いきなりですが私、31にもなって財布を紛失してしまいました。今まで大事なものを外でなくすことが殆どなかったため「とうとう自分の注意力低下もここまで来たか……」とかなりのショックを受けましたが、なんとか気を取り直して警察で手続きを行い、無事に手元に財布を取り戻すことができました。
ただ、うっかりの代償は大きく、クレジットカードやキャッシュカードは概ね再発行するはめになってしまいました。現在は面倒極まりない諸手続きを進めている最中であり、スキマ時間を見つけながらこうして執筆を行っています。
そこで今回の記事では、私が今回の体験とその後の学習で学んだ
- 財布を落としたときに取るべき行動
- 財布を落とした時のダメージを最小限に抑える方法
- 財布をそもそも落とさないようにする方法
についてお話いたします。自分の注意力散漫さに自覚がある方は、今のうちから備えておくことをおすすめします。
目次
財布がないことに気づいたらやるべき5つのこと
財布がないときに取るべき行動を、優先度順に全部で5つ紹介いたします。
時間が経っていない場合は、財布が見つかっている可能性が高い場所に連絡する
財布を落としてから時間が経っていないことが明らかな場合(つい先程まではあったことがはっきりしている場合)は、最後に財布を確認してから現在に至るまでに立ち寄った場所に連絡してみるのがいいでしょう。
私の場合は横浜市内のゲームセンターで財布を取り出した記憶があり、その後食事をして(この時の決済は財布に入れていなかった電子マネーで支払ったので気づかず)、店を出てしばらくしてから気づいたので、ゲームセンターと飲食店に連絡をしました(残念ながらどちらでも見つかりませんでしたが)。
クレジットカード及びキャッシュカードを停止する
上記の方法でもなお見つからなかった場合、まずはクレジットカード及びキャッシュカードを停止させます。特にクレジットカードは暗証番号なしでも使える店が多いため、まっさきに停止させなければなりません。
クレジットカード会社はどこも(主に注意力散漫な)顧客がクレジットカードを紛失することを想定しており、24時間365日連絡できる専用ダイヤルというものを設けていますので、まずはここに連絡して止めてもらいましょう。
私は紛失に気づいたその場でスマートフォンで連絡先を調べて、紛失を報告しました。対応はなんというか良くも悪くも事務的で、「こちらにとっては一大事だけど向こうにとっては日常茶飯事な出来事なんだな」と思いました。
なお、全てのクレジットカードには紛失・盗難保険が付帯しており、紛失の連絡から遡ること60日までの不正利用については全額補償が受けられます(別途警察への被害届が必要)。つまり、紛失連絡を60日以内に行えば、実質的な被害額は0円になるわけです。ただし、顧客側に明らかに不備があった場合(暗証番号の書いた紙を財布の中に入れていた場合、カード裏面に署名をしていなかった場合など)は補償が受けられなくなってしまいますので気をつけましょう。
主なクレジットカード会社の連絡先(いずれも24時間365日対応)
- 楽天カード:0120-86-6910(無料)、092-474-9256(有料)
- オリコカード:0120-828-013(無料)、0570-080-848(有料)
- 三井住友カード:0120-919-456(無料)、06-6445-3530(有料)
- オリックス・クレジット:0120-00-0926
主な銀行の連絡先:
- 三菱UFJ銀行:0120-544-965(無料)、03-5637-0875(有料)
- 三井住友銀行:0120-56-3143(無料)、0120-956-999(有料)、https://www.smbc.co.jp/kojin/otetsuduki/hunshitsu/card/(オンラインでも手続き可能)
- みずほ銀行:0120–415–415(無料)、03–5500–3737(有料)、https://www.mizuhobank.co.jp/retail/tetsuduki/funshitsu/index.html(オンラインでも手続き可能)
- 横浜銀行:0120-919456(無料)03-6627-4057(東京、有料)、06-6445-3530(大阪、有料)
電子マネーも停止させる
電子マネーを使っているという場合は、そちらも停止させましょう。クレジットカードやキャッシュカードと比べると優先度は低く、プリペイド型の場合は予めチャージしている金額以上を使われるリスクはありませんが、それでも被害は出さないに越したことはありません。
主な電子マネー提供会社の連絡先
- nanaco: 0570-071-555、0422-71-2266、https://www.nanaco-net.jp/rescue.html
- COGCA:0570-783-870
- SUICA:各駅の窓口
- PASMO:各駅、バス営業所窓口
交番や警察署で遺失物届を出す
ひとまず重要なカードを全部停止させたら、次に警察に遺失物届を提出します。遺失物届は交番や警察署などでも提出できますし、電子申請システムを利用してインターネット経由で提出してもOKです。どの範囲で落としたのかが概ねわかっている場合は、そこを管轄する交番や警察署で提出したほうが見つかりやすくなります。
私の場合はその時いた場所からGoogle Mapで「警察」と検索し、一番近くにあった交番に言ったのですが、パトロール中で誰もいなかったため、あきらめてその次に近い警察署に行きました。
遺失物届出には住所や指名などの基本的な個人情報の他に、なくしたものの概要を記載します。警察はその情報を元に、該当するものが届いていないかを確認します。私の財布はこの確認で見つかったため(ただし保管場所は手続きをした警察署ではなく近くの交番)、すぐに取り戻すことができました。
「身分証明書を落としたのに身分証明書を求められる」
なお、紛失物を手元に戻す場合は身分証明書が必要です。ここが非常に厄介なところです。私はたまたま運転免許証を財布とは別の定期入れにしまっていた為事なきを得ましたが、財布にすべてを入れていた場合、眼の前に自分の財布があるのにその場では返してもらえないことがあるそうです。入っているクレジットカードの種類ですとか、具体的な中身などを説明できるのならば話は別ですが……。こうした事態に陥らないためにも、身分証明書は普段から財布の外にもおいておくことをおすすめします。
財布に入っていたものを思い出せる限りリスト化し、利用停止や再発行の手続きを行う
財布の中にはクレジットカード、キャッシュカード、電子マネー以外にも何らかのカードなどが入っていたかと思います。具体的には保険証、会員カード、ポイントカード、ショップカード、図書館カードなど……これらのカードについても発行元に連絡し、必要に応じて利用停止や再発行の手続きを行ってください。どうすればいいかわからないという場合は、その発行元に尋ねれば親切に回答してもらえます。彼らもやはり、うっかり者の顧客がカードを紛失することぐらいは想定しているはずです。
落とした財布が返ってくる可能性はどれくらい?
東京都の場合、「財布を落とした」という報告数に対する、「財布を拾った」という報告数の割合は約91.3%です。警視庁が発表したデータを見てみましょう。
- 財布類の遺失届点数(遺失物届が提出された数):37万5797件
- 財布類の拾得届点数(届けられた財布の数):34万3245件
- 遺失届点数に対する拾得届点数の割合:91.337%
- うち遺失者返還数(拾得届点数のうち、最終的に元の持ち主に返った数):21万9662点
- うち拾得者引渡数(拾得届点数のうち、最終的気に拾った人のものになった数):6万471件
- うち都帰属数(拾得届点数のうち、最終的に都帰属になった数):6万2739件
この資料からわかることはいろいろあります。まず、落ちた財布の90%以上が警察に届けられているということ。にもかかわらず、拾得者引渡や都帰属になる財布の割合が少なくないこと。
これはつまり「きちんと届け出さえすれば高い確率で戻ってくるにもかかわらず、そうしていない人が相当いる」ということです。ここから言えることは1つ――あきらめずに遺失物届を出しましょう。
身分証明書が一時的に何もなくなってしまったらどうする?
財布の中に運転免許証や保険証などの主要な身分証明書をすべて入れていた場合、財布が見つかるまでの間(見つからないこともありますが)身分証明書が使えなくなってしまいます(一応、通常は財布に入れない年金手帳なども身分証明書にはなりますが、それをいちいち持ち歩くのは面倒でしょう)。
身分証明書がないので、身分証明書の再発行もできません。このような場合は、まずは市区町村役所で住民票の写しを取得するといいでしょう。
住民票は通帳や病院の診察券などでも取得できることが多く、他の身分証明書を再発行するための足がかりになります。住民票を発行するための資料を何も用意できないという場合は、役所に相談してください。
現金が一時的になくなってしまったらどうする?
財布をなくした当日にクレジットカードなどの手続きを行ったとしても、再発行が完了するまでには最短でも数日程度かかります。
それまでの間は当然クレジットカードは使えませんし、現金もなくしてしまったので使えません。こうした場合にはどうすれば良いのでしょうか。
予備のキャッシュカードや通帳を用意しておく
予備のキャッシュカードや通帳を用意しておけば、メインのキャッシュカードを紛失してしまっても、そちらからお金を引き出すことができます。銀行口座をメインとサブで2つもっておき、サブ用のキャッシュカードは自宅に保存しておくといいかもしれません。
予備の現金を用意しておく
キャッシュカードや通帳ではなく、現金を用意しておいてもいいでしょう。自宅に大金を置くのは怖いという方もいらっしゃるかもしれませんが、実際の所あなたの家にたまたま泥棒が入ってそのお金を見つけて盗むことなど殆どありません。自宅の現金は財布紛失時のみならず、災害時などにも役に立ちますので、いくらかおいておくことをおすすめします。
LINE PAYなどの個人間送金アプリを使う
個人間送金アプリとは、文字通り個人間で送金するためのアプリです。店舗やネットショップでの決済に加えるものもおおいです。基本的にチャージして使うものが多いです。チャージは銀行口座やコンビニATMからできるます。
財布をなくさないために今すぐできること
今回財布をなくして、あることがわかりました。人間の注意力には限界があるということです。どんなに気をつけているつもりでも、それは単なるつもりであり、なくすときにはなくすものです。そこで私は、財布をなくさないためのシステムを導入することにしました。それがこれです。
見ればおわかりかと思いますが、普段持ち歩くカバンと、財布を物理的なチェーンで結びつけています。こうしたチェーンは「ウォレットチェーン」と呼ばれており、通常は衣服につけることが多いようですが、私はつけたり外したりが面倒なので、カバンに直接つけてしまいました。これならばカバン自体を紛失しない限り、財布をなくすことはないはずです。
いくらなんでもカバン自体をまるまる失念することはありえない……というのは、私が自信過剰だからでしょうか。ただ、ポケットに入れたりするよりはどう考えても安全かと思います。
紛失防止タグというものもあるが……
ウォレットチェーンではなく、紛失防止タグというものを用いて紛失を防ぐ方法もあります。紛失防止タグは財布に取り付ける小型チップで、財布を落としたとき(財布とスマートフォンの距離が一定以上になったとき)に、スマートフォンに連絡が来るという仕組みになっています(ペットの首輪につけていなくなるのを防ぐ、という使い方をしている方もいらっしゃるようです)。
通知自体に気づかなくても、落とした場所と時間がわかるため、すぐに探し出すことができます。現代ならではの面白いシステムと言えます。
ただ、個人的にはこの方法にはあまり魅力を感じません。初期投資費用が高くなるのと、スマートフォンの電池の減りが早くなるためです。
まとめ
- 財布をなくした場合は、何はともあれクレジットカードとキャッシュカードを停止させる
- 警察にも必ず連絡する。殆どの場合警察には届いている
- 身分証明書がまったくないという場合は、まずは役所で住民票を取得するところから始める
- 万が一の自体に備えて、自宅に呼びのカードや多めの現金を用意しておく
財布を落としてしまった場合でも、大抵の場合警察までは届けられます。それだけで諦めるようなことはせずに、クレジットカードとキャッシュカードを停止させましょう。