現在、土地活用を考えていて業者選びを行っている方のために、「三井不動産」の特徴と評判をご紹介します。
三井不動産は企業としては有名ですが、単純にネームバリューだけで業者選びを行ってはいけません。なぜなら、大手不動産会社でもそれぞれ異なる強みと弱みを抱えているからです。それぞれの業者がどのような点で優れており、どんな点を苦手にしているのかを正しく理解し、自分の目的に合った業者を選ぶのが土地活用を成功させる秘訣です。
三井不動産ってどんな会社?
まずは、三井不動産とはどのような会社なのか、簡単にご紹介します。
三井不動産株式会社は、三井住友銀行、三井物産とともに三井グループの中核をなす会社で、以下で説明しますが事業内容は様々です。戦後、不動産業界で売上1位の座を守り続けている企業でもあり、資本金は約3397億円です。
設立は1941年。現在は全国の主要都市とその周辺地域にサービスを提供しています。
三井不動産の特徴
三井不動産は、業界最大手の不動産ディベロッパーです。その特徴は土地活用に対する対応力と提案力にあります。具体的にどんな強み、弱みがあるのかご紹介しましょう。
三井不動産の強み
三井不動産では、「レッツプラザ」とよばれる専門家集団が土地活用の窓口があります。レッツプラザに土地活用の相談を行うと、相談内容に応じて三井不動産グループの中から選ばれた適切な専門家が集められ、課題解決スタッフが編成されます。
加えて、不動産売買の「リハウス」もありますので、不動産売却を考えている人も相談でき、利用目的に応じてあなたの希望を叶えられる可能性も高いです。まさに業界最大手のグループ力を活かした対応力の高さだといえるでしょう。
専門スタッフが相談の内容を聞いた後は、最適な解決方法を検討してお客様に提案します。どんな種類の土地活用を選べば良いのか、どんな建物を建てたらいいか、必要となる費用や運用、メンテナンスの計画まで、すべてをサポートしてもらうことが可能です。
このように、三井不動産の対応力・提案力はまさしく業界最高水準といっても過言ではありません。基本的に得意不得意な分野が決まっていることの多い土地活用業者の中にあって、「何でも相談できる」というのはほかにはない強みだといえるでしょう。
サポート面では、通常の管理業務代行のほか、業界では標準的な仕組みとなっている一括借上システムも採用しています。一括借上システムは入居者が少なくても一定の賃料収入が保証されていますので、賃貸事業をする場合の安定性に繋がります。
一括借り上げシステムは三井不動産ではなく、子会社である三井不動産レジデンシャルリースが請け負います(建物の規模や地域によって、三井ホームエステートが担当する場合もあります)。
三井不動産レジデンシャルリースは、三井不動産グループが建設した建物の管理も行っており、都内高級物件を始めとして多数の管理実績がある不動産仲介業者です。そのため、一括借上の委託先として安心して任せることができます。
三井不動産の弱み
業界最高水準の対応力・提案力を持つ三井不動産であっても、弱みといえる部分はいくつかあります。
三井不動産は一般在来工法を採用しており、規格化された建材を工場で生産し、現場で組み立てる工業化工法は行っていません。一般在来工法の場合、材料は市場から調達するため、市場価格の変動によってコストが変わってきます。
工業化工法と一般在来工法を比べたとき、もうひとつデメリットといえるのが「工期の長さ」です。工業化工法は、すでにできている建材を現場で組み立てるだけで済むので、一般在来工法に比べて工期が短くなります。言い換えると、一般在来工法を採用している三井不動産は、工業化工法を採用しているほかの業者と比べて工期が長くなる傾向がある、といえるわけです。
また、全国の主要都市に事業所を設けているとはいえ、事業所がある都市から距離が離れている場所になると、対応エリアから外れてしまうことがあります。仮に三井不動産の対応エリアに含まれなくても、三井不動産グループの別会社が対応してくれますが、「主要都市から離れた地域では利用できない」という点は弱みだと言わざるを得ません。
三井不動産の評判
ここからは、実際に三井不動産に土地活用を依頼した人からどういった声が挙がっているのか、ネット上の口コミをご紹介します。良い口コミばかりではなく、悪い口コミもご紹介するので、具体的なサービスの雰囲気を確かめる際の参考にしてください。
良い口コミ
管理会社の対応が素晴らしい
こちらの口コミは、建物ができた後のアフターサービスに関する話です。三井不動産はアフターサービスの品質に対する評判が良く、「アフターサービスで不満を感じたことはない」「何か問題が起きて問い合わせてもすぐに対応してくれる」といった声が見つかりました。
土地活用では、建物を建てるまでの期間よりも、その後運用する期間の方が圧倒的に長くなります。したがって、アフターサービスの重要度は大きく、その品質に定評があるという点は大いに評価できるポイントでしょう。
営業担当者の問い合わせ対応が速い
営業担当者については、良い評判と悪い評判、両方が見受けられました。まずは良い評判の方から確認していきましょう。
三井不動産の営業担当者で高く評価されている点は、問い合わせに対する対応のスピードです。契約前、あるいは契約後であっても、不明点や疑問点はできるだけ早く解決したいものですが、業者の中にはなかなか回答がもらえないところもあります。三井不動産は「問い合わせ対応が速い」と評価する声が多く、対応のスピード感に満足している利用者が大勢いるようです。
価格が高くとも多くの人の選ばれている
「弱み」の項目でご紹介したように、三井不動産は価格面では決して安いとは言えません。それにも関わらず、「あえて三井不動産を選んだ」という利用者の声が多く見つかりました。
これは、「複数の業者を比較した結果、価格が高くても三井不動産を選んだ」という意味で、価格に見合ったサービスの品質がある、と多くの人に理解されている証だといえるでしょう。
悪い口コミ
管理費が高い
悪い口コミの中でも、特に多く見つかったのが管理費に関するものです。すでにほかの業者を利用して土地活用を行った経験がある利用者からは、「他社と比較して管理費が高い」という声が多く挙がっていました。
先に述べたように、価格はサービスの品質と比較して初めて正当に評価できるものです。実際、提供されるアフターサービスの品質への不満の声は、管理費に対するネガティブな声と比較して少ないものでした。
しかし、契約する前の検討時期や、運用を始めてまだ間もない時期など、費用に注目しがちなタイミングではどうしても管理費の高さが気になってしまうかもしれません。
営業担当者の態度が悪い
「対応にスピード感がある」と好評だった三井不動産の営業担当者ですが、一方で多くの利用者から指摘されている悪い面もあります。それは、「顧客に対する態度が偉そう、上から目線な人が多い」というもの。特に、契約と同時に態度が悪くなる担当者が多い、との声が見つかりました。
この営業担当者の態度について、利用者の多くは「旧財閥系の企業で仕事をしているから、プライドが高い社員が多いのではないか」と推測しています。どの程度この推測が当たっているのかはわかりませんが、こういった声があることは覚えておいた方が良いでしょう。
メディアに不都合な情報が載りにくい
すでにご説明してきたように、三井不動産は三井グループの中核をなす会社であり、業界最大手の不動産ディベロッパーでもあります。したがって、テレビや雑誌といった主要メディアはさまざまな場所で三井不動産、あるいはその関連企業とのつながりを持っています。
そのため、「メディアは三井不動産や、三井グループとの関係に配慮してネガティブな情報を流さないようにしているのではないか?」と疑っている利用者の声がいくつか見つかりました。
実際には、メディアが三井不動産に対してそうした配慮を行っているのか、確かめるすべはありません。しかし、現在はSNSや口コミサイト、個人ブログなど、主要メディア以外の情報源も発達しています。真偽の程はともかく、複数の情報源を並行的に利用することで、三井不動産に対してより正確な情報を得ることができるはずです。
三井不動産の土地活用を利用する際の注意点
以上の情報を踏まえて、三井不動産の土地活用を利用する際の注意点をまとめました。
都市部や大きな土地の活用に向いている
三井不動産の対応エリアは、全国主要都市の周辺に限定されています。したがって、郊外などよりも都市部での土地活用を行いたいと思っている方に向いている業者だといえるでしょう。
また、その提案力の高さを活かすためには、小さな土地よりも大きな土地の方が適しています。大きい土地は小さな土地に比べてよりいろいろな活用方法を検討しやすく、利益を上げるプランを立てやすいからです。
土地活用初心者や、安心できる業者に任せたい方に
サービスの品質でいえば、三井不動産は業界随一といっても過言ではありません。土地活用について不安を多く抱えている方や、管理業務の多くを業者に任せ、自分の負担を減らしたいといった方に向いている業者だといえるでしょう。
費用をかけても品質の高い建物を建てて差別化を図る
三井不動産に依頼する際の最大のネックのなるのが価格の高さです。しかし、価格に見合ったクオリティが建物に備わり、運用で十分な収益性があれば価格面のデメリットは問題になりません。
ですから、最初から「他所には負けないオリジナリティの高い物件を建てたい」といった要望を持っている方にとっては、最適な業者だといえるのではないでしょうか。
まとめ
今回は、三井不動産の土地活用の評判と特徴をまとめてご紹介してきました。三井グループの一員として、住宅事業で確固たる地位を築いている会社であっても決して万能ではありません。ご紹介させていただいたように、むしろ向いている人と向いていない人がはっきり分かれる不動産会社だということがご理解いただけたかと思います。
自身の置かれた状況と、業者の特徴をよく照らし合わせた上で、後悔のない業者選びを進めてください。