ビットコインの仕組みをわかりやすく解説!なぜ価格が動くの?

近年巷で話題になっているビットコイン。価格が急騰しただの急落しただのという話を聞きつけ、何やら儲かりそうだ、と漠然とした感想をお持ちになった方は少なくないかと思います。

そしてビットコインとはなんぞやと調べて、理解できずに諦めてしまった方も少なくないかと思います。

ビットコインは各国政府が発行する通貨とは大きく違う「仮想通貨」であるためとっつきづらい部分もありますが、慣れてしまえば難しいものではありません。

今回はビットコインがどのような仕組みで成り立っているかを、余すことなく簡単に説明したいと思います。

ビットコインはビル・ゲイツも凄さを認めた「仮想通貨」

ビットコインは仮想通貨の一種です。仮想通貨とは政府が発行する法定通貨とは全く別の通貨で、ビル・ゲイツに「銀行機能は必要だが、今ある銀行は必要なくなる」と言わしめるほどの革命的な通貨です。仮想通貨と法定通貨の違いは複数ありますが、特に大きな違いは以下の5つです。

仮想通貨は形が存在せず、触れられない

法定通貨は紙幣や硬貨という実体を伴う通貨です。触ろうと思えば簡単に触れます。一方、仮想通貨は実態を伴わない通貨であり、決して触ることは出来ません。さわれないのにどうやって存在するのかと思われるかもしれませんが、ハードディスクやウェブ上のストレージに保存できる「電子データ」という形式で存在します。

仮想通貨はコンピュータもしくは民間の企業や個人が発行する

法定通貨はだいたいどこの国でも中央銀行が発行しています。中央銀行とは国家や地域の金融機構の中心となる金融機関で、政府から独立した存在です。

通貨を発行するだけでなく、金融政策を実行したり、雇用を安定させたりする役割も担っています。日本の場合は、日本銀行が中央銀行に当たります。

一方、仮想通貨の発行元はコンピュータもしくは民間の企業や個人などです。前者をカレンシータイプ、後者をアセットタイプと言います。ビットコインはカレンシータイプの仮想通貨です。

コンピュータを作るのは人なのだから、カレンシータイプの仮想通貨も結局は人が発行していることになるのではないか、と思われるかもしれませんが、それは正しくありません。

コンピュータは決められたプログラムに基づいて機械的に通貨を発行しているため、その発行量はプログラム開発者にも変えられません。

仮想通貨には発行量の上限が決められている

法定通貨は通常、中央銀行が景気に応じて金融政策を行い、通貨発行量を調整しています。つまり、人間の裁量次第で発行量が変えられるのです。

一方、仮想通貨は予め発行量の上限が決められており、コレを越えた金額を発行することは絶対にできません。例えばビットコインの場合、発行量の上限は2100万BTCと定められています。

現在は10分に1BTCのペースで発行されていますが、半減期と呼ばれる時期が来るとペースは半分になります。(参考:ビットコインの半減期とは?次の半減期はいつくる?)。

時がたつに連れて次第に発行ペースは遅くなっていき、2140年ごろに最後のビットコインが発行され、それ以上は増えなくなります。

仮想通貨の取引は原則全て記録される

法定通貨の取引は記録されるものもありますが、記録されないものもあります。例えばインターネット銀行からの振込などは記録されますが、対面販売での取引や自動販売機を使った取引などは記録されないのが普通です。

一方、仮想通貨を用いた取引は、原則全て記録されます。仮想通貨を用いた取引の記録(ブロックチェーン)は、仮想通貨の取引に参加する複数のコンピュータの上に保存されます。(ブロックチェーン所に個人を特定可能な情報は含まれていません)。

取引記録が保存されることは、取引の透明性を高めることにつながります。一見謎に包まれたイメージのある仮想通貨ですが、実際のところ違法な取引に使われるリスクはむしろ法定通貨より少ないと考えられます。

ただ、取引の透明性を高めることはプライバシー問題にも繋がる恐れがあります。合法であるがあまり他人に走られたくない取引、例えばアダルト系商品などの購入にはあまり向いていないかもしれません。

仮想通貨は直接取引ができる

法定通貨で遠く離れた個人や法人と取引する際には、間に銀行などの金融機関を挟む必要があります。金融機関を仲介業者にすれば、取引の安全性が高まりますが、仲介手数料も高額になります。

一方、仮想通貨で取引をする際には、金融機関を間に挟まない直接取引ができます。このような仕組みをピアツーピア(P2P)といいます。

ビットコインと他の仮想通貨の違い

2017年7月現在、市場には、少なくとも800種類の仮想通貨が出回っています(認知されていないほど市場が小さいものを含めば、もっと多くなるはずです)。ビットコインとその他の仮想通貨(アルトコイン)の大きな違いは以下の3点に集約されます。

ビットコインはネットワークを維持するシステムが特殊

殆どのアルトコインは、Proof of Stakeというシステムを採用しています。これはその段階でそれぞれの投資家が保存しているアルトコインの量が多いほど、鋳造(新規発行された仮想通貨を手に入れるための作業)がしやすくなる仕組みのことです。

一方、ビットコインはProof of Workというシステムを採用しています。これはパソコンの能力を作って複雑な計算(採掘)をさせて、その計算を一番早く説いたものに新規発行されたビットコインを与える仕組みです。現状、100万円以上の投資ができないと、採算が合わないと言われています。

まとめると、アルトコインはその時点でたくさんのコインを持っているものが有利になり、ビットコインは高い能力のパソコンを持っているものが有利になる仕組みであるといえます。

Proof of Workは51%攻撃の危険性があります。これは特定の個人やグループが51%以上の採掘速度を支配すると、不正な取引ができるようになってしまうというシステム上の欠陥のことです。

実際にそれを行うのは現時点では難しいとされていますが、最近は採掘自体がグループ化されてきているため、いつか起こるのではないかと懸念されています。もし起きてしまった場合、ビットコインの信頼性は崩れ、価格は値崩れしてしまうでしょう。

一方、Proof of Stakeには51%攻撃のリスクがほぼありません。51%攻撃をすること自体は理論上は可能ですがそんなことをすると不利益になるため誰もやろうとしない、といったほうが正しいかもしれません。

Proof of Stakeで51%攻撃をするためには、まずそのアルトコインを51%以上保有する必要があります。これは事実上ほぼ不可能なことです。

万が一出来たとしても、51%攻撃を行えばそのアルトコイン自体の価値が下がってしまうため、自分で自分の首を絞める事になります。そんなことをするよりも、保有量の多さを活かして鋳造したほうが特になるので、誰もやらない、というわけです。

ビットコインは現時点での信頼性が高い

アルトコインの中には、イーサリアムやリップルなど、ビットコインに迫る勢いで時価総額が高騰しており、信頼性が高いものもありますが、そうでないものも存在します。

信頼性がないだけならまだいいのですが、中には最初から利用者を騙すために作られたアルトコインも存在します。このようなコインをスパムコインと言います。

一方、ビットコインは他のアルトコインと比べれば現時点での信頼性は桁違いに高いです。

ただし、これはあくまで現時点での話であり、将来ビットコインの信頼性が崩れたり、あるいはビットコイン以上に信頼性が高いアルトコインが生まれたりする可能性は否定できません。もっとも、将来信頼性が崩れる可能性があるのは円やドルなどの法定通貨にも言えることですが。

ともかく、アルトコインを購入する前には、事前に情報収集をして、そのアルトコインが本当に信頼できるものなのかを調べたほうがいいでしょう。どこの世界にも詐欺師は存在します。

ビットコインは使える場所が多い

アルトコインが使えるお店は、現時点ではほとんど存在しません。強いて言えば日本初のモナコインや、仮想通貨の中では時価総額がビットコインについで高いイーサリアムが使える店はそこそこありますが、ビットコインには遠く及びません。

一方、ビットコインが使えるお店も絶対数はそう多くはないのですが、近年急速なペースで増え続けています。使えるお店が増えるということは、通貨としてより便利になるということであり、さらなる値上がりも期待できます。(参考:ビットコインが使える店一覧!DMM.comやビックカメラ新宿店も

ビットコインの入手方法

ビットコインの入手方法は概ね以下の4つに分類できます。

採掘を行って入手する

先程少し触れましたが、採掘とは複雑な計算を一番早く行うことによってビットコインが手に入る仕組みです。

ビットコインの取引データは、全て記録されます。その追記の処理には膨大な計算が必要であり、その計算が採掘です。採掘という、本来やらなくても良い作業をした人には、その見返りとしてビットコインが与えられる、というわけですね。

採掘に精を出している人たちがビットコインの健全な発展のために行っているのか、それとも自身の利益のために行っているのかはわかりませんが(おそらく後者でしょう)、ともかく彼らの手によって取引記録が記録され、ビットコインの安全性が確保されていることは間違いありません。

ただ、現時点ですでに様々な国のグループ、組織が採掘に携わっているため、今から新規参入しても採掘に成功する可能性は極めて低いです。

加えて半減期によってこれから採掘できるビットコインはどんどん減っていくため、素人の個人は手を出さない方がいいでしょう。

ビットコイン取引所で購入する

ビットコイン取引所とは、ビットコインの所有者とビットコインの購入希望者が集まり、直接取引をするオンラインの取引所です。証券取引所のビットコインバージョンと考えていただければわかりやすいかもしれません。(参考:ビットコインの取引所はどんな場所?どこを使うのがおすすめ?

現時点ですでにたくさんのビットコイン取引所がありますが、うち日本語が使えるのは12箇所です。(BitFlyer、Bitpointなど)

ビットコイン取引所では、所有者が希望売却額(Ask)を、購入希望者が希望購入額(Bid)をつけます。Askの中で最も高いBest Askと、Bidの中で最も高いBest Bidの価格の価格差がビットコイン取引所の定めた仲介手数料(スプレッド)まで小さくなった時に取引が成立します。これらの情報はすべてビットコイン取引所で公開されています。

仮にBest AskとBest Bidの価格差がスプレッドまで縮まらなかった場合は、所有者と購入希望者の少なくともどちらか一方が歩み寄らない限り、半永久的にその取引所で取引が成立することはありません。

ビットコイン販売所で購入する

ビットコイン販売所は、ビットコインの所有者もしくはビットコインの購入希望者が、ビットコイン販売所を運営する業者とビットコインを売買するためのオンラインの取引所です。ビットコイン販売所はユーザー間の直接取引を運営がサポートするという形式を取っていたのに対して、こちらはユーザーと業者が取引します。

ビットコイン販売所は、ビットコイン取引所と違い、最初からビットコインの売買価格が決められています。いちいちAskやBidを決める必要が無く、取引は必ず成立します。一方でビットコイン取引所と比べると取引手数料が高めに設定されているため、少しでも安く買ったり、高く売ったりしたいという人には向いていません。

なお、ビットコイン取引所とビットコイン販売所の両方を兼ねている業者も少なくありません。例えば先程名前が出てきたBitFlyerは両方を兼ねています。

サービスの対価として受け取る

ビットコインは通貨の一つですから、報酬の受取にも使えます。現在はDMM.comやヨドバシカメラ新宿西口店を始めとする複数の店舗が、ビットコインでの決済を受け付けています(参考:ビットコインが使える店一覧!DMM.comやビックカメラ新宿店も)。この時、事業者側はビットコインをサービスの対価として受け取っていることになります。

あるいは、個人事業主がクライアントからビットコインで報酬を受け取る、というようなことも十分考えられます。

ただし、ビットコインは価格が変動するリスクがあります。報酬としてビットコインを受け取った後に、ビットコインが下落してしまった場合、実質的な報酬額は少なくなってしまいます。

このような減少自体は外貨で報酬を受け取ったときにも起こることですが、ビットコインは外貨と比べると市場が小さいぶん、価格が急落しやすいです。もちろん、逆に価格が急騰する可能性も秘めているため、一概に悪いこととはいえませんが、報酬の受け取り方としてはハイリスクな仕組みであることは覚えておいたほうがいいでしょう。

ビットコインの保存方法

通常の法定通貨は財布や金庫、あるいは銀行口座や証券口座などに入れて保管します。一方、ビットコインの場合はウォレットという仮想的な財布の中に入れて保管します(参考:ビットコイン保管用のウォレット比較!Android・iPhoneでも使える)。

ウォレットは概ね以下の5つに分類できます。

パソコン上のウォレット(ソフトウェアウォレット)

自分のパソコンのハードディスク内にインストールするタイプのウォレットです。オンライン上ではなく、自分のパソコンというローカル環境に保管するため、セキュリティ面で優秀です。ただし、そのパソコンをインターネットに接続する場合はウイスル感染やハッキングのリスクが高まるため注意が必要です。大量のビットコインを保管する場合は、それ専用のインターネットから切り離されたのパソコンを使うことをおすすめします。

また、パソコン本体が故障した場合、ビットコインが取り出せなくなってしまう可能性があるため、しっかりとバックアップをとっておくことが大切です。

スマートフォン上のウォレット(モバイルウォレット)

スマートフォンアプリ形式のウォレットです。基本的な使い勝手や長短所などはパソコン上のウォレットとあまり変わりありませんが、持ち運び可能で、QRコードの読み取りなどが簡単にできるという点で優れています。

実店舗でビットコインを用いて支払いをする場合は第一の選択肢となりますが、セキュリティ面にはやはり不安が残るため、大量のビットコインを管理するのには向いていません。

オンライン上のウォレット(Webウォレット)

Webウォレットは、Web上のスペースに保管するタイプのウォレットです。オンラインストレージのビットコインバージョンと考えていただけるとわかりやすいかと思います。面倒なインストール作業なども必要なく、端末が壊れる心配もありませんが、セキュリティを業者側に一任するため、信用できる業者を選ばなければなりません。

ハードウェアウォレット

ビットコインを保存するために作られた専用のハードウェアにビットコインを保管するタイプのウォレットです。これまで紹介してきたウォレットと違い、インターネットに接続されることがないため、セキュリティ面は段違いに優れています。USBなどでパソコンに簡単に接続できるため、利便性も問題ありません。

しかし、ハードウェアウォレット自体がやや高額で、またそれ自体が故障するリスクもあります。バックアップはしっかりととっておきましょう。

ペーパーウォレット

ペーパーウォレットは、紙ベースのウォレットです。紙にアドレスと秘密鍵を印刷することによって、安全に保管します。基本的には長期保有用であり、安全性にも優れていますが、利便性は悪いです。また、印刷した紙自体をなくしてしまったり、印刷された文字が劣化で読み取れなくなってしまうリスクもあります。

5つのウォレットの特徴

外部攻撃に対する安全性 長期保管の適性 初心者にとっての使いやすさ 決済時の利便性
ソフトウェアウォレット
モバイルウォレット
Webウォレット
ハードウェアウォレット
ペーパーウォレット

ビットコインの価格が動く仕組み

一般的に物の価格というのは需要と供給のバランスによって決まります。例えば、あるものの需要が供給に対して多い場合、売る側は価格を上げても問題なく売れると考えるため、価格を上げます。

価格が上がると、欲しがる人が減るので需要が減ります。少し価格を上げただけでは需要>供給のバランスは崩れませんが、しばらく価格を上げ続けるとやがて需要=供給となり、価格が一定に落ち着きます。逆に需要が供給に対して少ない場合、売る側は価格を下げていくため、やはり需要=供給となり、価格が一定に落ち着きます。

ビットコインの場合もこの例に漏れず、基本的には需要と供給のバランスによって価格が決まります。ビットコインに対する需要が供給に対して多ければ価格は上がり、需要が供給に対して少なければ価格は下がります。

しかし、ビットコインと一般的な商品には、大きな違いがあります。ビットコインの最大発行枚数は2100BTCと決められているため、供給量がそれ以上には増えないのです。供給量に明確な上限がある一方で、需要にはそれがないため、価格が上がりやすいのです。

また、通常、需要が大幅に供給を上回っている場合、生産者は価格を上げるだけでなく、供給ペースを増やすことによって対応しようとします。通常の商品は、工場を建てたり人を増やしたりすれば、供給ペースを上げられます。

しかし、ビットコインは供給ペースが現時点では12.5BTC/10分で固定されています。そして、次の半減期が来ると(2020年頃に来ると思われます)6.25BTC/10分に、また次の半減期が来ると(2024年頃に来ると思われます)3.125BTC/10分に減ります。

人間が自らの意志によってビットコインの供給ペースを増やすことは不可能なのです。必然的に需要が供給に対して上回りやすく、それが価格上昇を引き起こす原因となります。

ビットコインの需要の決まり方

では、ビットコインの需要はどうやって決まるのでしょうか。ビットコインはスーパーやデパートなどの小売店で売られている商品、あるいは株式や債券などの金融商品とはまた違った理由で需要が決まります。ビットコインの需要を決める要因としては、以下のようなものが上げられます。

法定通貨の信頼性

ビットコインと法定通貨は、互いに需要を食い合うものであると考えられます。法定通貨の需要が減ればその分ビットコインの需要が増えて価格が上昇し、法定通貨の需要が増えればビットコインの需要が減って価格が下落する、というのが大まかな仕組みです。

では、法定通貨の需要はどのように変動するのでしょうか。これまた複数の原因があるのですが、基本的には景気動向や金利、物価、政治的安定性などが主な原因です。

例えば、ある国の景気が極端に悪くなったとします。すると、その国からは海外資本が逃げていくため、その国が通貨は売られて供給超過となり、需要は少なくなります。法定通貨の需要が少なくなればビットコインの需要は上がるため、結果的には「景気が悪い国ではビットコインの需要が増える」ことになります。

景気動向に関する指標には雇用統計、GDP(国内総生産)などがあり、これらが発表された直後にはビットコインの価格が変動することがあります。

また、政治不安や金融危機などにより、ある国の法定通貨の信頼性が揺らぐと、法定通貨の需要は下がるため、ビットコインの需要が増えます。

実際、2013年のキプロス危機では、ユーロの信頼性が大幅に下落し、ビットコインの人気が高まり、2013年1月には1BTC=1940円だったビットコインは、2013年3月には1BTC=1万3800円まで上昇しました。

決済手段としての利便性

ビットコインは決済手段の一つですから、使える店が増えるほど当然需要は増加します。現状、ビットコインは時価総額が世界一の仮想通貨であるものの、使える店はそれほど多くありません。

しかし、少しずつ使える店が増えているのは確かですし、今後更に増えることはあっても減ることは考えづらいです。使える店が増えればさらに需要は増加し、価格は上昇するでしょう。

社会の認知度

現時点では、ビットコインや仮想通貨というものの存在自体を知らない人が少なくありません。この人達がビットコインの存在を知り、新たな決済手段として認知するようになれば、需要は増加し、価格は上昇することでしょう。

ビットコインを取り巻く法律と税制

2017年4月、仮想通貨法という法律が改正されました。これにより、仮想通貨の定義が明確になり、仮想通貨交換業者が守らなければならないルール、利用者保護の方法なども定められました。ここでは、個人投資家にとって特に重要な部分を説明したいと思います。

仮想通貨の定義

仮想通貨法では、1号と2号、2種類の仮想通貨が定められています。

1号仮想通貨の定義:物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの

2号仮想通貨の定義:不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移することができるもの

この難しい条文を読むのが面倒くさいという方もいらしゃるかと思うので、わかりやすく説明します。

1号仮想通貨になるための4つの条件

  • 物品を購入したり借りたり、あるいはサービスの提供を受けるの支払手段として、不特定の相手に利用できる
  • 不特定の相手に購入・売却ができる財産的価値がある
  • 電子機器などの電子的方法により記録されており、電子情報処理組織(コンピュータを使ったシステム)で移転できる
  • 日本や外国の通貨、通貨建資産でない

例えば、電子マネーは1の「不特定の相手に利用できる」という条件を満たしていません。また、電子マネーは「円」なので4の条件も満たしません。従って、電子マネーは仮想通貨とはみなされません。

一方、ビットコインはすべての条件をみたすため、1号仮想通貨となります。

2号仮想通貨になるための2つの条件

  • 不特定多数の相手と、1号仮想通貨と相互に交換できる
  • 電子情報処理組織を用いて移転できる

仮想通貨は資産か通貨か

仮想通貨法では、ビットコインを含む全ての仮想通貨は、資産として扱われ、法定通貨としては扱われません。税法上は、改正や通達などがない限り、土地や建物などの「モノ」と同じものとみなされます。

仮想通貨交換業の定義

仮想通貨交換業とは、以下のいずれかの行為を事業として行うことです。

  • 仮想通貨の売買または交換
    仮想通貨の売買または交換の媒介、取次ぎまたは代理
    上記二つの行為に関して、利用者の金銭または仮想通貨の管理をすること

いわゆるビットコイン販売所は一番上に該当するので、仮想通貨交換業とみなされます。ビットコイン取引所は上から2番めに該当するので、やはり仮想通貨交換業とみなされます。ウォレットを提供するだけの業者は、いずれにも該当しないので仮想通貨交換業とはみなされません。

仮想通貨交換業の登録制

仮想通貨交換業を営む上では、事前に内閣総理大臣の登録を受けたものでなければ行なえません。これまでは登録していなかった業者でも仮想通貨交換業を行えたのですが、改正以後はそれができなくなりました。現時点で登録を行わずに仮想通貨交換業を営んでいる業者は全て違法業者ですので、利用を避けましょう。

なお、登録にあたっては、以下のような条件を満たす必要があります(一部のみ抜粋)。

  • 株式会社、もしくは外国仮想通貨交換業者(国内に営業所が必要)である
  • 外国仮想通貨交換業者は、国内に営業所と代表者を置く
  • 資本金が1000万円以上で、なおかつ純資産(資産から負債を引いたもの)がマイナスでない
  • 取締役、監査役、会計参与などが欠格事由を持たない
  • 仮想通貨交換業を適正かつ確実に遂行する体制の整備が行われている

仮想通貨交換業者の業務規制

仮想通貨交換業者は、業務を行う上で以下のような規制を受けます。

  • 情報を安全に管理する
  • 委託先に対して指導を行う
  • 利用者の保護に関する措置を行う
  • 利用者財産を安全に管理する
  • 指定仮想通貨交換業務紛争解決機関との契約を締結する

利用者にとって特に重要なのが「利用者財産を安全に管理する」です。仮想通貨交換業者は、利用者から預かった仮想通貨を、業者自身の金銭もしくは仮想通貨とは分けて保管しなければなりません(分別管理)。

また、分別管理をキチンと行っているかについて、外部の公認会計士や監査法人から監査を受けなければいけません。これらの義務に違反した場合、2年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、またはその両方が課されます。

その他規制

仮想通貨交換業者は、「特定事業者」として、更に以下のような規制を受けます。マネーロンダリングなどに使われるのを防ぎます。

  • 口座開設時に本人確認を行う
  • 疑わしい取引を当局に届け出る
  • 社内管理体制を整備する
  • 取引記録などを作成し、保存する

まとめ

  • ビットコインは仮想通貨の一種
  • 仮想通貨は国が発行した法定通貨とは別物
  • ビットコインは販売所や取引所で購入するのが一般的な入手方法
  • ビットコインを保管するためにはウォレットと呼ばれる仮想の財布が必要
  • ビットコインの価格は需要によって変動する
  • 仮想通貨の定義、仮想通貨交換業者の義務などは法律で明文化されている

ビットコインについて詳しく知っておけば、その後他の仮想通貨に手を出す時の心理的な抵抗も少なくなります。今後起こるであろう価格上昇の波においていかれないためにも、今回の記事に書いて有ることはぜひ覚えておいてください。