空き家問題を放置すると毎年数十万円も損する!お金がなくてもできる活用方法とは?

  • 「家を亡くなった親から相続したけれど、使い道がない……」
  • 「空き家を解体したいけれど、時間も費用もない……」

もしあなたがこのような考えのもとで空き家を放置しているのなら、それは非常に危険です。空き家は通常の住宅と比べて周囲に対して損害を与える可能性が高いうえ、空き家対策特別措置法により、税金も跳ね上がる危険性が出てきたからです。

空き家は活用しなければ単なる金食い虫であり、放置すればするほどジリジリとあなたの資産を食いつぶしていく危険な存在です。できる限り早急に対処しなければなりません。

「そうは言われても、空き家をどうして良いのかわからない……」「時間がなくて……」ご安心ください。本記事ではそうしたありがちな空き家の悩みに対する、簡単に実行できる解決策も併せて明示いたします。

すでに空き家を保有している方、これから相続などで保有する可能性が高い方必見の内容となっていますので、気になる方はぜひご一読ください。

空き家はもはや地方だけの問題ではない

近年、日本全国で空き家が増加しています。最新の調査である2013年時点での「住宅・土地統計調査」によれば、日本全国の空き家率(全住戸に対する空き家の割合)は全国平均で13.5%にも登っています。大まかに言って、7~8件に1件は空き家なのです。

「それは地方の話であって都市部には関係のない話では?」と思われるかもしれませんが、空き家率は都市部の東京都でも11.1%、大阪府では14.8%、愛知県では12.3%となっており、決して都市部にも無関係な話ではありません。むしろ、空き家の絶対数は都市部のほうが多いくらいです。

空き家個数トップ3は東京都、大阪府、神奈川県と人口が多い地域に集中しており、もはや無視できるものではなくなりつつあります。今は空き家を保有していない人も、将来親が亡くなったときに相続するかもしれません。

空き家はとにかく「金を食う」

  • 「空き家を保有し続けることにどんな問題があるのかよくわからない」
  • 「(こんなことを公言したらひんしゅくを買うのわはわかっているけれど)空き家が合って嫌な思いをするのは周囲の人々であって自分ではないのでは?」

とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、それは大いなる誤りです。空き家を保有し続けることによって損をするのは、他でもないあなた自身です。

空き家を保有していると固定資産税が6倍に!?

2014年5月26日、「空家等対策の推進に関する特別措置法(空き家対策特別措置法)」が施行されました。この法律は増加する空き家を減らすためのもので、空き家の所有者には「空き家を適切に管理する義務」があることが明記されました。

通常、たとえ空き家であっても第三者が勝手に敷地に入れば不法侵入になります。しかし、この法律が制定されたことにより、各自治体は管理不全な空き家に対して立ち入り調査が行えるようになりました。そして、適切に管理されていないと判断した場合、その空き家を「特定空き家」にできるようになりました。

さらに、各自治体は特定空き家の保有者に対して助言や指導、勧告などの行政指導を行い、それでも改善されない場合は命令を出すことができるようになりました。空き家を放置し続けていると、最終的には強制力のある「命令」が出されてしまうわけです。

  • 助言:行政が所有者に対して適正管理をするようにアドバイスを行うこと。法的な効力はない。
  • 指導:助言の効果がない、もしくは乏しかった場合に、行政が所有者に対して適正管理をするように要請すること。いきなり助言を飛び越えて指導を行う場合もあるが、その場合は行政のもとに多くの近隣住民からクレームが来ていた可能性が高い。
  • 勧告:助言や指導の効果がない、もしくは乏しかった場合に、行政が所有者に対して適正管理をするように強く求めること。その状況が改善されるまで、所有者は固定資産税の優遇措置が受けられなくなる(重要)。
  • 命令:勧告の効果がない、もしくは乏しかった場合に行われる処分。命令に背くと50万円の罰金が科される。それでもなお状況が改善されない場合は、行政が所有者に変わり解体などの対処を行い、その執行費用を所有者に請求する「行政代執行」が行われる。

この一連の流れのポイントは、所有者が「勧告」を受けると固定資産税の優遇措置が受けられなくなることです。

普段その自覚はないかもしれませんが、実は住宅の所有者は通常「小規模住宅用地の減額の特例」という、税金(固定資産税・都市計画税)が少なくなる優遇措置を受けています。この優遇措置によって固定資産税は最大で本来の6分の1、都市計画税は3分の1に軽減されています。

●固定資産税の軽減

  • 200m2以下の部分(小規模住宅用地)→ 課税標準の6分の1に軽減
  • 200m2超の部分(一般住宅用地)→ 課税標準の3分の1に軽減

●都市計画税の軽減

  • 200m2以下の部分(小規模住宅用地)→ 課税標準の3分の1に軽減
  • 200m2超の部分(一般住宅用地)→ 課税標準の3分の2に軽減

この制度はもともとは住宅用地の固定資産税・都市計画税を少なくする事によって、家を持ちやすくするためのものでしたが、最近はこの制度が空き家の活用を妨げている(空き家を保有し続けるコストが安いため、解体や活用が進まない)と考えられるようになったことから、特定空き家に指定され、勧告を受けた空き家には、この優遇措置が適用されなくなりました。

これは見方を変えれば、優遇措置がなくなると固定資産税が最大6倍に、都市計画税が最大3倍になるということでもあります。都市計画税はない地域もありますが、固定資産税は必ず徴収されます。

なお、固定資産税および都市計画税は、固定資産税評価額に基づいて計算されます。固定資産税評価額とは、固定資産税・都市計画税などを計算するために設定される基準価格で、概ね公示価格(≒時価)の70%相当となります。

例えば時価3000万円の土地を住宅用地と使っている場合、優遇措置があれば固定資産税は3000万円×70%×1.4%×1/6≒4万9000円となりますが、特定空き家に指定されると最後の1/6がなくなってしまい、その金額は29万4000円にまで跳ね上がってしまいます。これが何年も続けば、税負担も相当なものになります。

特定空き家を放置し続けるのは、なんの意味もない高い税金をただ払い続けるようなものです。

国土交通省のまとめた資料によれば、平成29年4月1日~平成30年3月1日の1年の間に特定空き家として助言・指導を受けた住宅の件数は4271件、勧告は285件、命令は47件となっています。

全国的に見ればまだまだ少ないじゃないか、と思われるかもしれませんが、1年辺りにこれらの行政措置を受ける特定空き家の件数は年々増え続けています。今大丈夫だからと言って、明日も大丈夫であるというわけではないのです。

年度 助言・指導 勧告 命令
平成27年度 2890件 57件 4件
平成28年度 3515件 210件 19件
平成29年度 4271件 285件 47件

税金だけではない「空家にかかる費用」

空家を保有し続けることによってかかる費用は、何も税金だけではありません。例えば後述する空き家管理代行サービスを使う場合はその利用費用も払わなければいけませんし、火災保険への加入も必要です。

これについての相場はまちまちなのでなんとも言えませんが、空き家管理代行サービスは概ね月5000円~1万円、火災保険は年数万円~となることが多いです。どちらも決して無視できるほど安い金額とは言えません。

空き家が他者に損害を与えるとどうなる?

空き家所有者には税負担やかんりだいこうさーびすのりようりょういという明確なという明確な負担とは別に、損害賠償という起こり得るかもしれない負担も存在しています。

空き家というのは、周辺の住民、通行者に対して危害を与えるかもしれない存在です。もちろん、空き家でない普通の家にも同じことが言えますが、そのリスクは空き家のほうが遥かに高いです。

例えば塀が崩壊して周辺住民に怪我をさせたり、自動車に傷をつけたりした場合、その空き家の所有者は損害賠償を行わなければなりません。物損や軽いけがならだまだしも(本当はそれもいけないことですが)、死傷させてしまった場合などは数千万円~数億円もの損害賠償が発生することがあります。

NPO法人空家・空地管理センターが公開している計算によれば、仮に空き家の倒壊によって11歳の男児(小学校6年生)を死亡させた場合、その損害賠償額は約5630万円になるとのことです。

損害賠償は通常の借金と違い、自己破産しても免責とならないことがあります。このような免責とならない債権を非免責債権といいますが、「破産者が故意または重過失により加えた人の生命または身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権」はそれに含まれます。

空き家の倒壊に重過失があるかどうかは微妙なところですが、絶対大丈夫とは言い切れませんし、たとえ免責されたとしても、被害者遺族から一生誹られることは間違いないでしょう。余計な負い目を追わないためにも、対策は必須と言えます。

また、空き家はひと目がないため放火や自然発火のリスクも高いのですが、この場合も失火者に重大な過失があれば、損害賠償責任を負うとも規定されています。

どこまでを重大な過失と捉えるかは意見が別れますが、例えばコンセントプラグのトラッキング現象(プラグに入ったホコリや水によってショートが起こり、巨大な熱が発生すること)を予見できていなかった場合などは、責任を問われるかもしれません。

最近はこうした自体を防ぐために、空き家でも火災保険に入ったり、損害賠償保険に入ったりする人も少なくないようですが、それはあくまでも対処療法的な解決方法であって、根本から問題をなくしているわけではありません。保険に入っても空き家は空き家で有り続けるのです。

空き家を安く活用するためにはどうすればいいか?

空き家を活用する、すなわち空き家で無くす方法はいくつかありますが、根本的には以下の4つに分けられます。

  • 自分で住む
  • 空き家付きのまま売却する
  • 他者に貸し出す
  • 更地にして活用する、もしくは売却する

このうち、最も簡単かつ費用のかからない方法は「自分で住む」ですが、実際には仕事の都合でなかなかそうも行かない(それができるのならばとっくにそうしている)という方が大半でしょう。そこでここからは、これを抜いた3つの選択肢について考えていきます。

空き家付きのままの売却は最も手間がかからないが、当然売れない可能性もある

空き家を最も簡単に、手間を掛けずに処分したいのならば、売却という方法がおすすめです。売ってしまえばその家には人が住むので空き家でなくなりますし、仮にその後その人が出ていって空き家になったとしても、もうあなたは所有者ではないので責任を取らされることもありません。

「そりゃそうだけど、空き家を売るのは難しいのでは?」そのとおりです。空き家が人の住んでいる家や更地と比べて売れにくい一面があるのは事実です。ただし、空き家であっても立地がそれなりに良かったり、空き家であった期間が短く建物にもこれと言って問題がなかったりと条件が揃っていれば、十分に売れる可能性があります。

空き家売却のコツは、良い不動産業者を選ぶことです。実際の所、不動産の売却で所有者本人ができることは非常に限られています。不動産屋の良し悪しが、そのまま売却できるかできないか、あるいは売却できたときの価格につながると言っても過言ではありません。

不動産業者を選ぶ方法もいろいろあるのですが、その選び方は大きく

  • 空き家を専門としている業者に依頼する
  • 空き家がある地域で重点的に営業している不動産業者に依頼する

の2つに分けられます。両者を満たしていれば最高です。

不動産売却はテレビCMで見るような大手に任せたほうが良いのでは、と考えてしまう方も多いかと思いますが、空き家売却の場合はそうも言えません。

大手不動産会社は所属する社員も多く、それ故に多くの収益を必要とします。彼らは多くの手数料を得るために高額な不動産を優先的に取り扱うことが多く、それゆえに高く売れない空き家売却は後回しにされがちです。もちろん彼らも商売でやっていることですし、それ自体は全く責められることではありませんが、空き家売却には向かないことが多いです。

一方、空き家だけ専門的に取り扱う業者や、限られた地域だけで営業しており、それゆえにその地域に詳しい業者は、社員数が少ないので必要とする収益も少なく、それゆえに熱心に営業活動を行ってくれます。

空き家専門の業者に依頼したい場合は、一括見積もりサービスの「全国空き家管理ナビ」での検索をおすすめします。管理ナビという名前になっていますが、売却を依頼できる不動産会社も探せます。

なお、相続した空き家を売却して利益が出た場合、譲渡所得から最大3000万円を控除できます。ただし空き家なら何でも良いというわけではなく、以下の条件を満たす必要があります。

<適用条件>
1. 相続の開始の直前において被相続人の居住の用に供されていたものであること
2. 相続の開始の直前において当該被相続人以外に居住をしていた者がいなかったものであること
3. 昭和56年5月31日以前に建築された家屋(区分所有建築物を除く)であること
4. 相続の時から譲渡の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと
5. 相続日から起算して3年を経過する日の属する年の12月31日まで、かつ、特例の適用期間である平成28年4月1日から平成31年12月31日までに譲渡すること
6. 譲渡価額が1億円以下
7. 家屋を譲渡する場合、当該譲渡時において、当該家屋が現行の耐震基準に適合するも のであること、または解体されていること

これは空き家売却によって得た利益の税負担を減らすことによって空き家の売却を促す仕組みですが、実際に利益が出ることは殆どありません。そんな高く売れる家なら、空き家になることもほぼないからです。購入当時と比べて地価が高騰している場合は話が別ですが。

他者に貸し出すのは物件を持ちつつ問題を解消できる

売却の次に手間がかからないのが、他者に貸し出すという方法です。他者が住むようになれば当然空き家ではなくなりますし、中の住民が自発的に家の中を清掃したり、風を通してくれたりするので、建物の状態を良好に保てます。

必要な場合は、賃料の中から一分を払って管理会社に管理を任せることも可能です。安定して住民が入るようになれば、本業に依る収入とは別の第2の収入源が出来上がります。

一方、貸出最大のハードルは、言うまでもなく入居してくれる住民を見つけることですが、戸建住宅の場合は需要に対して供給が圧倒的に少ないため、立地や築年数に大きな問題があるケースを除いては、比較的楽に見つかるでしょう。

子供がいるファミリー世帯は、多少その他の条件が悪くても戸建住宅を望む人が多いうえ、一度入居するとなかなか出ていかないので、安定した収益源になってくれます。

ただし、空き家の賃貸も立派な不動産投資であることには変わりなく、やり方次第では利益がほとんど得られなかったり、損失が出たりすることもあります。また、いくら戸建ては入居付けが難しくないと言っても限度はあります。

あまりにも古かったり、立地が悪すぎたりする場合は、入居付けができないこともあります。その場合は、リフォームをすることによって借り手が付く可能性が高いです。

リフォームしたのにもかかわらず入居が来なかったらどうしよう、と思われるかもしれませんが、最近は入居者の要望に答えてリフォームを行う、というケースも増えてきています。要望どおりにリフォームする代わりに必ず入居してもらうという契約を結べば、利用者を取り逃すことはありません。

マンションの場合、管理組合などに許可をとったり、そもそも大規模なリフォームは行えなかったりすることもあるので、必ず事前に確認しましょう。

空家を貸し出したい場合は「マイナビ賃貸経営」「マンション貸す.com」などの一括見積もりサービスを利用するか、もしくは自治体が運営している空き家バンクへ登録するといいでしょう。

更地にするにはお金がかかるが、活用や売却は楽になる

更地にするのにはそれなりの費用がかかりますが、そのかわり活用の幅は最も広がります。更地にした土地に投資用物件を建ててもいいですし、駐車場にして安価に活用してもいいでしょう。もちろん、そのまま土地を売却しても一向に構いません。空き家付きの土地は買いたくないけれど、更地ならば買いたいという人は少なくないのです。

ただし、費用は無視できるほど小さいものではないため、あせっていきなり更地にしてしまうのは悪手です。まずは家がついたままの状態でも買ったり借りたりしたい人がいないかを探して、それでもだめだった場合、あるいは更地ならば買いたいという人が現れた場合に更地にする、という手順を踏んだほうが良いでしょう。

なお、空き家の解体費用は概ね、建物の構造と延床面積によって決まります。具体的な相場は以下のとおりです。

  • 木造家屋:2.5万円~6.0万円×延床坪数+その他工事費用
  • 鉄骨家屋:3.0万円~6.5万円×延床坪数+その他工事費用
  • RC家屋:3.5万円~7.0万円×延床坪数+その他工事費用

鉄骨造やRC(鉄筋コンクリート造)の建物の解体費用が木造と比べて高いのは、構造が頑丈な分解体するのが難しいからです。また、同じような建物であっても、土地の形状や地域、残土の量などによって費用は大きく変化することがあります。

解体業者も不動産業者と同じように、一括見積もりサイトから探すと手間がかからず便利です。「くらそうね解体」や「解体王」など、いくつか比較サイトがありますので、この中から選んでみてください。

経済的な事情でどうしても空き家を処分できない/したくない場合はどうすればよい?

  • 「空き家を保有し続けるとコストがかかることはわかったけれど、どうしても処分のための費用が出せない」
  • 「将来空き家に済みたいと考えているので、処分はしたくない」

このような思いを抱えている方は、空き家をいかに清潔に、安全に保つかを優先的に考えることをおすすめします。空き家であっても、特定空き家に指定されなければ固定資産税の優遇措置は変わらず受けられますし、損害賠償のリスクを抑えることも可能です。

自分で管理できるならそれに越したことはないが、どうしても無理な場合は管理サービスを利用する

空き家は基本的には自分で管理すべきです。それが一番安全ですし、費用もかかりません。しかし、空き家が遠方にあったり、あるいは忙しくて空き家なんかにかまっている時間が取れないという場合は、空き家管理の代行サービスを利用するといいでしょう。

最近や空き家の増加に伴い、そうしたサービスも増えてきているのです(社会問題あるところにビジネスチャンスあり、ですね)。

先ほど資料を引用したNPO法人空家・空地管理センターの他、大東建託三井のリハウスなどの大手不動産会社もサービスを提供しています。

管理会社の選び方は?

一口に空き家管理代行サービスと言っても、その提供元は様々です。NPO法人が提供しているものもあれば、不動産業者が提供しているものもありますし、地元のビルメンテナンス会社が提供しているものもあります。

これだけ多くの業種から参入がある中で最も適した業者を選ぶのは難しそうに見えますが、そんなときに役立つのが国土交通省が発表している「自宅(空き家)管理サービスの現況」です。

この資料では、空き家の管理代行サービスを提供する事業主体とその業務内容を、以下のように整理しています。

通風・換気 確認・点検(室内) 清掃・片付け(室内) 不用品処分 確認点検(室内) 郵便物等の確認 清掃片付け(室外) 剪定 指定の近隣訪問 修理手配 大家業
土木・建設・剪定業者(地元の工務店、造園会社など)  ○  ○  ○  ●  ●  ●  ●
不動産業者(賃貸住宅管理業者など)  ●  ●  ●  ●  ●  ○  ●
維持管理会社(地元のビルメンテナンス会社、警備業など)  ○  ○  ○  ●  ●  ○  ○
その他業者(便利屋など)  ○  ○  ●  ●  ●  ○  ●
NPO法人  ○  ○  ●  ○  ●  ○  ○  ○

【凡例】○=事例がある業務 ●=事例があり、得意分野であると思われる業務

このように、同じ「空き家管理代行サービス」を提供する業者であっても、業種ごとに提供しているサービスの傾向は異なります。広く管理全般を任せたい場合は不動産業者、選定が必要な場合は剪定業者と言った感じで、必要に応じて業者を選ぶといいでしょう。

費用は月5000円~1万円が相場だが、オプション次第で高くなる

空き家管理代行サービスの相場は、概ね月5000円~1万円程度とされています。ただし、これはあくまでも相場であって、業者や受けるサービス次第でその費用はいくらでも変動します。また、管理の頻度にも左右されます。例えば、大東建託の場合は以下のようになっています。

  • 内部巡回サービス:1万円(月1回)
  • 外部巡回サービス:5000円(月1回)
  • マンション巡回サービス:8000円(月1回)

一方、NPO法人空家・空地管理センターの場合は以下のようになっています。

  • 空家管理:4000円(月1回)、7500円(月2回)、1万5000円(月4回)
  • 空地管理:2000円(月1回)、3800円(月2回)、7000円(月4回)
  • オプションサービスあり(掃除2000円/回、除湿剤設置150円/個等)

空家でも火災保険に入れる?

多くの損害保険会社は、空家の住宅火災保険加入を認めていません。空き家になる前に入っていた火災保険は、無効になることがあります。

実は火災保険には「住宅火災保険」と「普通火災保険」があります。人が住んでいる住宅物件は「住宅火災保険」に、店舗や事務所、あるいは店舗併用住宅などは「普通火災保険」に入ります。どちらも保証内容に特に違いはありませんが、普通火災保険のほうが割高です。

そして、空き家は「人が住んでいる住宅」ではないため、住宅火災保険には入れないのです。空き家になる前に住宅火災保険に入っており、現在も保険料を支払っていたとしても、それは無効になる(保険金が下りない)可能性が高いです。

本来、所有者が住所を移した場合は保険会社に対して通知をしなければならないのですが、それを忘れていると継続して保険に加入し続けることができてしまいます。それゆえに「火災保険に入っているから安心!」という勘違いをしてしまいやすいのですね。

普通火災保険に入ることができますが、その場合も無条件で加入できる、というわけではありません。空き家というのは前述の通り、火災のリスクが高い物件です。保険会社としては、実のところ割高な保険料をもらってもなお引き受けるのには二の足を踏みがちな物件です。

もし空き家の中でも相当質が悪い(廃屋同然になっている)場合などは、普通火災保険にも入れないかもしれません。ただし、このあたりの判断は素人には難しいため、いきなり諦めるのではなく、まずは損害保険会社に相談してみることをおすすめします。

まとめ

  • 空き家は地方だけでなく、都市部でも大きな問題になりつつある
  • 空き家は税金を食うし、管理費も食うし、損害賠償のリスクも有る
  • 空き家はできる限り活用、もしくは売却すべきだが、どうしてもすぐにそうできない場合は適切に管理する

空き家問題はこれからますます深刻化してくるはずです。今のうちから備えておけば、余計な税金や維持管理費用を払わなくて済みます。空き家をすでに抱えている方はもちろん、将来持ちそうだという人も、今のうちから対処法を考えておいてみてはいかがでしょうか。