数ある投資対象からビットコインを選ぶ5つのメリットとデメリット

近年、新たな投資対象として、さらには政府や中央銀行管理下にない自由な通貨として注目を集めているビットコイン。

株式や債券、にはない魅力と将来性を秘めていることは間違いありませんが、一方でビットコイン特有のデメリットも多く、そのことを知らずに安易に飛びつくのは危険です。

今回はビットコインを投資の対象にすることのメリットとデメリットをそれぞれ5つずつ紹介しますので、両者をよく比較したうえで買うか買わないかを決めてください。

ビットコインのメリット5つ


ビットコインの主なメリットは以下の5点です。

  • 管理者が存在しない
  • 国家破たん時のリスクヘッジ先として有用
  • 価格の変動幅が大きい
  • 全世界で直接送金ができ、時間も手数料もかからない
  • 一部の店舗で買い物に使える

管理者が存在しない

ビットコインには、株式や債券、あるいは法定通貨などと違い、流通量をコントロールする管理者が存在しません。

開発者はもちろん存在しますが、開発者が自分の意思で勝手に流通量や価格をいじることはできません。管理者がいないのに投資の対象になっているという点では、貴金属(特に金)に近いものがあるかもしれません。

管理者が存在しないのは一見危険なようにも思えます。実際、危険な部分もあるのですが(詳しくは後述)、それを穴埋めするほどのメリットが存在します。管理者が存在しないと、故意に流通量が増やせなくなるため、供給量過剰に伴う価値の低下(インフレ)が起こりづらくなるのです。

ビットコインは現在、一定のペース(10分間に12.5BTC)の新規発行が進められています。このペースは数年後に半分(10分間に6.25BTC)、その数年後にはさらに半分(10分間に3.125BTC)……といった感じで徐々に遅くなっていき、2140年に総発行枚数が2100万BTCとなったところで打ち止めとなる予定です。

国家破たん時のリスクヘッジ先として有用

ビットコインは政府や中央銀行の管理下にないため、国家が破綻しても価値がなくなることはありません。むしろ国家が破綻すれば法定通貨の需要が少なくなり、ビットコインの需要は多くなると考えられます。

問題は国家破綻のリスクがどれくらいあるのかということですが、正直これはよくわかりません。ですが、破綻の可能性がないとはいえない以上、分散投資の一環としてビットコインを所有するという選択肢は大いに「あり」だといえるでしょう。

価格の変動幅が大きい

ビットコインは株式や債券などと比べると非常に価格変動幅が大きいです。価格変動が大きいのはメリットにもなり、デメリットにもなります。価格変動が大きい投資商品は、どちらかと言うと短期投資向けです。

全世界で直接送金ができ、時間も手数料もかからない

ビットコインは法定通貨と違い、全国どこの相手に対しても、第三者を介さずに直接送金ができることです。

円やドルの法定通貨を送金する場合は通常、銀行などの金融機関などを利用します。銀行や金融機関を介せばそれだけ時間がかかりますし、金融機関に支払う手数料もかかります。

国内での送金ならばまだいいのですが、海外への送金だとさらに両替まで行わなければならないため、かかる時間と手数料はさらに大きくなります。

一方、ビットコインの送金には第三者は不要です。ビットコインアドレス(銀行口座のようなもの)さえあれば、世界のどこへでもビットコインを支払い、またビットコインを受け取ることができます。送金にかかる時間は通常10分と短いうえ、手数料もほとんどかかりません。

このようなビットコインの長所が広まれば需要が高まり、価格は上がるでしょう。

一部の店舗で買い物に使える

ビットコイン以外の投資の対象、例えば株式や債券、あるいは不動産や貴金属などは、そのまま買い物に使うことはできません。証券市場や不動産市場などを通じて適切に売却し、法定通貨に直したうえで買い物をする必要があります。

一方、ビットコインは、そのまま買い物に使えます。現在はまだビットコインでの支払いを受け付けている店舗はそれほど多くありませんが(参考:)、今後は増えていくことでしょう。ビットコインの通貨としての価値が高まれば、それをほしがる人が増えるため、価格は上昇するはずです。

ビットコインのデメリット5つ

ビットコインの主なデメリットは以下の5点です。

  • 管理者が存在しない
  • 価格の変動幅が大きい
  • 投資家を保護する仕組みの構築が不十分
  • 新規発行分を得るのがほぼ不可能
  • 競争相手のアルトコインと比べると劣る部分も多い

管理者が存在しない

管理者が存在しないのは長所であると同時に、短所にもなりえます。管理者が存在しないということは、価値を誰も保証してくれないということです。

もしビットコインなんて何の価値もない、という風潮が出来上がってしまったら、それまで溜め込んだビットコインはすべて無価値になってしまいます。

もっとも、管理者がいる通貨であっても、価値がなくなることはありえます。例えばジンバブエドルは政府の管理下で発行されていたにも関わらず、様々な失政によって価値を失ってしまいました。

現代においても、北朝鮮政府が管理する北朝鮮ウォンとビットコインはどちらかをもらえるとしたら、私はビットコインの方を選びます。

ただ、現時点で米ドルや日本円などの信頼性の高い管理通貨と比べると、どうしても不安な面があるのも確かです。

価格の変動幅が大きい

価格の変動幅が大きいことは、長所であると同時に短所にもなりえます。そもそもビットコインは価格が乱高下しやすいものであり、長期的な資産の保管には向かないという人も居ます。

実際、過去には1BTC=10万円がわずか1ヶ月で1BTC=6万円程度まで下がってしまったこともあります。

ビットコインは今のところこれと言って資産を持っていない人が資産を増やすのには向いていますが、すでに資産がある人がそれを守るのには余り向いていません。

もちろん、試算の数を増やしてリスクヘッジを図りたいという場合は、資産の一部をビットコインにするのも手ですが、あまりにもビットコインに偏重した資産配分を行うのはリスクが高いと覚えておきましょう。

投資家を保護する仕組みの構築が不十分

ビットコインは投資対象としての歴史が浅いため、法整備が十分に追いついていません。それに故に投資家保護が十分進んでいない面があります。

例えば、FXの場合は不正な取引所や財政難の取引所を市場から排除する仕組みが構築されていますが、ビットコインに関してはそのような仕組みがありません。

その為、怪しいビットコイン取引所も少なくありません。利用する前にかならず取引所の評判を調べましょう。

また、FXは万が一取引所が倒産した場合でも、信託保全(顧客の資産とFX取引所の資産を分けて管理する)があるため、投資家は自分の資産を取り戻すことが出来ますが、ビットコイン取引所が倒産した場合、資産は原則として戻ってきません。

ビットコインを長期間保有する場合は、取引所に預けるのではなく、ウォレット(仮想の財布)の中にしまうようにしましょう。

ただ、現在は投資家保護の仕組みが不十分ななビットコインも、時がたつに連れて国の規制がかかり、質の悪い業者は排除されていく可能性が高いです。

実際、FXも2000年代前半までは規制がなかったために質の低い取引所が数多く存在していたのですが、前述の信託保全などのルールを作ったことによって、そうした取引所は概ね淘汰されました。

新規発行分を得るのがほぼ不可能

ビットコインを得る方法は大きく2つ。新規発行分を得るか、既存の分を誰かから買うかです。後者は取引所や販売所を使えば誰でも出来ますが、前者は一般投資家にはほぼ不可能です。

ビットコインは世界中に存在する有志が、他人の取引データを取引台帳に記録する事によって取引の健全性が保たれています。といっても、彼らはボランティアではありません。

他人の取引を最も素早く取引台帳に記録すると、新規発行分のビットコインがもらえます。この仕組を採掘と言います。

採掘は早い者勝ちです。従って、他人の取引を最も早く記録できるような、高性能なコンピュータを保有している人ほど、採掘できる可能性が高まります。

昔は家電量販店やBTOなどで販売されている一般家庭向けパソコンでも採掘できたのですが、競争が激化し、世界各国の資金のある法人が採掘に参戦するようになった今ではほぼ不可能です。

ビットコイン以外の仮想通貨(アルトコインと呼ばれます)の中には、平凡なパソコンでも十分採掘ができるものもありますので、自力で採掘がしたい方はそちらを選ぶといいでしょう。

競争相手のアルトコインと比べると劣る部分も多い

ビットコインは世の中に存在するすべての仮想通貨の中で、最も時価総額(発行枚数×発行枚数)が高いです。

世界中でやり取りするのに仮想通貨は何種類もいらないので、今後は最も広まったビットコインに人気が集中し、アルトコインは価値を失っていくのではないかという見方もありますが、必ずしもそうとはいえない一面もあります。

そもそも、ビットコインがいち早く価値を上げたのは、アルトコインと比べて誕生が早かったから、という面が大きいです。アルトコインと比べて性能が高かったから、というわけではありません。

実際、特定の分野に限って言えば、ビットコイン以上の性能を持つアルトコインが少なくありません。

例えば、仮想通貨NEMはビットコインのブロックチェーンを改良した結果、承認にかかる時間を1分にまで短縮しています(ビットコインは10分)。また、DASHやMorenoは独自の技術を導入することにより、ビットコインよりも高い匿名性を実現しています。

ただ、ビットコインよりも高性能なアルトコインがビットコインになり変わるかというと、必ずしもそうとはいえません。

すでに広く流通し始めているビットコインのほうが、高性能なアルトコインよりも安心感があるという理由でビットコインを選ぶ人がいることは容易に想像できます。機能が優秀だからと言って必ず選ばれるわけではないのです。

ビットコインに投資する際の注意点3つ

ビットコインに投資する上で、必ず抑えておきたいポイントを3つお話します。

  • 長期保有する場合は必ずウォレットに保管する
  • できればビットコイン意外にも分散投資する
  • 投資は余裕資金でやる

長期保有する場合は必ずウォレットに保管する

ビットコインは取引所に保管することも出来ますが、前述の通りビットコインはFXなどと比べて投資家保護の仕組みが整っていません。取引所が倒産したり、あるいはコインが盗まれたりした場合、戻ってこない可能性が高いです。

短期の間に売買を繰り返す場合は取引所に保管してもいいかもしれませんが、長期的に、あるいはある程度まとまった額を保管する場合は、必ずウォレットに保管しましょう。(参考:ビットコイン保管用のウォレット比較!Android・iPhoneでも使える

できればビットコイン意外にも分散投資する

投資をする場合、ビットコインだけに資金を集中させるのはよくありません。値上がりすればいいですが、値下がりしてしまった場合にリカバリーが効かなくなるからです。

ビットコイン以外にも資金を分散させておけば、ビットコインが値下がりしても他の値上がりした部分で損失をカバーできます。アルトコインはもちろん、株式や債券、保険や投資信託など、様々な投資対象を比較したうえで、バランスよく資金を分散させましょう。

投資は余裕資金でやる

ビットコインに限った話ではありませんが、投資は必ず余裕資金、失ってもい位お金でやりましょう。生活費をかけて失ってしまったらもう取り返しが効かなくなってしまいますし、そんな大事なお金を投資して平常心を保てるわけがありません。

余裕資金などとても捻出できないというほど困窮している場合は、生活を見直したほうがいいかもしれません(参考;ものぐさでもできる!楽してお金を節約し貯める方法)。

まとめ

  • ビットコインには他の投資先にはないメリットやデメリットが有る
  • 管理者が居ないのはメリットにもデメリットにもなりうる
  • 国家破綻に備えたリスクヘッジ先として有用
  • ビットコイン投資家を保護する仕組みはまだ不十分
  • いろいろな投資先を比較した上で、ビットコインを選ぶべき

ビットコインに限らず、すべての投資にはリスクがつきものです。そのことを理解してから、投資の世界に飛び込むようにしましょう。