワップはどちらも0.04%/日程度です。ただし、ビットコイン先物であっても、取扱手数料という名目で費用が取られることもあります。取引所によってルールが少しずつ異なりますので、事前に確認しましょう。

3つの取引の使い分け方

ビットコインFX,ビットコイン信用取引、ビットコイン先物取引はそれぞれ似ていていも異なるものであり、それぞれに長所と短所があります。

ビットコインFXは取引期限がないため、比較的長期の保有に向いています。ただし、いつまでも保有できるという性質上、ずるずるといつまでも持ち続けてしまう可能性もあります。決断力がない人には余り向いていないかもしれません。

ビットコイン信用取引は取引期限があるため、比較的短期の保有に向いています。取引期限内に強制決済されるため、損失が膨らみにくいですが、V字回復は期待できなくなります。

ビットコイン先物取引はスワップがかからないため、経費を抑えて取引したいという人に向いています。

それぞれの長短所を比較して、自分の都合に最も遭った取引を選びましょう。

まとめ

  • ビットコインFXでは原資(証拠金)の数倍~数十倍の取引が可能
  • 証拠金維持率が一定以下になった場合、強制ロスカットされる
  • 強制ロスカットの仕組みがあるため、基本的には借金を背負うことはない
  • 強制ロスカットがうまく行かなくても、キャピタルゲインフィーがあれば借金を背負うことはない

ビットコインFXはうまく行けば大きな利益が出る反面、大きな損失が出る可能性も高い超ハイリスク超ハイリターンな投資です。取り組む際にはその危険性を十分に理解した上で、安全資金で運用するようにしましょう。