ビットコインのハードフォークってなに?わかりやすく解説

ビットコインのハードフォークの連発で、仮想通貨界隈が騒がしくなっていますね。8月1日に1回目の大きなハードフォークが起こり、「ビットコインキャッシュ」が誕生しました。

そして、10月24日には2回目の大規模ハードフォークが起こり、今度は「ビットコインゴールド」が誕生。さらに、11月中旬にもビットコインが分裂するとの話があり、ビットコインホルダーからすると目が離せない状況になっています。

Twitterなどでは当たり前の語句のように使われている「ハードフォーク」という語句ですが、その意味は知っているでしょうか?

また、ハードフォークに近しい言葉として、「ソフトフォーク」もあります。どちらも「フォーク」という語句が入っていますが、その意味は似て非なるもの。

この記事では、ハードフォーク、ソフトフォークとはなにか?そしてその違いは?という点に焦点を当て、解説していきます。

ブロックチェーンについて

ハードフォークを理解するにあたり、ブロックチェーンの理解は必須です。なるべくわかりやすく解説しますね。

ビットコインにはブロックチェーンと呼ばれる技術が使われており、直近10分以内の取引記録を一つのブロックにまとめ、保存しています。そして、そのブロックの中には、前回のブロックのデータが一部含まれているのが大きな特徴。

これが全ブロックで起こっているため、これまでのデータはひとつながりになっているように見えるのです。

ビットコインが開発されて最初に生成されたブロックから、直近に生成されたブロックまでは一本の鎖に繋がっている、そうイメージするといくらかわかりやすいでしょうか。ブロックチェーンと呼ばれる所以はここからきています。

ハードフォークについて

ハードフォークをざっくり解説すると、「互換性のないアップデート」です。互換性がないわけですから、もはや以前のビットコインと同じように扱うことはできません。別のコインとして、これからは独自のブロックチェーンを形成していくことになります。

一言で言うなら、「分裂」です。必ずしもそうではありませんが、あるコインでハードフォークが起きるとそのコインは分裂してしまうのです。

ビットコインキャッシュが生まれた背景

ここで、ビットコインキャッシュが生まれた背景を知ることで、よりハードフォークに関する理解を深めましょう。

ビットコインには一つの大きな問題がありました。それは「スケーラビリティ」です。先述したとおり、ビットコインはおよそ10分ごとにブロックを形成し、全ての取引を記録しています。

1つのブロックの容量は1MB。以前まではこのサイズでも問題はありませんでした。しかし、ビットコインの知名度が上がり、取引量が増えるにつれて、限界が近づいてきたのです。

そこでビットコインのブロック容量を一気に拡張するべきと主張したコミュニティ(ビッグブロック派)がありました。それに対して、一気に拡張せずとも、段階を追って拡張する方法があるし、それで問題ないと保守的な集団(Core派)は主張したのです。

これに加えて、「マイナー」と呼ばれるビットコインのブロックチェーン形成に寄与している集団の関与もあり、結果的にビットコインはハードフォークし、従来のブロックチェーンから分岐した結果、新しいコインとしてビットコインキャッシュが誕生。

どの要因がハードフォークの根本的な原因になったのは不明ですが、8月1日にビットコインは分裂したのです。

ビットコインキャッシュは、最大8MBのブロックサイズを持っていますが、2017年10月現在、その取引価格は4万円前後。ビットコインは70万円近い価格になっていますから、ビットコインキャッシュは第二のビットコインという立ち位置になっています。

ソフトフォークについて

ソフトフォークを一言で説明すると、「互換性のあるアップデート」。ハードフォークの全く逆でわかりやすいですね。

互換性があるので、以前のブロックチェーンと同様、ひとつながりとなってそのまま繋いでいくことができます。

当然、分裂も発生しません。ソフトフォークでビットコインのシステムが崩壊するリスクはゼロではありませんが、ハードフォークと比べると幾分マシだといえます。

これからのビットコインのハードフォーク

ビットコインキャッシュとの分裂をしてまもないビットコインですが、さらなるハードフォークが予定されています。

10月24日に無事行われたとされるビットコインゴールドとのハードフォークですが、分裂直前まで大きな問題がありました。

それは、「リプレイアタック」への対策。通称、「リプレイプロテクション」と呼ばれる措置を行わないと、ビットコインゴールドを取引した際に、その取引に関係ないはずのビットコインも一緒に移動させられてしまう可能性があります。

ビットコインゴールドの分裂直前になっても、ソースコードにその対策を行なっている様子がなく、ビットコイナーから多くの心配の声が挙がりました。

幸い、実装が間に合ったようで、現在ビットコインゴールドの取引において不具合は報告されていません。

「segwit2x」はリプレイプロテクションを実装しない予定

11月19日に、再度のハードフォークが予定されています。このハードフォークは「segwit2x」と呼ばれており、分裂後の名称は正式には決まっていませんが、現時点では「B2X」などと呼ばれています。

正直、今までのハードフォークはビットコイナーにとっても大きな恩恵がありました。というのも、コインが分裂するたびに、ビットコインの保有枚数分、新しいコインを無料でもらえたためです。

ビットコインキャッシュが誕生したとき、分裂直後は7万円近い価値がありました。つまり、ビットコインを10枚持っていたら、勝手に資産が70万円増えたことになります。まるで錬金術のようです。

ビットコインゴールドの際にも同じことが起こり、多くのユーザーが付与を期待したためか、ビットコインの暴騰が起こりました。

それでは次回のsegwit2xでも同じことが起きるのではないか?と思われますが、そう平和にはいかないかもしれません。

なぜなら、segwit2xで誕生するB2Xにはリプレイプロテクションを実装しないため。ビットコインゴールドのように実装が間に合うかどうかではなく、もとから実装予定がないのです。

もし、この脆弱性を悪意のあるユーザーに攻撃されたら、B2Xの取引時にビットコインが紛失、盗難される可能性があります。

この状況を受けて、分裂直前にビットコインを買い集めるような楽天家は少ないはず。むしろ、ビットコインを法定通貨に交換するか、アルトコインに替えて様子見する人が多いはずです。

つまり、分裂直前にビットコイン価格の暴落が起きるのではないでしょうか。

ハードフォークを繰り替えすことはよくない

ハードフォークが起きると新しいコインが生まれ、その新しいコインにも価値がつくので、一見ビットコイン保持者にとっては美味しいイベントのように思えます。

しかし、ハードフォークによるデメリットも浮き彫りになりつつあります。segwit2x分裂のケースでいえば、B2Xにリプレイアタック対策がされていないことがそうです。

B2Xの問題だけで済めばいいのですが、その問題の性質上、本家ビットコインに影響が出るのは避けられないでしょうし、それがきっかけでビットコインの信用が下がり、価値の低下につながるかもしれません。

また、仮想通貨のシステムには「マイナー」の存在が不可欠です。マイナーとは「マイニング」、取引の承認作業を行っている人たちのことで、彼らがいないとビットコインは成り立ちません。

※マイナーやマイニングに関しての詳しい説明はここでは省略します。ビットコインの仕組みを存続させるために必要不可欠な存在だとイメージしておいてください。

コインが分裂すると、今までそのマイニングを行っていた人たちもどちらをマイニングするかを選択しなければなりません。

マイナーの数は有限ですから、分裂を繰り返せばビットコインをマイニングする人の数も徐々に減っていく可能性が高いはず。もし、マイナーの数が減りすぎて、まともにマイニングが行われなくなったら、ビットコインは崩壊してしまうかもしれません。

また、何度も分裂を繰り返すコインの不安定さに嫌気がさして、ビットコインからマイナーが離れていくシナリオも想定されます。

短期的に考えるとハードフォークは多くの人にメリットがあるイベントかもしれませんが、長期的な目線で見たとき、悪影響を与える可能性が高いのではないか、という風潮が生まれつつあり、segwit2xを支持するマイナーも日に日に減っているようです。

ハードフォークをして正解だったのか、それとも良くないことだったのかの判断には、数年かかるかもしれません。11月以降のビットコインの動向に注目しましょう。

まとめ

後半部分は少し専門的な内容も入り、理解できない部分もあったかもしれません。しかし、ハードフォークとはなんなのか、そしてハードフォークにはどんな問題が潜んでいるのかはおぼろげながらにわかってもらえたかと思います。

ビットコインの価格にも大きく影響を与えることなので、ビットコインにいくらか投資をしているなら、これからの動向はある程度チェックしておくことをおすすめします。