「お金はあるけど使い道がない……」を解決する方法は?

お金はあるけれど、使い道がなくて困っている」。お金がない人からすれば贅沢極まりない悩みですが、一方でこうした悩みを抱えている人が少なくないのも事実です。

そうしたお金は将来に備えて貯金しておくのも悪くはありませんが、有効に使えば更に人生を幸福にできます。今回は「お金があるけれど、その使い方がわからない人向け」のお金の使い方講座を開設いたしますので、手持ち無沙汰になっているという方はぜご一読ください。

意外と多い「お金はあるのに使い道がわからない人たち」


金融広報中央委員会がまとめた「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](平成29年)」によれば、30代から60代の貯蓄額の平均値と中央値はそれぞれ以下のようになっています。

30代の貯蓄額

平均値:589万円
中央値:83万円
貯蓄がない人の割合:40.4%

40代の貯蓄額

平均値:936万円
中央値:30万円
貯蓄がない人の割合:45.9%

50代の貯蓄額

平均値:1,342万円
中央値:130万円
貯蓄がない人の割合:43.0%

60代の貯蓄額

平均値:1,835万円
中央値:300万円
貯蓄がない人の割合:37.3%

貯蓄がない人はどの世代でも40%前後で、なおかつ中央値もあまり高くはありませんが、一方で平均値はどの世代もかなり高めです。貯蓄がほとんど、あるいは全くない人も多い一方で、大きな貯蓄を持ち、平均を底上げしている人も少なからず存在するということです。

実際にお金を持ってみるとわかりますが、お金はなくても困りますがあっても意外と持て余します。特に大人になってからお金を持つようになった人、つまりお金持ちであることに慣れていない人は、金を稼ぐのはうまくても、使うのは苦手な事が多く、意味もなく貯金を続けたり、不要なものを買ってしまったりしがちです。こうした悩みはともすれば贅沢なもののみなされやすいため、なかなか他人にも話せないことでしょう。

お金は「自分の幸せために使う」のが鉄則

基本的に、自分で自由に使えるお金は、自分が幸せになるために使うべきです。他人にお金をかけるとしても、それは「他人にお金をかけることによって、自分が幸せになれる」という条件を満たしたときのみにすべきです。そもそも自分が幸せでなければ、他人に幸せを分け与えることもできないのですから。

「自分を幸せにするためのお金の使い方がわからない……」という方も大丈夫。ここではあなたを幸せにするお金の使い方を、全部で10個紹介いたします。ここで紹介されているものの中から、やりたいものを選んでください。

健康にお金をかける(優先度:極高)

「健康はお金では買えない」と思っていませんか?確かに、現代においても不治の病とされているものはいくらお金を積んでも治りません(将来治せるようになる可能性はありますが)。しかし、大きな病気になっていない段階で自分の健康にお金をかければ(すなわち、自分の体に投資をすれば)防げる病気が相当するあるのもまた事実です。実際、裕福層は貧困層と比べて病気を防ぐのがうまく、余命が長いことが様々な研究から明らかになっています。

所得が多い人は余命も長い

ブルッキングス研究所のエコノミスト、バリー・ボスワース氏の行った調査によれば、1940年生まれの55歳男性(当時)のうち、上位1割に相当する裕福層の平均余命は34.9年であるのに対して、下から1割の貧困層は24.2年でした。一方、1940年生まれの55歳女性(当時)の場合はそれぞれ35.3年、25.9年でした。

日本でも「日本の『健康社会格差』の実態を知ろう」というレポートが発表されており、所得が少ない人は所得が多い人と比べて死亡リスクが2倍近く高いと報告されています。米国でも日本でも、裕福層は長生きするのです。もしあなたがお金の使いみちに困るほど裕福ならば、あなたもその仲間入りを果たすべきです。

健康格差は「食事」から始まる

一体なぜ所得が多い人ほど長生きするのでしょうか。理由は簡単で、所得が多い人のほうが健康に対してお金や時間をかけられるからです。特に食事ではその差が如実に出ます。

上記のレポートでは、家計支出が多い(≒所得が多い)ほど、総エネルギー、脂質、タンパク質、炭水化物、カルシウム、ビタミン、食物繊維などをよく採っていることがわかりました。ようするに所得が多い人ほど栄養が足りているのです。一方、所得が低い人は野菜の接種率が少ないことも明らかになっています。

裕福層は多少仕事を休んでも生活が困窮しないので病院にもかかりやすいですし、生活習慣を整えることにお金や時間を使えます(例えばジムに通ったり、食生活のバランスを考えたりなど)。

また、周囲と比べて恵まれた生活ができるため劣等感を感じづらいなど、精神的にも健康を保ちやすいです。

まずは食事、運動、そして年1の健康診断を

健康を維持する上で必要なことはたくさんありますが、お金が充分ある場合はまずは食事に気をつけてください。食事は体を作る源と言っても過言ではなく、ここにお金をかけるかどうかで将来の健康度が決まると言っても過言ではないでしょう。何を食べるのがいいのかわからないという場合は、その学習にお金をかけるのもいいでしょう。

次に運動です。食事と運動は両輪であり、どちらか一方だけに気を配ってもあまり効果はありません。過剰な運動は必要ありませんが、必要な運動はしましょう。

そして最後に健康診断です。食事や運動に気をつけていても、病気になるときはあります。健康診断はその病気を早期に発見するためのいわば健康の万人であり、若いうちから毎年受けるべきでしょう。

将来の自分に投資する(優先度:高)

健康についで大切なのが、将来の自分への投資です。ここでいう投資とは株式や不動産などのことではなく(この話題はあとで)、自分の職業スキルを上げたり、あるいは将来不労所得を作るために行動したり、ということを指します。要するに将来食いっぱぐれないようにするための努力や工夫のことです。

例えば自身のスキルをアップさせるセミナーに参加したり、書籍を読んだりというのは、手軽にできる上に投資効率(かけたお金と時間に対する利益)も大きく、取り組みやすいためおすすめです。場合によっては転職を考えることもあるかもしれません(自分の職業自体に将来性がないと気づいた場合など)が、その場合は十分に考えてから行動すべきです。

何を学んだらいいのかわからない、という方はとりあえず興味が湧いた本を読んでいるだけでもいいでしょう。直接仕事に役立つかどうかわかりませんが、とりあえずモチベーションは上がるはずです。

人間関係にお金をかける(優先度:高)

人間社会は人と人との繋がりによって成り立っています。人間関係が恵まれたものになれば、そこからビジネスや私生活の幅が広がっていくことでしょう。

良好な人間関係は他者にとってはもちろん、なにより自分にとって有益なものであるため、優先的にお金をかけたい分野の1つです。先程健康と所得に関するお話をしましたが、実は人間関係も健康と密接な関係があり、社会とのつながりが多い人は余命が長い傾向にあることがわかっています。

大人になってから人間関係を広げる方法

大人になって暫く経つと、人間関係を広げることの難しさに気づくはずです。合う人は会社の同僚や上司、固定取引先ばかりで、新たな出会いなど期待できない、という人も少なくないでしょう。その場合は自ら出会いを求めて動きましょう。

例えば異業種交流会では、普段仕事ではまず出会わないような異業種の人と沢山出会えます。そこで知らなかったことを教えてもらったり、逆に教わったりすれば人間関係を広げられるはずです。あくまでも交流会であり、仕事の場ではないため、気軽に参加でき、踏み込んだ話ができます。よりビジネス色を強めたいという場合は、先程も少し触れたセミナーなどに参加してもいいでしょう。

仕事とは全く関係のない人間関係を築きたいという人は、ボランティア活動や大人のサークル活動を始めてみるといいかもしれません。最近は社会人になってからもサークル活動を続ける人も増えてきていますので、「地名+サークル」などで検索してみてください。

サークルやコミュニティの良し悪しを判断する方法

サークルやコミュニティ、すべてが善意のもとに運営されているわけではありません。やる気がなかったり、参加費用が高い割に活動実態が乏しかったり、あるいは単なるネットワークビジネス団体だったりすることもあります。

その団体の雰囲気や具体的な活動内容は実際に入会・してみないとわからない部分も多いのですが、基本的にコミュニティが開かれていて、参加人数が多いものは信頼できるでしょう。粗悪なものは基本的には表に出ようとせず、隠れがちになるからです。

不要な人間関係は切る

お互いにとって有益な人間関係を維持するためにはお金をかけるべきですが、有害な人間関係は維持してはいけません。一緒にいてストレスを感じる人、愚痴ばかり言ってる人、平気で嘘をつく人、自分が被害者でないと気がすまない人……こうした人と付き合う意味は何もありませんので、とにかく逃げましょう。

もちろん、自分がこういう人間になってしまうと、周りの人に逃げまくられるようになるので注意が必要です。

普段から世話になっている人には、明確に感謝の意を示す

普段から特に世話になっている人がいるという場合は、その人に明確な感謝の意を示すといいでしょう。「言わないでも伝わる仲」というのは理想かもしれませんが、所詮理想なのでまず実現はしません。しっかりと言葉にして伝えるべきですし、感謝の意を込めて(相手のプレッシャーにならない範囲で)プレゼントを送ったりしてもいいかもしれません。

投資に回す(優先度:中)

ここでいう投資とはいわゆる株式や不動産のことです。「貯金がたくさんあるのなら投資などいらないのでは?」と思われるかもしれませんが、基本的に貯金というのはただあるだけではいずれ目減りしていきます。

貯金の利息は物価の上昇率よりも低くなるケースが大半だからです。仮に物価上昇率が2%、利息が0.1%なら、実質的に約1.9%も貯蓄が目減りしてしまうことになります。これが何年も続くのはよくありません。

資金や性格に見合った投資先を選ぶ

投資と一口に言っても様々なものがあります。代表的なところでは株式、債券(特に国債)、投資信託、ETF、定期預金、金(ゴールド)、不動産、仮想通貨など……この中からどれを選んでいいのかわからない、という方も少なくないでしょう。

まず、基本的に投資の世界では自身の資金や性格に応じて投資先を選ぶべきであるということを覚えておいてください。

そして、世の中の投資商品の良し悪しは基本的にリターン(平均利回り)とリスク(平均利回りとの乖離)で表されます。

投資家にとって最も都合がいいのはハイリスク・ローリターンですが、残念ながら現状そのような投資商品は存在せず、ハイリスク・ハイリターン、ミドルリスク・ミドルリターン、ローリスク・ローリターンの中から選ぶしかありません。

資金が余裕資金(最悪失っても困らないお金)であり、本人のリスク許容度が高い場合などは、ハイリスク・ハイリターンな株式などがおすすめです。平均利回りが高いので、長くやっていれば大きな利益を得られる可能性が高いです。

逆に資金にあまり余裕がなかったり、本人のリスク許容度が低かったりする場合は、ローリスク・ローリターンな投資信託などがおすすめです。

それでも何を選んでいいのかわからない、という場合は、ウェルスナビという投資サービスの無料診断を受けてみてください。

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このサービスはいくつかの質問に答えるだけで、以下のような最適なポートフォリオ(資産配分)を提案してくれるサービスです(内容が気にイッた場合は、そのまま個々で投資ができます)。

趣味に投資する(優先度:中)

趣味は個人の人生の満足度に直結する要素の1つです。どんな人間にとっても休息は必要ですし、常にフルパワーで走り続けることはできません。やっているだけでストレスを忘れられるようなこと、没頭できること、違う自分になれること……こういったことを日常生活の中に自然に取り入れるようにしましょう。

いっその事貯金しまくってセミリタイアを目指す(優先度:低)

ここまで読んでもなおお金の使い道が定まらないという場合は、いっその事貯金に集中して、セミリタイアを目指すのもありかと思います。

セミリタイアとは簡単に言えば、メインの仕事をやめて、自由な生活を送りつつ、時々好きな仕事をすることです。完全に仕事を辞める純粋なリタイアとは異なり、社会とのつながりをある程度保ちつつ、それでいてストレスのない毎日が遅れるのがメリットです。ある程度の収入があるため、用意する貯金額も(完全リタイアと比べれば)少なめです。

セミリタイアに必要な貯金はいくら?

こればかりは人によって大きく異なるためなんとも言えません。年齢、家族構成、セミリタイア後のライフスタイルなどによって左右される面が大きいからです。事前にいくらかかりそうなのか、きちんとシミュレーションすることが大切です。

例えば、40歳、1人暮らしの男性がセミリタイアするケースについて考えます。40歳男性の平均寿命はおおむね81歳です。少し余裕を見て、+5歳の86歳まで生きるものと考えます。つまり、余命を46年と仮定します。

一方、40代独身男性の平均支出(生活費)は21万円です(総務省の調査より)。したがって、今後生活費が変わらないと仮定した場合、必要な金額は21万円×12ヶ月×46年=1.16億円となります。高齢になると病気になったり、老人ホームに入ったりする事も考えると、もう少し多くかかると想定しておいたほうがいいでしょう。

ただし、この金額を必ずしも貯金で用意する必要はありません。セミリタイアである以上は収入も残りますし、少ないとはいえ年金ももらえるはずだからです。仮にセミリタイア後も60歳まで月10万円分の稼ぎを得る場合、10万円×12ヶ月×20年=2400万円がまかなえます。

年金についてもシミュレーションしたところ(東邦銀行のシミュレターを利用)、老齢基礎年金と老齢厚生年金の支給額はおおむね月9万4000円程度です。65歳から86歳まで受給すると考えると、9万4000円×12ヶ月×21年=2368万円となります。

したがってリタイア後の総収入は約4768万円であり、支出額との差は7000万円弱ということになります。金利や物価変動などを十分に考えていないかなり大雑把なシミュレーションではありますが、かなりの額が必要であることがわかります。

一人暮らしでこれなのですから、配偶者がいる場合、子供がいる場合はさらに難しくなります。セミリタイアを夢見ている方は多いかと思いますが、そのハードルはかなり高いものであることは覚悟しておきましょう。

セミリタイアにも向き不向きがある

十分に貯金がある人が全員、セミリタイアに向いているわけではありません。むしろセミリタイアに必要な貯金が得られるほど能力が高く人間関係にも恵まれている人は現在の仕事を続けたほうがいいケースも多いです。では、自分がセミリタイアに向いているか向いていないかはどのように判断すればいいのでしょうか。

まず、一人でいることが苦痛にならない人、もっと言ってしまえば「人間が好きでない人」は、セミリタイアに向いています。

実際のところ仕事が嫌だと感じる理由の大半は「人間関係」に起因するものであり、これが良好なのになお仕事をやめたいという人はそう多くありません。「現在の」人間関係が嫌だ、という人がやるべきことは、セミリタイアよりも転職です。

一方、周りの人間の質とか関係なく、根本的に人が嫌いだという場合は、そもそも会社勤めが向いていませんので、セミリタイア向きと言えます。

それから、なにかやりたいことがある人(そしてそれがお金のかからないことである人)は、セミリタイアに向いています。

セミリタイアすると、少なくとも時間はたくさん取れます。時間を持て余しすぎて、セミリタイア生活をリタイアして社会人に戻る人もいるくらいです。何もやりたいことがないのにやめるというのは、いろいろと危険です。

まとめ

  • お金はあるけど使いみちがない人がまっさきにやるべきことは「健康への投資」
  • 将来の自分にもお金をかける
  • 人間関係をさらに膨らませて、収入アップを目指すのも手
  • やりたいことが見つからない場合は、セミリタイアを目指すのも手

お金は手元にあるだけでも十分な安心感を得られますが、それを使うことによってまた巡り巡って自分の手元に帰ってきます。必要だと思うことには、どんどんお金をかけていきましょう。