学生の人が借金をするときには十分に注意をして借りる必要があります。
学生の本分は勉強です。借金を返すためにアルバイトに明け暮れるはめになったらなんのために大学へ行ったのかわからなくなります。
ここでは、学生の人がよく失敗をしてしまうリボ払いの危険性について具体例をあげながら説明をします。
学生が借金をする理由として投資が増えている
学生が借金をする理由はさまざまです。
・親からもらったお金を趣味につかってしまった
・ギャンブルにハマった
・投資でお金を増やそうとしたが失敗した
・欲しいものがある
などです。このうち、現代で特に注意をするべきなのが投資かもしれません。
書店へ行くと、「投資で10万円を1億円に増やす方法」などというタイトルの本が見つかります。こういった本の内容を真に受けてしまうことは危険です。嘘は書かれていなくても、そっくりそのまま真似をしたら同じ結果になるというわけでもないからです。
学生のうちからFXや株式投資を始め、億万長者になってしまう人は実在します。
しかし、実際には負けてしまったという人のほうが多いはずです。それほど甘い世界ではなく、勝つためには経験や知識が必要になります。
仮に負けても、余裕のあるお金を失ったくらいならば大きな問題ではありません。大変なのは、「大きな借金を抱えてしまった」「家賃を払えなくなった」といったケースなどです。
2017年は仮想通貨市場が盛り上がった
投資といえば株式投資やFXを思い浮かべるかもしれませんが、2017年には仮想通貨の市場が盛り上がりました。その理由の1つが日本で仮想通貨に関係する法律ができたことです。
2017年4月1日に通称「仮想通貨法」が施行されたので、それまではインターネット上のデータにすぎなかった仮想通貨が財産として認められるようになりました。
仮想通貨の価値の上昇率
ビットコインは2017年に20倍くらいまで上昇しました。1万円分のビットコインを買っていた人は20万円まで投資したお金を増やせていたという計算になります。
リップルやモナコインのほうが上昇率は高い
時価総額ランキングが2位になったリップルはビットコインよりもものすごい上昇を見せています。なんとたった1年で価値が200倍以上にまで上がっています。1万円分のリップルを買っていたら200万円の大金を手に入れることができたということになります。
ホリエモンも支持する発言をしていた日本発のモナコインは、2017年1月時点では3円前後を推移していました。2017年12月6日には一時的に2000円台を記録しましたので、なんと価値が700倍以上にまで上昇しました。
このような話を聞いたらだれもが仮想通貨に手をだしてみたくなるのではないでしょうか。
しかし、仮想通貨にはリスクもあります。
仮想通貨はバブルという意見もある
モナコインは12月6日には一時的に2,500円を記録しましたが、その後暴落し、12月31日時点では1,000円前後まで価値を落としています。
2,000円以上の高値でつかんでしまった人は投資したお金を半分以下に減らしてしまったという結果になっています。
仮想通貨で大儲けをしたという人がいる半面で、仮想通貨に投資をしてしまったために大損をしたという人もいるはずです。
学生の中でも、借金をしてまで仮想通貨を購入したが失敗をし、借金が返せなくなったという人がいるという話を耳にします。
投資は余裕資産で
消費者金融やクレジットカードのキャッシングでお金を借りてまで投資をすることはとても危険なのでやめておきましょう。
生活費や家賃の分を使ってしまうことも、高いリスクがあります。投資は「失ってもよい」と思えるくらいの余裕がある資産でやるものです。
バブルとは?
バブル(bubble)という英単語は、直訳すると「泡」という意味です。
そこから、経済用語で言うバブルとは、経済が実力以上に泡(バブル)のようにふくらんで、実質のない状況のことを言います。
最古の金融バブルは「チューリップバブル」
最古の金融バブルは、「チューリップバブル」であると言われています。
17世紀のオランダで起きた話です。
当時のオランダ人にとって、チューリップは富の象徴とされていました。
その後、チューリップはオランダだけでなく、ドイツやイギリスでもチューリップを保有していない資産家は趣味が悪いと言われるようになりました。
チューリップは高値で取引されるようになり、チューリップの球根1つで家が買えるくらいになったそうです。
しかし、1637年についにバブルは崩壊し、チューリップをだれも買わなくなりました。
このように、人々が熱狂をして高値で取引をしているものには注意が必要です。「本当にその価値があるのか?」と疑ってみましょう。
ビットコインがバブルなのか、それとも適正な価格がついているのかは現在の段階ではだれにもわかりません。
リボ払いの危険性を具体例で説明
リボ払いの危険性は、意外と知られていません。なぜそれほど広まっていないのかというと、消費者金融やクレジットカードから借金をせずに生活をしている人のほうが多いということが1つの理由となるでしょう。
借金は利息分の損
消費者金融やクレジットカードでお金を借りると高い利息を払わなくてはならないので、借金をしていない人と比べて損をすることになります。
クレジットカードでのショッピングについても、正確なデータはないものの、リボ払いにしている人よりも一括払いで支払う人のほうが多いのではないでしょうか。
リボ払いを経験したことがない人も多いため、その危険性についてはあまり知られていないということが1つの理由です。
ここでは、そのリボ払いの危険性について解説します。
リボ払いで10万円を借りたらどうなる?
具体例で説明をしてみます。消費者金融のカードローンもしくはクレジットカードのキャッシング枠で10万円を借りたとします。金利は18%です。
毎月の返済額は金融会社によって異なり、2,000円~1万円くらいとなっています。
ここでは、毎月2,000円ずつ返済をしていったケースでシミュレーションをしてみます。
回数 | 返済額 | 元金分 | 利息分 | 残高 |
1回目 | 2,000円 | 500円 | 1,500円 | 99,500円 |
2回目 | 2,000円 | 508円 | 1,492円 | 98,992円 |
3回目 | 2,000円 | 516円 | 1,484円 | 98,476円 |
4回目 | 2,000円 | 523円 | 1,477円 | 97,953円 |
このように、最初のうちはほとんどを利息の返済に使われてしまいます。
4回目の時点では8,000円も支払っているのに、残高がまだ97,953円も残っています。2,047円しか元本を減らせていません。
最終的に完済ができるのは94回目です。
回数 | 返済額 | 元金分 | 利息分 | 残高 |
93回目 | 2,000円 | 1,969円 | 31円 | 129円 |
94回目 | 130円 | 129円 | 1円 | 0円 |
となります。
返済総額は186,130円、利息総額は86,130円です。
10万円を借りただけなのに、86,130円もの利息を支払うことになるなんて、恐ろしいことです。
消費者金融やクレジットカードのキャッシング枠では50万円までの場合基本的に金利は18%となっています。
20万円を借りた場合や30万円を借りた場合でも同じように計算をしてみましょう。
50万円までは金利18%となることが多い
恐ろしいのは、50万円を借りた場合でも基本的に金利が18%となるので同じような結果になるということです。
借入金額が50万円、月額返済額が1万円、金利18%で同じ計算をしてみると、
返済回数94回、返済総額931,021円、利息総額431,021円
となりました。
誤差はあるものの、10万円を借りたときの結果を単純に5倍した利息とほぼ同額です。
延滞をしてしまうリスク
学生の人の場合、毎月ATMから返済したり、銀行振込みで返済をしたりするのではないでしょうか。
ATM返済や銀行振込みの場合には、うっかりによる返済忘れが起こることがあります。
口座からの自動引き落としにしておくと、うっかり返済を忘れてしまうという可能性を減らせます。
口座からの自動引き落としでも延滞をしてしまうことも
しかし、学生の人は社会人の人のように毎月銀行口座に給料が振り込まれるというわけではありません。
口座からの自動引き落としにしておいても、残高不足で引き落としができないというリスクはあります。
延滞をしてしまうと個人信用情報にその記録が残ります。1回や2回くらいの延滞があるだけならばそれほど大きな影響はありません。しかし、延滞を何回も繰り返していると、信用が落ちてクレジットカードを作れなくなることがあります。
一般的に、3ヶ月以上の延滞を長期延滞と呼びます。長期延滞をすると重大な契約違反となり、強制的に契約を解除されてしまいます。分割払いの権利も失うので、残高を一括で請求されます。
さらに、いわゆるブラックリストにものってしまい、5年~7年程度はクレジットカードやローンの審査に通らなくなります。
長期延滞は絶対に避けるべきですが、たった1回の延滞もしないほうがよいです。
延滞をしそうになったら親に相談をして、お金を口座に振り込んでもらうなどしましょう。
日払いや週払いのアルバイトをするという方法もあります。
日払い、週払いのアルバイトとは?
アルバイトの求人には、「日払い」「週払い」「即日払い」などと書かれていることがあります。
日払い・・・1日単位で給料の計算がされる。
週払い・・・週単位で給料の計算がされる。
即日払い・・・1日単位で給料の計算がされ、その日のうちに支払われる。
注意しておくべきなのは、日払いでは1日単位で給料の計算がされるものの、必ずしもその日のうちに支給がされるというわけではないということです。週払いも同様です。
支払いがされるのは数日後だったり、翌週の金曜日くらいだったりします。
とにかくすぐにお金が欲しいという場合には、「即日払い」のアルバイトを選びましょう。
それでも借金に頼る必要があったら
基本的に、学生は借金をするべきではありません。お金が足りなくなったら親に仕送りをしてもらいましょう。
しかし、どうしても借金に頼る必要があるというシーンはあるかもしれません。
そのようなときには、1万円程度の少額だけを借りるようにしておきましょう。
1万円を借りた場合で同様のシミュレーションをしてみると、
回数 | 返済額 | 元金分 | 利息分 | 残高 |
1回目 | 2,000円 | 1,850円 | 150円 | 8,150円 |
2回目 | 2,000円 | 1,878円 | 122円 | 6,272円 |
3回目 | 2,000円 | 1,906円 | 94円 | 4,366円 |
4回目 | 2,000円 | 1,935円 | 65円 | 2,431円 |
5回目 | 2,000円 | 1,964円 | 36円 | 467円 |
6回目 | 474円 | 467円 | 7円 | 0円 |
返済総額:10,474円、利息総額:474円
というようにそれほどの負担にはならないことがわかります。
高額なお金を借りなければならない場合には、奨学金制度の利用も検討しましょう。
日本学生支援機構の奨学金
日本学生支援機構の奨学金には在学採用という枠があります。
現在大学に在学中の人が大学を通して申し込みをすることが可能です。
大学によって異なりますが、原則として毎年春(4月頃)に申し込みができます。
「第一種奨学金」と「第二種奨学金」の2種類があり、どちらも審査があります。
・高校の成績が一定水準以上
・大学2年以降の場合は大学での成績が一定水準以上
・特定の分野で優れた能力がある
・高卒認定試験の合格者
のうちいずれかの条件を満たしていれば合格する可能性があります。
第一種奨学金のほうは無利子ですので、第二種奨学金よりも審査基準は厳しくなるようです。
金額の変更も可能
第二種奨学金のほうは、「3万円、5万円、8万円、10万円、12万円」のいずれかから選ぶことができます。
例えば、第二種奨学金で毎月3万円が振り込まれていたとします。
お金に困って消費者金融で借りてしまうくらいなら、金額を3万円から5万円に上げてもらったほうがよいでしょう。
第二種奨学金の上限金利は3.0%ですが、これはあくまで上限です。実際には0.01%~0.1%程度と上限金利よりもはるかに低くなっています。
しかも、在学中には利息は発生しません。
一人暮らしをはじめてみたら思ったよりもお金がかかったり、家庭の事情で親からの仕送りが減ってしまったりしたとします。
そのようなとき、アルバイトを増やして学業に支障をきたすよりは奨学金の増額を検討したほうがよいかもしれません。
公式ホームページには「短期間に増額や減額を繰り返すことや、一時的な理由によるものは認められません。」と書かれていますので、慎重に考えて金額を決めましょう。
奨学金と教育ローン、学生ローンの違い
奨学金と教育ローンの大きな違いは、次のようなポイントです。
奨学金 | 教育ローン | |
借主 | 学生 | 保護者(主に親) |
利息 | 在学中は発生しない | 借入の翌日から発生 |
返済の開始日 | 卒業後 | 翌月の指定日 |
融資方法 | 毎月振り込まれる | 一括で振り込まれる |
教育ローンは金利が高い?
教育ローンには大きく分けて、国の教育ローンと民間の教育ローンの2種類があります。
国の教育ローン
国の教育ローンといえば、日本政策金融公庫の「教育一般貸付」のことを指すことが多いです。
教育一般貸付の金利は固定で1.76%です。
民間の教育ローン
民間の教育ローンは銀行や信販会社などから借り入れをするものです。
銀行の教育ローンならば金利は3.0%~5.0%程度、
信販会社の教育ローンならば金利は5.0%~10.%程度となっています。
奨学金と教育ローンを組み合わせることも可能
奨学金の金利は0.01%~0.1%程度と非常に安くなっており、さらに在学中は利息が発生しません。
そのため、基本的には奨学金を利用したほうがよいでしょう。
しかし、奨学金は支給が始まるのが入学後です。入学金や授業料などの支払いには間に合いません。
そこで、入学金や授業料などは教育ローンで借り、入学後の学費や生活費は奨学金でまかなうという方法をとる人もいます。
学生ローンは消費者金融と変わらない
学生ローンは学生本人が借りるものであり、消費者金融からの借入とさほど変わりがありません。
金利は17.0%前後と消費者金融よりはわずかに低くなっている傾向ですが、奨学金はもちろん教育ローンよりもはるかに高い金利です。
学生ローンを借りるときには十分に注意をしておきましょう。
先に奨学金の利用を検討して、親などともよく相談をしてから借りるべきです。
リボ払いで返済できなくなったら債務整理を検討する
「無理な借金をしてはいけない」
という話は広く世間に出回っています。しかし、その先の
「無理な借金をして返せなくなったときにどうするか」
ということについてはそれほど広まっていません。
多くの人は「無理な借金をしてはいけない」という話を聞いて、気をつけるからです。
もしも返せないほどの借金を作ってしまったら、自分で情報収集をすることが大切になります。
債務整理は早い段階で
債務整理には、任意整理、特定調停、個人再生、自己破産の4種類があります。
このうち最も利用されることが多いのが任意整理です。
任意整理では遅延損害金と将来利息を全額カットしてもらえます。
任意整理のデメリット
任意整理をするとおよそ5年間ブラックリストにのってしまいます。
その間は金融機関からの信用を失うため、クレジットカードやローンの審査に通らなくなります。
20代の人ならそれほど影響はない?
20代のうちからマイホームを購入しようとする人は少ないです。20代前半のうちに任意整理をしてしまえば、20代後半ではブラックリストから解除されます。
その後、30代になってからマイホームを購入しようとして住宅ローンの審査に申し込みをしても、すでにブラックリストからは解除されているので、審査に影響はありません。
自動車ローンの審査にも通らなくなりますが、親に資金を援助してもらったり、自社ローンを利用して中古車を購入することで解決します。
返済が困難なほどの借金があるのになんとかしようとして問題をずるずると長引かせてしまったら、将来のマイホーム購入を諦めなければならなくなるかもしれません。
長引かせずにできるだけ早い段階で任意整理をしてしまったほうがよいはずです。インターネットから申し込める無料相談などを利用しましょう。