派遣会社の正社員になることのメリットとは?

派遣という雇用形態は、派遣会社に登録をして派遣先の企業で勤務をする登録型派遣という働き方が一般的です。

しかし、中には正社員として雇用され、派遣社員として勤務先で働く常用型派遣という働き方もあります。

ここでは常用型派遣のメリット・デメリットなどについて紹介をします。

登録型派遣との違い

それぞれの特徴

登録型派遣の特徴

派遣と聞いて一般的に思い浮かべるのは、登録型派遣のほうでしょう。

勤務する場所・・・派遣先の企業で働く
指揮命令関係・・・労働者と派遣先
給料の支払い・・・派遣元から支払われる
福利厚生・・・恩恵が少ない
ボーナス・・・基本的になし
社会保険など・・・派遣会社で手続きをする

というのが登録型派遣の特徴です。同じ非正規雇用でもアルバイトや契約社員では企業との直接契約となるという部分で異なっています。

常用型派遣の特徴

一方、常用型派遣の場合には、

勤務する場所・・・派遣先の企業で働く
指揮命令関係・・・労働者と派遣先
給料の支払い・・・派遣元から支払われる
福利厚生・・・手厚い恩恵を受けられることも
ボーナス・・・支給されることも多い
社会保険など・・・派遣会社で手続きをする

このように、登録型と共通する特徴を持っています。

大きく異なる部分は、ボーナスが支給されることが多い点、福利厚生の恩恵が大きいという点等でしょう。

福利厚生の具体例

例えば、寮に入って働く場合、登録型派遣の場合には基本的に一般的なワンルームの家賃がかかります。敷金・礼金などの初期費用は会社が負担してくれているものの、家賃については労働者がほとんど全額負担です。

派遣会社の正社員として寮に入って働いている場合には、派遣会社が寮費の一部もしくは全額を負担してくれることが多いようです。

福利厚生の種類

福利厚生には法定福利と法定外福利の2種類があります。

法定福利・・・厚生年金や社会保険
法定外福利・・・住宅手当、食事手当てなど

法定外福利は企業が自由に導入できるものなので、企業によってさまざまです。

IT企業などではセミナーの参加費補助、資格取得補助の制度を導入しているところが多いです。

最近では優秀な人材を集め、つなぎとめるために「アニバーサリー休暇」など、ユニークな福利厚生の制度を導入している企業が増加傾向にあります。

社会保険・有給・産休・介護休暇などは福利厚生というよりも労働者が持っている権利ですから、登録型派遣でも受けられるということは誤解してはいけない部分です。

有期契約か無期契約か

登録型派遣と常用型派遣の大きな違いは、有期契約か無期契約かという点にあります。

登録型派遣・・・派遣会社に登録をしている(有期契約)
常用型派遣・・・派遣会社の正社員として派遣先で働く(無期契約)

登録型の場合には契約期間が終わったらそこで仕事は終わります。

常用型派遣の場合には、派遣先との契約が終わっても派遣会社との契約は続きます。派遣会社は原則として定年まで労働者に仕事を与え続けなければなりません。

常用型派遣のメリット

常用型派遣は同じ「派遣」という雇用形態でも、登録型派遣に比べて安定性があります。

交通費が支給される
福利厚生が充実している
ボーナスが出ることも多い
正社員なので社会的信用がありローン審査などに通りやすい
派遣先での就業が終わっても失業しない

福利厚生は派遣会社のものを受けますので、派遣会社が大手であるほど充実している傾向です。中小企業の福利厚生が必ずしも充実していないという意味ではありません。

登録型派遣では派遣先での就業が終わったらそこで失業をしてしまいます。派遣会社から次の仕事を紹介されることもありますが、必ず希望条件の仕事を紹介してもらえるわけではありません。

登録型の場合、同じ派遣会社で次の仕事を紹介してもらったとしても、待機期間が生まれます。この待機期間の間には給料が支給されません。就業先が変わるごとに新しい契約を結ぶことになります。

常用型派遣では待機期間中も給料が支給されますし、派遣元との労働契約は継続されます。

同一組織で働けるのは3年間?

平成27年に改正された派遣法によると、同一組織で派遣社員として働けるのは3年間という制限があります。

しかし、常用型派遣の場合には例外的に3年間の制限が適用されないようです。

各種研修制度も充実している

派遣会社の正社員としてずっと働き続けることになるので、会社は社員のスキルを向上させるためにコストをかけてくれます。

資格取得支援、無料の研修制度などが充実している傾向です。

無期雇用派遣とは?

平成25年4月1日の労働契約法の改正により、無期雇用派遣という形態も生まれました。

派遣会社との契約が複数回更新され、通算5年を超えたら労働者は無期労働契約への転換を申し込みできます。使用者はこれを断ることができません。

無期雇用派遣は常用型派遣の中の1つの形態となります。ほぼ同じ意味として解説をしているサイトもありますが、厳密には両者は異なります。

無期雇用派遣では、派遣先と無期限の労働契約を結ぶことになります。この意味では常用型派遣と同じです。

しかし、必ずしも「無期雇用=正社員」とはなりません。

常用型派遣を正社員型と無期雇用型の2つに分けて解説をしているサイトもあります。

正社員型派遣・・・派遣会社の正社員
無期雇用派遣・・・派遣会社と無期契約を結んでいるが正社員ではない

ということになります。

常用型派遣のデメリット

常用型派遣は無期限の契約であるため、登録型に比べると安定性があります。

また、派遣会社が大手ならば下手な中小企業の正社員よりも安定しているという意見もあります。

しかし、無期雇用派遣の場合には正社員ではないので、契約を切られる可能性もあります。

無期雇用派遣の場合、正社員ほど安定していない

常用型派遣には正社員ではないが、派遣会社と無期の契約を結んでいるという無期雇用派遣も含まれています。

正社員という雇用形態に比べると無期雇用契約は不安定であり、契約解除の可能性があります。

正社員でも、無期雇用契約でも、正当な理由がなければ解雇はできませんが、どちらかといえば正社員のほうが解雇をするためのハードルが高く設定されており、安定性が高い傾向です。

給料が固定?

登録型派遣の場合には派遣先が変わるたびに労働契約を結びなおすので、そのたびに給料が変わります。

経験を積んでスキルアップをしていくほど給料は上がっていくことが期待できます。

しかし、常用型派遣の場合には給料の交渉先は派遣会社となりますので、派遣会社が正当な評価をしてくれなければ長く働いているのに給料がほとんど上がらないということも起こり得ます。

「同じ職場の派遣社員がどんどんスキルアップして給料を上げているのに、自分はいつまでも給料が上がらない」

とぼやく常用型派遣社員もいます。

「安定」とは、低賃金でつけ置きすることを表すこともあるということを忘れてはいけません。

常用型派遣だから安定していると決め付けずに、しっかりと正当な評価をしてくれる派遣会社を選ぶことが重要です。

希望の仕事を与えられるとは限らない

常用型派遣では派遣会社と無期限の契約を結んでいますが、勤務先との契約は有期限です。

勤務先での就業が終わった後は、次の仕事が見つかるまで待機期間となります。

待機期間の間も固定の給料がもらえます。

しかし、派遣会社は働いていない人に給料を支払うことはしたくないため、無理やりでも仕事を与えようとすることがあります。

希望の条件とは合致しない仕事を与えられてしまったり、派遣会社の都合でさまざまな職場を回されたりすることも少なくないようです。

精神的なストレスとなってしまい、せっかくの無期限契約なのに自己都合で辞めてしまう人もいます。

正社員になりにくくなる?

特に20代の若い人の場合、登録型の派遣社員として働いていると勤務先から声をかけられて正社員になれることも少なくありません。

しかし、常用型派遣で働いている人は派遣会社にとって貴重な人材ですので、引き抜きは簡単ではありません。

勤務先の企業が「この人はうちの正社員に欲しい」と思ったら、登録型の場合なら比較的簡単に正社員にスカウトすることができます。

しかし、常用型の場合には派遣会社にそれなりに高額な紹介料を支払わなければならないので、よほど有能な人でもないと難しいという意見があります。

スキルが身につかない?

専門的な職業の場合にはよいですが、工場のライン工や単純作業員の仕事をやっていると、長く働いていてもたいしたスキルが身につかないということがあります。

単純作業を長い間やっていると他の職種で活かせるようなスキルが身につかないままに時間だけが過ぎていき、転職をしたくでもできないという状態になってしまう傾向です。

スキルが上がらないと給料も上がらないので、低い給料のままずっと単純作業をやらされ続けてしまう人が出てしまうということも、派遣という制度の問題点としてよくあげられています。

技能社員って?

工場などで働く常用型派遣社員は技能社員・技術社員などと呼ばれることもあります。一般作業員に比べると技術的な仕事を任される傾向ですが、やっていることは登録型の派遣社員とほとんど変わらないということもあるようです。

技能社員という名前がなんとなくかっこいいからという理由で応募をするのではなく、実際にどのような仕事をやっているのかという部分を重視しましょう。

一般企業の正社員を目指すことがおすすめ

常用型派遣は登録型派遣に比べると安定していますが、長居は禁物と言えます。

特に20代のまだ若い人は一般企業で正社員になることはそれほど難しくないでしょう。

常用型派遣で採用される実力がある人なら、一般企業で正社員になることのほうがおすすめです。

大手転職サイトの「DODA」などを利用して一般企業での正社員を目指しましょう。

現在就業中という人は、仕事をしながら転職活動をしなければならないので使える時間が限られてしまいます。そのような人には、無料で利用ができるDODAの転職エージェントサービスがおすすめです。