ビットコインは一般的に仮想通貨取引所や販売所などで購入するものですが、最近はなんとビットコインATMと呼ばれるATMでも買えるようになりました。
現状、ビットコインATMの総設置台数は全国に20箇所ほどで、その多くが東京を始めとする都市部に集中しているため、地方の人には気軽に使えるものではありませんが、将来的にはもっと増えるかもしれません。
今回はビットコインATMの使い方を解説していきますので、取引所や販売所で買うのが不安という方は試してみてください。
ビットコインATMの設置場所
現状明らかになっているビットコインATMの設置場所は以下のとおりです。
住所 | 設置店舗名と店舗の種類 | 備考 |
東京都港区六本木5−5−1 ロアビルB1F | The Pink Cow(メキシカンレストラン) | 日本初のビットコインATM設置店舗 |
東京都港区六本木3丁目15-24 | Two Dogs Taproom(ピザとお酒の店) | ビットコインでの支払い可 |
東京都港区六本木3-15-23 花椿ビル1F | Jokers Bar(バー) | |
東京都港区六本木3-15-22 陽光セントラルビル 1F | Wallstreet Café(カフェバー) | |
東京都港区六本木5-1-3 ゴトウビル B1F | World Star Café(カフェバー) | |
東京都港区麻布十番二丁目5番2号 JMNビル3階 | Fujicrypto Office(デジタル通貨関連業) | ビットコインの他、リップル(XRP)も購入可能 |
東京都中野区中野5丁目52 中野5-52-15 中野ブロードウェイ 地下1F | 現金屋(外貨両替点) | ビットコインの店頭相談窓口あり |
東京都台東区浅草橋1-5-2 111 3F | 株式会社BMEX東京オフィス(デジタル通貨関連業) | |
神奈川県横須賀本町1丁目9-16 | VapeSwitch(電子タバコ店) | |
三重県松阪市京町1区33-7 | BITMASTER(デジタル通貨関連業) | |
岡山県岡山市北区磨屋町6-23 2F&3F | Cafe and Dining PEACH(ダイニングバー) | |
HIMAWARI(結婚式二次会場・宴会場) | ||
広島市中区橋本町2-19ハイライフ橋本町1F | Petit Colon(カフェバー) | |
福岡市中央区渡辺通1丁目1番1号 サンセルコ1F | Future Exchange Japan(外貨両替店) | ビットコインの換金も可能 |
鹿児島県鹿児島市薬師1-18-13 M2ビル | BITMASTER(デジタル通貨関連業) |
ビットコインATMを使う前にウォレット(財布)を用意しよう
さて、ビットコインATMを使う前に用意するものがあります。ビットコインを入れるためのお財布です。といっても、ビットコインは紙幣や硬貨のような実体はありません。そのため、ウォレットと呼ばれる仮想通貨を保管するための電子的な財布を用意します。
ウォレットにはWeb上のスペースを使った「Webウォレット」、PC用アプリケーションソフトの「デスクトップウォレット」、スマートフォンアプリの「モバイルウォレット」、専用ハードウェアタイプの「ハードウェアウォレット」などがありますが、ビットコインATMでビットコインを購入する場合は通常モバイルウォレットを使います。
モバイルウォレットはWeb上ではなくローカルなスマートフォン上で動作するため、Webウォレットと比べると安全性が高めです。ただし、Webに接続している間はリスクを追うことになりますので、多額のビットコインの管理には向かない一面もあります。
ビットコインATMでモバイルウォレットにビットコインを入れた後は、自宅でより安全なハードウェアウォレットなどに保管することをおすすめします。
そしてモバイルウォレットにも色々あり、対応OSや機能、日本語対応などが異なります。よほど英語に自信がある方を除いては、日本語対応の物を使うことをおすすめします。ここでは代表的な日本語対応モバイルウォレットであるMyceliumとbreadwalletのダウンロード方法・使い方をお教えします。
Mycelium
対応OS:Android
MyceliumはAndroidのビットコインウォレットです。いちおうiOS版もありますが、開発チームが別で日本語未対応なのでおすすめしません。端末上にのみ秘密鍵を保管するためセキュリティ性に優れています。
ダウンロード~起動
Google Playのダウンロードページを開き、ダウンロードします。アプリを開くと、いきなり「バックアップを復元しますか?または新しいウォレットを作成しますか?」と尋ねられるので、「新規作成」を選びます。
新規作成を選ぶとウォレットが作成されます。「ウォレットを準備中…」という表示が消えるまで、しばらく待ちましょう。表示が消えたらウォレット作成完了ですが、突然スマホが故障して取り出せなくなると困るので、このままバックアップの設定を進めてしまいましょう。
バックアップの設定
右上のメニューから「バックアップ」を選択します。確認画面が表示されるので「はい」を選びます。すると、画面に12個の英単語が順番に表示されます。この12個の英単語を保管しておけば、万が一スマホが壊れて新しいのを買うことになっても、その新しいスマホで復元できます。
画面キャプチャは安全のためできない仕組みになっていますので、手間はかかりますがメモを取りましょう。この12単語が他者にバレるとビットコインが盗まれる可能性があるので、誰の目にもつかず、紛失の恐れもない場所にしっかりと保存しましょう。
次に、右上のメニューから「設定」を選びます。次に「暗証番号の設定」を選択します。これを設定するとアプリを起動した際に、送金の手続きをする際などに暗証番号を聞かれるようになるため、スマホ紛失時のリスクを下げられます。
暗証番号は6桁です。暗証番号入力ページの「Resettable PIN」にチェックを入れると、暗証番号を忘れてしまったときに暗証番号をリセットできるようになりますが、それでは設定する意味が無いため、通常はチェックを外しておきましょう。暗証番号を忘れてしまった場合はバックアップの際に記録した12の英単語から復元できます。
送金の方法
「残高」をタップすると、「送金」「受信」というボタンが表示され、更にその間にカメラのアイコンボタンが表示されます。そのカメラのアイコンボタンをタップすると、QRコード読み取りのためのカメラが起動します。
そのカメラで送金相手のQRコードを読み取ると、相手のアドレス(ビットコインを送るための口座番号みたいなものです)が表示されるので、送金する金額と採掘者への手数料を入力し、送金ボタンを選択します。手数料を高く支払うほど、取引が早く終わります。
次に暗証番号入力ページが表示されるので、先ほど決めた6桁の暗証番号を入力します。これで送金手続きは完了です。暫く待つと送金が確定します。
受取の方法
「残高」をタップすると、あなたのビットコインアドレスと、そのQRコードが表示されます。QRコードを送金側の端末で読み取らせ、送金側の端末で送金手続きを行います。ビットコインATMにも読み取り部分があるので、そこで読み取らせましょう。
breadwallet
対応OS:iOS、Android
breadwalletはiOS、Android用のビットコインウォレットです。シンプルな機能で余計なものが付いていないので、ウォレット初心者でも比較的簡単に取り扱えるのが最大の強みです。ただし、単位がBTCではなくbitsで表示されているため注意が必要です。1bitsは10-6BTCです。
ダウンロード~起動
まず、App StoreかGoogle Playにアクセスして、アプリをダウンロードします。アプリを開くと「新規ウォレット」「ウォレットを復元」という選択肢が現れるので、「新規ウォレット」を選択します。
バックアップの設定
新規ウォレット選択後、暫く待つと、ウォレット復元用フレーズの取扱に対する注意文が表示されます。ウォレット復元用フレーズは端末が故障した際、新規端末で復元するために必要になるので、必ず保管しておきましょう。
復元フレーズが盗まれると財布が盗まれるのと同じ状態になるので、取り扱いには十分気をつけてください。注意分の右下にある「表示」を選択すると、復元フレーズが表示されますので、紙に書き写して厳重に保管しておきましょう。その後、パスコード入力画面も表示されますので、4桁のパスコードを設定しましょう。
初期設定が終わると、各画面のチュートリアルが表示されます。どこをタップするとなにができるかがわかるので、キャプチャしておくといいかもしれません。
送金の方法
「送金する」を選ぶと、「QRコードをスキャン」「コピーしたアドレスへ送金」という選択肢が表示されます。「QRコードをスキャン」を選択すると、カメラが起動しますので、送金先のQRコードを読み取りましょう。「コピーしたアドレスへ送金」を選んだ場合は、ビットコインアドレスを貼り付ければOKです。
受取の方法
「受け取る」を選ぶと、を選ぶと、画面に受取用のビットコインアドレス及びQRコードが表示されています。それを相手の端末に読み取らせることによって、ビットコインを受け取れます。
ビットコインATMの使い方
モバイルウォレットが用意できたら、いよいよビットコインATMがある場所に行きましょう。ビットコインATMにも幾つか種類がありますが、その中でも最もよく使用されているのが「BTM」というタイプのATMです。BitcoinのATMなのでBTMと覚えるとわかりやすいですね。
基本的な流れは
- ビットコインATMのタッチパネルで「購入」を選択する
- 買いたい額の紙幣をビットコインATMに入れる
- 表示されたQRコードを読み取る
この3つのステップでビットコインを購入できます。普段銀行でATMを使っている人ならば、問題なく使えるはずです。
また、ビットコインATMの中には、「日本円→ビットコイン」の交換のみならず、「ビットコイン→日本円」の交換ができるものもあります(事前に置いてある店舗に確認しておくと良いでしょう)。日本円に交換する場合は
- タッチパネルで「売却」を選択する
- 表示されるQRコードを読み取る
- 売却したい分だけビットコインを送金する
- ATMから出てきた日本円を受け取る
という流れになります。
ビットコインATMの手数料
ビットコインATMの手数料はATMによって異なるのですが、購入時には5~10%、売却時には2~10%程度の手数料が取られると思っておけばだいたい間違いないでしょう。
ビットコイン取引所のそれと比べると随分高いようにも思えますが、ビットコイン取引所よりは心理的なハードルが低いため、少額のビットコインを初めて購入するときには使ってみてもいいかもしれません。頻繁に取引する場合はやはり取引所のほうが便利ですが……
ビットコインATMの今後
ビットコインATMは今後、ゆっくりとではありますが増えていくものと思われます。そもそもビットコインでの支払いを受け付ける店舗も少しずつ増えてきているからです。特に東京都内ではその傾向が顕著です(参考:ビットコインが使える店一覧!DMM.comやビックカメラ新宿店も)
ビットコインが使える店では日本円も使えるのだからビットコインの支払い需要は増えないのでは、と思われるかもしれませんが、日本円を持っていない、海外観光客にとってビットコインは非常に便利な決済手段です。
ビットコインATMは彼らの需要を満たすために、今後も設置されるでしょう。ビットコインATMが街中に普及すれば、ビットコインという物自体を認識する人も増えるようになり、ビットコインの需要はさらに増すことでしょう。
まとめ
- ビットコインATMは東京を中心に15台ほど設置されている
- ビットコインATMの利用にはモバイルウォレットが必要
- モバイルウォレットは日本語対応のものを選ぶ
- ビットコインATMの手数料は高め
ビットコインATMは初めてビットコインを買う上では意外と便利な存在です。今まで取引所への登録をなんとなく避けていたという方は、まずはビットコインATMをお試し感覚で使ってみてはいかがでしょうか。