ビットコインや株式や土地の購入にはなぜ消費税がかからないの?

通常、日本国内のどこかで何かを買うと購入代金に見合った消費税が発生します。しかし、ビットコインや株式など、一部のものについては消費税が非課税になっています。一体なぜこれらの商品は消費税が非課税になっているのかを、わかり易く解説いたします。

消費税は消費者などが支払う間接税の一種

そもそも消費税とは、間接税の一種です。中学の社会科などで教わったことを覚えていらっしゃる方も多いかと思いますが、税金には直接税と間接税があります。

直接税とは、担税者(税金を支払う人)と納税義務者(税金を国や地方自治体に納める義務がある人)が同じです。一方、間接税は両者が異なります。

例えば、所得税は担税者が所得を得た人、納税義務者も所得を得た人なので直接税の一種です。一方、消費税は担税者が消費者や企業などの消費をした人、納税義務者は消費をした人から代金を受けった事業者なので、間接税の一種です。

間接税は原則として、誰もが同じ税率を負担します。例えば現在の日本における消費税の税率は8%です。お金持ちも貧しい人も、子供も大人も、女性も男性も等しく8%を負担します。

一方、直接税では人によって税率を分けることが出来ます。例えば現在の日本における所得税の税率は0~45%です。所得が多い人ほど税率が増えます。

直接税と間接税の長短所

直接税は人によって税率を変えることが出来ます。つまり、税負担能力の高い人にはたくさん負担してもらい、低い人には少しだけ負担してもらうと言ったようなことが可能になります。これは低所得者にとっては有利な反面、高所得者にとっては不利です。低所得者の下支えになる反面、高所得者の勤労意欲を削ぐ原因になりかねません。

一方、間接税では人によって税率を変えることが出来ません。税負担能力が高い人にも、低い人に同じ負担をさせます。

そうすると低所得者の税負担率は相対的に上がります(所得1000万円の人にとっての1万円と、所得100万円の人にとっての1万円はその重みが異なります)。高所得に向けての自主的な努力を促すことになる一方で、所得格差を促す危険があります。

直接税と間接税の比率

直接税と間接税の比率を直間比率と言います。直接税の比率が高いほど高所得者に不利で、間接税の比率が高いほど低所得者に不利です。国税と地方税を合算した場合、2014年度時点での主要先進国の直間比率は以下のとおりです。

  • アメリカ:77:23
  • 日本:68:32
  • イギリス:56:44
  • フランス:55:45
  • ドイツ:53:47

日本の直接税率の高さはアメリカよりも低く、欧州諸国と比べると高くなっています。欧州諸国は低所得者層向けの福祉が手厚いイメージがあり、実際にそういった一面もあるのですが、ああした国は間接税の比率が高いのですね。

消費税の例外

さて、消費税は国内において事業者が事業として対価を得て行う取引を課税の対象にしています。コンビニでペットボトル入りのお茶を買うのも、家電量販店でパソコンの買うのも、カーディーラーで車を買うのも消費税の対象です。

また、企業間取引でも消費税は発生します。例えば自動車メーカーが部品製造工場から部品を買った場合も、消費税がかかります。ただし、企業は消費税を支払う一方で、消費税を受け取ることもあります。両者を相殺して、その差額分だけ国に消費税を納めます。

例えば1年の間に1500万円の消費税を受け取っていたけど、一方で1000万円の消費税を支払っていた場合、その企業は500万円を国に収めることになります。また、1500万円受け取って2000万円払っていた場合は、500万円を国から受け取ることが出来ます。

なお、全然年度の課税売上高が1000万円以下の企業は免税事業者となります。免税事業者は相手から受け取った消費税をそのまま自分のものに出来ます。

このようにありとあらゆる取引が対象になる消費税ですが、一方でその性格や社会政策的配慮から、例外的に非課税となる取引が定められています。例外となる取引をした場合、消費税は発生しません。原則として、消費できる性質のものの取引は消費税の課税対象となり、消費できない性質のものの取引は非課税となります。

ここからは、消費税の対象にならない取引を一部紹介していきます。

一部の不動産

不動産の購入については、消費税がかかるケースとかからないケースがあります。消費税の対象となる取引とならない取引をそれぞれ大まかにまとめると以下のようになります。

消費税がかかる取引

  • 建物の購入
  • 建物の建築、リフォーム、
  • 不動産会社への仲介依頼
  • 家賃の支払い(住宅は除く)

建物の購入やリフォームなどは、原則として消費税の課税対象となります。建物は時間とともに価値が減耗するもの=消費できる性質のものとみなされるからです。

消費税がかからない取引

  • 土地の購入
  • 火災保険料
  • 家賃の支払い
  • 敷金

土地は建物と違って使用してもその価値が減耗することはないため、消費できるものとはみなされず、従って課税の対象にはなりません。また、家賃は国民生活に直接関係しているものであるため、社会政策的配慮から特別に非課税とされています。ただし、事務所や店舗などの家賃の支払いは課税の対象となります。

売り主が個人の場合

上記の通り、不動産の購入においては「建物は課税、土地は非課税」が原則ですが、例外的に売主が個人の場合は建物部分も非課税になります。前述の通り、消費税は「国内において事業者が事業として対価を得て行う取引」が対象となります。

個人は通常事業者ではないので、消費税の対象にはならないのです。建物に限らず、個人が事業ではなく取引を行う場合は原則として非課税になります。

中古の戸建住宅や分譲マンションは個人が売主となっていることが多く(不動産会社は仲介役であり、売主でそのものはありません)、彼らから物件を買う場合は土地・建物ともに非課税となります。

ただし、その物件を売却しようとしている個人が不動産投資家であり、投資物件を売却しようとしている場合は、それが事業の一環とみなされて課税の対象になることもあります。

有価証券

有価証券とは、株式や債券、合名会社などの社員の持分など、それ自体に財産的価値があり、なおかつそれを簡単に移転させられる証券のことです。有価証券の購入や借入は原則として、非課税です。

ここで問題になってくるのが、有価証券の範囲です。一見有価証券っぽく見えるけれど実は有価証券ではないというものも存在します。有価証券に含まれるものと、含まれないものを大まかに分けると以下のようになります。

有価証券に含まれるもの

  • 株式
  • 債券(国債、地方債、社債)
  • 出資証券
  • 約束手形
  • 為替手形
  • 小切手
  • 社債利札
  • プリペイドカード
  • 商品券

有価証券に含まれないもの

  • 借用書
  • 受取証書
  • 運送上
  • 預金証書
  • 郵便切手
  • 収入印紙

支払手段

支払手段とは、紙幣、硬貨、小切手、手形などの、支払いの際に使えるものの総称です。ドル紙幣など、海外のものも含みます。これらの購入は通常、課税の対象になりません。

ただし、これらの支払手段を支払手段としてではなく、収集(コレクション)の対象として購入する場合は、課税の対象となります。

例えば海外旅行に行くのに備えて銀行でドル紙幣を買っても課税の対象になりませんが、自分のコレクションを充実させるために古銭ショップで古銭を買うと課税の対象になります。

また、ビットコインを始めとする仮想通貨は、2017年7月1日より支払手段として認められたため、これらの購入も課税の対象から外されました。これにより仮想通貨取引所の事務負担が大幅に減ることになり、仮想通貨取引業参入のハードルは下がったといえるでしょう。

まとめ

  • 消費税は間接税の一種
  • 事業者が事業として行う取引は原則として消費税の対象
  • ただし、例外的に消費税の対象にならない取引がいくつかある
  • 土地の購入、有価証券の購入、仮想通貨の購入などは対象外

消費税のルールを知って、賢く買い物をしましょう。